RWPPI、TIRAの協力のもと台湾で第5回目のラウンドロビンテストセミナーを開催
RWプロダクツプロモーションイニシアティブ(略称:RWPPI)は21日、台湾で5回目となるラウンドロビンテストセミナーを台北市で開催した。
セミナーの開催場所となった台北市内のホテルの「Spring City Resort Hotel」では、DVD-RW/-R関連製品市場とその供給における成長が著しい台湾において、RWPPIが主催するラウンドロビンテスト(以下:RRT)の最新成果報告が行われた。
セミナーはRWPPI代表・相澤宏紀氏の挨拶で幕を開けた。始めに相澤氏はセミナーに集まった大勢の来場者に向けて「皆様の協力のおかげで第5回の台湾セミナーを迎えられたことをとても嬉しく思う」と謝辞を述べた。続けて相澤氏は「DVD-RW/-Rは今日に至っては大きなマーケットを築いており、今もなお進化を続けている」とし、ブルー系のメディアが注目を浴びる光記録メディア市場においても、現実のビジネスは依然赤色記録のDVDが牽引していると強調した。またRRTの活動については「いつもお客様の立場に立ちながら最新の互換性情報をユーザーの皆様にお届けしているという自信と自負がある。今後もユーザーにとって有益な互換性情報を積極的に提供していきたい」と抱負を語った。
続いてITRI(台湾工業技術研究院)の副代表であるDr.Chih Kung Lee氏が挨拶を行った。Lee氏は「昨今DVDの特長として注目されている優れた携帯性と、何よりも高い互換性を確保できたことは、RWPPIがこれまでに行ってきたRRTの貢献よる部分が非常に大きいと感じている。今後次世代記録メディアの時代に移っていったとしても、ユーザーの立場に立って、引き続きディスクメディアの互換性を検証していく活動が重要なものとして位置づけられることだろう」とし、RRTの活動に敬意を表した。また台湾の記録メディア市場の現状についてLee氏は「今後台湾の記録メディア産業をいかにしてレベルアップしていくかが重要な課題であり、各メーカーの事業投資も大きくなりつつある。今後日本のメーカーと、RRTなどの活動を通して連携を強めていくことには大きな意義があると考えている」と語った。
次にRWPPIの活動紹介を事務局長の森下氏が行った。森下氏はRRTの活動をはじめ、DVD-RW/-R製品のジョイントプロモーションや会員メンバー間での情報交換など、これまでの活動履歴を紹介。RRTについては「2001年に業界に先駆けて記録型DVDメディアの互換性試験をスタートさせた。以後、RDVDCが主催するCWG(Compatible Working Group)との合流も実現し、業界最大規模の試験を実施している。ユーザーにとって大事な問題である互換性を確保しながら、人的なネットワークも含めたエンジニアたちの交流の場をつくれたことが大きな成果であると言える。市場にはDVDダウンロードなど、新しい規格が誕生してきた。今後も会員の皆様と一緒にRRTを中心に、積極的な活動を展開していきたい」と意気込みを語った。
続いてTIRA(台湾記録メディア工業会)の事務局を代表し、RITEK社のJohn Wu氏が登壇。これまでにRWPPIとともに行ってきた活動内容を説明した。TIRAは2004年9月に設立され、以後もRWPPIとの密接な協力関係を保ちながら今日まで発展を続けてきた。Wu氏は「RWPPIとの協力関係によりTIRAが立ち上がり、これまでに台湾においても5回のセミナー開催を実現してきた。地域を越えた積極的なコミュニケーションが図れる場が設けられたことで、記録メディアの品質を高めていくことができたと実感している。改めてRWPPIとTIRAがが結ばれた縁に感謝を表したい」と述べた。
続いてラウンドロビンテストのヘッドチェアマンである石井氏(パイオニア)が登壇し、2007年6月より2008年1月まで行われた、第7次互換性試験「Stage7」の成果概要を報告した。その主な内容は下記の通りである。
1.DVD-RW/DVD-Rディスクと対応ライターの記録物理特性に関して、ディスクメーカー18社、27モデル、及びライターメーカー7社、12モデル間で合計245項目の試験を行い、安定した記録品質が確保されている事が確認された。
2.DVD-RW/DVD-R対応ドライブ・ライターに関して、7社、68モデル間にて合計57の確認項目の論理互換性試験を実施、参加モデル間での記録・再生互換性を確認し、同時に参加メンバーの規格に関する共通理解を一層深めることができた。
3.DVD-RW/DVD-R対応レコーダー、DVDカムコーダー、及びPCオーサリングソフトに関して、8社、23モデル間での記録・再生・編集機能51項目(VRモード、CPRM *1対応DVD-RW、及びDVD-R、8cmディスク)にわたって高い互換性が確認された。
4.DVD-RW/DVD-R対応プレーヤー、ドライブ、及びPC再生ソフトウエアに関して、合計16社、135モデルにより12項目での再生互換性評価を行い、広範な環境下での再生互換が確認された。
フィジカルフォーマット、ロジカルフォーマットライター、ロジカルフォーマットレコーダー、プレイバックコンパチビリティーの、4つのワーキンググループ(WG)に分かれて実施された、「Stage7」の互換性検証試験は、記録可能なDVDに関連する世界の主要なメーカー(ハード、メディア、PCアプリケーション他)の機器・製品間において、DVD-RW DL/2倍速、DVD-R DL/8倍、及び8cmDVD-R DL/2倍速・4倍速の対象とする記録速度での記録・再生互換に関する検証が行われた。参加企業は計42社。世界中から集まった多数のメーカーの参加により、非常に高いマーケットカバー率が実現された。「全体で265製品、365項目にわたったテストの結果、各社の機器/メディア間で高い互換性が確保されていることがわかった」と石井氏は評価した。また今回の台湾セミナーではフィジカルフォーマットWGチェアマンの藤木氏(日本ビクター)、ロジカルライターWGチェアマンの篠原氏(ティアック)、ロジカルレコーダーWGチェアマンの川原氏(パイオニア)、プレイバック・コンパチビリティーWGチェアマンの篠木氏(ケンウッド)が登壇し、それぞれワーキンググループごとにラウンドロビンテストの成果を報告した。
なおラウンドロビンテスト「Stage7」の最新報告の詳しい内容については、RWPPIのホームページ(http://www.rwppi.com/index-j.html)、または先に開催されたJRT東京セミナーのレポート(関連ニュース)をご参照いただきたい。
セミナーの最後に設けられた特別講演では、BOC(Holdings)Ltd.代表取締役社長の小松氏が「赤色レーザー記録のディスクに関する将来展望」をテーマにした講演を行った。
小松氏は「HDDやフラッシュメモリーなどの記録媒体は、今後も普及を拡大していくものと思われるが、一方では広いユーザーニーズに合致し、安全・ローコストで記録できる光記録メディアのアドバンテージが薄れることはないだろう」と強調。また「DVD-RW/-Rメディアが今日、互換性において高い信頼を獲得しているのはRRTの功績によるものだろう」と述べた。
さらに今後も普及拡大が期待されるDVDをコアとしたアプリケーションとして、小松氏はDVDへのハイビジョン記録技術を搭載したハード・メディア、DVDへのコンテンツダウンロードサービス、ビデオカメラで撮影したデータのアーカイバルメディアなどを例に挙げた。また大容量記録が可能な2層DVDメディアについても「今後マーケットの拡大を支える商材として期待できる」予測した。
小松氏は最後に「パソコン市場では今後さらに薄型ノートPCが拡大し、PC用のドライブ市場が賑わうだろうと予測されている。私は現在カムコーダー用途として一般的になりつつある8cmDVDの特性を活かして、ノートPC用の超小型ポータブルDVDドライブのような商品があっても面白いのではないかと考えている」と語り、DVDというメディアが持つ豊かな可能性について指摘を加えた。
(Phile-web編集部)
1.DVD-RW/DVD-Rディスクと対応ライターの記録物理特性に関して、ディスクメーカー18社、27モデル、及びライターメーカー7社、12モデル間で合計245項目の試験を行い、安定した記録品質が確保されている事が確認された。
2.DVD-RW/DVD-R対応ドライブ・ライターに関して、7社、68モデル間にて合計57の確認項目の論理互換性試験を実施、参加モデル間での記録・再生互換性を確認し、同時に参加メンバーの規格に関する共通理解を一層深めることができた。
3.DVD-RW/DVD-R対応レコーダー、DVDカムコーダー、及びPCオーサリングソフトに関して、8社、23モデル間での記録・再生・編集機能51項目(VRモード、CPRM *1対応DVD-RW、及びDVD-R、8cmディスク)にわたって高い互換性が確認された。
4.DVD-RW/DVD-R対応プレーヤー、ドライブ、及びPC再生ソフトウエアに関して、合計16社、135モデルにより12項目での再生互換性評価を行い、広範な環境下での再生互換が確認された。
なおラウンドロビンテスト「Stage7」の最新報告の詳しい内容については、RWPPIのホームページ(http://www.rwppi.com/index-j.html)、または先に開催されたJRT東京セミナーのレポート(関連ニュース)をご参照いただきたい。
さらに今後も普及拡大が期待されるDVDをコアとしたアプリケーションとして、小松氏はDVDへのハイビジョン記録技術を搭載したハード・メディア、DVDへのコンテンツダウンロードサービス、ビデオカメラで撮影したデータのアーカイバルメディアなどを例に挙げた。また大容量記録が可能な2層DVDメディアについても「今後マーケットの拡大を支える商材として期待できる」予測した。
小松氏は最後に「パソコン市場では今後さらに薄型ノートPCが拡大し、PC用のドライブ市場が賑わうだろうと予測されている。私は現在カムコーダー用途として一般的になりつつある8cmDVDの特性を活かして、ノートPC用の超小型ポータブルDVDドライブのような商品があっても面白いのではないかと考えている」と語り、DVDというメディアが持つ豊かな可能性について指摘を加えた。
(Phile-web編集部)