【一条真人の体当たり実験室】世界初のBD-LIVEソフトを速攻で体験してみた
Blu-ray Discは、DVDビデオが単に高解像度になっただけのものではない。BD-Jによって、よりインタラクティブなビデオメニューの提供が可能になったのは以前に紹介した通りだが、さらにインターネットに接続し、コンテンツをダウンロードしたりインタラクティブ機能を提供したりする「BD-LIVE」という規格もある。
このBD-LIVEによって、今後、そのタイトルならではのビデオクリップや、壁紙のダウンロード、Ringtone(携帯電話の呼び出し音)、インタラクティブなゲーム機能、あるいはユーザー同士のデータ共有など、さまざまなサービスが提供される予定だ。このBD-LIVEを楽しむには、BD-LIVEに対応したBDビデオソフトと、Blu-ray Disc Profile2.0に対応したプレーヤー、そしてインターネットへの接続環境が必要だ。プレーヤーに関しては、ごく最近、PS3がファームアップして、このBD-LIVEに対応するようになった(関連ニュース)。
そして、世界初のBD-LIVE対応のBDビデオソフト2本が、この4月8日にアメリカで発売された。この「The 6th DAY」と「WALK HARD」をamazon.comで早速入手したので、今回はこの実際の市販BDビデオソフトに搭載されたBD-LIVEがどんなものかをレポートしたい。
●BD-LIVEモードとは
BD-LIVEは、現時点では字幕が自動的にダウンロードされるといったように、メニュー機能にシームレスに組み込まれているのではない。ビデオメニューのなかの1つのメニュー項目として扱われている。「BD-LIVE」という独立したメニューが存在し、それを選択することで、BD-LIVEモードが起動される。
この2つのタイトルの場合、BD-LIVEは「Special Features」のなかから実行できる。そして、このBD-LIVEモードを起動すると、その時点でそのタイトルのBD-LIVEメニューがネット経由でダウンロードされる。そのため、1つのタイトルにおいて、BD-LIVEメニューは固定されたものではなく、常に変化していく可能性を持っている。
●BD-LIVEメニュー画面の基本構成
今回の2作品の場合、BD-LIVEメニュー画面は基本的には3つのパートに分けられている。左がコマンドメニューで、中央がコマンドメニューで選択している情報を表示するエリア、右が最新のビデオや映画のトレーラーをダウンロードすることができるエリアだ。
これらの画面は均等に分けられているわけではなく、コマンドメニューは全体の1/7程度の幅であり、残りの部分が2つのメニューでほぼ均等に分けられている。
左のコマンドメニューには、上から「What`s New」「FAQ」「RETURN TO DISC MENU」の3つのボタンがある。「What`s New」では、最新情報を表示し、FAQでは文字通り、よくあるQ&Aを表示する。「RETURN TO DISC MENU」は当然のことながら元のディスクメニューに移動する。
デフォルトでは「What`s New」が選択されており、中央のエリアに最新情報が表示されるようになっている。このWHAT`sNewで、「The 6th DAY」では文字情報が表示されるだけだが、「WALK HARD」ではオリジナルのビデオを3本ダウンロードして見られるようになっている。
右側のエリアはさらに上下に分割され、上部2/3、下部1/3に分割され、上部がブルーレイビデオのトレーラー6本、下部が映画のトレーラー3本が表示されるようになっている。それぞれ、SDとHDの2つの解像度が用意されているので、必要に応じて選択できる。
●ビデオのダウンロードと再生
今回の2作品で用意されたBD-LIVE用のビデオは、ストリーミングではなく、ダウンロードしてから再生するタイプだ。そのため回線速度などを気にせず、HD解像度を選択することができる。初期状態では、タイトルごとのSD、HDの文字の右に下向きの矢印が表示されているが、ダウンロードが完了すると、この矢印が右向きになり、再生可能であることを表す仕組みになっている。
このダウンロードしたビデオは、BDプレーヤーのストレージに保存されることになる。PS3の場合、当然、それはハードディスクになる。BD-LIVEでダウンロードしたビデオは「BDデータ管理」フォルダの下に保存されるのだが、BD-LIVEでは複数のビデオをダウンロードしても、タイトルごとにまとめて保存管理される。そのため、削除はタイトルごとに行う必要がある。
●今後が楽しみなBD-LIVE
今回、チェックした2つのタイトルでは、WALK HARDではオリジナルビデオを見ることができるが、The 6th DAYではビデオトレーラーをダウンロードして見られるだけなので、オリジナリティが低い。しかし、BD-LIVEのコンテンツは一定ではなく、将来的に拡張される可能性があるため、The 6th DAYでもなんらかのオリジナルコンテンツが提供されるようになるかも知れない。
とはいえ、ビデオトレーラーを見ているだけでも、著作権管理が可能であれば、ビデオをダウンロードするオンラインビデオ販売やオンラインビデオレンタルなども将来的には可能になるのではないかと期待してしまう。BD-LIVEはまだ始まったばかりであり、今後は冒頭に掲げたような様々なデータのダウンロード、さらにはゲームなど、様々な機能が提供されるだろう。
また、ソフトメーカーやタイトルによってインターフェースやサービスなどは当然異なってくるだろうし、そこで競争が起き、より便利なサービスが開拓されたら、ユーザーにとっても大きなメリットとなる。ブルーレイの可能性を大きく広げるポテンシャルを持つサービスだと言える。
(一条真人)
執筆者プロフィール
デジタルAV関連、コンピュータ関連などをおもに執筆するライター。PC開発を経て、パソコン雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスワン」編集長を経てフリーランスに。All Aboutの「DVD ・HDDレコーダー」ガイドも務める。趣味はジョギング、水泳、自転車、映画鑑賞など。
このBD-LIVEによって、今後、そのタイトルならではのビデオクリップや、壁紙のダウンロード、Ringtone(携帯電話の呼び出し音)、インタラクティブなゲーム機能、あるいはユーザー同士のデータ共有など、さまざまなサービスが提供される予定だ。このBD-LIVEを楽しむには、BD-LIVEに対応したBDビデオソフトと、Blu-ray Disc Profile2.0に対応したプレーヤー、そしてインターネットへの接続環境が必要だ。プレーヤーに関しては、ごく最近、PS3がファームアップして、このBD-LIVEに対応するようになった(関連ニュース)。
そして、世界初のBD-LIVE対応のBDビデオソフト2本が、この4月8日にアメリカで発売された。この「The 6th DAY」と「WALK HARD」をamazon.comで早速入手したので、今回はこの実際の市販BDビデオソフトに搭載されたBD-LIVEがどんなものかをレポートしたい。
●BD-LIVEモードとは
BD-LIVEは、現時点では字幕が自動的にダウンロードされるといったように、メニュー機能にシームレスに組み込まれているのではない。ビデオメニューのなかの1つのメニュー項目として扱われている。「BD-LIVE」という独立したメニューが存在し、それを選択することで、BD-LIVEモードが起動される。
この2つのタイトルの場合、BD-LIVEは「Special Features」のなかから実行できる。そして、このBD-LIVEモードを起動すると、その時点でそのタイトルのBD-LIVEメニューがネット経由でダウンロードされる。そのため、1つのタイトルにおいて、BD-LIVEメニューは固定されたものではなく、常に変化していく可能性を持っている。
●BD-LIVEメニュー画面の基本構成
今回の2作品の場合、BD-LIVEメニュー画面は基本的には3つのパートに分けられている。左がコマンドメニューで、中央がコマンドメニューで選択している情報を表示するエリア、右が最新のビデオや映画のトレーラーをダウンロードすることができるエリアだ。
これらの画面は均等に分けられているわけではなく、コマンドメニューは全体の1/7程度の幅であり、残りの部分が2つのメニューでほぼ均等に分けられている。
左のコマンドメニューには、上から「What`s New」「FAQ」「RETURN TO DISC MENU」の3つのボタンがある。「What`s New」では、最新情報を表示し、FAQでは文字通り、よくあるQ&Aを表示する。「RETURN TO DISC MENU」は当然のことながら元のディスクメニューに移動する。
デフォルトでは「What`s New」が選択されており、中央のエリアに最新情報が表示されるようになっている。このWHAT`sNewで、「The 6th DAY」では文字情報が表示されるだけだが、「WALK HARD」ではオリジナルのビデオを3本ダウンロードして見られるようになっている。
右側のエリアはさらに上下に分割され、上部2/3、下部1/3に分割され、上部がブルーレイビデオのトレーラー6本、下部が映画のトレーラー3本が表示されるようになっている。それぞれ、SDとHDの2つの解像度が用意されているので、必要に応じて選択できる。
●ビデオのダウンロードと再生
今回の2作品で用意されたBD-LIVE用のビデオは、ストリーミングではなく、ダウンロードしてから再生するタイプだ。そのため回線速度などを気にせず、HD解像度を選択することができる。初期状態では、タイトルごとのSD、HDの文字の右に下向きの矢印が表示されているが、ダウンロードが完了すると、この矢印が右向きになり、再生可能であることを表す仕組みになっている。
このダウンロードしたビデオは、BDプレーヤーのストレージに保存されることになる。PS3の場合、当然、それはハードディスクになる。BD-LIVEでダウンロードしたビデオは「BDデータ管理」フォルダの下に保存されるのだが、BD-LIVEでは複数のビデオをダウンロードしても、タイトルごとにまとめて保存管理される。そのため、削除はタイトルごとに行う必要がある。
●今後が楽しみなBD-LIVE
今回、チェックした2つのタイトルでは、WALK HARDではオリジナルビデオを見ることができるが、The 6th DAYではビデオトレーラーをダウンロードして見られるだけなので、オリジナリティが低い。しかし、BD-LIVEのコンテンツは一定ではなく、将来的に拡張される可能性があるため、The 6th DAYでもなんらかのオリジナルコンテンツが提供されるようになるかも知れない。
とはいえ、ビデオトレーラーを見ているだけでも、著作権管理が可能であれば、ビデオをダウンロードするオンラインビデオ販売やオンラインビデオレンタルなども将来的には可能になるのではないかと期待してしまう。BD-LIVEはまだ始まったばかりであり、今後は冒頭に掲げたような様々なデータのダウンロード、さらにはゲームなど、様々な機能が提供されるだろう。
また、ソフトメーカーやタイトルによってインターフェースやサービスなどは当然異なってくるだろうし、そこで競争が起き、より便利なサービスが開拓されたら、ユーザーにとっても大きなメリットとなる。ブルーレイの可能性を大きく広げるポテンシャルを持つサービスだと言える。
(一条真人)
執筆者プロフィール
デジタルAV関連、コンピュータ関連などをおもに執筆するライター。PC開発を経て、パソコン雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスワン」編集長を経てフリーランスに。All Aboutの「DVD ・HDDレコーダー」ガイドも務める。趣味はジョギング、水泳、自転車、映画鑑賞など。