【営業部長の2008年】パナソニックマーケティング本部 原 昭一郎氏
北京オリンピック商戦に万全の構え
「ビエラにリンク!」で積極訴求図る
「昨今における経済減速の要因はいろいろありますが、AVについては今年開催される北京オリンピックが大きな追い風になります。オリンピックの年にAV商品が売れなかったことはありませんので、万全の体勢で臨んで参ります。4月の新製品導入に合わせて立ち上げ、ボーナスシーズンを迎える7〜8月のピークに照準を合わせて商戦を展開して参ります」と力強く意気込みを語る原氏。
パナソニックでは、8月の北京オリンピックに向けて「ビエラにリンク!」の訴求を全面に出した展開を図る。
「私どもは、薄型テレビのビエラを中心にいろいろなデジタルAV機器が連携していく『ビエラにリンク!』を提案して参ります。08年度の第1四半期は、何と言ってもオリンピックを全面に出しまして、オリンピック“三種の神器”と称してビエラとラックシアター、そしてレコーダーのディーガをデジタルAVの基本システムとして、セットで訴求するとともに、『ビエラにリンク!』のプロモーションを全国のご販売店様を通じて展開していきます。
リンクという訴求に際して、つながるアイテムが沢山あるというのは我々の強みだと思います。何か1つを購入していただくと、ほかのものも同じブランドにした方がサポートもスムーズですし、機器同士の親和性も図れ、お客様の大きな安心につながります。一種のシステムの導入という考え方で、オールパナソニックでやっていただけるような訴求をめざします」
オリンピックイベントとして初めて、撮影カメラから映像送信までフルデジタルでの対応が可能となった北京オリンピックは、躍動感あふれるスポーツコンテンツとなる。
「フルハイビジョンの放送信号をしっかり受け止めて、画も音もきちんと出すということをAVの基本にしていきます。このほど『パワーアスリート画質』のビエラ新製品を12機種投入いたしましたが、昨年度モデルとの違いは、上位モデルではフルハイビジョンでさらにコントラスト比30,000対1という高いスペックを持っていることです。画質の良さが大きなアピールポイントになって参ります。
またラックシアターも2月からフルモデルチェンジをしました。音質もよくなりましたし、テレビ番組の内容とシンクロして、最適なモードに自動で切り替えできるようになり、使い勝手がさらに高まりました」。
レコーダーでは、BD化の波がまさに押し寄せている。
「レコーダーのディーガでは、いよいよDVDからBDへの切り替わりが顕著になってきました。大容量でフルハイビジョンを録画できるようになり、しかもそれをビエラのリモコンひとつでコントロールできるという状況になって、その魅力がお客様に伝わっていると思います。BDレコーダーは現在4ラインとなっており、構成比は3割程度まで来ています。北京オリンピックのタイミングでは、更にBDシフトが進むと見ていますが、供給不足におちいることのないよう、万全の構えをとっていきます」と力強く語る。
■SDもリンクの切り口に
AVの基本システムであるテレビ、ラックシアター、レコーダーという“三種の神器”は、個々のアイテムが進化してさらなる強みを生み出しているだけでなく、これらのセット訴求は、お客様にも使い勝手の上で大きなメリットを提案でき、販売店にとっても客単価アップにつなげられる重要ポイントとなる。そして“ビエラにリンク!”では、SDカードによるリンクという切り口も見逃せないポイントだ。
「デジカメのルミックスや、ハイビジョンムービーで録ってSDカードに記録されたコンテンツは、SDカードをそのままディーガのSDスロットに入れて保存したり、ビエラで楽しむことができます。
またデジカメはおかげさまで、去年からずいぶん伸ばすことができました。コンパクトで大ヒットとなったDMC-FX33の後継のFX35、10倍ズームのDMC-TZ3の後継のTZ5を2トップとして高いシェアをとらせていただくところに来ております。昨今のモデルでは失敗しないカメラという切り口で、“おまかせiAモード”というフルオートの補正機能など、わかりやすい機能を主力モデルのほとんどに搭載しています。
デジカメでは撮るというところだけでなく、SDカードをビエラのスロットに入れますと、スライドショーとして、家族みんなで楽しむことができるということも魅力になります。SDカードを媒体として機器間のコンテンツをやりとりできるのも、“ビエラにリンク!”の切り口のひとつとなります」。
さらにムービーにおいても積極的な提案を図る。
「ムービーでもフルハイビジョン化がますます進んでおります。いろいろなデバイスを使ったハイビジョンムービーが出ていますがパナソニックはSDカードを中心に展開しています。
しかし、今、お客様がムービーを使われるのは、結婚式やお誕生、入学、卒業、旅行などの家族のメモリアルを残すことが中心となっています。マーケットそのものを拡大するためには、もっと日常的にスナップ感覚で使っていただける商品も一方では必要あり、デジカメ同様、ムービーももっと手軽に、使い勝手よくというニーズがあると思います。小型・軽量や操作性の向上にこだわると共に、使われ方そのものををいかに提案していくかが市場の拡大につながります。ムービーを日常的にもっと使いこなしていただくとともに、ハイアマチュアの方にも対応する高スペックのところも提案していきたいと考えています」
■テレビを中心に広がる新しい提案
オリンピック商戦で大きな盛り上がりが期待されるデジタルAV市場だが、テレビを中心としたこれからの新しい動きも見逃せない。
「フルハイビジョン化という切り口で、デジタルAVの盛り上がりが衰えておりません。具体的な商品が各社さんから次々にリリースされており、それがこのオリンピックとつながって、2008年に一気に進むのではないかと思います。
またこれは私どもが2年前から推進してきたものですが、ビエラについては“見るテレビから使うテレビへ”という訴求をすすめております。まずコンテンツという切り口から見ますと、ゲームやムービー、デジカメの画像などの非放送系コンテンツがありますし、アクトビラのようにネット上のコンテンツをテレビで見るという提案も活発になってきました。さらに私どもがご提案しているドアフォンや、セキュリティカメラなどをテレビに接続して画面で確認していただくこともできるようになり、安全管理という面でもお役立ていただけます。
またパソコンがデジタルチューナーを外付けで発売するという動きもあり、一気にテレビとしての機能をもってきたという一面もあります。テレビはネット上のコンテンツを見るということも含め、世の中のいろいろなものを映し出すウィンドウとなるインターフェースになってきています。
このようにテレビはどんどん進化していますが、そんな中でビエラは、テレビであってテレビのみにあらず、という存在となります。リビングでも、キッチンでも、寝室でも、あらゆる場所で欲しいコンテンツや情報を見ることができ、そして、様々なAV機器、セキュリティ機器が連携し、ビエラを中心に新しい概念で空間をまるごとご提案していきます。また、テレビも薄くなり、壁に据え付けるというということとのマッチングや、空調、照明なども含めて、五感に訴えるすべてのところでパナソニックとしてのご提案をしていきたいと思います。このように用途が多様化して、白物家電を含めた、家まるごと・空間まるごとというコンセプトでパナソニックの統一ブランドのもといろいろなご提案ができる、2008年はその元年になるのではないかと思います」。
薄型テレビ ビエラを中心に据えた家庭内のエンターテイメント空間の実現や、セキュリティ、快適環境といった側面での家一軒まるごとを対象とした提案。テレビを中心につながる要素がますます広がっていく。それを実現する大きなフックが、北京オリンピック商戦となりそうだ。大いなる期待をもって迎えたい。
(Senka21編集部)
「ビエラにリンク!」で積極訴求図る
「昨今における経済減速の要因はいろいろありますが、AVについては今年開催される北京オリンピックが大きな追い風になります。オリンピックの年にAV商品が売れなかったことはありませんので、万全の体勢で臨んで参ります。4月の新製品導入に合わせて立ち上げ、ボーナスシーズンを迎える7〜8月のピークに照準を合わせて商戦を展開して参ります」と力強く意気込みを語る原氏。
パナソニックでは、8月の北京オリンピックに向けて「ビエラにリンク!」の訴求を全面に出した展開を図る。
「私どもは、薄型テレビのビエラを中心にいろいろなデジタルAV機器が連携していく『ビエラにリンク!』を提案して参ります。08年度の第1四半期は、何と言ってもオリンピックを全面に出しまして、オリンピック“三種の神器”と称してビエラとラックシアター、そしてレコーダーのディーガをデジタルAVの基本システムとして、セットで訴求するとともに、『ビエラにリンク!』のプロモーションを全国のご販売店様を通じて展開していきます。
リンクという訴求に際して、つながるアイテムが沢山あるというのは我々の強みだと思います。何か1つを購入していただくと、ほかのものも同じブランドにした方がサポートもスムーズですし、機器同士の親和性も図れ、お客様の大きな安心につながります。一種のシステムの導入という考え方で、オールパナソニックでやっていただけるような訴求をめざします」
オリンピックイベントとして初めて、撮影カメラから映像送信までフルデジタルでの対応が可能となった北京オリンピックは、躍動感あふれるスポーツコンテンツとなる。
「フルハイビジョンの放送信号をしっかり受け止めて、画も音もきちんと出すということをAVの基本にしていきます。このほど『パワーアスリート画質』のビエラ新製品を12機種投入いたしましたが、昨年度モデルとの違いは、上位モデルではフルハイビジョンでさらにコントラスト比30,000対1という高いスペックを持っていることです。画質の良さが大きなアピールポイントになって参ります。
またラックシアターも2月からフルモデルチェンジをしました。音質もよくなりましたし、テレビ番組の内容とシンクロして、最適なモードに自動で切り替えできるようになり、使い勝手がさらに高まりました」。
レコーダーでは、BD化の波がまさに押し寄せている。
「レコーダーのディーガでは、いよいよDVDからBDへの切り替わりが顕著になってきました。大容量でフルハイビジョンを録画できるようになり、しかもそれをビエラのリモコンひとつでコントロールできるという状況になって、その魅力がお客様に伝わっていると思います。BDレコーダーは現在4ラインとなっており、構成比は3割程度まで来ています。北京オリンピックのタイミングでは、更にBDシフトが進むと見ていますが、供給不足におちいることのないよう、万全の構えをとっていきます」と力強く語る。
■SDもリンクの切り口に
AVの基本システムであるテレビ、ラックシアター、レコーダーという“三種の神器”は、個々のアイテムが進化してさらなる強みを生み出しているだけでなく、これらのセット訴求は、お客様にも使い勝手の上で大きなメリットを提案でき、販売店にとっても客単価アップにつなげられる重要ポイントとなる。そして“ビエラにリンク!”では、SDカードによるリンクという切り口も見逃せないポイントだ。
「デジカメのルミックスや、ハイビジョンムービーで録ってSDカードに記録されたコンテンツは、SDカードをそのままディーガのSDスロットに入れて保存したり、ビエラで楽しむことができます。
またデジカメはおかげさまで、去年からずいぶん伸ばすことができました。コンパクトで大ヒットとなったDMC-FX33の後継のFX35、10倍ズームのDMC-TZ3の後継のTZ5を2トップとして高いシェアをとらせていただくところに来ております。昨今のモデルでは失敗しないカメラという切り口で、“おまかせiAモード”というフルオートの補正機能など、わかりやすい機能を主力モデルのほとんどに搭載しています。
デジカメでは撮るというところだけでなく、SDカードをビエラのスロットに入れますと、スライドショーとして、家族みんなで楽しむことができるということも魅力になります。SDカードを媒体として機器間のコンテンツをやりとりできるのも、“ビエラにリンク!”の切り口のひとつとなります」。
さらにムービーにおいても積極的な提案を図る。
「ムービーでもフルハイビジョン化がますます進んでおります。いろいろなデバイスを使ったハイビジョンムービーが出ていますがパナソニックはSDカードを中心に展開しています。
しかし、今、お客様がムービーを使われるのは、結婚式やお誕生、入学、卒業、旅行などの家族のメモリアルを残すことが中心となっています。マーケットそのものを拡大するためには、もっと日常的にスナップ感覚で使っていただける商品も一方では必要あり、デジカメ同様、ムービーももっと手軽に、使い勝手よくというニーズがあると思います。小型・軽量や操作性の向上にこだわると共に、使われ方そのものををいかに提案していくかが市場の拡大につながります。ムービーを日常的にもっと使いこなしていただくとともに、ハイアマチュアの方にも対応する高スペックのところも提案していきたいと考えています」
■テレビを中心に広がる新しい提案
オリンピック商戦で大きな盛り上がりが期待されるデジタルAV市場だが、テレビを中心としたこれからの新しい動きも見逃せない。
「フルハイビジョン化という切り口で、デジタルAVの盛り上がりが衰えておりません。具体的な商品が各社さんから次々にリリースされており、それがこのオリンピックとつながって、2008年に一気に進むのではないかと思います。
またこれは私どもが2年前から推進してきたものですが、ビエラについては“見るテレビから使うテレビへ”という訴求をすすめております。まずコンテンツという切り口から見ますと、ゲームやムービー、デジカメの画像などの非放送系コンテンツがありますし、アクトビラのようにネット上のコンテンツをテレビで見るという提案も活発になってきました。さらに私どもがご提案しているドアフォンや、セキュリティカメラなどをテレビに接続して画面で確認していただくこともできるようになり、安全管理という面でもお役立ていただけます。
またパソコンがデジタルチューナーを外付けで発売するという動きもあり、一気にテレビとしての機能をもってきたという一面もあります。テレビはネット上のコンテンツを見るということも含め、世の中のいろいろなものを映し出すウィンドウとなるインターフェースになってきています。
このようにテレビはどんどん進化していますが、そんな中でビエラは、テレビであってテレビのみにあらず、という存在となります。リビングでも、キッチンでも、寝室でも、あらゆる場所で欲しいコンテンツや情報を見ることができ、そして、様々なAV機器、セキュリティ機器が連携し、ビエラを中心に新しい概念で空間をまるごとご提案していきます。また、テレビも薄くなり、壁に据え付けるというということとのマッチングや、空調、照明なども含めて、五感に訴えるすべてのところでパナソニックとしてのご提案をしていきたいと思います。このように用途が多様化して、白物家電を含めた、家まるごと・空間まるごとというコンセプトでパナソニックの統一ブランドのもといろいろなご提案ができる、2008年はその元年になるのではないかと思います」。
薄型テレビ ビエラを中心に据えた家庭内のエンターテイメント空間の実現や、セキュリティ、快適環境といった側面での家一軒まるごとを対象とした提案。テレビを中心につながる要素がますます広がっていく。それを実現する大きなフックが、北京オリンピック商戦となりそうだ。大いなる期待をもって迎えたい。
(Senka21編集部)