ソニー、2008年1Q連結業績説明会を開催 − PS3/PSP/BRAVIAが好調
ソニー(株)は本日都内にて2008年度第1四半期の連結業績説明会を開催。同社執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏とコーポレート・エグゼクティブ SVPの原 直史氏が出席した。
今期の売上高および営業収入は1兆9,790億円(前年同期比+0.1%)、営業利益は734億円(同-39.5%)で、営業利益率は3.7%。純利益は350億円(同-47.4%)となった。
また、これを受け2008年度の連結業績見通しを以下のように変更した。
■売上高および営業収入:9兆2,000億円(5月時点の見通し9兆円)
■営業利益:4,700億円(同5,200億円)
■純利益:2,400億円(同2,900億円)
全体としては5月以降より米ドル/ユーロの円安が進んだことと、ゲーム分野の業績が好調なことを受け、上方修正。しかしソニー・エリクソンの業績が5月時点の予想より大幅に下回ったことから、持分法による投資利益が減少し、営業利益を下方修正した。
■エレクトロニクス分野 − “BRAVIA”が世界的に売り上げ増
エレクトロニクス分野は売上高が前年同期比+0.7%、営業利益は-57.2%となり、それぞれ1兆4,391億円、444億円となった。営業利益率は約3.1%。営業利益の大幅な減少の理由を、大根田氏は「ソニー・エリクソンに関する持分法適用による投資利益の減少に加え、為替の悪影響と価格競争の激化による原価率の悪化」と説明。しかし「昨年比では減益だが、今年5月時点の想定よりも結果的には良くなっている」(原氏)という。
好調だったのは全地域で販売台数が増加した液晶テレビ“BRAVIA”で、この売り上げ増加が増益へとつながった。1Qのテレビ部門の損益について大根田氏は「想定通り」とし、「いまだ赤字ではあるものの大幅に収益が改善したのは良い傾向。テレビ市場の価格競争もやや落ち着きを見せてきたし、ソニーの液晶テレビ自体に競争力がついてきている。2Q以降は販売台数・売り上げ・利益ともに増加し黒字化すると見ている」と語った。
一方、これまで好調だったコンパクトデジカメやビデオカメラ、PCなどは減益となった。大根田氏は「価格競争の激化による単価下落・原価率の悪化に加え、商品力の弱さが要因となった。特にコンパクトデジカメは、マーケット自体は伸びており台数も出るが価格競争が厳しい」と分析した。
また、BD機器を成長カテゴリーと位置付け、2008年度BDレコーダーは60万台、BDプレーヤーは250万台の売り上げ台数を見込んでいる。
有機ELテレビについて質問されると、大根田氏は「今年末から来年にかけ、20V型以上の有機ELテレビ量産化に向け準備を進めているところ」と発言。しかし量産化のロードマップについては「具体的にお話しできることは現時点では無い」とした。
■ゲーム分野 − PS3/PSPがハード・ソフトともに好調
ゲーム部門は「PLAYSTATION3」「PSP」のハード/ソフト両方の好調により、売上高は前年同期比+16.8%となる2,296億円、営業利益も292億円の減益から、54億円のプラスへ転じるなど大きな伸びを見せた。営業利益率は約2.4%となる。特にPSPはカラーバリエーションモデルの発売やネットワークサービスの開始により、多くのユーザーの支持を集めたことが売り上げの増加につながった。PS2は前年同期と比べ減収へと転じたものの、欧米やアジアを中心に底堅い売り上げを保っているという。
また、PS3ビジネスの損益が改善傾向にあることも、今回の好調につながった。「PS3は逆ざや減少がまだ続いており、この解消は2009年まで待たざるを得ないだろう。しかし、搭載するチップのうちRSXについては、東芝との合弁会社で製造したものを今秋を目処に搭載していく予定。これにより2009年にはハードはもちろん、ソフトと合わせPS3ビジネス全体の黒字化を見込めると考えている」(大根田氏)
2008年度1Qの売り上げ台数は、PS3が156万台(前年同期比+123%)、PSPが372万台(+75%)、PS2が151万台(-43%)。ソフトはPS3が2,280万本(+385%)、PSPが1,180万本(+20%)、PS2が1,930万本(-38%)の売り上げを記録した。
大根田氏は「PLAYSTATION Network」の登録アカウントがワールドワイドで1000万を超えたことを挙げ、「PLAYSTATION Store」で開始した映像配信サービスなどをはじめ今後はネットワークサービスの拡充を図っていく考えを語った。
(Phile-web編集部)
今期の売上高および営業収入は1兆9,790億円(前年同期比+0.1%)、営業利益は734億円(同-39.5%)で、営業利益率は3.7%。純利益は350億円(同-47.4%)となった。
また、これを受け2008年度の連結業績見通しを以下のように変更した。
■売上高および営業収入:9兆2,000億円(5月時点の見通し9兆円)
■営業利益:4,700億円(同5,200億円)
■純利益:2,400億円(同2,900億円)
全体としては5月以降より米ドル/ユーロの円安が進んだことと、ゲーム分野の業績が好調なことを受け、上方修正。しかしソニー・エリクソンの業績が5月時点の予想より大幅に下回ったことから、持分法による投資利益が減少し、営業利益を下方修正した。
■エレクトロニクス分野 − “BRAVIA”が世界的に売り上げ増
エレクトロニクス分野は売上高が前年同期比+0.7%、営業利益は-57.2%となり、それぞれ1兆4,391億円、444億円となった。営業利益率は約3.1%。営業利益の大幅な減少の理由を、大根田氏は「ソニー・エリクソンに関する持分法適用による投資利益の減少に加え、為替の悪影響と価格競争の激化による原価率の悪化」と説明。しかし「昨年比では減益だが、今年5月時点の想定よりも結果的には良くなっている」(原氏)という。
好調だったのは全地域で販売台数が増加した液晶テレビ“BRAVIA”で、この売り上げ増加が増益へとつながった。1Qのテレビ部門の損益について大根田氏は「想定通り」とし、「いまだ赤字ではあるものの大幅に収益が改善したのは良い傾向。テレビ市場の価格競争もやや落ち着きを見せてきたし、ソニーの液晶テレビ自体に競争力がついてきている。2Q以降は販売台数・売り上げ・利益ともに増加し黒字化すると見ている」と語った。
一方、これまで好調だったコンパクトデジカメやビデオカメラ、PCなどは減益となった。大根田氏は「価格競争の激化による単価下落・原価率の悪化に加え、商品力の弱さが要因となった。特にコンパクトデジカメは、マーケット自体は伸びており台数も出るが価格競争が厳しい」と分析した。
また、BD機器を成長カテゴリーと位置付け、2008年度BDレコーダーは60万台、BDプレーヤーは250万台の売り上げ台数を見込んでいる。
有機ELテレビについて質問されると、大根田氏は「今年末から来年にかけ、20V型以上の有機ELテレビ量産化に向け準備を進めているところ」と発言。しかし量産化のロードマップについては「具体的にお話しできることは現時点では無い」とした。
■ゲーム分野 − PS3/PSPがハード・ソフトともに好調
ゲーム部門は「PLAYSTATION3」「PSP」のハード/ソフト両方の好調により、売上高は前年同期比+16.8%となる2,296億円、営業利益も292億円の減益から、54億円のプラスへ転じるなど大きな伸びを見せた。営業利益率は約2.4%となる。特にPSPはカラーバリエーションモデルの発売やネットワークサービスの開始により、多くのユーザーの支持を集めたことが売り上げの増加につながった。PS2は前年同期と比べ減収へと転じたものの、欧米やアジアを中心に底堅い売り上げを保っているという。
また、PS3ビジネスの損益が改善傾向にあることも、今回の好調につながった。「PS3は逆ざや減少がまだ続いており、この解消は2009年まで待たざるを得ないだろう。しかし、搭載するチップのうちRSXについては、東芝との合弁会社で製造したものを今秋を目処に搭載していく予定。これにより2009年にはハードはもちろん、ソフトと合わせPS3ビジネス全体の黒字化を見込めると考えている」(大根田氏)
2008年度1Qの売り上げ台数は、PS3が156万台(前年同期比+123%)、PSPが372万台(+75%)、PS2が151万台(-43%)。ソフトはPS3が2,280万本(+385%)、PSPが1,180万本(+20%)、PS2が1,930万本(-38%)の売り上げを記録した。
大根田氏は「PLAYSTATION Network」の登録アカウントがワールドワイドで1000万を超えたことを挙げ、「PLAYSTATION Store」で開始した映像配信サービスなどをはじめ今後はネットワークサービスの拡充を図っていく考えを語った。
(Phile-web編集部)