BDレコーダー2008年モデル速攻比較! パナソニック「DMR-BW930」 VS ソニー「BDZ-X100」
本日9月3日、ソニーは2008年のBDレコーダー最新モデルBDZ-X100/95、BDZ-L55/95、BDZ-T55/75の3シリーズを発表した。
2008年秋冬商戦に向けたBDレコーダー新モデルの発表は、8月25日にひと足早く製品を発売し、販売まで開始したパナソニックのDMR-BW900/830/730、10月1日発売のDMR-BR630Vに次いで2メーカー目となる。BDレコーダー市場では現在主に4社の製品が出回っているなかでも、古参にあたるパナソニックとソニーは常に技術、操作性の両面から最先端をひた走り、市場を牽引してきた。
今回は発表されたばかりのパナソニックとソニーのフラグシップモデル、DMR-BW930とBDZ-X100の仕様を対決させてみよう。
●スペックはパナソニック、ソニーの両モデルで個性が分かれる
BDレコーダーとしての基本スペックでは、両機種とも最上機種というだけあり、録画チューナーや内蔵HDDなどは現状最高のダブル録画&1TBと一線に並んだ。搭載するBDドライブは、パナソニックがBD-R 6倍速/BD-RE 2倍速、ソニーがBD-R 4倍速/BD-RE 2倍速となる。また、2007年モデルからの変更点として、BD-ROM作品のP in Pにも揃って対応を果たした。
昨年の登場以来、BDレコーダーの必須スペックとなったMPEG4 AVC録画も、今年はソニーのBDZ-X100もフルHD、High Profile対応となりスペック上は横並びとなった。パナニックのDMR-BW930も“アドバンスドAVCエンコーダー”へと進化しクオリティを向上させている。最終的な画質は再度同一環境で検証してみないと分からないが、DMR-BW930は新たに追加したHLモードでの最大録画時間という点で有利。さらにDVDへAVCで保存する“AVC Rec”も使えるため、汎用性という点では一歩リードする。
映像・音声の端子も、両機種ともDeepColor、HDオーディオのビットストリーム出力など最新BDレコーダーとしての機能を全網羅した。さらにBDZ-X100はHDMI端子出力を2系統持ち、大画面テレビとプロジェクターの2ウェイシアターの親和性を高めたことはAVファンとして注目のポイントだ。
【DMR-BW930とBDZ-X100の比較表】
※クリックで詳細を表示
●録画機能はソニー優位。パナソニックは“アクトビラ”対応が目玉
レコーダーとしての機能はスペック的には分かりにくい部分だが、DMR-BW930、BDZ-X100の機能を旧機種の経験を踏まえて比較すると、大まかな傾向が掴めてくる。
ソニーのBDZシリーズは2007年モデルの時点で、“x-おまかせ・まる録”の自動録画や、非常に扱いやすかった“気になる検索”、そして再生には“ダイジェスト再生”、編集にも“おまかせチャプター”と操作性に優れた“チャプター編集”など、文句なしの多機能を実現していた。
これに対してDMR-BW930は、初心者を強く意識したDIGAシリーズの伝統ある分かりやすいデザインとなっている。一方で機能面では“フリーワード検索”対応など進化も見られる。また、CMを自動検出する”Wオートチャプター”を新規に搭載したことでCMカットの手間は大幅に省けるようになった。
録画ファンの筆者としては、この自動チャプターの有無は購入に際しての決定的な要素と考えていただけに、DMR-BW930を入門者向きと割り切らずに薦められるようになったことを歓迎したい。
●機器連携はパナソニックもAVCHDのUSB取り込み対応。ソニーは“おでかけ”で有利
外部機器との連携は、ハイビジョンビデオカメラへの対応に注目だ。昨年はUSB(AVCHD)/HDV対応のソニーに対してDMR-BW930はSDカード(AVC)のみ対応だったが、今年はDMR-BW930もUSB(AVCHD)対応を果たした。
このほかパナソニックのDMR-BW930は、i.Link端子によるD-VHSなどの取り込みに対応。それ以外でも、新機能の“デジカメ写真ネット共有”の搭載や、DLNAホームサーバー機能へも新たに対応と注目点も多い。
一方のBDZ-X100も、録画番組をPSPやウォークマンなどに持ち出す“おでかけ・おかえり転送”を搭載。これは他社にはない独自の取り組みで、利用シーンに合わせた活用が出来るはずだ。
最後に、DMR-BW930が実現した映像配信サービス“アクトビラ”への対応はビッグニュースだ。“アクトビラ ビデオ視聴 ダウンロード”という名前の通り、2008年12月以降にスタートするダウンロード型のサービスにも対応予定と、末永く活躍してくれるだろう。
●スペックに現れないクオリティにも引き続き注目
2008年秋のBDレコーダー対決として、パナソニック、ソニーのフラグシップ機を比較してみたが、いかがだっただろうか。両機種とも昨年モデルの課題を解消し、押さえるべきポイントをしっかりと押さえた内容となった。
筆者の感想としては、パナソニックのDMR-BW930はi.Link端子の搭載や“アクトビラ”対応に、ソニーのBDZ-X100はレコーダーとしての高機能さと“おでかけ・おかえり転送”を始めとする活用幅の広さにそれぞれ魅力を感じた。
なお、2008年秋のBDレコーダー両モデルは、今回紹介したスペックとして比較できる部分以外にも、高画質化処理でそれぞれ独自の工夫を始めている。特にクオリティ重視でBDレコーダーを選びたいユーザーは、引き続き本サイトによる記事をチェックしてほしい。
(折原一也)
■執筆者プロフィール
折原一也 Kazuya Orihara
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。
2008年秋冬商戦に向けたBDレコーダー新モデルの発表は、8月25日にひと足早く製品を発売し、販売まで開始したパナソニックのDMR-BW900/830/730、10月1日発売のDMR-BR630Vに次いで2メーカー目となる。BDレコーダー市場では現在主に4社の製品が出回っているなかでも、古参にあたるパナソニックとソニーは常に技術、操作性の両面から最先端をひた走り、市場を牽引してきた。
今回は発表されたばかりのパナソニックとソニーのフラグシップモデル、DMR-BW930とBDZ-X100の仕様を対決させてみよう。
●スペックはパナソニック、ソニーの両モデルで個性が分かれる
BDレコーダーとしての基本スペックでは、両機種とも最上機種というだけあり、録画チューナーや内蔵HDDなどは現状最高のダブル録画&1TBと一線に並んだ。搭載するBDドライブは、パナソニックがBD-R 6倍速/BD-RE 2倍速、ソニーがBD-R 4倍速/BD-RE 2倍速となる。また、2007年モデルからの変更点として、BD-ROM作品のP in Pにも揃って対応を果たした。
昨年の登場以来、BDレコーダーの必須スペックとなったMPEG4 AVC録画も、今年はソニーのBDZ-X100もフルHD、High Profile対応となりスペック上は横並びとなった。パナニックのDMR-BW930も“アドバンスドAVCエンコーダー”へと進化しクオリティを向上させている。最終的な画質は再度同一環境で検証してみないと分からないが、DMR-BW930は新たに追加したHLモードでの最大録画時間という点で有利。さらにDVDへAVCで保存する“AVC Rec”も使えるため、汎用性という点では一歩リードする。
映像・音声の端子も、両機種ともDeepColor、HDオーディオのビットストリーム出力など最新BDレコーダーとしての機能を全網羅した。さらにBDZ-X100はHDMI端子出力を2系統持ち、大画面テレビとプロジェクターの2ウェイシアターの親和性を高めたことはAVファンとして注目のポイントだ。
【DMR-BW930とBDZ-X100の比較表】
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●録画機能はソニー優位。パナソニックは“アクトビラ”対応が目玉
レコーダーとしての機能はスペック的には分かりにくい部分だが、DMR-BW930、BDZ-X100の機能を旧機種の経験を踏まえて比較すると、大まかな傾向が掴めてくる。
ソニーのBDZシリーズは2007年モデルの時点で、“x-おまかせ・まる録”の自動録画や、非常に扱いやすかった“気になる検索”、そして再生には“ダイジェスト再生”、編集にも“おまかせチャプター”と操作性に優れた“チャプター編集”など、文句なしの多機能を実現していた。
これに対してDMR-BW930は、初心者を強く意識したDIGAシリーズの伝統ある分かりやすいデザインとなっている。一方で機能面では“フリーワード検索”対応など進化も見られる。また、CMを自動検出する”Wオートチャプター”を新規に搭載したことでCMカットの手間は大幅に省けるようになった。
録画ファンの筆者としては、この自動チャプターの有無は購入に際しての決定的な要素と考えていただけに、DMR-BW930を入門者向きと割り切らずに薦められるようになったことを歓迎したい。
●機器連携はパナソニックもAVCHDのUSB取り込み対応。ソニーは“おでかけ”で有利
外部機器との連携は、ハイビジョンビデオカメラへの対応に注目だ。昨年はUSB(AVCHD)/HDV対応のソニーに対してDMR-BW930はSDカード(AVC)のみ対応だったが、今年はDMR-BW930もUSB(AVCHD)対応を果たした。
このほかパナソニックのDMR-BW930は、i.Link端子によるD-VHSなどの取り込みに対応。それ以外でも、新機能の“デジカメ写真ネット共有”の搭載や、DLNAホームサーバー機能へも新たに対応と注目点も多い。
一方のBDZ-X100も、録画番組をPSPやウォークマンなどに持ち出す“おでかけ・おかえり転送”を搭載。これは他社にはない独自の取り組みで、利用シーンに合わせた活用が出来るはずだ。
最後に、DMR-BW930が実現した映像配信サービス“アクトビラ”への対応はビッグニュースだ。“アクトビラ ビデオ視聴 ダウンロード”という名前の通り、2008年12月以降にスタートするダウンロード型のサービスにも対応予定と、末永く活躍してくれるだろう。
●スペックに現れないクオリティにも引き続き注目
2008年秋のBDレコーダー対決として、パナソニック、ソニーのフラグシップ機を比較してみたが、いかがだっただろうか。両機種とも昨年モデルの課題を解消し、押さえるべきポイントをしっかりと押さえた内容となった。
筆者の感想としては、パナソニックのDMR-BW930はi.Link端子の搭載や“アクトビラ”対応に、ソニーのBDZ-X100はレコーダーとしての高機能さと“おでかけ・おかえり転送”を始めとする活用幅の広さにそれぞれ魅力を感じた。
なお、2008年秋のBDレコーダー両モデルは、今回紹介したスペックとして比較できる部分以外にも、高画質化処理でそれぞれ独自の工夫を始めている。特にクオリティ重視でBDレコーダーを選びたいユーザーは、引き続き本サイトによる記事をチェックしてほしい。
(折原一也)
■執筆者プロフィール
折原一也 Kazuya Orihara
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。