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ノートPCやPS3にもマッチするポータブルHDD − イメーション“Apollo(TM)”シリーズを折原一也氏がレビュー

公開日 2008/10/17 15:31
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PCデータの持ち歩きやバックアップメディアとして活躍するポータブルHDD市場に、このたびイメーションから新製品“ApolloTMシリーズ”が投入される。

イメーションと聞けば、海外市場を中心にデータストレージのプロフェッショナルブランドとしてその名を知る方も多くいるかもしれないが、07年にはTDK Life on Recordブランドの使用ライセンス権を取得。また、HPブランド光ディスク製品の販売権も取得するなど、マルチブランドによるブランド&プロダクトマネージメントを展開している。そのストレージ事業における展開は実に多岐にわたるが、今回は新たに発売されるポータブルHDD新製品の魅力と、今後の商品戦略について、イメーションの担当者の方へ取材を試みた。

イメーションは米国にて1947年、世界初の放送用磁気テープを開発し、以後続けざまに世界初のコンピュータテープを発売し、BtoBデータストレージのトップメーカーとして名を馳せてきた。近年ではデータストレージの多様化に合わせて、磁気テープを軸足としながら、BD/DVDなどの光記録メディア、USBタイプのフラッシュメモリーなどをコンシューマー向けにも展開する。HDD製品については、従来からデータセンター向けカートリッジ型HDDを作ってきたノウハウや、HDDベンダーとの繋がりを活かして、コンシューマ向けモデルも展開している。

■スリム&コンパクトでスタイリッシュなポータブルHDD“ApolloTM


“Apollo(TM)”シリーズ「PHDD-160/250/320」
今回取り上げるイメーションの新製品“ApolloTMシリーズ”は、同社にとって国内第2弾目のモデルとなるポータブルHDDだ。ラインナップはHDDの容量別に「PHDD-160(160GB)」「PHDD-250(250GB)」「PHDD-320(320GB)」の3モデルが揃う。今回の製品は「米国での開発リソースをベースに、日本地域でのリサーチの結果を採り入れながら開発した製品です」と語るのは、本シリーズのマーケティングに携わったイメーション(株)コンシューマ商品 マーケティング本部 プロダクトマネジメント部 ペリフェラルグループ マネージャーの三田健語氏だ。


イメーション(株)三田健語氏
「目指したコンセプトは“スリム&コンパクト”です。今発売されているポータブルHDD製品の中では、最も筐体がスリムな製品でもあります」と三田氏が自信を持って語る製品の本体は、最大320GBの2.5インチHDDを内蔵したボディで、17.2mmと驚きの薄さを実現している。ヘアライン仕上げを施したブラックの筐体はとてもスタイリッシュで贅沢な仕上がりだ。


1本のケーブルからデータ用と電源用に2つの端子が分岐するスマートなUSBケーブルを採用する

スタイリッシュなデザインとコンパクトなサイズが特徴
USBケーブルにもひと工夫が盛り込まれている。2.5インチHDDの省電力性能を活かして、本体はUSBバスパワーによる電源供給に対応する。ポータブルHDDの場合、一部ノートPCなどUSBバスパワーで電力不足となる場合は、データ読み取り用のケーブルの他に、電源供給用のUSBケーブルをもう1本付属するケースが一般的だが、“ApolloTM”シリーズ同梱のケーブルは、1本のケーブルからPC側二股に分岐し、見た目にもスッキリとした接続が可能なデザインが優れものだ。

ポータブルHDDの使用目的は大容量データの受け渡しやPCデータのバックアップなど幅広いが、“ApolloTM”では特にPCデータのバックアップに使うユーザーを意識しているという。確かに本機であれば、「バックアップ用途にHDDが必要だが、PCまわりはスッキリ見せたい」というユーザーニーズにマッチするだろう。特に日本はノートPCのユーザーが多いこともあり、本体と並べてもスタイリッシュなポータブルHDDにもっと選択肢があっても良いのではと、筆者も日頃から感じていた。なお、本体にはWin/Mac両対応を実現したデータバックアップソフト「Total Media Backup」が付属し、スケジューリングによるバックアップ管理も可能になっている。


イメーション(株)小澤貴志氏
イメーション(株)コンシューマ商品 マーケティング本部 プロダクトマネジメント部 ペリフェラルグループ リーダー ペリフェラル商品技術担当の小澤貴志氏によれば、今後同ブランドでは、USB接続タイプの“ApolloTM”シリーズを皮切りに、本機の次世代モデルとして、縦置き設置にも対応する“ApolloTM Expert”シリーズをはじめ、来年にはワイヤレスUSB接続に対応する“ApolloTM WX”シリーズの発売も計画しているという。ユーザーの幅広い利用スタイルに対応するポータブルHDD製品として、今後の同シリーズの動向にも注目したい。

“Apollo(TM)Expert”シリーズ

“Apollo(TM) WX”シリーズ


■実践!“ApolloTM”シリーズの上手な使いこなしを検証してみた

●ミニノートPCでもあっさり接続が完了!

今回はイメーションのポータブルHDD新製品“ApolloTM”シリーズを、実際に使ってみた際のハンドリングレビューもご紹介しよう。まず本体を手にして驚くことは、その軽量&コンパクトさだ。2.5型HDDを採用するポータブルHDDは、他社製品の場合もほどほどコンパクトではあるが、“ApolloTM”シリーズはデザインの魅力も相まって、特に薄さを際立たせているように感じられる。

筆者はPC市場でブームを巻き起こしている、ASUS社のミニノート「Eee PC901」を執筆時などに愛用しているが、本体はHDDではなくSSDを内蔵しているため、記録容量が合計12GBと少なく、音楽や映像などメディアデータを思うように持ち運べないことが悩みの種だった。


筆者が愛用する「Eee PC901」と“Apoll(TM)”はデザインもベストマッチした

電源はUSBバスパワーで駆動。ケーブル1本でも動作した
そこで「Eee PC901」に“ApolloTM”を繋いでみると、USBケーブル一口のみであっさりと認識してくれた。電源もUSBバスパワーだけ安定して動作するため、あとは内蔵HDDと同じように活用できる。“ApolloTM”はこうしたミニノートとの組み合わせにも真価を発揮してくれる。必要に応じて「Eee PC901」と一緒に持ち歩くことで、長期間の出張時などには映像や写真のストレージとしても重宝しそうだ。

付属バックアップソフトの「Total Media Backup」も手軽に扱えるため、デスクトップPCやモバイルデータのバックアップと兼ねて活用しても良いだろう。

付属アプリケーションの「Total Media Backup」はWin/Mac両対応

スケジュールバックアップ対応。ファイルの種類と日付を指定するだけと、設定も簡単だ

●PLAYSTATION3の増設用HDDとしても使い心地は抜群

もう一つの活用方法として、「PLAYSTATION3」(以下:PS3)と接続して、使ってみてはどうだろうか。“ApolloTM”はあくまでもPC向けの周辺機器として発売されている製品なので、PS3とつないだ際の動作保証はサポートされていないが、基本的にPS3は、通常のPCと同じように各種USB機器を認識できることは周知である。

実際にPS3と接続してみると、あっさりと“ApolloTM”を認識してくれた。PS3に繋いだHDDの汎用性は実に高く、例えばPS3の内蔵HDDに保存した音楽や写真などは、著作権保護など制限がなければ自由に双方向コピーができる。“ApolloTM”内の音楽や映像も、PS3から直接再生が可能だ。日頃からPS3をメディアサーバー的に活用し、内蔵HDDだけでは容量が足りなくなってきたという方は、“ApolloTM”をPS3に繋いだままで活用しても良いはずだ。


“Apollo(TM)”とPS3を接続。見た目のデザインもマッチしている

PS3のGUIからもUSB機器として認識。ファイルにも直接アクセスできる
なお、PS3は音楽を「MUSIC」フォルダ、映像を「VIDEO」フォルダに保存するため、PCで映像を書き込む際にも使用するフォルダを揃えておくと良い。筆者の環境ではデスクトップ中心としながらも、同時に“ApolloTM”の「MUSIC」に音楽、「VIDEO」に映像を書き出しておくことで、どちらの機器に繋いでも自由に再生できる環境を統一させている。

ポータブルHDDは、一度使ってみると大容量データのバックアップ用途に加え、手軽に持ち運べる便利さがやみつきになる製品だ。特にコンパクトで軽量、かつ外観もスタイリッシュなイメーションの“ApolloTM”ならば、1台で様々な用途に活用ができるだけでなく、多くのユーザーのライフスタイルにマッチしてくれるはずだ。

(折原一也)

執筆者プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。

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