InterBEE 2008レポート
FED/LCDなど各社マスターモニター勢揃い/映像から作成者のプロ度を判定するソフト
■KDDI研究所
KDDI研究所のブースで注目を集めていたのが、映像のプロ/アマ判別を行えるというソフトだ。
これはカメラのブレやカット割りなどの項目を判定し、その映像を作成したのがプロかアマチュアかを判別するというもの(なお詳細なアルゴリズムについては回答できないとのこと)。動画共有サイトなどにアップロードされた違法動画を削除する際、事前のスクリーニングを行う用途などで使用を想定しているとのことだ。
この判別方法だと、ハイレベルなアマチュアの作品も引っかかってしまうのでは…?という疑問に、同ブース説明員は「確かにそうだが、ソフトで100%判別作業を行おうと思っていない」とコメント。「動画共有サイトによっては、事前に映画の公式映像を登録するシステムがある。こちらに登録された映像と併用し判別することで精度が上がる」と説明していた。
ちなみに、このソフトを応用し個人で撮影した映像の「プロ度」を点数化するソフトも発表されていた。
■キヤノンマーケティングジャパン
キヤノンマーケティングジャパンのブースでは、同社の業務用HDカメラが多数展示。フルHD動画撮影機能を備えたデジタル一眼レフカメラ「EOS 5D Mark II」も出展されており、タッチ&トライを行うことができた。多数用意された交換レンズでさまざまなテイストの映像が撮影できる、映像エンジン「DIGIC 4」により暗いシーンでも低ノイズ撮影が可能、などのメリットを挙げ、「デジタル一眼レフカメラならではの映像表現が可能」と説明していた。
■フォーカルポイントコンピュータ
フォーカルといえとiPodアクセサリーやイヤホンがお馴染みだが、ギガイーサネットを使用した大容量映像データ共有によるワークフロー技術も取り扱っている。こちらは映画製作スタジオなどへの納入を想定しているとのこと。
今回目を惹いたのは、3D映像を、3D対応モニターに表示するためのコンバーター。右/左ch2つのHD-SDI信号を表示するための「3D LR Composer」と、右/左chを1つの映像に圧縮したHD-SDI信号を表示するための「3D SS Composer」が用意されている。価格はいずれも134,400円(税込)。
■DXアンテナ
信号受信機メーカーとして定評のある同社は、この度、地上デジタル放送用受信・送信機を開発・発売する。
こちらは地上デジタル放送電波が直接受信できない難視聴地域向けに無線で放送波を送る「ギャップフィラー方式」のもの。リング型/平面型/柱型などさまざまなタイプを用意し、ユーザーのニーズに対応する。現在技術基準適合証明を申請しているところで、半年以内の発売を予定しているとのことだ。
■ローランド
同社ブースで目を惹いたのは、PCMレコーダー「R-09HR」と「R-44」だ。
「R-44」は、基本機能はR-09HRとほぼ同様。収録音声コーデックはWAVEのみとなるが、最高192kHz/24bitでの録音が可能だ。
内蔵マイクのほか、外部マイク接続端子を4つ搭載。こちらはキャノンタイプにも対応している。さらに、4つのマイクで収録した音声を1つの音声ファイルで保存/それぞれ別の音声ファイルで保存、などを選ぶこともできる。
そのほかデジタル入力端子も用意。エフェクト機能などももちろん用意されており、多彩な機能と接続性にもかかわらず価格は8万円前後とお求めやすい値段になっている。生録マニアは使ってみる価値アリだ。
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