本日より運用開始の3D映像編集室、今秋登場の56V型4Kディスプレイなど
ソニーPCL、3D/4K映像制作システムを披露 − 新機材導入で3D対応をアピール
■撮影した映像はどんなふうに編集されるの?
撮影された映像はデジタル現像され、Adobe「Final Cut Pro」で粗編集されたのち、「208 iQ Pablo 3D/4K対応編集室」でカラーグレーディングなどの仕上げを施し、エンコードされる。同社説明員によれば「iQ Pablo 4Kで編集から仕上げまで行うこともできるが、そうすると1スタジオの占有時間が長くなってしまうので、現状は編集部分はファイナルカットプロで行っている」とのこと。この編集室は120インチのシルバースクリーンと偏光フィルター方式SXRDプロジェクターを備え、実際の上映環境に近い状態で制作が可能なのを特徴としている。さらに今秋から56V型の4K 液晶モニター「SRM-L560」も導入。プロジェクターに比べ設置性が高く、より確認作業もしやすくなるという。
さまざまな方式がある3D映像上映方法
3D映像の上映方式にはさまざまな方式がある(上図を参照)が、「CineLaPista(シネラピスタ)」ではXPAND方式を、iQ Pablo編集室ではプロジェクター2台を使用したパッシブ眼鏡方式を採用。下記のようなシステムでスクリーニングを行うことができる。
■「3D化の動き高まるなか、映像制作体制を整えていく」(毛塚社長)
本日は、「CineLaPista」でソニーPCLについての説明と3D映像試写が行われた。ソニーPCL(株)代表取締役 執行役員社長の毛塚善文氏が登壇。1988年にアナログ方式の3D撮影・編集業務を開始して以来、FIFAワールドカップでのHD3面・バーチャルスタジアム伝送実験(2002)や、愛知万博でのレーザードリームシアター「2005 our planet」(2005)、そして昨夏の「美ら海水族館3D」などさまざまな特殊映像制作を行ってきた実績を説明した。毛塚氏は「映画をはじめとした映像のデジタル化、そして3D映像への動きが高まっている。国内の3Dシアターの数も、今年さらに増えるだろう。我々は今回導入した新システムにより3D/4Kコンテンツ制作力を強化し、撮影からパッケージ化までトータルの技術体制を整えていく」との考えを述べた。