CEATEC JAPAN 2009レポート
ドコモ、新放送サービスや眼で動かすイヤホン/KDDIも新放送サービス/UQ WiMAXはモバイル端末など
本項ではNTTドコモ、KDDI、UQコミュニケーションズの通信系3社の展示についてレポートする。3社とも放送に関連する出展も行うほか、興味深い新技術も披露されている。
■NTTドコモは新放送サービスなど参考出展 - 眼で動かすイヤホンも
ドコモのブースでは、BeeTVを始めとする「ドコモ動画」サービスの紹介とともに、アナログ停波後の空いた帯域を利用したマルチメディア放送で行う「ファイルキャスティングサービス」と「高品質ストリーミングサービス」という2点の新サービスを参考出展している。
「ファイルキャスティングサービス」は、映像や音楽を始めとする様々なコンテンツが自動的に携帯電話に蓄積され、いつでもどこでもユーザーがコンテンツを視聴できるというもの。現在のワンセグ放送では電波状況により番組を視聴できないことがあるが、同サービスでは放送で受信しきれなかったデータを通信で補完ダウンロードすることにより完全な放送データを携帯電話に保存する。これにより番組の見逃しを防ぐことに役立つ。
「高品質ストリーミングサービス」は、ワンセグの倍となるVGA(640×480)解像度、15fpsでのストリーミング配信を可能にするというもの。スポーツやコンサートの中継、ニュースなどライブ性が重要視されるコンテンツをより高品位で視聴可能になる。なお、両サービスともにアナログ停波後の空き帯域を利用するという性質上、サービス開始は2012年ごろになる予定だという。
また、音楽を聴いている際の曲送りなどの操作を眼の動きで行えるイヤホンも参考出展。実際にデモも披露し、多くの人が足を止めていた。
同イヤホンは、ハウジング部に眼の動きを感知する電極が取り付けられているというもの。「EOG法」という、角膜と網膜の電位を利用した眼球運動測定方法を利用しており、例えば「眼を右に2回動かして曲を早送り」などといった具合に操作を行える。
操作は眼を閉じた状態でも可能。気になる実用化の時期については「まったくの未定」(同社説明員)とのこと。説明員によれば「個人によって電位に幅があるため、万人向けの電極にするための研究が必要。個人用にそれぞれ電極を作っているとおそろしく高価になってしまう」という課題があるとのことだった。
そのほかで一風変わったところでは、キャラクターが画面上を動き回るウィジェット「マチキャラ」に関する参考展示も注目を集めていた。同ウィジェットは、不在着信お知らせなどの表示がキャラクターの口調になったり、メール送信後にキャラクターが反応したりするというもの。ブースには「お兄ちゃん」「いもうと」「メイド」という3人のキャラクターが設定されたデモ端末が用意されている。
同ウィジェットで特に興味深いのが、実際の友人などと自分が行ったメールのやりとりの内容に反応するという機能。例えば友人に「今日は仕事が忙しくて疲れたよ」といったメールを送ると、メイドキャラが「あまり心配かけないで下さい。本当につらいですわ、ご主人様」とメール送信後に話しかけてくる。
こうしたスペシャルメッセージはキャラクターごとに設定が可能で、「お兄ちゃん」キャラを使っている女性ユーザーが「彼氏が欲しい」といったメールを送るとキャラクターがびっくりするといった反応も見られる。同サービスについては仕様を開発ソフトメーカー各社に公開済みであるため、「近いうちに実用化できるのではないか」(同社説明員)とのことだった。
■KDDIは携帯電話とテレビの新たな連動を提案
KDDIでは携帯電話とテレビを連動させる「FMBCスマートプラットフォーム」(関連ニュース)を大々的にフィーチャー。同プラットフォームを利用して行える新たな視聴スタイルの提案を行っている。
携帯電話とテレビの連動という点で象徴的なのが、「テレビダイジェスト視聴」機能。こちらはセット・トップ・ボックスで番組の内容を判断し、内容を短縮した紙芝居風のコンテンツを自動作成。それを携帯電話でチェックできるというもの。文節境界検出、音声認識、類似画像検出などの諸技術を利用し、20分程度の番組なら約5分のコンテンツに自動変換する。
同様の連動機能では「ケータイ・TV連携ニュース視聴」機能も用意。同機能は携帯電話で閲覧したニュースのテキストに該当する映像シーンを、録画済みのテレビ番組から抜き出してテレビ上で再生するというもの。
同機能では、携帯電話でのテキストデータのニュース文章を解析し重要ワードを抽出するとともに、テレビ番組のメタデータ解析と紐付け。番組のシーン解析技術を用いてテキストに該当する部分を抽出する。また、ユーザーの視聴動向を学習して、興味のあるニューステキストを携帯電話上で優先的に表示する。
ユーザー動向の学習機能では携帯電話とテレビにそれぞれオススメのコンテンツを表示する「メディア横断おすすめ視聴」と、家族それぞれの好みを複合的に判断して家族全員に対するオススメコンテンツを表示する「ファミリーコンテンツおすすめ視聴」機能も用意。
「ファミリーコンテンツおすすめ視聴」では、携帯電話とSTBのBluetooth通信により、家族の誰がテレビの前にいるのかを判断。その場にいる個人の好みを複合的に判断し、その組み合わせに最適なコンテンツをおすすめする。
なお、「FMBCスマートプラットフォーム」の一連の操作では赤外線を利用して携帯電話をテレビのリモコンとして利用可能。テレビ画面に表示されたおすすめの飲食店のウェブサイトにアクセスし、携帯電話でそのままウェブ予約を行うなどといった使い方ができる。
■UQコミュニケーションズのブースにはモバイル端末が登場
UQコミュニケーションズでは、WiMAX内蔵のノートPCなどのほかモバイル端末も参考出展。クラリオンのカーナビなど、様々なWiMAX対応機器を展示している。
モバイル端末はフィンランドのElektrobitとAava、台湾のQuanta、韓国Yukyung、そして日本の工人舎という各メーカーの端末を展示。いずれも参考出展だが、Yukyungでは「viliv S5」、工人舎では「PM1WX16SA」と型番が付与されており、市場投入がそう遠くないことを予感させる。同社説明員も「この2製品については販路を調整中の段階なので、近いうちに市場に出せるのではないか」と話してくれた。
そのほか同社のブースでは、WiMAXを利用した映像のライブ中継デモも実施。都内にウェブカメラを搭載した自動車を走行させ、その映像を幕張のCEATEC会場でライブ中継するデモを披露している。
■NTTドコモは新放送サービスなど参考出展 - 眼で動かすイヤホンも
ドコモのブースでは、BeeTVを始めとする「ドコモ動画」サービスの紹介とともに、アナログ停波後の空いた帯域を利用したマルチメディア放送で行う「ファイルキャスティングサービス」と「高品質ストリーミングサービス」という2点の新サービスを参考出展している。
「ファイルキャスティングサービス」は、映像や音楽を始めとする様々なコンテンツが自動的に携帯電話に蓄積され、いつでもどこでもユーザーがコンテンツを視聴できるというもの。現在のワンセグ放送では電波状況により番組を視聴できないことがあるが、同サービスでは放送で受信しきれなかったデータを通信で補完ダウンロードすることにより完全な放送データを携帯電話に保存する。これにより番組の見逃しを防ぐことに役立つ。
「高品質ストリーミングサービス」は、ワンセグの倍となるVGA(640×480)解像度、15fpsでのストリーミング配信を可能にするというもの。スポーツやコンサートの中継、ニュースなどライブ性が重要視されるコンテンツをより高品位で視聴可能になる。なお、両サービスともにアナログ停波後の空き帯域を利用するという性質上、サービス開始は2012年ごろになる予定だという。
また、音楽を聴いている際の曲送りなどの操作を眼の動きで行えるイヤホンも参考出展。実際にデモも披露し、多くの人が足を止めていた。
同イヤホンは、ハウジング部に眼の動きを感知する電極が取り付けられているというもの。「EOG法」という、角膜と網膜の電位を利用した眼球運動測定方法を利用しており、例えば「眼を右に2回動かして曲を早送り」などといった具合に操作を行える。
操作は眼を閉じた状態でも可能。気になる実用化の時期については「まったくの未定」(同社説明員)とのこと。説明員によれば「個人によって電位に幅があるため、万人向けの電極にするための研究が必要。個人用にそれぞれ電極を作っているとおそろしく高価になってしまう」という課題があるとのことだった。
そのほかで一風変わったところでは、キャラクターが画面上を動き回るウィジェット「マチキャラ」に関する参考展示も注目を集めていた。同ウィジェットは、不在着信お知らせなどの表示がキャラクターの口調になったり、メール送信後にキャラクターが反応したりするというもの。ブースには「お兄ちゃん」「いもうと」「メイド」という3人のキャラクターが設定されたデモ端末が用意されている。
同ウィジェットで特に興味深いのが、実際の友人などと自分が行ったメールのやりとりの内容に反応するという機能。例えば友人に「今日は仕事が忙しくて疲れたよ」といったメールを送ると、メイドキャラが「あまり心配かけないで下さい。本当につらいですわ、ご主人様」とメール送信後に話しかけてくる。
こうしたスペシャルメッセージはキャラクターごとに設定が可能で、「お兄ちゃん」キャラを使っている女性ユーザーが「彼氏が欲しい」といったメールを送るとキャラクターがびっくりするといった反応も見られる。同サービスについては仕様を開発ソフトメーカー各社に公開済みであるため、「近いうちに実用化できるのではないか」(同社説明員)とのことだった。
■KDDIは携帯電話とテレビの新たな連動を提案
KDDIでは携帯電話とテレビを連動させる「FMBCスマートプラットフォーム」(関連ニュース)を大々的にフィーチャー。同プラットフォームを利用して行える新たな視聴スタイルの提案を行っている。
携帯電話とテレビの連動という点で象徴的なのが、「テレビダイジェスト視聴」機能。こちらはセット・トップ・ボックスで番組の内容を判断し、内容を短縮した紙芝居風のコンテンツを自動作成。それを携帯電話でチェックできるというもの。文節境界検出、音声認識、類似画像検出などの諸技術を利用し、20分程度の番組なら約5分のコンテンツに自動変換する。
同様の連動機能では「ケータイ・TV連携ニュース視聴」機能も用意。同機能は携帯電話で閲覧したニュースのテキストに該当する映像シーンを、録画済みのテレビ番組から抜き出してテレビ上で再生するというもの。
同機能では、携帯電話でのテキストデータのニュース文章を解析し重要ワードを抽出するとともに、テレビ番組のメタデータ解析と紐付け。番組のシーン解析技術を用いてテキストに該当する部分を抽出する。また、ユーザーの視聴動向を学習して、興味のあるニューステキストを携帯電話上で優先的に表示する。
ユーザー動向の学習機能では携帯電話とテレビにそれぞれオススメのコンテンツを表示する「メディア横断おすすめ視聴」と、家族それぞれの好みを複合的に判断して家族全員に対するオススメコンテンツを表示する「ファミリーコンテンツおすすめ視聴」機能も用意。
「ファミリーコンテンツおすすめ視聴」では、携帯電話とSTBのBluetooth通信により、家族の誰がテレビの前にいるのかを判断。その場にいる個人の好みを複合的に判断し、その組み合わせに最適なコンテンツをおすすめする。
なお、「FMBCスマートプラットフォーム」の一連の操作では赤外線を利用して携帯電話をテレビのリモコンとして利用可能。テレビ画面に表示されたおすすめの飲食店のウェブサイトにアクセスし、携帯電話でそのままウェブ予約を行うなどといった使い方ができる。
■UQコミュニケーションズのブースにはモバイル端末が登場
UQコミュニケーションズでは、WiMAX内蔵のノートPCなどのほかモバイル端末も参考出展。クラリオンのカーナビなど、様々なWiMAX対応機器を展示している。
モバイル端末はフィンランドのElektrobitとAava、台湾のQuanta、韓国Yukyung、そして日本の工人舎という各メーカーの端末を展示。いずれも参考出展だが、Yukyungでは「viliv S5」、工人舎では「PM1WX16SA」と型番が付与されており、市場投入がそう遠くないことを予感させる。同社説明員も「この2製品については販路を調整中の段階なので、近いうちに市場に出せるのではないか」と話してくれた。
そのほか同社のブースでは、WiMAXを利用した映像のライブ中継デモも実施。都内にウェブカメラを搭載した自動車を走行させ、その映像を幕張のCEATEC会場でライブ中継するデモを披露している。