通期業績見通しも上方修正
ソニー、3Q決算は増収増益 − 来期はテレビ2,000万台目標、iPadの製品領域にも参入意欲
ソニー(株)は本日、2009年度第3四半期の連結業績を発表。業績説明会が開催され、同社代表執行役 副社長 CFOの大根田伸行氏、広報センター長の神戸司郎氏が出席した。
第3四半期単独の売上高は2兆2,379億円と、前年同期比3.9%の増収となった。本業の儲けを示す営業損益についても、前年の180億円の赤字から、1,461億円の黒字へと大きく営業損益が改善。回復基調が鮮明となった。
これにともない、2009年度通期の業績見通しも上方修正。売上高は7兆3,000億円と従来予想を据え置いたが、営業損益は600億円の赤字から300億円の赤字へと、約300億円損益が改善する見通し。大根田CFOは「第4四半期の初月である1月の速報数値を見ても、予想通り、あるいは若干良い程度で推移しており、景気の底打ちは実感している。今後もだいたい予想通りにいけば、ブレークイーブンを達成できる可能性は残っているのではないか」と述べ、営業黒字に転換する可能性を示唆した。ただし同氏は「競合メーカーとの価格競争や材料の値上がりが、どの程度になるかがリスク要因として残っている」とも述べた。
第3四半期の増収には金融分野と映画分野の好調が寄与。営業損益は売上げの増加に加え、原価や販管費の削減が貢献した。
■来年度に投入するテレビは「商品力に自信がある」
テレビやデジタルイメージング、オーディオ・ビデオ、半導体、コンポーネント事業が含まれる「コンスーマープロダクツ&デバイス」(CPD)分野については、売上高が前年同期比10.7%減の9,698億円となった。減収の理由について同社では、液晶テレビ“BRAVIA"が価格競争激化の影響を受けたこと、コストダウンによって単価引き下げとなったゲーム向けシステムLSI、また光ピックアップが価格下落の影響を受けたことなどを挙げている。
ただし、CPD分野の営業損益は前年同期比で693億円改善し、494億円の営業利益を計上した。これも販管費の減少や原価率の改善、為替相場がプラスになったことなどが理由となる。液晶テレビやサイバーショットなどは、構造改革費用を除いたベースでは損益が改善したが、一方でゲーム向けシステムLSIやハンディカムなどは損益が悪化した。
製品別に見ると、液晶テレビは減収増益となった。中国や日本で売上げ台数が増え、期間中の販売台数は8%増となったが、価格下落によって売上高は減った。ただし為替の影響などもあり損益は改善し、70億円の営業黒字となった。大根田CFOは、「地域別では、テレビで一番苦戦したのはヨーロッパで、サムスンやLGが強いマーケットだ。残念ながら想定に若干届かなかった」と説明。
さらに大根田CFOは「その他の地域は中国も含め、3Qはできたのではないかと理解している。今年は1,500万台の販売目標だが、来年度は商品力に自信がある。2,000万台を超える数を売っていきたい」とコメント。具体的な商品計画については、「2009年はサムスンに出遅れたが、今年はLEDやIPTV、3Dなどの新機能を強化し、デザインもモノリシックデザインで統一するなど、商品力をいままでとは違った形で強化する。だから、少し数を上げようということでやっている」とした。さらに、発展途上国や新興国などについても、「OEMやODMを使いながら伸ばしていく」という。
テレビ事業の黒字化見通しについては、「今期行った構造改革の効果は、今期だけでなく来期にも寄与してくる。2,000万台以上の販売台数というのは、今期の第3四半期の販売台数を毎月続けるようなイメージ。第3四半期は、限定利益でいえば黒字になっているので、黒字化は十分狙えるのではないか」と説明した。
そのほかCPD分野では、デジタルカメラ“Cybershot"も減収ながら増益を確保。一方でビデオカメラ“Handycam"は減収減益となった。HDフォーマットへの移行が進む中、販売台数が減ったのが主な理由という。ただし減益とはなったものの、依然として高い利益率を維持しているという。
■ゲーム事業の黒字転換には「PS3の逆ザヤ解消」が最大の課題
PC「VAIO」やPlaystation事業などを含む「ネットワークプロダクツ&サービス」(NPS)分野は、VAIOが増収となったものの、ゲーム事業はPS2やPSPの売上数量が低迷したことで減収。全体では売上高は1.9%増の6,061億円となり、営業利益も194億円を確保した。営業損益の改善はVAIOの売上げ増が主因という。
このうち、ゲーム事業の営業損益は前年並みを確保。PS3のハードウェアのコストが改善したことが奏効したという。また、昨年販売を開始した新型PS3の販売も好調を持続し、第3四半期のみで650万台を販売したという。広報センター長の神戸氏は「年間1,300万台の販売目標に向けて順調に推移している」と述べた。
一方PSPについては「前期の販売の落ち込みを下期でカバーする予定だったが、思ったほど伸びなかったので、通期の見込みを1,000万台へ下方修正する」(神戸氏)と発表。今後は、欧州でビデオ配信サービスを、日本でも昨年12月からコミックの配信を開始した、現在約4,000万アカウントを抱えるPlaystation Network(PSN)を軸に、新サービスを提供していく考えだ。
ゲーム事業の来期黒字転換に向けた課題を問われた大根田CFOは、「PS3の逆ザヤの改善が最大のポイントで、現在から来年にかけて、さらに15%程度コストを改善していく。現在は6%台の逆ザヤとなっているが、これが改善したら大きく利益につながってくる」とした。
VAIOについては「すべての地域で売上げが前年を上回った」(神戸氏)と非常に好調で、「単価下落の影響はあったものの、台数増でカバーした」という。また、同社の電子書籍端末「Reader」も好調で、昨年を大幅に上回る販売実績を記録。高級モデルである「Reader Daily Edition」も高い評価を得ているということで、「今後も販売を拡大する」とした。
電子書籍端末の市場について尋ねられた大根田CFOは「今年のマーケットはグローバルで400〜500万台。これをシェアしているのがKindleとソニーという認識だ。今期、我々は100万を超える数を狙っており、来年度は今期の2〜3倍を狙っている」と説明した。
また大根田CFOは、iPadに関する質問について「私はiPadについて、電子書籍の専用端末とネットブックの中間を目指したものだと考えている。ここは今後伸びてくる領域で、新しいカテゴリーでもある。今後競争が激しくなるだろう。PCにも多少は影響あるだろう」とコメント。
さらに同氏は「ソニーもiPadが目指す領域には大変興味を持っており、技術力を持っていると自負している。PSNのアカウントが約4,000万あるので、こことハードを組み合わせていくことも考えていきたい。iPadに遅れている感は否めないが、ソニーとしてもやっていきたい領域だ」と述べ、Readerとは異なるスタイルの、新たなタブレット型デバイスへの参入を示唆した。
また、B2B&ディスク製造部門については、ディスク映像事業はBDが好調だったことにより増収を確保。ただしB2B事業は、放送・業務用機器の売上げが減少したことなどで減収となった。トータルの売上げは前年同期比-0.5%減の約1,435億円で、営業利益も101億円と増益を記録した。
映画部門は、売上高が前年の1,751億円から今期は2,032億円と、16%の大幅増となった。「2012」や「THIS IS IT」が劇場興行収入増に寄与したほか、映像ソフトでは「天使と悪魔」が非常に好調だったという。営業利益についても、売上高の増加や間接費・構造改革費用が減少したことで、9.1%増となる141億円の黒字を計上した。
音楽部門も売上高が2%増の1,635億円、営業利益は8.2%増の231億円と、増収増益を確保。売上げ増にはスーザン・ボイルの「夢やぶれて」、「THIS IS IT」のサントラなどが貢献したという。
以下、本文中で紹介した以外の主な質疑応答をご紹介する。
Q:在庫が非常に圧縮されているが、どういった方策を行ったのか。
A:特別なことはやっていない。SCMをきちんとやるなど、キメの細かいコントロールが奏効した。ただし、今後はシステムの改善なども考えていきたい。
Q:ゲーム分野について。通期の見通しを下げているが、PSPがあまりうまくいっていないのでは、という印象を受けている。PSP goが不調なのではないかと考えているが、これらについてどう考えているか。
A:ゲーム分野の通期見通しを下げた理由としては、「グランツーリスモ5」を今期中に出せないというインパクトの方が大きい。二番目にはご指摘の通り、PSPのハードとソフトが予想したより出なかったということ。ソフトとネットワークコンテンツをいかに準備していくかということを今後の課題としてやっていきたい。
Q:3Qの営業利益率が7%近くとなったが、これをどう解釈しているか。
A:エレキとそれ以外で多少意味合いは違うが、エレキについて言うと、季節的な要因は確かにある。テレビやデジカメはこの時期、非常に良く売れる。それに加えて特殊要因としては、想定以上に値段を下げないで済んだということが挙げられる。これはテレビについても、その他のカテゴリーについても言えることだ。3つめはコストの改善で、構造改革による固定費の削減を行った。年間3,300億円を目標にやっているが、これが順調に進んでいる。材料のコストダウンについても、年間20%を目標としているが、これも比較的順調にいっている。
今の努力がそのまま続けば、やはり今後も黒字基調は続くだろう。だが季節要因があるので、4Qは3Qに比べれば落ちる。これは仕方ない。
Q:自動車用電池に来期以降参入するのか。もし参入するなら、財務面でどのような課題があるか。
A:自動車メーカーと話をしているのは事実だが、非常に足の長いビジネスなので、来年、再来年あたりに大きな投資が必要かどうかはまだわからない。成功するかどうかを見極めなければならないが、これも現段階ではわからない。
Q:ソニーエリクソンとの資本関係について何らかの変更点はありうるか。
A:端末に通信機能を内蔵する際など、技術的な協力関係にあるが、資本政策を直ちにどうこうするということはない
Q:VAIOの販売が世界的に好調だったとのことだが、具体的にどのようなシリーズ、モデルが好調だったのか。
A:Windows 7の導入効果と、高付加価値モデルが好調だったが、全体的に数量が出たことが利益を出せた要因だ。ただし、材料の値上げという問題を一方で抱えており、今後は厳しいビジネスになる可能性がある。
Q:部品の需給状況について。部品が少なくてものが作れないなどということはあるか。
A:メモリーが足りなくて作れないということが一部にある。あとはパネル。逼迫して値段が上がるということもあるかも、と考えている。
Q:第4四半期のリストラ費用として500億円が計上されているが、第4四半期に集中したのはなぜか。
A:意図的なものではなく、色々なタイミングが重なった。偏っている様ではあるがスケジュール通りに進んでいる。
Q:品質向上に対する取り組みを教えて欲しい。
A:ご存じの様に、ソニーは以前、バッテリーで痛い目にあった。この問題が契機となって、品質問題に関するフィードバックを48時間以内にトップまで上げるオペレーションを作った。トップまで上がったら、すぐにアクションを起こす様な仕組みになっている。
第3四半期単独の売上高は2兆2,379億円と、前年同期比3.9%の増収となった。本業の儲けを示す営業損益についても、前年の180億円の赤字から、1,461億円の黒字へと大きく営業損益が改善。回復基調が鮮明となった。
これにともない、2009年度通期の業績見通しも上方修正。売上高は7兆3,000億円と従来予想を据え置いたが、営業損益は600億円の赤字から300億円の赤字へと、約300億円損益が改善する見通し。大根田CFOは「第4四半期の初月である1月の速報数値を見ても、予想通り、あるいは若干良い程度で推移しており、景気の底打ちは実感している。今後もだいたい予想通りにいけば、ブレークイーブンを達成できる可能性は残っているのではないか」と述べ、営業黒字に転換する可能性を示唆した。ただし同氏は「競合メーカーとの価格競争や材料の値上がりが、どの程度になるかがリスク要因として残っている」とも述べた。
第3四半期の増収には金融分野と映画分野の好調が寄与。営業損益は売上げの増加に加え、原価や販管費の削減が貢献した。
■来年度に投入するテレビは「商品力に自信がある」
テレビやデジタルイメージング、オーディオ・ビデオ、半導体、コンポーネント事業が含まれる「コンスーマープロダクツ&デバイス」(CPD)分野については、売上高が前年同期比10.7%減の9,698億円となった。減収の理由について同社では、液晶テレビ“BRAVIA"が価格競争激化の影響を受けたこと、コストダウンによって単価引き下げとなったゲーム向けシステムLSI、また光ピックアップが価格下落の影響を受けたことなどを挙げている。
ただし、CPD分野の営業損益は前年同期比で693億円改善し、494億円の営業利益を計上した。これも販管費の減少や原価率の改善、為替相場がプラスになったことなどが理由となる。液晶テレビやサイバーショットなどは、構造改革費用を除いたベースでは損益が改善したが、一方でゲーム向けシステムLSIやハンディカムなどは損益が悪化した。
製品別に見ると、液晶テレビは減収増益となった。中国や日本で売上げ台数が増え、期間中の販売台数は8%増となったが、価格下落によって売上高は減った。ただし為替の影響などもあり損益は改善し、70億円の営業黒字となった。大根田CFOは、「地域別では、テレビで一番苦戦したのはヨーロッパで、サムスンやLGが強いマーケットだ。残念ながら想定に若干届かなかった」と説明。
さらに大根田CFOは「その他の地域は中国も含め、3Qはできたのではないかと理解している。今年は1,500万台の販売目標だが、来年度は商品力に自信がある。2,000万台を超える数を売っていきたい」とコメント。具体的な商品計画については、「2009年はサムスンに出遅れたが、今年はLEDやIPTV、3Dなどの新機能を強化し、デザインもモノリシックデザインで統一するなど、商品力をいままでとは違った形で強化する。だから、少し数を上げようということでやっている」とした。さらに、発展途上国や新興国などについても、「OEMやODMを使いながら伸ばしていく」という。
テレビ事業の黒字化見通しについては、「今期行った構造改革の効果は、今期だけでなく来期にも寄与してくる。2,000万台以上の販売台数というのは、今期の第3四半期の販売台数を毎月続けるようなイメージ。第3四半期は、限定利益でいえば黒字になっているので、黒字化は十分狙えるのではないか」と説明した。
そのほかCPD分野では、デジタルカメラ“Cybershot"も減収ながら増益を確保。一方でビデオカメラ“Handycam"は減収減益となった。HDフォーマットへの移行が進む中、販売台数が減ったのが主な理由という。ただし減益とはなったものの、依然として高い利益率を維持しているという。
■ゲーム事業の黒字転換には「PS3の逆ザヤ解消」が最大の課題
PC「VAIO」やPlaystation事業などを含む「ネットワークプロダクツ&サービス」(NPS)分野は、VAIOが増収となったものの、ゲーム事業はPS2やPSPの売上数量が低迷したことで減収。全体では売上高は1.9%増の6,061億円となり、営業利益も194億円を確保した。営業損益の改善はVAIOの売上げ増が主因という。
このうち、ゲーム事業の営業損益は前年並みを確保。PS3のハードウェアのコストが改善したことが奏効したという。また、昨年販売を開始した新型PS3の販売も好調を持続し、第3四半期のみで650万台を販売したという。広報センター長の神戸氏は「年間1,300万台の販売目標に向けて順調に推移している」と述べた。
一方PSPについては「前期の販売の落ち込みを下期でカバーする予定だったが、思ったほど伸びなかったので、通期の見込みを1,000万台へ下方修正する」(神戸氏)と発表。今後は、欧州でビデオ配信サービスを、日本でも昨年12月からコミックの配信を開始した、現在約4,000万アカウントを抱えるPlaystation Network(PSN)を軸に、新サービスを提供していく考えだ。
ゲーム事業の来期黒字転換に向けた課題を問われた大根田CFOは、「PS3の逆ザヤの改善が最大のポイントで、現在から来年にかけて、さらに15%程度コストを改善していく。現在は6%台の逆ザヤとなっているが、これが改善したら大きく利益につながってくる」とした。
VAIOについては「すべての地域で売上げが前年を上回った」(神戸氏)と非常に好調で、「単価下落の影響はあったものの、台数増でカバーした」という。また、同社の電子書籍端末「Reader」も好調で、昨年を大幅に上回る販売実績を記録。高級モデルである「Reader Daily Edition」も高い評価を得ているということで、「今後も販売を拡大する」とした。
電子書籍端末の市場について尋ねられた大根田CFOは「今年のマーケットはグローバルで400〜500万台。これをシェアしているのがKindleとソニーという認識だ。今期、我々は100万を超える数を狙っており、来年度は今期の2〜3倍を狙っている」と説明した。
また大根田CFOは、iPadに関する質問について「私はiPadについて、電子書籍の専用端末とネットブックの中間を目指したものだと考えている。ここは今後伸びてくる領域で、新しいカテゴリーでもある。今後競争が激しくなるだろう。PCにも多少は影響あるだろう」とコメント。
さらに同氏は「ソニーもiPadが目指す領域には大変興味を持っており、技術力を持っていると自負している。PSNのアカウントが約4,000万あるので、こことハードを組み合わせていくことも考えていきたい。iPadに遅れている感は否めないが、ソニーとしてもやっていきたい領域だ」と述べ、Readerとは異なるスタイルの、新たなタブレット型デバイスへの参入を示唆した。
また、B2B&ディスク製造部門については、ディスク映像事業はBDが好調だったことにより増収を確保。ただしB2B事業は、放送・業務用機器の売上げが減少したことなどで減収となった。トータルの売上げは前年同期比-0.5%減の約1,435億円で、営業利益も101億円と増益を記録した。
映画部門は、売上高が前年の1,751億円から今期は2,032億円と、16%の大幅増となった。「2012」や「THIS IS IT」が劇場興行収入増に寄与したほか、映像ソフトでは「天使と悪魔」が非常に好調だったという。営業利益についても、売上高の増加や間接費・構造改革費用が減少したことで、9.1%増となる141億円の黒字を計上した。
音楽部門も売上高が2%増の1,635億円、営業利益は8.2%増の231億円と、増収増益を確保。売上げ増にはスーザン・ボイルの「夢やぶれて」、「THIS IS IT」のサントラなどが貢献したという。
以下、本文中で紹介した以外の主な質疑応答をご紹介する。
Q:在庫が非常に圧縮されているが、どういった方策を行ったのか。
A:特別なことはやっていない。SCMをきちんとやるなど、キメの細かいコントロールが奏効した。ただし、今後はシステムの改善なども考えていきたい。
Q:ゲーム分野について。通期の見通しを下げているが、PSPがあまりうまくいっていないのでは、という印象を受けている。PSP goが不調なのではないかと考えているが、これらについてどう考えているか。
A:ゲーム分野の通期見通しを下げた理由としては、「グランツーリスモ5」を今期中に出せないというインパクトの方が大きい。二番目にはご指摘の通り、PSPのハードとソフトが予想したより出なかったということ。ソフトとネットワークコンテンツをいかに準備していくかということを今後の課題としてやっていきたい。
Q:3Qの営業利益率が7%近くとなったが、これをどう解釈しているか。
A:エレキとそれ以外で多少意味合いは違うが、エレキについて言うと、季節的な要因は確かにある。テレビやデジカメはこの時期、非常に良く売れる。それに加えて特殊要因としては、想定以上に値段を下げないで済んだということが挙げられる。これはテレビについても、その他のカテゴリーについても言えることだ。3つめはコストの改善で、構造改革による固定費の削減を行った。年間3,300億円を目標にやっているが、これが順調に進んでいる。材料のコストダウンについても、年間20%を目標としているが、これも比較的順調にいっている。
今の努力がそのまま続けば、やはり今後も黒字基調は続くだろう。だが季節要因があるので、4Qは3Qに比べれば落ちる。これは仕方ない。
Q:自動車用電池に来期以降参入するのか。もし参入するなら、財務面でどのような課題があるか。
A:自動車メーカーと話をしているのは事実だが、非常に足の長いビジネスなので、来年、再来年あたりに大きな投資が必要かどうかはまだわからない。成功するかどうかを見極めなければならないが、これも現段階ではわからない。
Q:ソニーエリクソンとの資本関係について何らかの変更点はありうるか。
A:端末に通信機能を内蔵する際など、技術的な協力関係にあるが、資本政策を直ちにどうこうするということはない
Q:VAIOの販売が世界的に好調だったとのことだが、具体的にどのようなシリーズ、モデルが好調だったのか。
A:Windows 7の導入効果と、高付加価値モデルが好調だったが、全体的に数量が出たことが利益を出せた要因だ。ただし、材料の値上げという問題を一方で抱えており、今後は厳しいビジネスになる可能性がある。
Q:部品の需給状況について。部品が少なくてものが作れないなどということはあるか。
A:メモリーが足りなくて作れないということが一部にある。あとはパネル。逼迫して値段が上がるということもあるかも、と考えている。
Q:第4四半期のリストラ費用として500億円が計上されているが、第4四半期に集中したのはなぜか。
A:意図的なものではなく、色々なタイミングが重なった。偏っている様ではあるがスケジュール通りに進んでいる。
Q:品質向上に対する取り組みを教えて欲しい。
A:ご存じの様に、ソニーは以前、バッテリーで痛い目にあった。この問題が契機となって、品質問題に関するフィードバックを48時間以内にトップまで上げるオペレーションを作った。トップまで上がったら、すぐにアクションを起こす様な仕組みになっている。