ビット数/周波数帯域拡張で過去音源をアップサンプリング
クリプトン、HQM STOREでK2技術応用の音源「HQM GREENシリーズ」を配信開始
(株)クリプトンは、同社が運営する高音質音楽配信サイト「HQM STORE」で、K2プロセッシング技術を元にした「HQM GREENシリーズ EXTEND SOUND」でアップサンプリングした“HQM GREEN”シリーズの音源配信を開始すると発表した。
配信開始は3月上旬予定。再生時間60分程度の標準的な音源で、1アルバム2,310円(税込)程度となる。価格は収録時間やフォーマットなどによって変わり、176.4kHz/24bit音源ではこの1割増程度の価格になる予定とのこと。3月のスタート時には10タイトルが用意され、来年3月までに100タイトル程度がラインナップされる見込みだ。
■“HQM GREEN”シリーズとは
“HQM GREEN”シリーズは、カメラータ・トウキョウが1980年代から90年代にかけて録音した音源を、ビクターのK2プロセッシング技術を元に同技術の開発者である桑岡俊治氏がさらに発展させたシステムを使用してアップサンプリングしたものだ。カメラータ・トウキョウ代表取締役会長の中野浩明氏によれば、80年代から90年代は機材の関係やエンジニアの意向によりマスターも44.1kHz/16bitで録音していた音源が多く、その数は1,000タイトルほどにも上るのだという。「それらの中には沢山の名演があるが、マスターテープは年月によって失われつつある。HQM GREENは、そういった“エバーグリーン”な名演をアーカイブするという文化的な意味も持っている」と語る中野氏。プロデューサーの井阪 紘氏も、HQM GREENシリーズの音を聴き「自分が届けたかった音をみなさんに聴いてもらえる」と喜んでいたという。
さて、ではそのアップサンプリング技術「HQM GREENシリーズ EXTEND SOUND」とはどんなものなのかご紹介しよう。
同技術は、一言で言えばビット数と周波数帯域の拡張によってデジタル変換の際に失われた音楽情報を再生成する技術。(株)クリプトンが企画し、(株)カメラータ・トウキョウと検証を重ね、ビクター クリエイティブメディア(株)の協力を得て実現したもので、原音に極めて忠実な高音質再生が可能だという。
アナログ信号をデジタル信号に変換する際は、量子化ビット数で分解能が、サンプリング周波数で周波数帯域が決まる。CDフォーマット(44.1kHz/16bit)では量子化ステップ数が少なくなるため、量子化誤差の割合が増し、量子化歪が多くなり音質劣化の原因となるとのこと。
そこで同技術では、A/D変換される前のアナログ信号を、実際のアナログ信号が存在していた±0.5LSB範囲内で想定し、拡張したビット信号を新たに生成。
周波数帯域は、入力デジタル信号から帯域制限される前のアナログ信号を入力信号の自然な整波から想定し、これを再度ハイサンプリングにて再標本化、デジタル信号を新たに生成する。
これにより信号そのものの特性は変わらないままビット数/周波数帯域の拡張が可能なのだという。
3月に配信されるタイトルは下記の通り。フルオーケストラをはじめ、弦楽四重奏やチェンバロ/ピアノの独奏、歌ものなどさまざまな編成の曲が用意されている。
HQM GREENシリーズの音源には、ジャケットに「GR」のロゴが記される。またカタログページには、フォーマット形式を選ぶ欄に「FLAC 176.2kHz/24bit GR」のようにグリーンシリーズのメニューが用意され、同シリーズのタイトルのみを表示させることもできるようになる。
【3月の配信タイトル】
●HQMG-20001
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」/第12番「四重奏断章」
ウィーン弦楽四重奏団[録音:1981年/ウィーン]
●HQMG-20002
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノーヴァク校訂)
クルト・アイヒホルン指揮 リンツ・ブルックナー管弦楽団[録音:1990年/リンツ]
●HQMG-20003
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466*/第21番ハ長調 K.467**
遠山慶子(ピアノ)イェルク・エーヴァルト・デーラー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団メンバー[コンサートマスター:ウェルナー・ヒンク]*、アントニー・ヴィット指揮ポーランド国立放送管弦楽団**[録音:1999年9月*/ウィーン*ほか]
●HQMG-20004
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲ハ長調 K.299(297c)/フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313(285c)/第2番ニ長調 K.314(285d)/フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K.315(285e)
ヴォルフガング・シュルツ(フルート)吉野直子(ハープ)カメラータ・シュルツ
[録音:2003年6月/オーストリア]
●HQMG-20005
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64/ヴァイオリンとピアノのための二重協奏曲ニ短調
カリーン・アダム(ヴァイオリン)ドリス・アダム(ピアノ)ヴァルター・ヴェラー指揮バーゼル交響楽団[録音:1996年10月ほか/スイス]
●HQMG-20006
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲ト長調 BWV988/イタリア協奏曲 BWV971/半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
エディット・ピヒト=アクセンフェルト(チェンバロ)[録音:1983年9月/東京]
●HQMG-20007
「バティック・プレイズ・モーツァルト」 バティック:ブルース in F〜モーツァルト:幻想曲ニ短調 K.397/バティック:イントロダクション〜モーツァルト:ピアノ・ソナタ ヘ長調 K.332/ハ長調 K.330/幻想曲ハ短調 K.475
ローランド・バティック(ピアノ)[録音:2006年12月/ウィーン]
●HQMG-20008
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960(遺作)/第13番イ長調 D.664作品120
高橋アキ(ピアノ)[録音:2007年7月,1月/三重]
●HQMG-20009
レハール:オペレッタ「メリー・ウィドウ」抜粋
メラニー・ホリデイ(ソプラノ)ゲリンデ・イェリネック(ソプラノ)リシャード・カルチコフスキー(テノール)ペーター・ミニッヒ(テノール)ヨーゼフ・ルフテンシュタイナー(バリトン)ウィーン・オペレッタ合唱団オラ・ルードナー/ウヴェ・タイマー指揮ウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団[録音:1999年6月/ウィーンほか]
●HQMG-20010
『メラニー・ホリデイが案内する“ウィーン・オペラ舞踏会”』
メラニー・ホリデイ(ナレーション/ソプラノ)リシャード・カルチコフスキー(テノール)ウヴェ・タイマー指揮ウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団[録音:2000年9月/ウィーン]
配信開始は3月上旬予定。再生時間60分程度の標準的な音源で、1アルバム2,310円(税込)程度となる。価格は収録時間やフォーマットなどによって変わり、176.4kHz/24bit音源ではこの1割増程度の価格になる予定とのこと。3月のスタート時には10タイトルが用意され、来年3月までに100タイトル程度がラインナップされる見込みだ。
■“HQM GREEN”シリーズとは
“HQM GREEN”シリーズは、カメラータ・トウキョウが1980年代から90年代にかけて録音した音源を、ビクターのK2プロセッシング技術を元に同技術の開発者である桑岡俊治氏がさらに発展させたシステムを使用してアップサンプリングしたものだ。カメラータ・トウキョウ代表取締役会長の中野浩明氏によれば、80年代から90年代は機材の関係やエンジニアの意向によりマスターも44.1kHz/16bitで録音していた音源が多く、その数は1,000タイトルほどにも上るのだという。「それらの中には沢山の名演があるが、マスターテープは年月によって失われつつある。HQM GREENは、そういった“エバーグリーン”な名演をアーカイブするという文化的な意味も持っている」と語る中野氏。プロデューサーの井阪 紘氏も、HQM GREENシリーズの音を聴き「自分が届けたかった音をみなさんに聴いてもらえる」と喜んでいたという。
さて、ではそのアップサンプリング技術「HQM GREENシリーズ EXTEND SOUND」とはどんなものなのかご紹介しよう。
同技術は、一言で言えばビット数と周波数帯域の拡張によってデジタル変換の際に失われた音楽情報を再生成する技術。(株)クリプトンが企画し、(株)カメラータ・トウキョウと検証を重ね、ビクター クリエイティブメディア(株)の協力を得て実現したもので、原音に極めて忠実な高音質再生が可能だという。
アナログ信号をデジタル信号に変換する際は、量子化ビット数で分解能が、サンプリング周波数で周波数帯域が決まる。CDフォーマット(44.1kHz/16bit)では量子化ステップ数が少なくなるため、量子化誤差の割合が増し、量子化歪が多くなり音質劣化の原因となるとのこと。
そこで同技術では、A/D変換される前のアナログ信号を、実際のアナログ信号が存在していた±0.5LSB範囲内で想定し、拡張したビット信号を新たに生成。
周波数帯域は、入力デジタル信号から帯域制限される前のアナログ信号を入力信号の自然な整波から想定し、これを再度ハイサンプリングにて再標本化、デジタル信号を新たに生成する。
これにより信号そのものの特性は変わらないままビット数/周波数帯域の拡張が可能なのだという。
3月に配信されるタイトルは下記の通り。フルオーケストラをはじめ、弦楽四重奏やチェンバロ/ピアノの独奏、歌ものなどさまざまな編成の曲が用意されている。
HQM GREENシリーズの音源には、ジャケットに「GR」のロゴが記される。またカタログページには、フォーマット形式を選ぶ欄に「FLAC 176.2kHz/24bit GR」のようにグリーンシリーズのメニューが用意され、同シリーズのタイトルのみを表示させることもできるようになる。
【3月の配信タイトル】
●HQMG-20001
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」/第12番「四重奏断章」
ウィーン弦楽四重奏団[録音:1981年/ウィーン]
●HQMG-20002
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノーヴァク校訂)
クルト・アイヒホルン指揮 リンツ・ブルックナー管弦楽団[録音:1990年/リンツ]
●HQMG-20003
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466*/第21番ハ長調 K.467**
遠山慶子(ピアノ)イェルク・エーヴァルト・デーラー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団メンバー[コンサートマスター:ウェルナー・ヒンク]*、アントニー・ヴィット指揮ポーランド国立放送管弦楽団**[録音:1999年9月*/ウィーン*ほか]
●HQMG-20004
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲ハ長調 K.299(297c)/フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313(285c)/第2番ニ長調 K.314(285d)/フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K.315(285e)
ヴォルフガング・シュルツ(フルート)吉野直子(ハープ)カメラータ・シュルツ
[録音:2003年6月/オーストリア]
●HQMG-20005
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64/ヴァイオリンとピアノのための二重協奏曲ニ短調
カリーン・アダム(ヴァイオリン)ドリス・アダム(ピアノ)ヴァルター・ヴェラー指揮バーゼル交響楽団[録音:1996年10月ほか/スイス]
●HQMG-20006
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲ト長調 BWV988/イタリア協奏曲 BWV971/半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
エディット・ピヒト=アクセンフェルト(チェンバロ)[録音:1983年9月/東京]
●HQMG-20007
「バティック・プレイズ・モーツァルト」 バティック:ブルース in F〜モーツァルト:幻想曲ニ短調 K.397/バティック:イントロダクション〜モーツァルト:ピアノ・ソナタ ヘ長調 K.332/ハ長調 K.330/幻想曲ハ短調 K.475
ローランド・バティック(ピアノ)[録音:2006年12月/ウィーン]
●HQMG-20008
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960(遺作)/第13番イ長調 D.664作品120
高橋アキ(ピアノ)[録音:2007年7月,1月/三重]
●HQMG-20009
レハール:オペレッタ「メリー・ウィドウ」抜粋
メラニー・ホリデイ(ソプラノ)ゲリンデ・イェリネック(ソプラノ)リシャード・カルチコフスキー(テノール)ペーター・ミニッヒ(テノール)ヨーゼフ・ルフテンシュタイナー(バリトン)ウィーン・オペレッタ合唱団オラ・ルードナー/ウヴェ・タイマー指揮ウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団[録音:1999年6月/ウィーンほか]
●HQMG-20010
『メラニー・ホリデイが案内する“ウィーン・オペラ舞踏会”』
メラニー・ホリデイ(ナレーション/ソプラノ)リシャード・カルチコフスキー(テノール)ウヴェ・タイマー指揮ウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団[録音:2000年9月/ウィーン]