各表示デバイスの製品が出揃った
<IFA>山之内正がみたIFA2011 − 「3Dプロジェクター」はここまで進化した
7日にIFA2011が閉幕した。今年は後半から取材を始めたが、それでも会場は昨年と同等かそれ以上の賑わいを見せ、デジタル家電への関心が弱まっていないことをうかがわせた。数ある家電見本市のなかで、IFAはイベントとしての活力が一番強いというのが私の感想だ。その認識はこの数年でいっそう強まっている。
テレビを展示の核に据えながらも、スマートフォンとタブレットの展示に力を入れるメーカーが増え、ディスプレイのサイズが小さい方にシフトしているように見える。だが、その一方で画面の大きさが意味を持つ分野にも注目製品が相次いで登場してきた。その一つは4K2Kに代表される高解像度ディスプレイ、そしてもう一つが3D対応ホームプロジェクターだ。ここでは後者の新製品に注目し、画質の第一印象を紹介することにしよう。
今年のIFAでは透過型液晶、反射型液晶、そしてDLP、3種類の表示デバイスそれぞれの製品が出揃い、3D映像との相性を見比べることができたのが大きな収穫だった。
まず、新登場の透過型ではエプソンのD9パネルを積む「EH-TW9000W」を見た。2400ANSIルーメン、20万対1と高輝度&高コントラスト性能に加えてWirelessHDによるワイヤレス伝送に対応する注目機である。アニメを中心にしたデモコンテンツで見る限り、3D映像の明るさはビクターの反射型と同等またはそれ以上を確保。特に背景のクロストークが少なく、立体感の描写はとてもなめらかだ。2.1倍のズームレンズとレンズシフト機能を積むので設置性も高い。明るさが重要な意味を持つリビングシアターにも最適な製品という印象を受けた。
同じく480Hz駆動のD9パネルを積むパナソニックの「PT-AT5000E」も、明るさ2000ANSIルーメン、コントラスト30万対1というハイスペックで、非常に完成度の高い映像を見せていた。デモコンテンツは『アバター』が中心で、適切な明るさを確保しつつ、コントラスト感を重視した3D映像に特徴がある。前半のジャングルのシーンで背景の木々などがぶれず、ジェイクの身体の動きにピタリとフォーカスが合っているのは、クロストークの発生を抑えていることに理由がありそうだ。PT-AT5000Eの画質は完成度が高いので、このままの状態でも日本市場で高い競争力を発揮すると思う。
同じく初登場となるのがDLPを採用した三菱の「HC7800D」で、比較的コンパクトな形状ながら内容は本格派、画質の水準も高い。ハイスピード駆動の専用メガネを組み合わせた効果だと思うが、明るさ、クロストークともにSXRDを積むHC9000Dに比べて優位に立っており、同社が「次世代の3Dホームシネマ」と呼ぶのもうなずける。字幕が出ていなかったこともあると思うが、カラーブレイキングもほとんど気にならない。シャープが国内導入を決めたXV-Z17000もそうだが、DLP方式は確実な進化を遂げている。
最後に見たソニーの「VPL-VW95ES」は先日日本でも発表され(関連ニュース)、4機種のなかでは唯一日本での発売時期や価格が確定している製品だ。型名からわかる通り、VPL-VW90ESの後継機種で、3D映像の明るさとコントラストは大幅に改善されている。ソニーのデモンストレーションは映像のセレクションがうまく、この製品の自然なコントラストと透明感の高さを巧みに引き出していた。特に水中シーンの抜けの良さとなめらかなグラデーションは、3D表示のハンディを感じさせず、引き込まれるような深みのある映像を見せていた。クロストークも前作に比べると明らかに減っており、ストレスが少ない。3Dの第2世代機ならではの熟成度と、コントラストの余裕などSXRDのメリットは、シアター専用室で威力を発揮しそうだ。
なお、ソニーはCEDIAで4K解像度のホームプロジェクターを公開するが、IFAの会場には展示されていなかった。
テレビを展示の核に据えながらも、スマートフォンとタブレットの展示に力を入れるメーカーが増え、ディスプレイのサイズが小さい方にシフトしているように見える。だが、その一方で画面の大きさが意味を持つ分野にも注目製品が相次いで登場してきた。その一つは4K2Kに代表される高解像度ディスプレイ、そしてもう一つが3D対応ホームプロジェクターだ。ここでは後者の新製品に注目し、画質の第一印象を紹介することにしよう。
今年のIFAでは透過型液晶、反射型液晶、そしてDLP、3種類の表示デバイスそれぞれの製品が出揃い、3D映像との相性を見比べることができたのが大きな収穫だった。
まず、新登場の透過型ではエプソンのD9パネルを積む「EH-TW9000W」を見た。2400ANSIルーメン、20万対1と高輝度&高コントラスト性能に加えてWirelessHDによるワイヤレス伝送に対応する注目機である。アニメを中心にしたデモコンテンツで見る限り、3D映像の明るさはビクターの反射型と同等またはそれ以上を確保。特に背景のクロストークが少なく、立体感の描写はとてもなめらかだ。2.1倍のズームレンズとレンズシフト機能を積むので設置性も高い。明るさが重要な意味を持つリビングシアターにも最適な製品という印象を受けた。
同じく480Hz駆動のD9パネルを積むパナソニックの「PT-AT5000E」も、明るさ2000ANSIルーメン、コントラスト30万対1というハイスペックで、非常に完成度の高い映像を見せていた。デモコンテンツは『アバター』が中心で、適切な明るさを確保しつつ、コントラスト感を重視した3D映像に特徴がある。前半のジャングルのシーンで背景の木々などがぶれず、ジェイクの身体の動きにピタリとフォーカスが合っているのは、クロストークの発生を抑えていることに理由がありそうだ。PT-AT5000Eの画質は完成度が高いので、このままの状態でも日本市場で高い競争力を発揮すると思う。
同じく初登場となるのがDLPを採用した三菱の「HC7800D」で、比較的コンパクトな形状ながら内容は本格派、画質の水準も高い。ハイスピード駆動の専用メガネを組み合わせた効果だと思うが、明るさ、クロストークともにSXRDを積むHC9000Dに比べて優位に立っており、同社が「次世代の3Dホームシネマ」と呼ぶのもうなずける。字幕が出ていなかったこともあると思うが、カラーブレイキングもほとんど気にならない。シャープが国内導入を決めたXV-Z17000もそうだが、DLP方式は確実な進化を遂げている。
最後に見たソニーの「VPL-VW95ES」は先日日本でも発表され(関連ニュース)、4機種のなかでは唯一日本での発売時期や価格が確定している製品だ。型名からわかる通り、VPL-VW90ESの後継機種で、3D映像の明るさとコントラストは大幅に改善されている。ソニーのデモンストレーションは映像のセレクションがうまく、この製品の自然なコントラストと透明感の高さを巧みに引き出していた。特に水中シーンの抜けの良さとなめらかなグラデーションは、3D表示のハンディを感じさせず、引き込まれるような深みのある映像を見せていた。クロストークも前作に比べると明らかに減っており、ストレスが少ない。3Dの第2世代機ならではの熟成度と、コントラストの余裕などSXRDのメリットは、シアター専用室で威力を発揮しそうだ。
なお、ソニーはCEDIAで4K解像度のホームプロジェクターを公開するが、IFAの会場には展示されていなかった。