「DTSテレビ」など画期的な技術提案も
DTSがプライベートセミナーを開催 − 「DTS Neo:X」11.1ch再生を体験/PC向け高音質再生技術もアップデート
dts Japan(株)はCEATEC JAPAN 2011の期間中、ディーラーおよびジャーナリスト向けのプライベートショーを会場に隣接するホテルのスイートルームで開催した。
会場には米DTS社のマーケティング担当バイス・プレジデントであるアラン・L・コーエン氏が来日し出席。DTSとして、今後もPCやモバイル機器、カーAVなども含めたあらゆるエンターテインメント・デバイスに向けた高品位サウンド技術を開発・提案していくという、同社のビジネス戦略を説明した。また、10月26日にジェネオン・ユニバーサルから発売予定のタイトル『ジュラシック・パーク』のBDをリファレンスにした最新サラウンドフォーマット「DTS Neo:X」の再生デモや、PC向けの最新技術、DTSデコーダーを搭載するテレビのプロトタイプなど、これからのDTSの方向性を具現化する様々なプロダクトのデモンストレーションが行われた。
PC、モバイル、テレビ…多様なデバイスに広がる新たなエンターテインメントシーンにDTS技術を
コーエン氏は、「既にコンシューマーは従来のホームシアターシーンを飛び出しており、場所によって様々なエンタテイメントの楽しみ方が求められる時代になっている」と、PCやモバイル機器などのデバイスを筆頭に、現在もエンタテイメント市場が拡大しているとコメント。「しかしこれまで、PCやモバイルなどのエンタテイメントプロダクトにおいて、“サウンドクオリティ”の分野はほとんど忘れられていた」と、一方でこれまではメーカー側の取り組みとしては、ビジュアルを重視したアプローチに偏りがちだったと指摘する。
コーエン氏は「恐らくこれまでは“外出時にモバイル機器でYouTubeを視聴できる”といったスタイルそのものがリッチで新鮮味があったので、音にはそれ程こだわりが生まれてこなかったのではないか」としながらも、今後はモバイル機器の性能やサービスが急速に進化していくことで、様々な生活シーンで“音へのこだわり”が生まれてくるだろうと期待を示す。
「すると次のステップとして、PC、モバイル、テレビ、カーAVなどのあらゆるプロダクトは、ビジュアルだけでなくサウンドの品質も求められる段階になる。私たちとしては、従来のホームシアターはもちろん、これらのPCやモバイルをはじめとした、新しいエンタテイメントデバイスに対しても、高品位なサウンドを積極的に提案していく」とコーエン氏は語り、DTSの高品質なサウンド技術が今後のエンターテインメントシーンのニーズに応えられるものであることをアピールした。また「“音楽を聴く”というのは当たり前の楽しみ方だが、音の無い映像だけを楽しむというスタイルはほとんど無い」と、“サウンド”そのものが持つエンタテイメント性とその重要性も強調した。
PC向け高音質技術「DTS Ultra PCII Plus」− マイク入力のサウンドも高品位に
デモンストレーションでは、最初にPCの高品位オーディオのためのソリューションパッケージである「DTS Ultra PCII Plus」が紹介された。「DTS Ultra PCII Plus」は、従来のPC向けソリューションパッケージである「DTS Premium Suite」の第二世代にあたるものだ。会場では、同技術の搭載機としては世界初の製品となる富士通製のPC“ESPRIMO”「FHシリーズ」を使用したデモが行われた。
「DTS Ultra PCII Plus」は「DTS Premium Suite」とは異なり、デコーダーを搭載しないパッケージとなる。2ch環境でバーチャルサラウンドを実現する「DTS Surround Sensation」や、聴覚的な音量レベルを向上する「DTS Boost」、異なるオーディオソース間の音量を均一化する「DTS Symmetry」といった「DTS Premium Suite」で実現された3つの技術のほかに、以下に紹介する新たな4つのソリューションが追加された。
インターネットからのダウンロード音源や、ストリーミング再生のサウンドに効果を発揮する“PC向け”の高音質化技術として、圧縮音源を補間する「DTS Audio Restoration」や、低ビットレートで失われる音域を強調する「DTS Enhance」が追加された。
また、IP通話やビデオ通話など、PCへの入力音声に対する高音質化技術も新たに搭載された。ユーザーの環境雑音をモニタリングしながら、特定帯域のゲインを最適化することによって、環境に左右されず高品位な音質を実現する「DTS Clear Audio」がその一つだ。もう一つの技術が、ユーザーの周囲のノイズを低減して明瞭な音声入力を実現する「DTS Clear Voice」となる。本技術では、ユーザーの音声だけにフォーカスして集音するビームフォーミングも実現されている。
「DTS Ultra PCII Plus」の技術は、Windows 7/Vistaに対応するWindowsのオーディオシステム「オーディオ・プロセッシング・オブジェクツ(APO)」のプラグインとしてPCにビルトインされていることから、Windows OS上で稼働する様々な音楽・映像再生アプリケーションの高音質化に貢献するものだ。コーエン氏によれば「本技術についてはいま、様々なPCメーカーに対して積極的に技術提案を行っている」という。
DTS技術を搭載した「高音質テレビ」のプロトタイプも登場
続いては、市販の液晶テレビにDTSサラウンドのバーチャライザーを搭載したプロタイプによる視聴再生デモが行われた。今回は「DTS Ultra PC IIPlus」に搭載されている「DTS Surround Sensation」をベースにしたアルゴリズムの設定値を、特別テレビ用にパラメーター調整したセットが使われた。
dts Japan(株)マーケティング・マネージャーの伊藤哲志氏は、「今年のCEATECでも4K2K技術が発表されているが、テレビが高解像度になっても、そこにサウンドの品質がついていかなければテレビの良さは活きない」と述べ、今回のプロトタイプを製作した背景には“薄型テレビの高音質化”をDTSのメッセージとして発信していくことが狙いにあったことを明らかにした。同社では今後の取り組みとして、今回のプロトタイプ技術のような、テレビのための高音質化技術のモデルについて、テレビメーカに向けてパートナーシップを積極的に呼びかけていく考えであるという。
デモでは、PCで再生した映画タイトルの映像と音声を、HDMI経由でテレビに出力する環境で行われた。音の奥行き感や臨場感が向上し、違和感のない自然なサウンド再生が実現されている。映画コンテンツだけではなく、音楽やナレーションのコンテンツについても、音場感が豊かさを増すとともに、ボーカルの定位よりハッキリと自然に聴こえるようになる。伊藤氏は「本技術の効果は、おそらく多くの方々に明かな違いを感じていただけるものだと思う。“テレビではDTSを常にONにして欲しい”と、自信をもって呼びかけられるものだ」と胸を張った。
なお、今回のデモ再生は、シアタールームに座る視聴者に対して、スピーカーが正面を向いて取り付けられたタイプの液晶テレビを使って行われたが、今後DTSでは「薄型テレビのデザイン的なトレンドである、スピーカーをベゼルの下向きに、あるいは本体背面に搭載したテレビでも、同様に高音質再生が得られるような技術に磨き上げていきたい」と、伊藤氏は意気込みを語った。
圧巻の「DTS Neo:X」による“11.1ch再生”
セミナーの最後には、DTSの最新サラウンドフォーマットである「DTS Neo:X」の11.1ch再生も体験することができた。昨年にDTSが開催したプライベートセミナー(関連ニュース)では、デモ用プロセッサーによって視聴再生が行われていたが、今回は11.1ch再生用として特別にチューンナップしたオンキヨーの「DTS Neo:X」対応AVアンプのプロトタイプ、ならびにステレオパワーアンプ「M-5000R」を組み合わせたデモ環境がつくられた。
同社のHDオーディオ技術「DTS-HD Master Audio」の7.1ch再生時では、「L/R フロント」「センター」「LFE」「Lss/Rss(サイド)」「Lsr/Rsr(サラウンド)」のポピュラーなスピーカー配置が用いられるが、「DTS Neo:X」の11.1ch再生環境は、これにフロント側の「LW/RW(ワイド)」と高さ方向の「LH/RH(ハイト)」を加えて構成される。
「DTS Neo:X」に対応するAVアンプは2011年1Qに登場して以来、国内でも今秋よりオンキヨー、パイオニア、ソニーといったメーカーから対応機種が発表されている。それぞれのメーカーが商品化しているモデルは、いずれも最大9.1chまでのサラウンド出力をサポートしているが、今回のプライベートセミナーに用意されたオンキヨーアンプは、特別に11.1ch出力対応にチューンアップしたものが使われた。
リファレンスの音源には、7.1chサラウンド収録のBDソフト『ジュラシック・パーク』の音声を11.1chにアップミックスした迫力あるサラウンドの臨場感が体験できた。なお「DTS Neo:X」の規格では、2ch/5.1ch/7.1chのサウンドソースを11.1chにまで拡張することが可能だ。
ブラッシュアップを重ねて安定性が向上したモバイル向け高音質化技術
また会場では、昨年のプライベートセミナー(関連ニュース)でも紹介された、モバイルエンターテインメント機器向けのバーチャル・サラウンド再生技術「DTS Envelo Headphone」と「DTS Boost」も、LGエレクトロニクス製のスマートフォンで試聴できた。伊藤氏によれば、「DTSのサウンド技術を採用いただいたメーカーには、“高音質”軸でのプロダクトの差別化に高い効果を得ているという声をいただいている」という。同社ではモバイル機器向けの高音質化技術についても、今後よりブラッシュアップを図りながら、安定性も向上させていく考えだ。
コーエン氏は、「音を大きくするだけではなく、とても自然なサウンドであることがDTSのモバイル向け技術の特徴。元の作品が持っている品位を損なうことなく、より快適な環境で音楽に浸っていただけるメリットをアピールしたい」と語る。
10月14日より、原宿Audiショールームで「DTS Neo:X」11.1ch再生を体験できるイベントを開催
DTSでは、10月14日(金)〜16日(日)の3日間にわたって、今回のプライベートセミナーで披露された「DTS Neo:X」の11.1ch再生を体験できる一般参加型のイベントを、東京・原宿のAudiショールームで開催する。参加費は無料。
日時:2011年10月14日(金)・15日(土)・16日(日)
場所:Audi Forum Tokyo(東京都渋谷区神宮前6-12-18)
http://www.dtsjapan.co.jp/campaign/audidts.html
リファレンスソースも、今回のプライベートセミナーと同じ『ジュラシック・パーク』のBD版が用意される。そのほかにも、会場にはDTS技術搭載PCなどの様々なDTS搭載プロダクトの試聴コーナーが設けられる予定となっている。DTSの最新高音質技術を一度に体験できる貴重な場となる。ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
会場には米DTS社のマーケティング担当バイス・プレジデントであるアラン・L・コーエン氏が来日し出席。DTSとして、今後もPCやモバイル機器、カーAVなども含めたあらゆるエンターテインメント・デバイスに向けた高品位サウンド技術を開発・提案していくという、同社のビジネス戦略を説明した。また、10月26日にジェネオン・ユニバーサルから発売予定のタイトル『ジュラシック・パーク』のBDをリファレンスにした最新サラウンドフォーマット「DTS Neo:X」の再生デモや、PC向けの最新技術、DTSデコーダーを搭載するテレビのプロトタイプなど、これからのDTSの方向性を具現化する様々なプロダクトのデモンストレーションが行われた。
PC、モバイル、テレビ…多様なデバイスに広がる新たなエンターテインメントシーンにDTS技術を
コーエン氏は、「既にコンシューマーは従来のホームシアターシーンを飛び出しており、場所によって様々なエンタテイメントの楽しみ方が求められる時代になっている」と、PCやモバイル機器などのデバイスを筆頭に、現在もエンタテイメント市場が拡大しているとコメント。「しかしこれまで、PCやモバイルなどのエンタテイメントプロダクトにおいて、“サウンドクオリティ”の分野はほとんど忘れられていた」と、一方でこれまではメーカー側の取り組みとしては、ビジュアルを重視したアプローチに偏りがちだったと指摘する。
コーエン氏は「恐らくこれまでは“外出時にモバイル機器でYouTubeを視聴できる”といったスタイルそのものがリッチで新鮮味があったので、音にはそれ程こだわりが生まれてこなかったのではないか」としながらも、今後はモバイル機器の性能やサービスが急速に進化していくことで、様々な生活シーンで“音へのこだわり”が生まれてくるだろうと期待を示す。
「すると次のステップとして、PC、モバイル、テレビ、カーAVなどのあらゆるプロダクトは、ビジュアルだけでなくサウンドの品質も求められる段階になる。私たちとしては、従来のホームシアターはもちろん、これらのPCやモバイルをはじめとした、新しいエンタテイメントデバイスに対しても、高品位なサウンドを積極的に提案していく」とコーエン氏は語り、DTSの高品質なサウンド技術が今後のエンターテインメントシーンのニーズに応えられるものであることをアピールした。また「“音楽を聴く”というのは当たり前の楽しみ方だが、音の無い映像だけを楽しむというスタイルはほとんど無い」と、“サウンド”そのものが持つエンタテイメント性とその重要性も強調した。
PC向け高音質技術「DTS Ultra PCII Plus」− マイク入力のサウンドも高品位に
デモンストレーションでは、最初にPCの高品位オーディオのためのソリューションパッケージである「DTS Ultra PCII Plus」が紹介された。「DTS Ultra PCII Plus」は、従来のPC向けソリューションパッケージである「DTS Premium Suite」の第二世代にあたるものだ。会場では、同技術の搭載機としては世界初の製品となる富士通製のPC“ESPRIMO”「FHシリーズ」を使用したデモが行われた。
「DTS Ultra PCII Plus」は「DTS Premium Suite」とは異なり、デコーダーを搭載しないパッケージとなる。2ch環境でバーチャルサラウンドを実現する「DTS Surround Sensation」や、聴覚的な音量レベルを向上する「DTS Boost」、異なるオーディオソース間の音量を均一化する「DTS Symmetry」といった「DTS Premium Suite」で実現された3つの技術のほかに、以下に紹介する新たな4つのソリューションが追加された。
インターネットからのダウンロード音源や、ストリーミング再生のサウンドに効果を発揮する“PC向け”の高音質化技術として、圧縮音源を補間する「DTS Audio Restoration」や、低ビットレートで失われる音域を強調する「DTS Enhance」が追加された。
また、IP通話やビデオ通話など、PCへの入力音声に対する高音質化技術も新たに搭載された。ユーザーの環境雑音をモニタリングしながら、特定帯域のゲインを最適化することによって、環境に左右されず高品位な音質を実現する「DTS Clear Audio」がその一つだ。もう一つの技術が、ユーザーの周囲のノイズを低減して明瞭な音声入力を実現する「DTS Clear Voice」となる。本技術では、ユーザーの音声だけにフォーカスして集音するビームフォーミングも実現されている。
「DTS Ultra PCII Plus」の技術は、Windows 7/Vistaに対応するWindowsのオーディオシステム「オーディオ・プロセッシング・オブジェクツ(APO)」のプラグインとしてPCにビルトインされていることから、Windows OS上で稼働する様々な音楽・映像再生アプリケーションの高音質化に貢献するものだ。コーエン氏によれば「本技術についてはいま、様々なPCメーカーに対して積極的に技術提案を行っている」という。
DTS技術を搭載した「高音質テレビ」のプロトタイプも登場
続いては、市販の液晶テレビにDTSサラウンドのバーチャライザーを搭載したプロタイプによる視聴再生デモが行われた。今回は「DTS Ultra PC IIPlus」に搭載されている「DTS Surround Sensation」をベースにしたアルゴリズムの設定値を、特別テレビ用にパラメーター調整したセットが使われた。
dts Japan(株)マーケティング・マネージャーの伊藤哲志氏は、「今年のCEATECでも4K2K技術が発表されているが、テレビが高解像度になっても、そこにサウンドの品質がついていかなければテレビの良さは活きない」と述べ、今回のプロトタイプを製作した背景には“薄型テレビの高音質化”をDTSのメッセージとして発信していくことが狙いにあったことを明らかにした。同社では今後の取り組みとして、今回のプロトタイプ技術のような、テレビのための高音質化技術のモデルについて、テレビメーカに向けてパートナーシップを積極的に呼びかけていく考えであるという。
デモでは、PCで再生した映画タイトルの映像と音声を、HDMI経由でテレビに出力する環境で行われた。音の奥行き感や臨場感が向上し、違和感のない自然なサウンド再生が実現されている。映画コンテンツだけではなく、音楽やナレーションのコンテンツについても、音場感が豊かさを増すとともに、ボーカルの定位よりハッキリと自然に聴こえるようになる。伊藤氏は「本技術の効果は、おそらく多くの方々に明かな違いを感じていただけるものだと思う。“テレビではDTSを常にONにして欲しい”と、自信をもって呼びかけられるものだ」と胸を張った。
なお、今回のデモ再生は、シアタールームに座る視聴者に対して、スピーカーが正面を向いて取り付けられたタイプの液晶テレビを使って行われたが、今後DTSでは「薄型テレビのデザイン的なトレンドである、スピーカーをベゼルの下向きに、あるいは本体背面に搭載したテレビでも、同様に高音質再生が得られるような技術に磨き上げていきたい」と、伊藤氏は意気込みを語った。
圧巻の「DTS Neo:X」による“11.1ch再生”
セミナーの最後には、DTSの最新サラウンドフォーマットである「DTS Neo:X」の11.1ch再生も体験することができた。昨年にDTSが開催したプライベートセミナー(関連ニュース)では、デモ用プロセッサーによって視聴再生が行われていたが、今回は11.1ch再生用として特別にチューンナップしたオンキヨーの「DTS Neo:X」対応AVアンプのプロトタイプ、ならびにステレオパワーアンプ「M-5000R」を組み合わせたデモ環境がつくられた。
同社のHDオーディオ技術「DTS-HD Master Audio」の7.1ch再生時では、「L/R フロント」「センター」「LFE」「Lss/Rss(サイド)」「Lsr/Rsr(サラウンド)」のポピュラーなスピーカー配置が用いられるが、「DTS Neo:X」の11.1ch再生環境は、これにフロント側の「LW/RW(ワイド)」と高さ方向の「LH/RH(ハイト)」を加えて構成される。
「DTS Neo:X」に対応するAVアンプは2011年1Qに登場して以来、国内でも今秋よりオンキヨー、パイオニア、ソニーといったメーカーから対応機種が発表されている。それぞれのメーカーが商品化しているモデルは、いずれも最大9.1chまでのサラウンド出力をサポートしているが、今回のプライベートセミナーに用意されたオンキヨーアンプは、特別に11.1ch出力対応にチューンアップしたものが使われた。
リファレンスの音源には、7.1chサラウンド収録のBDソフト『ジュラシック・パーク』の音声を11.1chにアップミックスした迫力あるサラウンドの臨場感が体験できた。なお「DTS Neo:X」の規格では、2ch/5.1ch/7.1chのサウンドソースを11.1chにまで拡張することが可能だ。
ブラッシュアップを重ねて安定性が向上したモバイル向け高音質化技術
また会場では、昨年のプライベートセミナー(関連ニュース)でも紹介された、モバイルエンターテインメント機器向けのバーチャル・サラウンド再生技術「DTS Envelo Headphone」と「DTS Boost」も、LGエレクトロニクス製のスマートフォンで試聴できた。伊藤氏によれば、「DTSのサウンド技術を採用いただいたメーカーには、“高音質”軸でのプロダクトの差別化に高い効果を得ているという声をいただいている」という。同社ではモバイル機器向けの高音質化技術についても、今後よりブラッシュアップを図りながら、安定性も向上させていく考えだ。
コーエン氏は、「音を大きくするだけではなく、とても自然なサウンドであることがDTSのモバイル向け技術の特徴。元の作品が持っている品位を損なうことなく、より快適な環境で音楽に浸っていただけるメリットをアピールしたい」と語る。
10月14日より、原宿Audiショールームで「DTS Neo:X」11.1ch再生を体験できるイベントを開催
DTSでは、10月14日(金)〜16日(日)の3日間にわたって、今回のプライベートセミナーで披露された「DTS Neo:X」の11.1ch再生を体験できる一般参加型のイベントを、東京・原宿のAudiショールームで開催する。参加費は無料。
日時:2011年10月14日(金)・15日(土)・16日(日)
場所:Audi Forum Tokyo(東京都渋谷区神宮前6-12-18)
http://www.dtsjapan.co.jp/campaign/audidts.html
リファレンスソースも、今回のプライベートセミナーと同じ『ジュラシック・パーク』のBD版が用意される。そのほかにも、会場にはDTS技術搭載PCなどの様々なDTS搭載プロダクトの試聴コーナーが設けられる予定となっている。DTSの最新高音質技術を一度に体験できる貴重な場となる。ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。