WirelessHD技術のメリットもアピール
「InstaPrevue」やCEC拡張技術などHDMIの新機能 − シリコンイメージが説明会を開催
シリコンイメージは、CEATEC JAPANが開催されている幕張メッセ近くの会場で記者向けのプライベートセミナーを開催し、HDMI関連の技術と製品に関するアップデートを紹介した。
セミナーには米Silicon Image社CEOのCamillo Martino氏、シリコンイメージジャパン(株)の代表取締役社長の竹原茂昭氏が出席した。
HDMI技術に関する直近のアップデートとして、はじめに6入力/2出力のHDMIポートプロセッサーが発表された。本プロセッサーには「InstaPrevue」という新たな技術も採用されており、6つのポートに入力されたHDMIソースのコンテンツから、1つの入力ソースをメインの映像として表示しながら、同じ画面上に他の5つのソースの“プレビュー”画面を小窓表示できるようになる。
もう一つの新技術は、HDMI-CECリンクをベースに、IP送信によるコントロール信号を伝送するというもの。本技術はCEATECに出展するシャープのブースでも、今年お披露目されたもので(関連ニュース)、テレビとBDレコーダーをHDMIでつなぎ、テレビにWiFi接続したスマートフォンからIP経由でBDレコーダーにコントロール信号を送って、レコーダー内のコンテンツを制御するという使い方が紹介されている。テレビ側では放送波の映像を視聴しながら、レコーダー内のコンテンツを小窓「PinP」表示して同時に確認することもできる。HDDに録画した未視聴番組については、アラートを出して視聴を促すといった使い勝手も提案されている。
他にもテレビとスマートフォンなどモバイル機器間を接続する規格である「MHL(Mobile High-Definition Link)」の新しいトランスミッター製品群や、エプソンが発表した液晶プロジェクター“ドリーミオ”にも搭載された「WirelessHD」技術の展開(関連ニュース)、並びに東芝がオーストラリアで発表したMHL対応ポート搭載の液晶テレビなどについても紹介が行われた。
シリコンイメージのビジネス展開については竹原氏が近況報告を行った。竹原氏はHDMIコンソーシアムの活動について、「HDMIはいまやHD接続の全世界的なインターフェース・スタンダードになった。採用アダプタメーカーは1,100社に到達し、2011年現在で約22億台のHDMI搭載製品が登場している」と説明。MHLコンソーシアムについても「モバイル機器からテレビなど大画面ディスプレイへのHDビデオ伝送にフォーカスしている。2010年4月にコンソーシアムが設立して以来、今日まで参加メンバーがHDMIの時よりも速いスピードで増加している」とし、同フォーマットの注目度の高さをアピールした。
またWirelessHDコンソーシアムについても、9社の設立企業により活動を精力的に展開し、昨年5月にWirelessHD 1.1の仕様を固め、採用機器が着実に増え始めているとし、ワイヤレスギガビット接続環境のメリットを紹介した。
竹原氏は「今後ワイヤード、ワイヤレスを含めて、トータルで共存したかたちのホームネットワーク構築を加速させ、提案を強化していきたい」と述べた。
セミナー会場では、HDMI関連技術の最新トピックスに関するデモンストレーションも披露された。
「InstaPrevue」については、6入力/2出力のHDMIポートプロセッサーを搭載したスイッチャーの試作機を用意。6つの映像ソースをHDMI接続でプロセッサーに送り込み、プロセッサーを経由した映像を2つのディスプレイに振り分けて表示する環境が設けられた。6入力のポートは「InstaPort S」をサポートし、切り替えの利便性を高めている点は従来の通りだが、それぞれから入力されているソースがメイン画面上の小窓でプレビューできるようになったことが「InstaPrevue」の特徴だ。プレビューは5つの小さな画面で表示したり、1つの入力ソースを選んで「PinP」表示することも可能だ。
6つの入力ポートはそれぞれに300MHzの帯域幅をサポートしており、フル画面の映像は4K2Kや3D、1080/60p信号の伝送表示にも対応している。うち2つの入力端子まではMHLもサポートする。これらのパフォーマンスを外付けメモリーなしで実現していることも本技術の大きな特徴となる。また本技術を展開させた「ViaPort Matrix Switch」では、6つのHDMI入力ソースから内容の異なる2つを選んで、フル画面の映像によるマルチゾーンに配信する技術を実現した。
シリコンイメージでは、本技術のポートプロセッサーチップのサンプル出荷を既に開始しており、来年1月までに量産出荷の開始も予定している。
HDMI-CECをベースにした、リンクコミュニケーション・プロトコルの技術展示については、シャープのスマートフォンとテレビをWiFiでつなぎ、テレビとHDMI接続したBDレコーダーにコマンドを送信して、BD内のコンテンツ情報をテレビに表示するデモを紹介。インターネットプロトコルベースのコマンド信号をHDMI-CECリンクに乗せて伝送できることで、スマートフォンやタブレットなどWiFi接続機器との連携性をさらに高めることができるようになる。
会場ではテレビに放送波の番組を表示しながら、小窓のサブ画面にBDレコーダーのHDDに録画した未視聴番組の動画付きサムネールを表示したり、BDディスクのジャケ写情報やタイトルテキストを表示するデモが行われた。デジタルカメラをレコーダーにUSB接続すれば、メモリー内の写真データをプレビュー表示すること可能になるという。
WirelessHDの技術については、米国でVIZIOが発売している4ポート搭載のトランスミッターを展示し、60GHz帯のワイヤレスAV伝送技術の実力を披露。同技術のチップを組み込んだタブレットの試作機による、タブレットと大画面テレビでの“2画面ゲーミング”のデモも用意して、ワイヤレス環境での低遅延性能もアピールした。
同社では現在“Gen2(第2世代)”のチップを量産出荷中だが、会場にはいま開発中の“Gen3(第3世代)”のチップも用意。次世代のチップでは約1/2の省電力化が実現できるほか、チップサイズのコンパクト化やコストダウンも可能になるという。
MHLの展開については、最新のMHL/HDMIデュアルモード・ポートプロセッサーを採用した東芝の液晶テレビ「55WL863」によるデモを紹介。本シリーズは東芝がオーストラリア市場に向けて展開するモデルであり、MHL対応ポートを初めて搭載した表示デバイスとなる。
会場ではサムスンのスマートフォン「GALAXY S II」に保存した1080p動画を、スマートフォン側でデコードしながらMHL/HDMIケーブル経由でテレビに表示するデモが行われていた。テレビとの接続時にはスマートフォンの電源をチャージすることもできる。またテレビのリモコンでスマートフォンをコントロールすることも可能だ。同社では「テレビにネット接続機能がない場合でも、MHLに対応してさえいれば、スマートフォンでYouTube再生やWebブラウジングしながら大画面テレビで楽しむことができるようになる」と、本技術のメリットの一例を紹介している。
セミナーには米Silicon Image社CEOのCamillo Martino氏、シリコンイメージジャパン(株)の代表取締役社長の竹原茂昭氏が出席した。
HDMI技術に関する直近のアップデートとして、はじめに6入力/2出力のHDMIポートプロセッサーが発表された。本プロセッサーには「InstaPrevue」という新たな技術も採用されており、6つのポートに入力されたHDMIソースのコンテンツから、1つの入力ソースをメインの映像として表示しながら、同じ画面上に他の5つのソースの“プレビュー”画面を小窓表示できるようになる。
もう一つの新技術は、HDMI-CECリンクをベースに、IP送信によるコントロール信号を伝送するというもの。本技術はCEATECに出展するシャープのブースでも、今年お披露目されたもので(関連ニュース)、テレビとBDレコーダーをHDMIでつなぎ、テレビにWiFi接続したスマートフォンからIP経由でBDレコーダーにコントロール信号を送って、レコーダー内のコンテンツを制御するという使い方が紹介されている。テレビ側では放送波の映像を視聴しながら、レコーダー内のコンテンツを小窓「PinP」表示して同時に確認することもできる。HDDに録画した未視聴番組については、アラートを出して視聴を促すといった使い勝手も提案されている。
他にもテレビとスマートフォンなどモバイル機器間を接続する規格である「MHL(Mobile High-Definition Link)」の新しいトランスミッター製品群や、エプソンが発表した液晶プロジェクター“ドリーミオ”にも搭載された「WirelessHD」技術の展開(関連ニュース)、並びに東芝がオーストラリアで発表したMHL対応ポート搭載の液晶テレビなどについても紹介が行われた。
シリコンイメージのビジネス展開については竹原氏が近況報告を行った。竹原氏はHDMIコンソーシアムの活動について、「HDMIはいまやHD接続の全世界的なインターフェース・スタンダードになった。採用アダプタメーカーは1,100社に到達し、2011年現在で約22億台のHDMI搭載製品が登場している」と説明。MHLコンソーシアムについても「モバイル機器からテレビなど大画面ディスプレイへのHDビデオ伝送にフォーカスしている。2010年4月にコンソーシアムが設立して以来、今日まで参加メンバーがHDMIの時よりも速いスピードで増加している」とし、同フォーマットの注目度の高さをアピールした。
またWirelessHDコンソーシアムについても、9社の設立企業により活動を精力的に展開し、昨年5月にWirelessHD 1.1の仕様を固め、採用機器が着実に増え始めているとし、ワイヤレスギガビット接続環境のメリットを紹介した。
竹原氏は「今後ワイヤード、ワイヤレスを含めて、トータルで共存したかたちのホームネットワーク構築を加速させ、提案を強化していきたい」と述べた。
セミナー会場では、HDMI関連技術の最新トピックスに関するデモンストレーションも披露された。
「InstaPrevue」については、6入力/2出力のHDMIポートプロセッサーを搭載したスイッチャーの試作機を用意。6つの映像ソースをHDMI接続でプロセッサーに送り込み、プロセッサーを経由した映像を2つのディスプレイに振り分けて表示する環境が設けられた。6入力のポートは「InstaPort S」をサポートし、切り替えの利便性を高めている点は従来の通りだが、それぞれから入力されているソースがメイン画面上の小窓でプレビューできるようになったことが「InstaPrevue」の特徴だ。プレビューは5つの小さな画面で表示したり、1つの入力ソースを選んで「PinP」表示することも可能だ。
6つの入力ポートはそれぞれに300MHzの帯域幅をサポートしており、フル画面の映像は4K2Kや3D、1080/60p信号の伝送表示にも対応している。うち2つの入力端子まではMHLもサポートする。これらのパフォーマンスを外付けメモリーなしで実現していることも本技術の大きな特徴となる。また本技術を展開させた「ViaPort Matrix Switch」では、6つのHDMI入力ソースから内容の異なる2つを選んで、フル画面の映像によるマルチゾーンに配信する技術を実現した。
シリコンイメージでは、本技術のポートプロセッサーチップのサンプル出荷を既に開始しており、来年1月までに量産出荷の開始も予定している。
HDMI-CECをベースにした、リンクコミュニケーション・プロトコルの技術展示については、シャープのスマートフォンとテレビをWiFiでつなぎ、テレビとHDMI接続したBDレコーダーにコマンドを送信して、BD内のコンテンツ情報をテレビに表示するデモを紹介。インターネットプロトコルベースのコマンド信号をHDMI-CECリンクに乗せて伝送できることで、スマートフォンやタブレットなどWiFi接続機器との連携性をさらに高めることができるようになる。
会場ではテレビに放送波の番組を表示しながら、小窓のサブ画面にBDレコーダーのHDDに録画した未視聴番組の動画付きサムネールを表示したり、BDディスクのジャケ写情報やタイトルテキストを表示するデモが行われた。デジタルカメラをレコーダーにUSB接続すれば、メモリー内の写真データをプレビュー表示すること可能になるという。
WirelessHDの技術については、米国でVIZIOが発売している4ポート搭載のトランスミッターを展示し、60GHz帯のワイヤレスAV伝送技術の実力を披露。同技術のチップを組み込んだタブレットの試作機による、タブレットと大画面テレビでの“2画面ゲーミング”のデモも用意して、ワイヤレス環境での低遅延性能もアピールした。
同社では現在“Gen2(第2世代)”のチップを量産出荷中だが、会場にはいま開発中の“Gen3(第3世代)”のチップも用意。次世代のチップでは約1/2の省電力化が実現できるほか、チップサイズのコンパクト化やコストダウンも可能になるという。
MHLの展開については、最新のMHL/HDMIデュアルモード・ポートプロセッサーを採用した東芝の液晶テレビ「55WL863」によるデモを紹介。本シリーズは東芝がオーストラリア市場に向けて展開するモデルであり、MHL対応ポートを初めて搭載した表示デバイスとなる。
会場ではサムスンのスマートフォン「GALAXY S II」に保存した1080p動画を、スマートフォン側でデコードしながらMHL/HDMIケーブル経由でテレビに表示するデモが行われていた。テレビとの接続時にはスマートフォンの電源をチャージすることもできる。またテレビのリモコンでスマートフォンをコントロールすることも可能だ。同社では「テレビにネット接続機能がない場合でも、MHLに対応してさえいれば、スマートフォンでYouTube再生やWebブラウジングしながら大画面テレビで楽しむことができるようになる」と、本技術のメリットの一例を紹介している。