タイムシフトマシンが外付USB-HDD対応に
東芝、タイムシフトマシン強化の“REGZA”「Z7」シリーズ − 新クラウドサービス「TimeOn」対応【詳報】
(株)東芝は、進化した「タイムシフトマシン」機能を搭載し、東芝の新しいテレビ向けクラウド型サービス「TimeOn」に対応する液晶テレビ“REGZA”「Z7シリーズ」を10月下旬に発売する。ラインナップには画面サイズの異なる3機種が揃う。
・55Z7/¥OPEN(予想実売価格37万円前後)
・47Z7/¥OPEN(予想実売価格27万円前後)
・42Z7/¥OPEN(予想実売価格18万円前後)
全モデルがLEDバックライトを搭載したフルHDの新IPSパネルを搭載。光沢タイプながら、テレビを設置した室内照明などの映り込みを低減し、引き締まった黒色を再現する「アドバンスド・クリアパネル」を採用する。LEDの配置はエッジライトタイプで、エリア駆動にも対応する。
パネルの駆動速度は120Hz。エリア分割によるバックライトスキャンで動画解像度を高める「アクティブスキャン240」も採用している。
パッシブ方式での3D表示に対応しており、別売の“レグザシアターグラス”「FPT-P200」(製品情報)による3D視聴が楽しめる。
「Z7シリーズ」は4K対応の「Xシリーズ」(製品情報)に次ぐ、東芝“REGZA”の新たなフラグシップシリーズに位置づけられる。「ZT3シリーズ」や録画機の“レグザサーバー”にも搭載されている「タイムシフトマシン」を中心に、進化した録画機能を搭載している。また、10月下旬から始まる独自のテレビ向けクラウド型サービス「TimeOn(タイムオン)」も利用できる。はじめに録画機能とクラウド型サービスの新機能から紹介していこう。
外付USB-HDDによるタイムシフトマシン録画に対応
本体には地上デジタルチューナーを9基、BS・110度CSチューナーを2基搭載し、地デジ6チャンネル同時の「タイムシフトマシン」録画機能に対応している。B-CASカードは地上デジタル専用ミニカード、およびBS/CS地上共用ミニカードを1枚ずつ装着する。本体に内蔵したチューナーユニットは、6局対応地デジ用チューナーをシリコンチューナーにしたことで、ユニットを小型・ワンボックス化し、テレビ本体の小型化・省電力化につなげている。
Z7シリーズでは、ZT3シリーズやZG2シリーズは本体内蔵だったタイムシフトマシン用のHDDをテレビの外に出し、外付けUSB-HDDでタイムシフトマシン録画が行えるようにした。購入後、タイムシフトマシン機能を必要に応じて導入することができるほか、東芝純正、またはサードパーティーの対応HDDを必要な容量に応じて選択することができるようになった。
本体背面にタイムシフトマシン専用のUSB 3.0対応の「USB A」「USB B」端子を配置。この2系統の端子に加えて、通常録画用にUSB2.0対応の「USB C」端子の合計3系統を設ける。東芝からは本体背面に金具で固定できる容量計2.5TBの“純正タイムシフトマシン対応USB-HDD”「THD-250TI」が11月上旬に発売される。価格はオープンだが、4万円前後での販売が予想される。2TBがタイムシフトマシン用で、500GBが通常録画用領域。HDDの電源は別途専用ケーブルから給電する。
タイムシフトマシン録画はDR記録に固定されており、2TBの領域で最大地デジ6チャンネルを約40時間キャッシュ録画できる。タイムシフトマシン用の「USB A」「USB B」端子には、それぞれ3チャンネル分のタイムシフト録画したい放送局を割り当てることができる。なお、タイムシフトマシン機能を利用する際には、必ずUSB A/B端子の両方に各同容量のUSB-HDDを接続して使う必要がある。※お詫びと訂正:本稿初出時に、タイムシフトマシン用USB-HDDの使用方法に誤った記載がございました。お詫びして訂正申し上げます。
バッファロー、I-O DATAからは、REGZA Z7シリーズのタイムシフトマシンに対応する専用USB-HDDが発売される。
バッファローの「HDT-AVU3/Vシリーズ」は2TB/4TBのモデルが10月下旬から、6TBのモデルが11月下旬に発売される予定。各モデルはひとつの筐体に2枚のHDDを内蔵しており、6TBのHDDなら最長約120時間のタイムシフトマシン録画が行える。REGZA Z7シリーズとは2本のUSBケーブルで接続する。価格はオープンだが、6TBモデルは4万円台前半、4TBモデルは3万円台前半、2TBモデルは2万円台前半で販売される見込みだ。
I-O DATAから12月に発売を予定している「AVHD-ZRシリーズ」は6TB/4TBのタイムシフトマシン録画と、1TBの通常録画にも対応するHDDを内蔵した専用USB-HDD。通常録画用のHDDは、本機専用のカセットタイプHDDを採用しており、交換して使うことが可能だ。価格はオープンだが、6TB/1TBモデルは5万円未満、4TB/1TBモデルは3万円台半ばでの販売が予想される。交換用HDDは1万円前後の見込み。
通常録画は「地デジ見ながらW録」の機能により、チャンネルを切り換えながら1番組を視聴して、同時に2番組の裏録画が楽しめる。録画2番組同時のオートチャプター記録にも対応する。接続できるUSB-HDDは1台4TBまで、ハブを使って最大4台まで接続できる。通常録画も画質はDR記録に固定されているが、バッファローのレコロング機能を搭載する外付USB-HDD「HDX-LSU2」(関連ニュース)を使えば、USB-HDD本体に内蔵するトランスコーダーを利用して、2TBのHDDなら約720時間の長時間録画も行える。なお、長時間モードを含む2番組同時録画には対応していない。
録画予約の際にはフォルダごとに整理して予約先が指定できる「マイフォルダ」機能に対応。週間番組表は1チャンネルあたり8日分の放送予定が一覧表示できるほか、リモコンの「録画」ボタンを押すだけで予約が完了する一発録画予約にも対応した。
タイムシフトマシン録画のコンテンツを手軽に視聴できる新機能を追加
タイムシフトマシンで録画した膨大な過去番組のコンテンツを、後から関連番組なども手軽に探しながら視聴できる新機能「ざんまいプレイ」が追加された。Z7シリーズのリモコンには「ざんまいプレイ」の専用ボタンを配置。ボタンを押すと専用UIが表示される。画面上部には「ざんまいプレイ」に含まれる諸機能がアイコンで一覧表示される。
「ほかにもこんな番組」機能は、メイン画面に現在視聴中の番組を表示しながら、右側に視聴番組に関連するタイムシフトマシン録画の番組を、レコメンドコンテンツとして小画面表示する機能。関連番組はEPG情報を参照しながら、メインの番組のタイトル、番組情報に含まれるキーワード、人物、ジャンルなどを元に、東芝独自のアルゴリズムで処理を行い、関連度の高い順に上から最大30件のコンテンツを表示する。関連番組はアイコンを選択して、手軽に再生できる。なお、メイン画面の“現在視聴番組”はチューナーで受信している放送中の番組だけでなく、タイムシフトマシン/通常録画で記録した番組、レグザリンクシェアで配信された番組のいずれにも対応しており、それぞれに関連番組を手軽に見つけることができる。
「急上昇ワード」は巷で話題になっているキーワードを最大10件までリストに表示、キーワードを含む関連番組を素速く探せる機能。キーワードはEPG情報での出現件数をカウントして、頻度の高いものを表示する。
「いつもの番組」はタイムシフトマシンの録画内容から、ユーザーの再生情報を参照して“いつも見ている”番組をテレビが自動でピックアップする機能。関連番組は最大100件まで表示される。「みんなのおすすめ番組」は、テレビをインターネットに接続して利用できる人気番組チェックのための機能。なお本機能によるレコメンドコンテンツは、「タイムシフトマシン注目番組」と同様に「おすすめサービス」対応の東芝製品から、インターネットを介して集計されたデータをベースに抽出・表示する。
「あなたへのおすすめ番組」ではタイムシフトマシン録画の再生情報を利用して、ユーザーが“まだ見たことのない番組”をテレビが推薦してくれる。放っておくと上書きされてしまう過去番組のアーカイブから、ユーザーにとって関心のある番組との出会いを促す機能だ。
またユーザーの任意設定項目として、新番組やドラマ/スポーツなどジャンルで絞り込み検索できる機能や、興味のあるジャンルを任意のキーワードを設定しながら3件まで保存しておける「ジャンル専用リスト」機能なども備える。
タイムシフトマシンの過去番組表はグラフィックを一新。従来の黒色から、新たに青色を基調とした画面に変更した。また選択した単一チャンネルの「週間過去番組表」が表示できるようになる。ほかにも番組保存+タイムシフト再生、録画+番組保存などの同時操作を改善。過去番組表に表示された番組を「決定」ボタンからすぐに再生できるようになった。
また新たに、タイムシフトマシンで録画した番組のホームネットワーク内配信にも対応。ホームネットワーク内にあるDTCP-IP対応テレビで視聴ができる。
東芝独自のテレビ向けクラウド型サービス「TimeOn」が始動
東芝は同社の“REGZA”シリーズを中心としたAV機器向けに、新たなクラウド型サービス「TimeOn(タイムオン)」を今年の10月下旬からスタートさせる。「TimeOn」のサービスは無料で利用することができる。個別ユーザーの登録は、機器IDによる登録、またはHDEXアカウントによる登録が可能。
Z7シリーズを無線LAN、またはケーブルでインターネットに接続した後に、リモコンに新設された「クラウドメニュー」ボタンを押すとホーム画面が表示される。
「みどころシーン再生」は、タイムシフトマシン/通常録画した地上デジタル放送の番組一覧から放送局をまたいで、“見たいシーン”をクラウド情報を活用しながらキーワードから簡単に探し出せる機能。本年10月下旬以降に予定されている本体ソフトウェアの更新後に利用できるようになる。シーン情報は本サービスのパートナー企業が製作を行い、「TimeOn」のサーバー経由で提供される。
シーン検索は「ざんまいプレイ」のメニュー画面表示時から、リモコンの「緑キー」を押して「みどころシーン再生」のメニューを表示。キーワード検索など様々な方法で、お気に入りの芸能人が出ているシーンや、ニュース番組の関心のあるトピックなどをプレビュー付きのリストに表示して、簡単に見つけることができる。
ほかにもYahoo!検索との連携により、ネット上で話題になっている流行語やキーワードがすぐにチェックできる「検索急上昇ワード」も10月下旬から利用できる。
ピックアップされたシーン一覧から、見たいシーンを選んでダイレクトに再生できる「シーンドンピシャ再生」にも10月下旬以降から対応する。
「気になる!シーンリスト」はクラウド情報を利用し、単一の録画番組の見所を“シーン単位”で区切った「シーンリスト」で表示して、シーンを選びながら視聴できる機能。タイムシフトマシン/通常録画番組の再生中に、リモコンに新しく設けられた「気になる!」ボタンを押すと、メイン画面の右側に「シーンリスト」を表示。シーン情報を参照しながら意中の場面へ素速くアクセスできる。再生後はリモコンの左右キーで前後のシーンに移動も可能。本機能は10月下旬に予定されているソフトウェアアップデートを行った後に利用できる。
ほかにも番組視聴中に気になるシーンがあったら「気になる!」ボタンを押して登録し、後から登録したシーンだけを一覧にして見直せる「気になる!チェック」機能も13年1月下旬から提供を開始する予定だ。
そのほか、13月1月下旬以降のアップデート後に利用できるクラウドサービス系機能の一つが、「フレンドからのおすすめ」。ユーザーと趣味の近い人を“フレンド”として登録しておき、その人がおすすめするシーンをすぐに見ることができる。さらに、クラウド情報を参照しながら「最も視聴されたシーン」をリストアップして確認できる「今週の瞬間最高視聴シーン TOP30」も13年3月下旬より提供をスタートする。
通常録画には「おまかせ録画」機能を新設。13年1月下旬から提供を開始する予定だ。本機能ではクラウド情報を利用して「注目度の高いキーワード」を一覧化、ユーザーは興味のあるキーワードを選択しておけば、テレビが関連番組を自動で録画予約して、通常録画のHDDに録画してくれる機能。おまかせ録画で録った番組は、USB-HDDの専用フォルダーにまとめて管理されるため、通常録画用HDDの録画可能領域を圧迫することはないという。同社スタッフによれば「キーワードによっては関連番組が大量にヒットしてしまう場合もあるので、ユーザーにとってより有用な番組を選択して録画できる仕組みをサービス公開までに整えていきたい」という。
タブレット連携など「レグザリンク」を軸にしたネットワーク機能も進化
インターネットへの接続は、テレビ本体にケーブルをつなげるLAN端子の他、REGZAシリーズとしてはじめて無線LANを内蔵し、ワイヤレスで接続することができる。
DLNAネットワーク機能はDMS(デジタルメディアサーバー)にも対応。家庭内の別室にあるDTCP-IP対応のテレビやタブレット、スマートフォンからも、Z7シリーズで録画した番組の視聴が楽しめる「レグザリンク・シェア」をサポートする。また先述したとおり、本機からタイムシフトマシンで録画したコンテンツも、ホームネットワーク経由でDTCP-IP対応のテレビなど、家庭内のDLNA対応機器へストリーミング配信したり、NASへのダビングも可能になった。なお、従来から提供していた「レグザリンク・シェア」のRZプレーヤー/RZライブ/RZポーター(関連ニュース)の各アプリについては、録画機器の側にH.264トランスコーダーが必要になるため、本機では対応していない。これに伴って、REGZA Phone、REGZA TabletでRZプレーヤーなどのアプリを使ってREGZA Z7シリーズのコンテンツをストリーミング、および持ち出し視聴することはできない。
DMP(デジタルメディアプレーヤー)、DMR(デジタルメディアレンダラー)機能も同じく搭載。NAS(LAN-HDD)へのテレビ録画は行えないが、DLNA(DTCP-IP)対応のレコーダーに録画した番組や、NASなどメディアサーバーに保存した番組をテレビ側からコントロールして視聴できる。
ブロードバンド系の動画コンテンツ視聴機能はYouTube/アクトビラ/Yahoo! JAPAN/ひかりTV/U-NEXT/TSUTAYA TV/T's TV/スカパー!オンデマンドのほか、「もっとTV」にも10月下旬から新しく対応する。
タブレットやスマートフォンなど、他のAV系機器とのコンテンツ連携もクラウド経由、またはホームネットワーク経由で可能になる。タブレット対応のサービスはAndroid 3.1以上を搭載している機器であれば、レグザタブレット以外のモデルでも基本的に利用できるが、一部のサービスは正しく表示されない場合がある。
テレビ本体のソフトウェアアップデートにより、クラウドアルバム/伝言ボード/カレンダーサービスなどの新機能が10月下旬から利用可能になる予定だ。各機能にはクラウドメニューのホーム画面からアクセスができる。
「クラウドアルバム」はテレビや他の対応機器でも楽しめるデジタルアルバム。「伝言ボード」はテレビで手軽に利用できるメッセージサービス。届いたメッセージはテキスト表示の他、東芝独自の音声合成技術「ToSpeak」を使った音声読み上げにも対応する。「カレンダー」では日常の予定を表示するだけでなく、テレビ番組の予約状況のチェックも可能。一部機能の追加は12月以降に予定されている。
ブロードバンド放送を含む各コンテンツは、ユーザーが利用頻度の高いものを集めてホーム画面をカスタマイズできる「マイページ」機能にも対応した。
「RZクラウド for Android Tablet」にも対応。本アプリは10月下旬からGoogle Playで提供される予定だ。同社のスタッフによれば「iOS用アプリも現在開発中」であるという。本アプリを使えば「TimeOn」のクラウドサービスにタブレットからアクセスし、アルバムや伝言ボード(メッセージ)、カレンダーサービスなどのコンテンツを共有できる。またテレビを視聴しながらレグザタブレットにクラウドメニューを表示し、タブレットをリモコン代わりにしてテレビの操作を行うことも可能だ。なお、アルバムサービスは1ユーザーあたり5GBのストレージが利用できる。アップロードできるデータは静止画のみで、データはタブレットやPCからアップロードできる。テレビから直接アップロードはできない。またアルバム上の写真をタブレットに保存する際には、タブレットの保存機能を利用するかたちになる。
レグザAppsコネクトのアプリにも対応。11月上旬に配信を予定しているAndroidアプリ「RZ番組ナビ」では、アプリをインストールしたタブレットにテレビの番組表を表示して、番組の詳細をチェックしながら視聴チャンネルを切り替えたり、録画予約を入れられるようになる。ユーザーそれぞれの情報を共有しながら“録画ランキング”から予約を行うことも可能になる予定だという。なお、タイムシフトマシンの過去番組表との連動表示には対応していない。
番組表表示は地上デジタルのほか、BS・CSの放送番組、スカパー!HDを含むスカパー!の放送番組をEPGから取得して横断的に表示できるほか、VODもTSUTAYA TV、U-NEXTの番組情報の表示にも対応する。各番組の詳細情報はインターネットから取得する。同社スタッフによれば「配信開始直後は難しいかもしれないが、将来的にはFacebookとTwitterに連動した書き込み機能も追加していく予定」だという。
スマートフォン“REGZA Phone”との連携では、テレビとUSB経由でマスストレージとして接続し、スマートフォンで撮影した3GPP形式の動画が再生できる。対応機種は“REGZA Phone”シリーズのT-01C/T-01D/IS04/IS11T。音声形式がAMRの場合は再生不可。
本体側面にはデータ専用のUSB端子を搭載。USBメモリーに保存したAVCHD/MP4方式の映像や、JPEG写真、MP3音楽データ、MPフォーマットの3D写真再生などが可能。なお、SDカードスロットは本シリーズから非搭載となった。
様々なコンテンツごとにベストな画質を追求
映像エンジンはデュアルコアの「レグザエンジン CEVO」を2組搭載する“クアッドコア”構成の「レグザエンジン CEVO Duo」を採用した。
超解像技術は「複数フレーム超解像」に、「再構成型超解像」「色超解像」「自己合同性型超解像」「カラーテクスチャー復元」を組み合わせた「レゾリューションプラス7」を採用する。
視聴環境と映像信号に合わせて、画面に表示される映像を最適な画質に自動調整する「おまかせドンピシャ高画質」は、テレビを設置する部屋の壁紙やカーテンなど「背景色」をユーザーが任意に選べるようになった。自動画質調整機能は、3D/2D両方の映像に効果がある。
BDソフトをより高画質に楽しめるよう、REGZA Z3シリーズでは「1080pモード」「モニター」「レグザコンビネーション高画質」の時だけ有効だった、「ALLクロマフォーマット4:4:4処理」が3次元ノイズリダクションと併用できるようになった。また3次元カラーノイズリダクションも新たに搭載し、BD再生時の細かな色情報や色輪郭がさらにクリアに再現される。本機能は外部1080p/720p入力で、倍速モードが「クリアスムーズ」以外の設定時に利用できる。
ゴルフの映像は、より立体感高く再現できるよう「色質感リアライザー/色階調リアライザー/グラフィックスNR」の3つのシーン適応高画質処理を搭載。グリーンの映像がより高精細に、かつ豊かな色情報とともに楽しめる。
映画など“パンニング”(カメラの位置を変えずに、向きを横方向に移動させる撮影方法)の多い映像コンテンツもくっきりと再現できるよう、テレビに搭載されている各種の3次元ノイズリダクションに対して、新しくパン検出機能と、パン適応ノイズ低減処理を追加し、パン時の動画ボケも低減している。
映像モードはアニメ/ゴルフ/ゲームなど各映像コンテンツを最適に表示するための豊富なモード設定を用意。シーンに最適な映像処理を加えてベストな画質で再現する。
「アニメモード」は映像のヒストグラムを解析し、輪郭の精細化やノイズ低減を含む高精細処理を行い、今昔作品ともに高画質に再現。アニメモードの設定はさらに3つに細分化されており、昔のセルアニメに適した「レトロアニメ」、デジタル制作の映像の圧縮ノイズを抑える「デジタルアニメ(放送)」、BDのアニメをマスタークオリティで再現する「デジタルアニメ(ブルーレイ)」を設ける。
「ゴルフモード」では、ヒストグラムで映像の中の緑色部分の輝度領域を抽出。色質感リアライザーによる制御を加え、芝生のアンジュレーションをよりリアルに再現する。また白いボールやシャツの映像は白飛びを抑え、十分な質感を持たせた映像に再現。超解像技術もゴルフモードに最適化して、平坦部の映像もよりリアルに表示する。
さらに「ゲームモード」では、ゲームの種類に応じて最適な高画質処理を行い、低遅延表示化も行う。モードは3種類、PS3など一般的なゲームに最適な「ノーマル」、高精細なグラフィックス重視タイプのゲームに対応する「モニター」、昔のゲームを楽しめる「レトロ」を用意した。補間映像を前後2枚の映像から生成することで、動きの速いアクションゲームもなめらかな映像で楽しめる「ゲームスムーズ」モードも搭載する。
独自開発の「レグザサウンドイコライザー」を搭載
内蔵スピーカーはディスプレイの下側に向かって配置されたインビジブルタイプを採用。独自技術により、低域の量感をもたせた迫力のあるサウンドを実現している。
Z7シリーズは全機種が新開発の35×75mmフルレンジスピーカーを2個ずつ搭載する。振動板にはマイカコーティングを施し、20kHzまで伸びやかな高域の再現と、f0を抑えた振動系で量感のある低域再生を実現している。
エンクロージャー部は小型サイズながら屈折型のバスレフポートを装備した新開発のバスレフ型ボックスを採用。スピーカーの能力に高度にマッチングさせたポート設計で、明瞭な低域を再生する。
音響補正はZG2シリーズに搭載していた「CONEQ」から、新シリーズでは独自開発の「レグザサウンドイコライザー」に変更。内蔵スピーカーの音響特性を補正しながら、高品位なサウンドを再現する。新開発のイコライザーには、「FIR(finite impulse response)フィルター」による高精度な周波数軸補正に加え、時間軸補正を行ってインパルスレスポンスを改善する「理想インパルス再現技術」を搭載。スピーカー前面の空間を立体的に測定する「3次元測定技術」と、そこから抽出されたデータを時間軸で解析し、ピーク成分を打ち消しながら聴覚心理に基づいたサウンド補正を行う「4次元補正技術」を備えている点も特徴の一つ。
仮想音源シュミレートに基づいた「音像補正技術」により、不明瞭な音像定位を改善。テレビの画面中央から音が聞こえてくるような自然な音像定位を実現する。またテレビの筐体が共鳴することで発生する不快な音について、ピンポイントで抑制周波数成分を加えて低減する技術も採用した。
テレビ本体のデザインとリモコンも一新
リモコンは新規に開発。先述の「ざんまいプレイ」「クラウドメニュー」「気になる!」など、新しいメイン機能へのダイレクトボタンを配置したほか、画面上に大小サイズで時計を表示できる「時計ボタン」や、バックライトのレベルを50%/75%の2段階で調整できる「節電ボタン」なども設けた。
なおテレビ本体デザインはJacob Jensen Designのプロデュースによるもの。メインマテリアルにはガラスを用いている。狭額縁デザインを採用し、液晶パネルのガラスを覆うように、周囲にシルバーのフレームを配置して、スタイリッシュなルックスに仕上げている。テーブルトップスタンドもスクウェアデザインのガラス素材を採用して、スリムかつミニマルな佇まいを追求した。スタンドの背面には「転倒防止ネジ穴」を設け、2箇所のフックにヒモなどでくくりつけて、付属のクリップを使ってテレビ背面の壁や柱に固定できる「転倒防止バンド」にも対応している。
「タイムシフトマシン+クラウド」が実現する、新しいテレビの視聴スタイル
本日(株)東芝が開催した新製品記者発表会場にて、「REGZA Z7シリーズ」の商品コンセプトを、東芝 デジタルプロダクツ&サービス社の本村裕史氏に訊ねた。
東芝の“REGZA”は、今年ブランド誕生から7年目を迎えた。REGZAはこれまで薄型テレビに録画機能をいち早く統合した後、シングル録画からW録画へ、そしてタイムシフトマシン録画へと、ユーザーのテレビ視聴のスタイルを革新してきた。また画質の面でも「超解像技術」や近年の「4K対応」など、ハイクオリティ化を牽引し続けている。
新しいフラグシップのZ7シリーズでは、「ざんまいプレイ」を軸にタイムシフトマシン録画の機能をさらに磨き上げてきた。「“ざんまいプレイ”の各機能によって、タイムシフトマシンの魅力をより多くの方々に“みえる”ようにしたかった」と、本村氏は新機能の開発意図を語る。
クラウドサービス「TimeOn」と連携することで、タイムシフトマシンで録画した過去番組の視聴がさらに面白くなる。これまで番組単位で検索・視聴していた番組コンテンツが、「みどころシーン再生」などの機能が使えるようになることで、“シーン単位”でチェックできるようになる。本村氏は「過去番組のアーカイブの中から思いがけず魅力的な番組に出会うことができ、しかもすぐに視聴できるという体験が、これまでにないテレビの新しい視聴スタイルをつくっていくのでは」と期待する。
生活の必需アイテムとも言えるテレビを“スマート化”へと導くために、東芝は今回「テレビ機能の進化を基軸にしたスマート化」というストレートなアプローチで挑んできた。本村氏は「最近テレビが面白くなくなってきた、とおっしゃる方々もいるが、Z7/J7シリーズの誕生によって、テレビがテレビを面白くしてくれることを確信している。“TimeOn”のサービスも進化を続けることで、テレビと人とのコミュニケーションが活性化していくだろう。“スマート化”していく東芝REGZAに、今後もぜひ期待して欲しい」と胸を張る。
【問い合わせ先】
東芝テレビご相談センター
TEL/0120-97-9674
・55Z7/¥OPEN(予想実売価格37万円前後)
・47Z7/¥OPEN(予想実売価格27万円前後)
・42Z7/¥OPEN(予想実売価格18万円前後)
全モデルがLEDバックライトを搭載したフルHDの新IPSパネルを搭載。光沢タイプながら、テレビを設置した室内照明などの映り込みを低減し、引き締まった黒色を再現する「アドバンスド・クリアパネル」を採用する。LEDの配置はエッジライトタイプで、エリア駆動にも対応する。
パネルの駆動速度は120Hz。エリア分割によるバックライトスキャンで動画解像度を高める「アクティブスキャン240」も採用している。
パッシブ方式での3D表示に対応しており、別売の“レグザシアターグラス”「FPT-P200」(製品情報)による3D視聴が楽しめる。
「Z7シリーズ」は4K対応の「Xシリーズ」(製品情報)に次ぐ、東芝“REGZA”の新たなフラグシップシリーズに位置づけられる。「ZT3シリーズ」や録画機の“レグザサーバー”にも搭載されている「タイムシフトマシン」を中心に、進化した録画機能を搭載している。また、10月下旬から始まる独自のテレビ向けクラウド型サービス「TimeOn(タイムオン)」も利用できる。はじめに録画機能とクラウド型サービスの新機能から紹介していこう。
外付USB-HDDによるタイムシフトマシン録画に対応
本体には地上デジタルチューナーを9基、BS・110度CSチューナーを2基搭載し、地デジ6チャンネル同時の「タイムシフトマシン」録画機能に対応している。B-CASカードは地上デジタル専用ミニカード、およびBS/CS地上共用ミニカードを1枚ずつ装着する。本体に内蔵したチューナーユニットは、6局対応地デジ用チューナーをシリコンチューナーにしたことで、ユニットを小型・ワンボックス化し、テレビ本体の小型化・省電力化につなげている。
Z7シリーズでは、ZT3シリーズやZG2シリーズは本体内蔵だったタイムシフトマシン用のHDDをテレビの外に出し、外付けUSB-HDDでタイムシフトマシン録画が行えるようにした。購入後、タイムシフトマシン機能を必要に応じて導入することができるほか、東芝純正、またはサードパーティーの対応HDDを必要な容量に応じて選択することができるようになった。
本体背面にタイムシフトマシン専用のUSB 3.0対応の「USB A」「USB B」端子を配置。この2系統の端子に加えて、通常録画用にUSB2.0対応の「USB C」端子の合計3系統を設ける。東芝からは本体背面に金具で固定できる容量計2.5TBの“純正タイムシフトマシン対応USB-HDD”「THD-250TI」が11月上旬に発売される。価格はオープンだが、4万円前後での販売が予想される。2TBがタイムシフトマシン用で、500GBが通常録画用領域。HDDの電源は別途専用ケーブルから給電する。
タイムシフトマシン録画はDR記録に固定されており、2TBの領域で最大地デジ6チャンネルを約40時間キャッシュ録画できる。タイムシフトマシン用の「USB A」「USB B」端子には、それぞれ3チャンネル分のタイムシフト録画したい放送局を割り当てることができる。なお、タイムシフトマシン機能を利用する際には、必ずUSB A/B端子の両方に各同容量のUSB-HDDを接続して使う必要がある。※お詫びと訂正:本稿初出時に、タイムシフトマシン用USB-HDDの使用方法に誤った記載がございました。お詫びして訂正申し上げます。
バッファロー、I-O DATAからは、REGZA Z7シリーズのタイムシフトマシンに対応する専用USB-HDDが発売される。
バッファローの「HDT-AVU3/Vシリーズ」は2TB/4TBのモデルが10月下旬から、6TBのモデルが11月下旬に発売される予定。各モデルはひとつの筐体に2枚のHDDを内蔵しており、6TBのHDDなら最長約120時間のタイムシフトマシン録画が行える。REGZA Z7シリーズとは2本のUSBケーブルで接続する。価格はオープンだが、6TBモデルは4万円台前半、4TBモデルは3万円台前半、2TBモデルは2万円台前半で販売される見込みだ。
I-O DATAから12月に発売を予定している「AVHD-ZRシリーズ」は6TB/4TBのタイムシフトマシン録画と、1TBの通常録画にも対応するHDDを内蔵した専用USB-HDD。通常録画用のHDDは、本機専用のカセットタイプHDDを採用しており、交換して使うことが可能だ。価格はオープンだが、6TB/1TBモデルは5万円未満、4TB/1TBモデルは3万円台半ばでの販売が予想される。交換用HDDは1万円前後の見込み。
通常録画は「地デジ見ながらW録」の機能により、チャンネルを切り換えながら1番組を視聴して、同時に2番組の裏録画が楽しめる。録画2番組同時のオートチャプター記録にも対応する。接続できるUSB-HDDは1台4TBまで、ハブを使って最大4台まで接続できる。通常録画も画質はDR記録に固定されているが、バッファローのレコロング機能を搭載する外付USB-HDD「HDX-LSU2」(関連ニュース)を使えば、USB-HDD本体に内蔵するトランスコーダーを利用して、2TBのHDDなら約720時間の長時間録画も行える。なお、長時間モードを含む2番組同時録画には対応していない。
録画予約の際にはフォルダごとに整理して予約先が指定できる「マイフォルダ」機能に対応。週間番組表は1チャンネルあたり8日分の放送予定が一覧表示できるほか、リモコンの「録画」ボタンを押すだけで予約が完了する一発録画予約にも対応した。
タイムシフトマシン録画のコンテンツを手軽に視聴できる新機能を追加
タイムシフトマシンで録画した膨大な過去番組のコンテンツを、後から関連番組なども手軽に探しながら視聴できる新機能「ざんまいプレイ」が追加された。Z7シリーズのリモコンには「ざんまいプレイ」の専用ボタンを配置。ボタンを押すと専用UIが表示される。画面上部には「ざんまいプレイ」に含まれる諸機能がアイコンで一覧表示される。
「ほかにもこんな番組」機能は、メイン画面に現在視聴中の番組を表示しながら、右側に視聴番組に関連するタイムシフトマシン録画の番組を、レコメンドコンテンツとして小画面表示する機能。関連番組はEPG情報を参照しながら、メインの番組のタイトル、番組情報に含まれるキーワード、人物、ジャンルなどを元に、東芝独自のアルゴリズムで処理を行い、関連度の高い順に上から最大30件のコンテンツを表示する。関連番組はアイコンを選択して、手軽に再生できる。なお、メイン画面の“現在視聴番組”はチューナーで受信している放送中の番組だけでなく、タイムシフトマシン/通常録画で記録した番組、レグザリンクシェアで配信された番組のいずれにも対応しており、それぞれに関連番組を手軽に見つけることができる。
「急上昇ワード」は巷で話題になっているキーワードを最大10件までリストに表示、キーワードを含む関連番組を素速く探せる機能。キーワードはEPG情報での出現件数をカウントして、頻度の高いものを表示する。
「いつもの番組」はタイムシフトマシンの録画内容から、ユーザーの再生情報を参照して“いつも見ている”番組をテレビが自動でピックアップする機能。関連番組は最大100件まで表示される。「みんなのおすすめ番組」は、テレビをインターネットに接続して利用できる人気番組チェックのための機能。なお本機能によるレコメンドコンテンツは、「タイムシフトマシン注目番組」と同様に「おすすめサービス」対応の東芝製品から、インターネットを介して集計されたデータをベースに抽出・表示する。
「あなたへのおすすめ番組」ではタイムシフトマシン録画の再生情報を利用して、ユーザーが“まだ見たことのない番組”をテレビが推薦してくれる。放っておくと上書きされてしまう過去番組のアーカイブから、ユーザーにとって関心のある番組との出会いを促す機能だ。
またユーザーの任意設定項目として、新番組やドラマ/スポーツなどジャンルで絞り込み検索できる機能や、興味のあるジャンルを任意のキーワードを設定しながら3件まで保存しておける「ジャンル専用リスト」機能なども備える。
タイムシフトマシンの過去番組表はグラフィックを一新。従来の黒色から、新たに青色を基調とした画面に変更した。また選択した単一チャンネルの「週間過去番組表」が表示できるようになる。ほかにも番組保存+タイムシフト再生、録画+番組保存などの同時操作を改善。過去番組表に表示された番組を「決定」ボタンからすぐに再生できるようになった。
また新たに、タイムシフトマシンで録画した番組のホームネットワーク内配信にも対応。ホームネットワーク内にあるDTCP-IP対応テレビで視聴ができる。
東芝独自のテレビ向けクラウド型サービス「TimeOn」が始動
東芝は同社の“REGZA”シリーズを中心としたAV機器向けに、新たなクラウド型サービス「TimeOn(タイムオン)」を今年の10月下旬からスタートさせる。「TimeOn」のサービスは無料で利用することができる。個別ユーザーの登録は、機器IDによる登録、またはHDEXアカウントによる登録が可能。
Z7シリーズを無線LAN、またはケーブルでインターネットに接続した後に、リモコンに新設された「クラウドメニュー」ボタンを押すとホーム画面が表示される。
「みどころシーン再生」は、タイムシフトマシン/通常録画した地上デジタル放送の番組一覧から放送局をまたいで、“見たいシーン”をクラウド情報を活用しながらキーワードから簡単に探し出せる機能。本年10月下旬以降に予定されている本体ソフトウェアの更新後に利用できるようになる。シーン情報は本サービスのパートナー企業が製作を行い、「TimeOn」のサーバー経由で提供される。
シーン検索は「ざんまいプレイ」のメニュー画面表示時から、リモコンの「緑キー」を押して「みどころシーン再生」のメニューを表示。キーワード検索など様々な方法で、お気に入りの芸能人が出ているシーンや、ニュース番組の関心のあるトピックなどをプレビュー付きのリストに表示して、簡単に見つけることができる。
ほかにもYahoo!検索との連携により、ネット上で話題になっている流行語やキーワードがすぐにチェックできる「検索急上昇ワード」も10月下旬から利用できる。
ピックアップされたシーン一覧から、見たいシーンを選んでダイレクトに再生できる「シーンドンピシャ再生」にも10月下旬以降から対応する。
「気になる!シーンリスト」はクラウド情報を利用し、単一の録画番組の見所を“シーン単位”で区切った「シーンリスト」で表示して、シーンを選びながら視聴できる機能。タイムシフトマシン/通常録画番組の再生中に、リモコンに新しく設けられた「気になる!」ボタンを押すと、メイン画面の右側に「シーンリスト」を表示。シーン情報を参照しながら意中の場面へ素速くアクセスできる。再生後はリモコンの左右キーで前後のシーンに移動も可能。本機能は10月下旬に予定されているソフトウェアアップデートを行った後に利用できる。
ほかにも番組視聴中に気になるシーンがあったら「気になる!」ボタンを押して登録し、後から登録したシーンだけを一覧にして見直せる「気になる!チェック」機能も13年1月下旬から提供を開始する予定だ。
そのほか、13月1月下旬以降のアップデート後に利用できるクラウドサービス系機能の一つが、「フレンドからのおすすめ」。ユーザーと趣味の近い人を“フレンド”として登録しておき、その人がおすすめするシーンをすぐに見ることができる。さらに、クラウド情報を参照しながら「最も視聴されたシーン」をリストアップして確認できる「今週の瞬間最高視聴シーン TOP30」も13年3月下旬より提供をスタートする。
通常録画には「おまかせ録画」機能を新設。13年1月下旬から提供を開始する予定だ。本機能ではクラウド情報を利用して「注目度の高いキーワード」を一覧化、ユーザーは興味のあるキーワードを選択しておけば、テレビが関連番組を自動で録画予約して、通常録画のHDDに録画してくれる機能。おまかせ録画で録った番組は、USB-HDDの専用フォルダーにまとめて管理されるため、通常録画用HDDの録画可能領域を圧迫することはないという。同社スタッフによれば「キーワードによっては関連番組が大量にヒットしてしまう場合もあるので、ユーザーにとってより有用な番組を選択して録画できる仕組みをサービス公開までに整えていきたい」という。
タブレット連携など「レグザリンク」を軸にしたネットワーク機能も進化
インターネットへの接続は、テレビ本体にケーブルをつなげるLAN端子の他、REGZAシリーズとしてはじめて無線LANを内蔵し、ワイヤレスで接続することができる。
DLNAネットワーク機能はDMS(デジタルメディアサーバー)にも対応。家庭内の別室にあるDTCP-IP対応のテレビやタブレット、スマートフォンからも、Z7シリーズで録画した番組の視聴が楽しめる「レグザリンク・シェア」をサポートする。また先述したとおり、本機からタイムシフトマシンで録画したコンテンツも、ホームネットワーク経由でDTCP-IP対応のテレビなど、家庭内のDLNA対応機器へストリーミング配信したり、NASへのダビングも可能になった。なお、従来から提供していた「レグザリンク・シェア」のRZプレーヤー/RZライブ/RZポーター(関連ニュース)の各アプリについては、録画機器の側にH.264トランスコーダーが必要になるため、本機では対応していない。これに伴って、REGZA Phone、REGZA TabletでRZプレーヤーなどのアプリを使ってREGZA Z7シリーズのコンテンツをストリーミング、および持ち出し視聴することはできない。
DMP(デジタルメディアプレーヤー)、DMR(デジタルメディアレンダラー)機能も同じく搭載。NAS(LAN-HDD)へのテレビ録画は行えないが、DLNA(DTCP-IP)対応のレコーダーに録画した番組や、NASなどメディアサーバーに保存した番組をテレビ側からコントロールして視聴できる。
ブロードバンド系の動画コンテンツ視聴機能はYouTube/アクトビラ/Yahoo! JAPAN/ひかりTV/U-NEXT/TSUTAYA TV/T's TV/スカパー!オンデマンドのほか、「もっとTV」にも10月下旬から新しく対応する。
タブレットやスマートフォンなど、他のAV系機器とのコンテンツ連携もクラウド経由、またはホームネットワーク経由で可能になる。タブレット対応のサービスはAndroid 3.1以上を搭載している機器であれば、レグザタブレット以外のモデルでも基本的に利用できるが、一部のサービスは正しく表示されない場合がある。
テレビ本体のソフトウェアアップデートにより、クラウドアルバム/伝言ボード/カレンダーサービスなどの新機能が10月下旬から利用可能になる予定だ。各機能にはクラウドメニューのホーム画面からアクセスができる。
「クラウドアルバム」はテレビや他の対応機器でも楽しめるデジタルアルバム。「伝言ボード」はテレビで手軽に利用できるメッセージサービス。届いたメッセージはテキスト表示の他、東芝独自の音声合成技術「ToSpeak」を使った音声読み上げにも対応する。「カレンダー」では日常の予定を表示するだけでなく、テレビ番組の予約状況のチェックも可能。一部機能の追加は12月以降に予定されている。
ブロードバンド放送を含む各コンテンツは、ユーザーが利用頻度の高いものを集めてホーム画面をカスタマイズできる「マイページ」機能にも対応した。
「RZクラウド for Android Tablet」にも対応。本アプリは10月下旬からGoogle Playで提供される予定だ。同社のスタッフによれば「iOS用アプリも現在開発中」であるという。本アプリを使えば「TimeOn」のクラウドサービスにタブレットからアクセスし、アルバムや伝言ボード(メッセージ)、カレンダーサービスなどのコンテンツを共有できる。またテレビを視聴しながらレグザタブレットにクラウドメニューを表示し、タブレットをリモコン代わりにしてテレビの操作を行うことも可能だ。なお、アルバムサービスは1ユーザーあたり5GBのストレージが利用できる。アップロードできるデータは静止画のみで、データはタブレットやPCからアップロードできる。テレビから直接アップロードはできない。またアルバム上の写真をタブレットに保存する際には、タブレットの保存機能を利用するかたちになる。
レグザAppsコネクトのアプリにも対応。11月上旬に配信を予定しているAndroidアプリ「RZ番組ナビ」では、アプリをインストールしたタブレットにテレビの番組表を表示して、番組の詳細をチェックしながら視聴チャンネルを切り替えたり、録画予約を入れられるようになる。ユーザーそれぞれの情報を共有しながら“録画ランキング”から予約を行うことも可能になる予定だという。なお、タイムシフトマシンの過去番組表との連動表示には対応していない。
番組表表示は地上デジタルのほか、BS・CSの放送番組、スカパー!HDを含むスカパー!の放送番組をEPGから取得して横断的に表示できるほか、VODもTSUTAYA TV、U-NEXTの番組情報の表示にも対応する。各番組の詳細情報はインターネットから取得する。同社スタッフによれば「配信開始直後は難しいかもしれないが、将来的にはFacebookとTwitterに連動した書き込み機能も追加していく予定」だという。
スマートフォン“REGZA Phone”との連携では、テレビとUSB経由でマスストレージとして接続し、スマートフォンで撮影した3GPP形式の動画が再生できる。対応機種は“REGZA Phone”シリーズのT-01C/T-01D/IS04/IS11T。音声形式がAMRの場合は再生不可。
本体側面にはデータ専用のUSB端子を搭載。USBメモリーに保存したAVCHD/MP4方式の映像や、JPEG写真、MP3音楽データ、MPフォーマットの3D写真再生などが可能。なお、SDカードスロットは本シリーズから非搭載となった。
様々なコンテンツごとにベストな画質を追求
映像エンジンはデュアルコアの「レグザエンジン CEVO」を2組搭載する“クアッドコア”構成の「レグザエンジン CEVO Duo」を採用した。
超解像技術は「複数フレーム超解像」に、「再構成型超解像」「色超解像」「自己合同性型超解像」「カラーテクスチャー復元」を組み合わせた「レゾリューションプラス7」を採用する。
視聴環境と映像信号に合わせて、画面に表示される映像を最適な画質に自動調整する「おまかせドンピシャ高画質」は、テレビを設置する部屋の壁紙やカーテンなど「背景色」をユーザーが任意に選べるようになった。自動画質調整機能は、3D/2D両方の映像に効果がある。
BDソフトをより高画質に楽しめるよう、REGZA Z3シリーズでは「1080pモード」「モニター」「レグザコンビネーション高画質」の時だけ有効だった、「ALLクロマフォーマット4:4:4処理」が3次元ノイズリダクションと併用できるようになった。また3次元カラーノイズリダクションも新たに搭載し、BD再生時の細かな色情報や色輪郭がさらにクリアに再現される。本機能は外部1080p/720p入力で、倍速モードが「クリアスムーズ」以外の設定時に利用できる。
ゴルフの映像は、より立体感高く再現できるよう「色質感リアライザー/色階調リアライザー/グラフィックスNR」の3つのシーン適応高画質処理を搭載。グリーンの映像がより高精細に、かつ豊かな色情報とともに楽しめる。
映画など“パンニング”(カメラの位置を変えずに、向きを横方向に移動させる撮影方法)の多い映像コンテンツもくっきりと再現できるよう、テレビに搭載されている各種の3次元ノイズリダクションに対して、新しくパン検出機能と、パン適応ノイズ低減処理を追加し、パン時の動画ボケも低減している。
映像モードはアニメ/ゴルフ/ゲームなど各映像コンテンツを最適に表示するための豊富なモード設定を用意。シーンに最適な映像処理を加えてベストな画質で再現する。
「アニメモード」は映像のヒストグラムを解析し、輪郭の精細化やノイズ低減を含む高精細処理を行い、今昔作品ともに高画質に再現。アニメモードの設定はさらに3つに細分化されており、昔のセルアニメに適した「レトロアニメ」、デジタル制作の映像の圧縮ノイズを抑える「デジタルアニメ(放送)」、BDのアニメをマスタークオリティで再現する「デジタルアニメ(ブルーレイ)」を設ける。
「ゴルフモード」では、ヒストグラムで映像の中の緑色部分の輝度領域を抽出。色質感リアライザーによる制御を加え、芝生のアンジュレーションをよりリアルに再現する。また白いボールやシャツの映像は白飛びを抑え、十分な質感を持たせた映像に再現。超解像技術もゴルフモードに最適化して、平坦部の映像もよりリアルに表示する。
さらに「ゲームモード」では、ゲームの種類に応じて最適な高画質処理を行い、低遅延表示化も行う。モードは3種類、PS3など一般的なゲームに最適な「ノーマル」、高精細なグラフィックス重視タイプのゲームに対応する「モニター」、昔のゲームを楽しめる「レトロ」を用意した。補間映像を前後2枚の映像から生成することで、動きの速いアクションゲームもなめらかな映像で楽しめる「ゲームスムーズ」モードも搭載する。
独自開発の「レグザサウンドイコライザー」を搭載
内蔵スピーカーはディスプレイの下側に向かって配置されたインビジブルタイプを採用。独自技術により、低域の量感をもたせた迫力のあるサウンドを実現している。
Z7シリーズは全機種が新開発の35×75mmフルレンジスピーカーを2個ずつ搭載する。振動板にはマイカコーティングを施し、20kHzまで伸びやかな高域の再現と、f0を抑えた振動系で量感のある低域再生を実現している。
エンクロージャー部は小型サイズながら屈折型のバスレフポートを装備した新開発のバスレフ型ボックスを採用。スピーカーの能力に高度にマッチングさせたポート設計で、明瞭な低域を再生する。
音響補正はZG2シリーズに搭載していた「CONEQ」から、新シリーズでは独自開発の「レグザサウンドイコライザー」に変更。内蔵スピーカーの音響特性を補正しながら、高品位なサウンドを再現する。新開発のイコライザーには、「FIR(finite impulse response)フィルター」による高精度な周波数軸補正に加え、時間軸補正を行ってインパルスレスポンスを改善する「理想インパルス再現技術」を搭載。スピーカー前面の空間を立体的に測定する「3次元測定技術」と、そこから抽出されたデータを時間軸で解析し、ピーク成分を打ち消しながら聴覚心理に基づいたサウンド補正を行う「4次元補正技術」を備えている点も特徴の一つ。
仮想音源シュミレートに基づいた「音像補正技術」により、不明瞭な音像定位を改善。テレビの画面中央から音が聞こえてくるような自然な音像定位を実現する。またテレビの筐体が共鳴することで発生する不快な音について、ピンポイントで抑制周波数成分を加えて低減する技術も採用した。
テレビ本体のデザインとリモコンも一新
リモコンは新規に開発。先述の「ざんまいプレイ」「クラウドメニュー」「気になる!」など、新しいメイン機能へのダイレクトボタンを配置したほか、画面上に大小サイズで時計を表示できる「時計ボタン」や、バックライトのレベルを50%/75%の2段階で調整できる「節電ボタン」なども設けた。
なおテレビ本体デザインはJacob Jensen Designのプロデュースによるもの。メインマテリアルにはガラスを用いている。狭額縁デザインを採用し、液晶パネルのガラスを覆うように、周囲にシルバーのフレームを配置して、スタイリッシュなルックスに仕上げている。テーブルトップスタンドもスクウェアデザインのガラス素材を採用して、スリムかつミニマルな佇まいを追求した。スタンドの背面には「転倒防止ネジ穴」を設け、2箇所のフックにヒモなどでくくりつけて、付属のクリップを使ってテレビ背面の壁や柱に固定できる「転倒防止バンド」にも対応している。
「タイムシフトマシン+クラウド」が実現する、新しいテレビの視聴スタイル
本日(株)東芝が開催した新製品記者発表会場にて、「REGZA Z7シリーズ」の商品コンセプトを、東芝 デジタルプロダクツ&サービス社の本村裕史氏に訊ねた。
東芝の“REGZA”は、今年ブランド誕生から7年目を迎えた。REGZAはこれまで薄型テレビに録画機能をいち早く統合した後、シングル録画からW録画へ、そしてタイムシフトマシン録画へと、ユーザーのテレビ視聴のスタイルを革新してきた。また画質の面でも「超解像技術」や近年の「4K対応」など、ハイクオリティ化を牽引し続けている。
新しいフラグシップのZ7シリーズでは、「ざんまいプレイ」を軸にタイムシフトマシン録画の機能をさらに磨き上げてきた。「“ざんまいプレイ”の各機能によって、タイムシフトマシンの魅力をより多くの方々に“みえる”ようにしたかった」と、本村氏は新機能の開発意図を語る。
クラウドサービス「TimeOn」と連携することで、タイムシフトマシンで録画した過去番組の視聴がさらに面白くなる。これまで番組単位で検索・視聴していた番組コンテンツが、「みどころシーン再生」などの機能が使えるようになることで、“シーン単位”でチェックできるようになる。本村氏は「過去番組のアーカイブの中から思いがけず魅力的な番組に出会うことができ、しかもすぐに視聴できるという体験が、これまでにないテレビの新しい視聴スタイルをつくっていくのでは」と期待する。
生活の必需アイテムとも言えるテレビを“スマート化”へと導くために、東芝は今回「テレビ機能の進化を基軸にしたスマート化」というストレートなアプローチで挑んできた。本村氏は「最近テレビが面白くなくなってきた、とおっしゃる方々もいるが、Z7/J7シリーズの誕生によって、テレビがテレビを面白くしてくれることを確信している。“TimeOn”のサービスも進化を続けることで、テレビと人とのコミュニケーションが活性化していくだろう。“スマート化”していく東芝REGZAに、今後もぜひ期待して欲しい」と胸を張る。
【問い合わせ先】
東芝テレビご相談センター
TEL/0120-97-9674
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【SPEC】●サイズ:42V型 ●映像処理システム:レグザエンジンCEVO Duo ●パネル:IPS方式 倍速LEDパネル(フルHDアドバンスド・クリアパネル) ●解像度:1,920×1,080 ●コントラスト比:1600対1(ダイナミックコントラスト:580万対1) ●チューナー:地上デジタル×9、BS・110度CSデジタル×2 ●入出力端子:HDMI入力×4、D5入力×1、ビデオ入力×1、HDMIアナログ音声入力×1、光デジタル音声出力×1、アナログ音声出力、USB×4、LAN×1 ●消費電力:180W(リモコン待機時)●外形寸法:954W×634H×215Dmm ●質量:15.5kg