注目新製品レビュー
ホンモノの4K・2D映像が楽しめるテレビが誕生した ー 東芝“レグザ”「55XS5」速攻レビュー
今回、4Kレグザの新モデル「55XS5」の試作機を視聴できる機会を得た。その2D映像の画質は、裸眼3D表示にも対応するレグザ「55X3」と比較して、画質が向上したことを確認できた。
何はともあれ、裸眼3D表示のためのレンチキュラーシートを外した効果が大きい。黒色がより引き締まり、レグザのクリアLEDパネルが持つ魅力が存分に発揮されているようだ。55X3では、2D映像の視聴時に、レンチキュラーシートに起因する格子のような映像のざらつきが、特に斜め角度の位置から映像を見た際にわずかながらも気になることがあったが、55XS5ではそのようなことがまるで無く、ダイレクトに4K解像度の映像が楽しめる。画面上に色ムラが発生することもなく、ドットピッチすら見えない密度感の高い55XS5の映像こそホンモノだと、あらためて見入ってしまった。
照明を完全に落とした部屋で、ブルーレイの映画「NINE」を視聴した。55X3は直下型LEDによるエリア駆動だったが、本機でエッジライト型LEDのエリア駆動に変更されたことで、映像はどのように変わったのだろうか。55X3では深く沈み込んだ黒から、スポットライトや女優の肌など明るい映像の部分までコントラストの表現が幅広い。対して55XS5は、パネル性能をストレートに引き出した素直な4K画質である。
55XS5は民生用のテレビとして、ピュアな4Kの2D映像が楽しめる初めての製品とも言える。今年中には、恐らく他のブランドから4Kのライバル機が出てくることも考えられるが、今後4Kテレビの表示性能を比較するうえで、55XS5が当分のあいだはベンチマークとしての役割を果たしていくはずだ。
テレビの多機能化が進む一方、販売価格は下落してしまうことが、近年の市場の課題とされてきたが、東芝レグザは“Xシリーズ”で「4K高画質」を強くアピールし、“映像が圧倒的に美しい”という、テレビの原点から価値を再構築しようとしている。この東芝の“攻め”の姿勢には筆者も大いに共感するところがあるし、今後も多くのオーディオ・ビジュアルファンに注目されるはずだ。
◆折原一也 プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。
何はともあれ、裸眼3D表示のためのレンチキュラーシートを外した効果が大きい。黒色がより引き締まり、レグザのクリアLEDパネルが持つ魅力が存分に発揮されているようだ。55X3では、2D映像の視聴時に、レンチキュラーシートに起因する格子のような映像のざらつきが、特に斜め角度の位置から映像を見た際にわずかながらも気になることがあったが、55XS5ではそのようなことがまるで無く、ダイレクトに4K解像度の映像が楽しめる。画面上に色ムラが発生することもなく、ドットピッチすら見えない密度感の高い55XS5の映像こそホンモノだと、あらためて見入ってしまった。
照明を完全に落とした部屋で、ブルーレイの映画「NINE」を視聴した。55X3は直下型LEDによるエリア駆動だったが、本機でエッジライト型LEDのエリア駆動に変更されたことで、映像はどのように変わったのだろうか。55X3では深く沈み込んだ黒から、スポットライトや女優の肌など明るい映像の部分までコントラストの表現が幅広い。対して55XS5は、パネル性能をストレートに引き出した素直な4K画質である。
55XS5は民生用のテレビとして、ピュアな4Kの2D映像が楽しめる初めての製品とも言える。今年中には、恐らく他のブランドから4Kのライバル機が出てくることも考えられるが、今後4Kテレビの表示性能を比較するうえで、55XS5が当分のあいだはベンチマークとしての役割を果たしていくはずだ。
テレビの多機能化が進む一方、販売価格は下落してしまうことが、近年の市場の課題とされてきたが、東芝レグザは“Xシリーズ”で「4K高画質」を強くアピールし、“映像が圧倒的に美しい”という、テレビの原点から価値を再構築しようとしている。この東芝の“攻め”の姿勢には筆者も大いに共感するところがあるし、今後も多くのオーディオ・ビジュアルファンに注目されるはずだ。
◆折原一也 プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。