ハンダにも徹底的なこだわりを投入
ソニー、AVアンプ「STR-DN2030」でのこだわりを開発者“かないまる”氏が徹底解説
ソニーは、AVアンプ「STR-DN2030」の体験会を一部メディア向けに実施。「かないまる」の愛称でAVファンに知られ、同社ピュアオーディオアンプの開発全体を統括している ホームエンタテインメント事業本部 HAV部 音響設計部 主幹技師の金井隆氏によるデモンストレーションを行った。
「STR-DN2030」(関連ニュース)は、「センタースピーカーリフトアップ」などの新機能を搭載し、192kHz/24bit音源再生にも対応するなどした7.1ch AVアンプ。税込み84,000円という価格ながらも、定価136,500円で販売していた「TA-DA3600ES」と同様の広帯域パワーアンプやシャーシを採用している。
なお、パワーアンプはディスクリート回路をアルミ基板状に作成したモジュールを採用。これにより豊かな低音を実現したという。
また、ヒートシンクも「通常、この価格帯であれば折り曲げタイプを使うが、本機は押し出しタイプのものにしている」(金井氏)などといったこだわりも投入。販売店によっては6万円程度で販売されていることも紹介し、「この価格帯では最高の7.1chモデルだ」とした。
ネットワーク経由での192kHz/24bit/5.1ch(WAV/FLAC)再生が可能な点も特徴のひとつ。未使用ポートをオフにできる「LANポート・アクチベーション」機能を搭載。Wi-Fiルーターを介してPCやNASとつながる一般的な接続でなく、PC/NAS、ルーターとそれぞれ別に直接接続可能にし、音源を保存しているPC/NASと直接つながるようにすることで、音質に配慮している。金井氏は「これだけの機能をこの価格につけるには相当がんばらないといけないのだが、なぜこれを搭載したかというと…私が使いたかったから(笑)」と出席したメディア関係者にジョークを飛ばす。
HDMIは8入力3出力を装備。4KアップスケーリングやセカンドゾーンHDMI装備など、フラグシップ機「TA-DA5800ES」同様の機能も備えている。なお、開発陣が色々な確認を行い、音楽再生に最も向いているポート、映像再生に向いているポートを「SACD/CD」「BD」などといった具合に端子部そばに表示している。
また、P in Pで他入力の状況を確認できる「ファストビュー/プレビュー」機能も搭載。ただし、同機能を使用すると音質に影響が出ることから、オフにもできるようにしているという。
金井氏は、2012年モデルからはハンダにも音質にこだわった新開発品を使用していると説明。高純度スズ(4N)をベースに銅や微量元素を添加して製造することで、結晶状態がよく、銅との合金層がキレイで、スズの分子共振が少ないハンダにし、これが高音質に寄与しているのだと語った。
なお、このハンダは非売品であるにも関わらず「M700ES-FPS」という型番が付けられている。同社製品の上位モデルに付けられる「ES」を型番に冠していることからも音質へのこだわりが感じられる。
こうしたハンダの開発背景について金井氏は「有毒だとされて鉛ハンダが使えなくなったときに各社とも音質が落ちた」とコメント。本ハンダの前世代モデルを2003年に開発する際に「鉱山ごとに含有成分が微妙に違って音も変わるため、世界中から50種類くらいのスズを集めて聴いた」と語る。
そして、そうした中から選んだスズについて「音に好影響のもの、悪影響のものといった具合に、スズの中の不純物を6年かけて研究した」と説明。その結果、採用したスズを採掘していた鉱山が閉山してしまった後でも音質のよいハンダを製造し続けることができているのだという。
フロントハイを利用してセンタースピーカーの音を好みの高さまで引き上げる事ができる新機能「センタースピーカーリフトアップ」については、10段階のうち3〜5程度が推奨だとコメント。独自の自動音場補正「A.P.M.(オートマティック・フェーズ・マッチング)」が動作することにより、自然な効果を得られるとした。
さらに金井氏は、スマートフォンやタブレットをリモコンとして利用できる「ES Remoteアプリ」にも言及。DLNAのDMC機能をアプリ側に担当させてAVアンプ本体の負担を減らすことで、アンプ本体のDMC機能を利用するよりも高音質化できると語る。
通常、DMC機能においてはコンテンツの再生命令送信後も通信状態のモニターなどのため信号をたびたび送受信する仕様になっており、これが音質に影響を与えているという。しかしESリモートでは、この状況モニターをアプリ側の通信機能を利用することで、再生指示後はDMC機能としては一切通信しない方法を採用。これにより音質に配慮したと説明した。
「STR-DN2030」(関連ニュース)は、「センタースピーカーリフトアップ」などの新機能を搭載し、192kHz/24bit音源再生にも対応するなどした7.1ch AVアンプ。税込み84,000円という価格ながらも、定価136,500円で販売していた「TA-DA3600ES」と同様の広帯域パワーアンプやシャーシを採用している。
なお、パワーアンプはディスクリート回路をアルミ基板状に作成したモジュールを採用。これにより豊かな低音を実現したという。
また、ヒートシンクも「通常、この価格帯であれば折り曲げタイプを使うが、本機は押し出しタイプのものにしている」(金井氏)などといったこだわりも投入。販売店によっては6万円程度で販売されていることも紹介し、「この価格帯では最高の7.1chモデルだ」とした。
ネットワーク経由での192kHz/24bit/5.1ch(WAV/FLAC)再生が可能な点も特徴のひとつ。未使用ポートをオフにできる「LANポート・アクチベーション」機能を搭載。Wi-Fiルーターを介してPCやNASとつながる一般的な接続でなく、PC/NAS、ルーターとそれぞれ別に直接接続可能にし、音源を保存しているPC/NASと直接つながるようにすることで、音質に配慮している。金井氏は「これだけの機能をこの価格につけるには相当がんばらないといけないのだが、なぜこれを搭載したかというと…私が使いたかったから(笑)」と出席したメディア関係者にジョークを飛ばす。
HDMIは8入力3出力を装備。4KアップスケーリングやセカンドゾーンHDMI装備など、フラグシップ機「TA-DA5800ES」同様の機能も備えている。なお、開発陣が色々な確認を行い、音楽再生に最も向いているポート、映像再生に向いているポートを「SACD/CD」「BD」などといった具合に端子部そばに表示している。
また、P in Pで他入力の状況を確認できる「ファストビュー/プレビュー」機能も搭載。ただし、同機能を使用すると音質に影響が出ることから、オフにもできるようにしているという。
金井氏は、2012年モデルからはハンダにも音質にこだわった新開発品を使用していると説明。高純度スズ(4N)をベースに銅や微量元素を添加して製造することで、結晶状態がよく、銅との合金層がキレイで、スズの分子共振が少ないハンダにし、これが高音質に寄与しているのだと語った。
なお、このハンダは非売品であるにも関わらず「M700ES-FPS」という型番が付けられている。同社製品の上位モデルに付けられる「ES」を型番に冠していることからも音質へのこだわりが感じられる。
こうしたハンダの開発背景について金井氏は「有毒だとされて鉛ハンダが使えなくなったときに各社とも音質が落ちた」とコメント。本ハンダの前世代モデルを2003年に開発する際に「鉱山ごとに含有成分が微妙に違って音も変わるため、世界中から50種類くらいのスズを集めて聴いた」と語る。
そして、そうした中から選んだスズについて「音に好影響のもの、悪影響のものといった具合に、スズの中の不純物を6年かけて研究した」と説明。その結果、採用したスズを採掘していた鉱山が閉山してしまった後でも音質のよいハンダを製造し続けることができているのだという。
フロントハイを利用してセンタースピーカーの音を好みの高さまで引き上げる事ができる新機能「センタースピーカーリフトアップ」については、10段階のうち3〜5程度が推奨だとコメント。独自の自動音場補正「A.P.M.(オートマティック・フェーズ・マッチング)」が動作することにより、自然な効果を得られるとした。
さらに金井氏は、スマートフォンやタブレットをリモコンとして利用できる「ES Remoteアプリ」にも言及。DLNAのDMC機能をアプリ側に担当させてAVアンプ本体の負担を減らすことで、アンプ本体のDMC機能を利用するよりも高音質化できると語る。
通常、DMC機能においてはコンテンツの再生命令送信後も通信状態のモニターなどのため信号をたびたび送受信する仕様になっており、これが音質に影響を与えているという。しかしESリモートでは、この状況モニターをアプリ側の通信機能を利用することで、再生指示後はDMC機能としては一切通信しない方法を採用。これにより音質に配慮したと説明した。