パイオニア、DSD再生対応入門AVアンプ「VSA-1123」など2機種 − 操作アプリ「iControlAV」も進化

パイオニアは、AVアンプの新モデル「VSA-1123」「VSA-823」を5月下旬より発売する。また、新たにiOS/Android端末内の音楽をAVアンプで再生できる「プッシュプレーヤー」機能を備えるなど進化した操作アプリ「iControlAV2013」もリリースする。

新モデルの特徴は、全chディスクリート構成のダイレクトエナジー デザインアンプを搭載し高出力を実現した点、入門機の価格帯ながらネットワーク再生やMHL、4K再生など最新トレンド機能を備えている点、進化した操作アプリに対応している点。

同社の三橋氏は「最新技術をいち早く投入したモデル。ただし、単にスペックにこだわるのではなく、ユーザーの心に響くもの − ワクワク感や感動を呼び起こすものを目指した。本製品を通じてAVアンプを使う楽しみや、コンテンツの面白さに触れてもらえれば。ユーザーの心を動かし、市場を動かすような『新しい風』を起こす存在になっていきたい」と語る。

各製品の詳細は以下のとおり。

■VSA-1123の詳細はこちら
■VSA-823の詳細はこちら
■「iControlAV2013」の詳細はこちら


VSA-1123　￥88,000（税込）

DSD再生やDTS Neo:X/7.1、4Kアップスケーリングなどに対応した180W/chの7.2ch AVアンプ。上位モデルはデジタルアンプだが、本機は全chディスクリート構成のダイレクトエナジー デザインアンプ（アナログ）を採用。全chに192kHz/24bitDACを搭載している。アンプ回路を見直し、回路の電流を最適化。グランドの安定やノイズ低減、電流の増量／安定化、音量感の改善を行ったという。

アンプ電源部にはオーディオ専用カスタムコンデンサーを採用。デジタル／アナログ部の電源はセパレートされており、特にデジタル回路部の電源供給には新電源ユニットを採用しノイズ抑制と効率化を実現している。また、デジタルメイン基板部には低インピーダンスコンデンサーを採用。

HDMI端子は8入力2出力搭載し、様々な機器との接続性を確保。またHDMI経由で4K/フルHD/3D映像とマルチチャンネル音声をサブルームでも楽しめる「HD ZONE」機能も備えている。


■入門機ながらDSD再生に新対応
AIFF/ALACやギャップレス再生も可能

DLNA 1.5に対応し、PCやNAS内の音楽データをネットワーク経由で楽しむことが可能。Windows8認証も取得している。別売のアダプター「AS-WL300」を使えば無線LANにも対応する。192kHz/24bitまでのFLAC/WAVのほか、AIFFやApple Lossless音源の再生も可能。ギャップレス再生もデフォルトで対応している。また、フロントUSB端子経由でDSD再生も可能。USBメモリに保存した2.8MHzまでのDSDIFF（拡張子.dff）／DSF（拡張子.dsf）の再生に対応する。

また、フロントchプリアウト端子を搭載。2chソースの再生時、手持ちのプリメインアンプやパワーアンプとスピーカーを接続して楽しむことができる。同社は「AVアンプをネットワークプレーヤーとして使用する際にも便利」とアピールしている。

そのほか、AirPlayにも対応し、iTunesライブラリ内の音楽をネットワーク経由で再生することが可能。AVアンプのボリュームをiTunes側から操作したりといった使い方もできる。さらに、Bluetooth経由で最大4台までのiPod touch/iPhone/iPadをワイヤレス接続し、お互いの楽曲情報を共有したり聴いたりすることができる「AirJam」にも対応している。

また「Hi-bit 24 Audio Processing」に対応。CDやBD、DVDのマルチチャンネル音声や、ネットワークによる圧縮音源まで、24bit未満の入力信号を独自のビット拡張処理により高解像度化し、自然で滑らかな再生が可能だという。


■iOS端末もAndroid端末も接続可能
− Made for iPod認証やMHLなど

Made for iPod/iPhone/iPad認証を取得し、iPhone5やiPad miniとの接続にも対応。また、新たにMHL ver.2.0に対応。Android端末内の最大1080p/7.1chコンテンツに加え、3D動画もテレビに映し出して再生が可能となった。さらに、パイオニアAVアンプのリモコンでAndroid端末の操作が行える。なお、今期モデルにはMHLケーブルは付属しない。

■4Kパススルー／アップスケーリングに対応

4K映像信号のパススルーに対応。ランダムノイズ／ブロックノイズ／モスキートノイズに対応した「トリプルHDノイズリダクション」機能を備える。

接続するディスプレイの特性やディスプレイとの視聴距離にあわせて、色調やコントラスト、ディテール感などを自動調整してくれる「アドバンスド ビデオアジャスト」機能、ストリーミングコンテンツなど転送レートの低い動画の色ムラやブロックノイズ等を低減する「ストリームスムーサー」機能なども搭載。また、「P.C.24p」機能により、市販DVDや録画ディスクの映像を1080/24p出力することができ、フィルムの質感を再現することができるという。

■コンテンツをさらに楽しめる機能を追加

ソースに由来する低音の遅延を0〜16msの範囲で自動／手動で補正できる「オートフェイズコントロール プラス」を昨年モデルに引き続き搭載。加えて新たに「バーチャル スピーカーズ」機能を用意。サラウンドバック／フロントハイト／フロントワイドのうち、スピーカー設定が「NO」に設定されているスピーカーを自動で補完して音場を作ることができるようになった。これにより5.2chスピーカーで最大11.2chの仮想音場を楽しめる。

また、パイオニア製対応機器との接続時にHDMI伝送時のジッターを低減する「PQLS ビットストリーム」機能や、圧縮音源を補間する「オートサウンドレトリバー」機能、独自の音場補正技術「Advanced MCACC」も、昨年モデルに引き続き搭載している。