触感覚を仮想再現するシステムも開発
NHK、立体映像を実現する「電子ホログラフィー」の新技術を開発
NHKは、電子ホログラフィーを実現するための要素技術として、干渉縞を表示するSLMの光変調素子をトランジスターで駆動する技術を開発した。
NHKでは、特殊なメガネをかけなくても自然な立体映像を楽しめる「電子ホログラフィー」による立体テレビの研究を進めている。電子ホログラフィーとは、空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)により電子的に干渉縞を生成し、これに光を当てることで動画の立体像を表示できる技術。
これまでNHKは、電子のスピンを利用した一次元配列のスピンSLMを独自に開発し、その基本動作の確認を行ってきた。
一方、立体像を動画表示するには、非常に多くの光変調素子を二次元に並べて駆動する必要があり、それぞれを正確かつ高速に駆動する技術の開発や、低消費電力化に向けて駆動に必要な電流を低減することが課題となっていた。
今回、駆動電流の低減を図った光変調素子を用い、素子ごとにトランジスターを配置することで正確かつ高速に各素子を駆動できるアクティブ・マトリクス方式による二次元スピンSLMの試作に世界で初めて成功。スピンSLMの駆動にアクティブ・マトリクス方式の適用が可能になったことで、立体像の動画を表示できる将来の超多素子SLMの実現に向け、大きく前進したという。
試作したアクティブ・マトリクス駆動方式のスピンSLM は、電界効果トランジスター(MOS-FET)上にトンネル磁気抵抗効果(TMR)を利用した光変調素子が形成されている。このスピンSLMでは、トランジスターのスイッチング動作で個別に素子を制御できるため、高速で素子間のクロストーク などのない正確な駆動が可能となる。
またNHKと東京大学は、物体の形状と硬さの両方を非接触で測定し、物体を触った感覚(触感覚)を仮想的に再現できるシステムを共同で開発した。
NHKは物体の形状を再現する触・力覚ディスプレーの研究を進めていた。これまで、形状を再現するシステムを開発していたが、触感覚の伝達には、硬さの分布も併せて再現する必要があった。
今回、東京大学が新たに開発した物体の形状と硬さの両方の分布を測定できる装置と、NHKが開発した触・力覚ディスプレーを用いて、形状だけでなく硬さの違いも分かりやすく再現できるシステムが実現した。
レーザー変位計と超音波を組み合わせることで、離れたところから物体の形状と硬さの分布を非接触で測定し、その測定データから作成した形状と硬さの分布を表すモデルを、触・力覚ディスプレーで指先に複数の点の刺激として与えることで、物体を触った感覚を再現するという。
さらに、作成したモデルを仮想的な映像として映し出すことで、物体に直接触った感覚をより向上させることができる。将来的には、食べ物や生き物などの視覚だけでは伝えられない触感覚を伝達できる情報サービスの実現が期待される。
これらの研究成果は、5月29日(木)〜6月1日(日)に開催される「技研公開 2014」で公開される。
NHKでは、特殊なメガネをかけなくても自然な立体映像を楽しめる「電子ホログラフィー」による立体テレビの研究を進めている。電子ホログラフィーとは、空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)により電子的に干渉縞を生成し、これに光を当てることで動画の立体像を表示できる技術。
これまでNHKは、電子のスピンを利用した一次元配列のスピンSLMを独自に開発し、その基本動作の確認を行ってきた。
一方、立体像を動画表示するには、非常に多くの光変調素子を二次元に並べて駆動する必要があり、それぞれを正確かつ高速に駆動する技術の開発や、低消費電力化に向けて駆動に必要な電流を低減することが課題となっていた。
今回、駆動電流の低減を図った光変調素子を用い、素子ごとにトランジスターを配置することで正確かつ高速に各素子を駆動できるアクティブ・マトリクス方式による二次元スピンSLMの試作に世界で初めて成功。スピンSLMの駆動にアクティブ・マトリクス方式の適用が可能になったことで、立体像の動画を表示できる将来の超多素子SLMの実現に向け、大きく前進したという。
試作したアクティブ・マトリクス駆動方式のスピンSLM は、電界効果トランジスター(MOS-FET)上にトンネル磁気抵抗効果(TMR)を利用した光変調素子が形成されている。このスピンSLMでは、トランジスターのスイッチング動作で個別に素子を制御できるため、高速で素子間のクロストーク などのない正確な駆動が可能となる。
またNHKと東京大学は、物体の形状と硬さの両方を非接触で測定し、物体を触った感覚(触感覚)を仮想的に再現できるシステムを共同で開発した。
NHKは物体の形状を再現する触・力覚ディスプレーの研究を進めていた。これまで、形状を再現するシステムを開発していたが、触感覚の伝達には、硬さの分布も併せて再現する必要があった。
今回、東京大学が新たに開発した物体の形状と硬さの両方の分布を測定できる装置と、NHKが開発した触・力覚ディスプレーを用いて、形状だけでなく硬さの違いも分かりやすく再現できるシステムが実現した。
レーザー変位計と超音波を組み合わせることで、離れたところから物体の形状と硬さの分布を非接触で測定し、その測定データから作成した形状と硬さの分布を表すモデルを、触・力覚ディスプレーで指先に複数の点の刺激として与えることで、物体を触った感覚を再現するという。
さらに、作成したモデルを仮想的な映像として映し出すことで、物体に直接触った感覚をより向上させることができる。将来的には、食べ物や生き物などの視覚だけでは伝えられない触感覚を伝達できる情報サービスの実現が期待される。
これらの研究成果は、5月29日(木)〜6月1日(日)に開催される「技研公開 2014」で公開される。