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再生機の基準やテスト方法を規定

UHD-BDプレーヤー向け「Ultra HD Premium」認証が開始。UHDAの小塚氏にねらいを聞く

公開日 2016/04/12 22:15 編集部:風間雄介
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UHD Allianceは、Ultra HD Blu-rayプレーヤーのディスク再生機能について、画質認定基準とそのテスト方法を規定。「Ultra HD Premium」ロゴ認証を開始した。

「Ultra HD Premium」ロゴマーク


同アライアンスは今年1月のCESにおいて、Ultra HD Preimiumロゴとそのライセンスプログラムを発表した(関連ニュース)。4K/HDRコンテンツを最高の状態で楽しめる製品を示すためのもので、テレビやコンテンツについての要求仕様を発表し、その規定をクリアしたものについてロゴの使用を許可している。

「Ultra HD Premium」ロゴの概要

テレビについては現在、パナソニック、サムスン、LG電子の3社がUltra HD Preimiumの認証を受けた製品を発表。約30製品が同プログラムの認証を受けている。

プレーヤー向けのロゴ認証プログラムを始めたのは、同アライアンスが再生機器側にも基準を設ける必要があると判断したため。たとえばUltra HD Blu-rayディスクの再生は行えても4K解像度が出ていなかったり、HDRについてもPQカーブをきちんと処理して映像を出力できなかったりなど、制作者の意図に沿った映像出力を行えない製品が、今後市場に出回る可能性がある。それらとわかりやすく区分けするねらいがある。

プレーヤー向けロゴ認証プログラムを作った背景

コンテンツ、プレーヤー、テレビのそれぞれに基準や要求仕様が設けられたことにより、Ultra HD Premiumロゴが付与された製品同士を接続すれば、4K/HDRコンテンツを、ハリウッドなどコンテンツ制作者の意図通りに再生することが可能になる。

Ultra HD Premiumロゴを取得した製品同士なら、ハリウッドが認めた画質を家庭でも体験できる

認証を受けるためのテストは、デジタルアナライザーで測定して実施する。たとえば「DCI-P3の色空間を、BT.2020の色域の中でしっかりコーディングして出力できているか」「輝度レンジについては8段階程度のグレースケールを正確に表示できるか」「10bit映像が正確に出力されているか」「UHDの解像度が出力されているか」などを測定するためのテストパターンを、同アライアンスが制作。それを再生・出力した信号をアナライザーで精密に測定する。

なお、現在UHD-BD再生機器を発売しているのは、パナソニックとサムスンのみ。パナソニックでは欧州で発売している「DMP-UB900」で同ロゴを取得し、販促にロゴを活用する計画であるほか、国内で販売されているDMR-UBZ1も同ロゴを取得し、使用する予定という。

今回、この新たな取り組みの開始に合わせ、同アライアンスで積極的な活動を行っているパナソニック(株)AVCネットワーク社 技術本部 メディアアライアンス担当部長 小塚雅之氏と、アプライアンス社 技術本部 ホームエンターテインメント開発センター 運営企画課 技術渉外係 主幹 森美裕氏が音元出版を訪問。今回の規格化のねらい、今後の展開などについて話を聞くことができた。

パナソニック(株)AVCネットワーク社 技術本部 メディアアライアンス担当部長 小塚雅之氏

同 アプライアンス社 技術本部 ホームエンターテインメント開発センター 運営企画課 技術渉外係 主幹 森美裕氏

小塚氏によると、UHD Allianceでは今後、プレーヤーのほかにも様々な製品ジャンルに「Ultra HD Premium」ロゴの利用可能対象を広げることを検討しているという。たとえば機器間をつなげるケーブル、プロジェクターなどが検討対象として挙がっているという。

「市場で売られている有名ブランドのケーブルでも、4K/HDR映像をしっかり伝送できないものがあるという報告を受けています。UHD Allianceとしては、『このロゴが付いた機器を組み合わせればしっかり映像が出るしクオリティも高い』ということを、お客様に正しく理解して頂きたいのです」(小塚氏)。

また小塚氏はこうも指摘する。「現在、Ultra HD Premiumロゴの認証を取得するためには、UHD Allianceの『アダプター』という会員になってもらう必要がありますが、会員費の負担が小さくない場合があります。そういった課題をクリアする方法も考えていく必要があります」。

同アライアンスでは現在、ライブ放送用コンテンツ向けの主要な技術課題やプレミアム基準について研究を行っている。将来的には放送コンテンツにも、Ultra HD Premiumのロゴプログラムが活用される可能性がある。

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