HOME > ニュース > 「家電を賢く、愛着のわく存在に」。シャープ、ココロプロジェクトを'16年度5カテゴリーに拡大

有機ELテレビは「他社からパネル買う必要ない」

「家電を賢く、愛着のわく存在に」。シャープ、ココロプロジェクトを'16年度5カテゴリーに拡大

公開日 2016/04/21 18:12 編集部:小澤貴信
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シャープは本日21日、新製品発表会を開催。液晶テレビAQUOSやAQUOSブルーレイ、AQUOSココロビジョンプレーヤーの発表を行った。


発表会の冒頭ではシャープ株式会社 コンシューマーエレクトロニクスカンパニー 社長の長谷川祥典氏が登壇。新製品における意気込みや、ココロプロジェクトへの取り組みについて説明を行った。

シャープ株式会社 代表取締役 兼 専務執行役員 コンシューマーエレクトロニクスカンパニー 社長の長谷川祥典氏

同社はココロプロジェクトの一環として商品化したモバイル型ロボット電話「RoBoHoN」の発表会を行ったばかり(関連ニュース)。今回もこれに続くココロプロジェクトの製品として“AQUOSココロビジョンプレーヤー”「AN-NP40」(関連ニュース)を発表した。

長谷川社長はシャープの新たなビジョンとして、IoTをさらに一歩進めて、身の回りの家電を人工知能化していくという独自の取り組み「AIoT」をさらに推進していくと改めて強調。家電をクラウド上の人口知能に接続することで、家庭毎の環境に順応でき、かつ音声対話などにより愛着も感じられる家電を目指していくと説明した。

さらにこのココロプロジェクトのWebAPIをクラウド上に広く提供していくことで、同社の機能やサービスを成長させていくことはもちろん、ECやVODなどの他社サービスとも連携を図っていくことで、ビジネス領域のさらなる拡大を狙っていくとのこと。

ココロプロジェクトのコンセプトマーク

長谷川氏は「家電を賢く愛着のわく存在に変えていく」とコメント。2016年度においてはRoBoHoN、ココロビジョンプレーヤーを含めて、全5カテゴリーにわたってココロプロジェクト製品を展開していくことも明かされた。

続いて登場した同社 デジタル情報家電事業本部 国内事業部 事業部長の宗俊昭広氏は、新製品の具体的なプレゼンテーションを行った。

シャープ株式会社 コンシューマーエレクトロニクスカンパニー デジタル情報家電事業本部 国内事業部 事業部長 宗俊昭広氏

AQUOSココロビジョンプレーヤーについては、その開発背景にまず言及。デジタルネイティブ世代を中心にテレビ離れが進み、テレビの利用環境もタイムシフトの割合が増えてきたなかで、「もっとテレビに親しんでもらいたいという気持ちで商品化を行った」と述べた。

また、これまで販売されてきた液晶テレビAQUOSのうち、すでに100万台がインターネットに接続されているとのこと。「これらのユーザーは、AQUOSココロビジョンプレーヤーを買い足してもらえれば、最新の4K動画もAndroidアプリも楽しんでもらうことができる」(宗俊氏)。

テレビの視聴スタイルの変化を示すグラフ

質疑応答では、「AQUOSココロビジョンプレーヤーをなぜテレビに内蔵しなかったのか」という質問も出た。長谷川氏は「AQUOSは国内で多くの台数が出荷されており、こうしたユーザーにもコンテンツを楽しんでいただきたいとまずはプレーヤーというかたちをとった。しかし今後は、テレビへの内蔵も検討していきたい」と解答した。

同時に発表された新4Kテレビ(関連ニュース)については、HDR対応と共に、独自の「N-Blackパネル」の優位性を紹介。宗俊氏は「日本の家庭は、日中は窓から光が差し込み、夜間は蛍光灯の光でかなり明るい。日本における視聴環境では光のコントロールが重要であり、その意味でN-Blackパネルは最適だ」と説明していた。

さらに宗俊氏は「シャープは引き続きAV事業を重視していく」とコメント。特に国内市場については、日本人の趣向や生活スタイルに合わせた用途提案を行っていくと述べた。

今回発表された新4K AQUOS

質疑応答では、シャープが独自にVODサービスを手がけることの理由について質問が出された。長谷川氏は「シャープはもともと家電メーカーだが、これからインターネットに繋ぐことでクラウドサービスと連係させて、トータルの価値を提供したい。その一環としてVODサービスを開始した」と説明した。

有機ELテレビを商品化する可能性については、「有機ELの研究開発は粛々と進めているが、スマホ用とテレビ用では技術的に大きな隔たりがある。現在立ち上げようとしているのはスマホ用であり、これをテレビ用に応用するには、耐久性や生産性などの点でハードルが大きい。こうした点は今後技術開発を進めると共に、テレビとして有機ELパネルの優位性に見極めがつけば、積極的に展開していく予定」(宗俊氏)と回答した。なお「他社から有機ELパネルの提供を受けてテレビを開発する可能性は」という質問には「ない」と即答していた。

長谷川氏も「テレビにおける有機ELパネルと液晶パネルを比べたとき、画質の違いはそれほどないと考えている。一方で有機ELには寿命という点で不安がある。他社からパネルを買ってまで有機ELテレビをやる必要はないと考えている」と述べた。

そのほか、一連の経営危機問題と台湾・鴻海の出資決定は、国内の販売に影響を与えたかという質問に対しては、「現状では販売に影響は出ていない。今後は鴻海の出資のもと、CMなども増やして販売を強化する」と回答していた。

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