BCNがメーカー別販売概況を発表
4Kテレビのシェア、6月はパナソニックが首位に。’16年上期トップはソニー、BCN調査
デジタル家電の実売データを集計する「BCNランキング」を手がける(株)BCNは、4Kテレビを中心としたデジタル家電の’16年夏・ボーナス商戦速報の発表会を行った。
発表会には同社のチーフエグゼクティブアナリストである道越一郎氏が登壇。4Kテレビを中心に販売動向を紹介しつつ、各データの分析を行った。
発表会では、’16年6月のデジタル家電の販売実績を発表。液晶テレビ販売については、台数は前年同月比95.4%とわずかに前年割れとなったが、金額では103.9%と前年超え。販売金額は過去3年で最高の水準に達した。
サイズ別の構成比は、40型台が過去最高の31.1%となり、テレビの主流が30型台から40型台へとシフトしたことが顕著になった。同社はこうした状況について、4K効果に加えてオリンピック需要も相まって、テレビがデジタル家電市場を協力に牽引していると説明した。
4Kテレビ比率は22.8%を記録。平均単価は171,800円と緩やかに下降している。販売台数は195.4%と倍増ペースに戻り、金額も164.6%と好調を維持している。中心サイズは40型台で、4Kテレビ全体の55.8%を占めている。小型サイズの4Kテレビが過半数に達するのは初めてとのことだ一方で70型以上の大型は10.4%と縮小。同社では「試験放送開始を前に8Kテレビ待ちの状況なのでは」と分析している。
テレビのメーカー別シェアについては、シャープが依然としてトップだが、30型台の構成比が高く、シェアをじりじりと下げて苦戦している。一方で東芝は、不正会計問題で落ち込んだ前年から、低価格4Kテレビを武器に回復の兆しを見せている。
4Kテレビのシェアについては、6月はパナソニックが29.8%とトップに躍り出た。'16年上半期において4Kテレビのシェアではトップとなったソニーは、自社テレビ販売の4K構成比を43.9%として、完全に4Kにシフトしている。
■4Kテレビ販売、’16年上半期はソニー首位も6月はパナソニックがトップ奪還
メーカー別の販売状況についても詳細が発表された。シャープは’16年2月以降、液晶テレビ全体の販売において台数/金額ともに下回っており、過去3年で最低の水準が続いている。この点については、4Kテレビの小型化に出遅れたことが影響していると分析。前述のようにサイズについては、テレビ全体の主流が40型台へと移行している中で、30型台の販売が最も大きな割合を占めている。
パナソニックは’16年5月以降、成長ペースを回復。6月実績では平均単価を8万円台に乗せた。過去3年の実績と比較すると、台数/金額ともに最高水準。40型と共に、20型未満の高付加価値テレビが売れていることも同社ならではの特徴だ。
4Kテレビがテレビ販売構成比の43.9%を占めるソニーは、平均単価も114,600円と高い水準を維持。6月は台数・金額ともに久々の前年超えを記録した。サイズについては7割が40型以上で、50型以上は縮小傾向となっている。
東芝は、14ヶ月ぶりに台数・金額ともに前年超え。大幅な伸張を記録した。’16年の実績は不正会計問題の影響で落ち込んだ前年を上回るが、同社は「勢いは乏しい」と分析。40型以上が6割という構成比で、50型以上も少しずつ比率を拡大させている。
■リオ五輪は「4Kテレビ購入への“最後の一押し”」で影響は限定的
発表会ではテレビ以外のデジタル家電の販売実績についても言及。レコーダーは前年2ケタ割れの苦戦が続くが、多チューナー化が進んだことで単価は上昇している。メーカー別ではパナソニックがシェア5割を記録している。
スマートフォンは台数でほぼ横ばいで推移。販売台数の前年同月比については、販売価格適正化の要請に加えて、夏モデルの機種数減が大きく影響している。SIMフリー・スマートフォンの比率は、17%前後で推移している。
パソコン(ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット端末)は前年2ケタ割れが継続し、依然として厳しい状況。デジタルカメラについては、一体型は一定のマイナス幅を維持しつつも底打ちが見えない状況。レンズ交換型については、熊本地震の影響もあってマイナス幅を拡大させている。
道越氏はテレビを含むデジタル家電の市場動向を総括。「タブレットやデスクトップPC、デジタルカメラなどのジャンルは厳しい状況が続くが、リオ五輪の後押しもあって4Kテレビは活況。この夏のデジタル家電の目玉は、いずれにしても4Kテレビだ」と述べた。また、今回は取り上げられなかったが、白物家電、特にエアコンが活況であることも紹介。「購入後も取り付けまでに1ヶ月待ちになる場合があるなど、アナログ停波時のテレビの買い換えを思わせる勢いがある」とした。
質疑応答では、リオ五輪によるテレビ需要の喚起の程度について質問が挙がった。道越氏は「五輪のテレビ需要への影響は毎回それほど強くなく、期待外れに終わることがほとんどだった。今夏については、4Kテレビの普及、買い換えサイクル、アナログ停波後の反動の終了という好機が重なっていて、リオ五輪が購入への“最後の一押し”になっている」とした。
■デジタル家電 121カテゴリーの上半期販売数量トップも発表
発表会では、デジタル家電 121カテゴリーの上半期販売数量No.1も発表された。首位が入れ替わったジャンルとしては、シャープからソニーへと首位が移った4Kテレビ、サンディスクが首位となったSSD、アイ・オー・データが首位になった液晶テレビなどが挙げられた。また、デジタル家電全体としては、販売数量は前年を下回るが販売金額は上回った。道越氏はこうした状況を踏まえ「デジタル家電の市場は回復の兆しを見せている」と述べていた。
また、7月4日からの1週間のデジタル家電販売の速報値も紹介。台数103.6%、金額109.9%といずれも前年同月を上回り、「ボーナス商戦で息を吹き返して伸びていきそう」(道越氏)とのことだった。
発表会には同社のチーフエグゼクティブアナリストである道越一郎氏が登壇。4Kテレビを中心に販売動向を紹介しつつ、各データの分析を行った。
発表会では、’16年6月のデジタル家電の販売実績を発表。液晶テレビ販売については、台数は前年同月比95.4%とわずかに前年割れとなったが、金額では103.9%と前年超え。販売金額は過去3年で最高の水準に達した。
サイズ別の構成比は、40型台が過去最高の31.1%となり、テレビの主流が30型台から40型台へとシフトしたことが顕著になった。同社はこうした状況について、4K効果に加えてオリンピック需要も相まって、テレビがデジタル家電市場を協力に牽引していると説明した。
4Kテレビ比率は22.8%を記録。平均単価は171,800円と緩やかに下降している。販売台数は195.4%と倍増ペースに戻り、金額も164.6%と好調を維持している。中心サイズは40型台で、4Kテレビ全体の55.8%を占めている。小型サイズの4Kテレビが過半数に達するのは初めてとのことだ一方で70型以上の大型は10.4%と縮小。同社では「試験放送開始を前に8Kテレビ待ちの状況なのでは」と分析している。
テレビのメーカー別シェアについては、シャープが依然としてトップだが、30型台の構成比が高く、シェアをじりじりと下げて苦戦している。一方で東芝は、不正会計問題で落ち込んだ前年から、低価格4Kテレビを武器に回復の兆しを見せている。
4Kテレビのシェアについては、6月はパナソニックが29.8%とトップに躍り出た。'16年上半期において4Kテレビのシェアではトップとなったソニーは、自社テレビ販売の4K構成比を43.9%として、完全に4Kにシフトしている。
■4Kテレビ販売、’16年上半期はソニー首位も6月はパナソニックがトップ奪還
メーカー別の販売状況についても詳細が発表された。シャープは’16年2月以降、液晶テレビ全体の販売において台数/金額ともに下回っており、過去3年で最低の水準が続いている。この点については、4Kテレビの小型化に出遅れたことが影響していると分析。前述のようにサイズについては、テレビ全体の主流が40型台へと移行している中で、30型台の販売が最も大きな割合を占めている。
パナソニックは’16年5月以降、成長ペースを回復。6月実績では平均単価を8万円台に乗せた。過去3年の実績と比較すると、台数/金額ともに最高水準。40型と共に、20型未満の高付加価値テレビが売れていることも同社ならではの特徴だ。
4Kテレビがテレビ販売構成比の43.9%を占めるソニーは、平均単価も114,600円と高い水準を維持。6月は台数・金額ともに久々の前年超えを記録した。サイズについては7割が40型以上で、50型以上は縮小傾向となっている。
東芝は、14ヶ月ぶりに台数・金額ともに前年超え。大幅な伸張を記録した。’16年の実績は不正会計問題の影響で落ち込んだ前年を上回るが、同社は「勢いは乏しい」と分析。40型以上が6割という構成比で、50型以上も少しずつ比率を拡大させている。
■リオ五輪は「4Kテレビ購入への“最後の一押し”」で影響は限定的
発表会ではテレビ以外のデジタル家電の販売実績についても言及。レコーダーは前年2ケタ割れの苦戦が続くが、多チューナー化が進んだことで単価は上昇している。メーカー別ではパナソニックがシェア5割を記録している。
スマートフォンは台数でほぼ横ばいで推移。販売台数の前年同月比については、販売価格適正化の要請に加えて、夏モデルの機種数減が大きく影響している。SIMフリー・スマートフォンの比率は、17%前後で推移している。
パソコン(ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット端末)は前年2ケタ割れが継続し、依然として厳しい状況。デジタルカメラについては、一体型は一定のマイナス幅を維持しつつも底打ちが見えない状況。レンズ交換型については、熊本地震の影響もあってマイナス幅を拡大させている。
道越氏はテレビを含むデジタル家電の市場動向を総括。「タブレットやデスクトップPC、デジタルカメラなどのジャンルは厳しい状況が続くが、リオ五輪の後押しもあって4Kテレビは活況。この夏のデジタル家電の目玉は、いずれにしても4Kテレビだ」と述べた。また、今回は取り上げられなかったが、白物家電、特にエアコンが活況であることも紹介。「購入後も取り付けまでに1ヶ月待ちになる場合があるなど、アナログ停波時のテレビの買い換えを思わせる勢いがある」とした。
質疑応答では、リオ五輪によるテレビ需要の喚起の程度について質問が挙がった。道越氏は「五輪のテレビ需要への影響は毎回それほど強くなく、期待外れに終わることがほとんどだった。今夏については、4Kテレビの普及、買い換えサイクル、アナログ停波後の反動の終了という好機が重なっていて、リオ五輪が購入への“最後の一押し”になっている」とした。
■デジタル家電 121カテゴリーの上半期販売数量トップも発表
発表会では、デジタル家電 121カテゴリーの上半期販売数量No.1も発表された。首位が入れ替わったジャンルとしては、シャープからソニーへと首位が移った4Kテレビ、サンディスクが首位となったSSD、アイ・オー・データが首位になった液晶テレビなどが挙げられた。また、デジタル家電全体としては、販売数量は前年を下回るが販売金額は上回った。道越氏はこうした状況を踏まえ「デジタル家電の市場は回復の兆しを見せている」と述べていた。
また、7月4日からの1週間のデジタル家電販売の速報値も紹介。台数103.6%、金額109.9%といずれも前年同月を上回り、「ボーナス商戦で息を吹き返して伸びていきそう」(道越氏)とのことだった。