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アトモス/DTS:Xとの掛け合わせを想定した音場

ヤマハ、シネマDSP“30周年”記念音場「Enhanced」搭載上位AVアンプ「RX-A3060」

公開日 2016/07/22 13:00 編集部:杉浦 みな子
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ヤマハは、同社AVアンプのプレミアムライン“AVENTAGE(アヴェンタージュ)”シリーズの第六世代モデル全3機種を、8月下旬より順次発売する。本記事では、上位モデルの「RX-A3060」について紹介する(RX-A2060/1060についてはこちら)。

・「RX-A3060」¥270,000(税抜)9月上旬発売
 カラー:チタン/ブラック

RX-A3060

カラーはチタンとブラックの2色

ヤマハの一体型AVアンプの最上位機種で、従来モデル「RX-A3050」の後継機にあたる。定格出力200W/ch(1kHz/1ch駆動0.9%THD)の9.2ch出力に対応し、最大11.2chまでの拡張が行える。

HDMI端子は8入力/2出力を搭載し、フロントの入力1系統を除く7入力/2出力で、HDMI 2.0/HDCP 2.2に準拠。4K/60p/4:4:4信号の10/12bit伝送に対応している。4K関連仕様としては、前世代モデルからの進化点として、HDR伝送機能を実装した。さらにBT.2020色域もカバーしている。

RX-A3060の背面端子部

後述するが、ドルビーアトモス/DTS:Xなどのオブジェクトフォーマットを実装しつつ、「シネマDSP」の誕生30周年を記念した新音場プログラム「Enhanced」を新しく搭載していることなどが大きな特徴。音質については、トップエンドモデルにふさわしいスケール感と中高域の抜けの良さを追求したという。以下に詳細を見ていこう。

新しい「Enhanced(エンハンスド)」プログラム

■CX-A5100と同じウルトラロージッターPLLモード搭載。DSP数も増加

まず内部構成は、細部をブラッシュアップ。従来通りに左右対称コンストラクションを投入し、オーディオ/映像/デジタル/FL表示の4回路に分離したパワーサプライを採用した構成で、筐体はダブルボトム構造+H型リジットフレーム構成としている。

RX-A3060の内部構造イメージ


RX-A3060の内部基盤
DAC部には、ESS社製のSABRE9006Aと32bit DAC ES9016を1基ずつ搭載。外部デジタル入力に含まれるジッター成分を軽減して、入力信号の精度を高めるウルトラロージッターPLLモードは、最上位AVプリアンプ「CX-A5100」と同じものを新しく搭採用している。ジッター除去機能のレベルを4段階で調整することが可能で、OFFでジッター除去機能を無効に、レベル1/2/3でジッター除去の性能を上げていくことができる。

またDSPデバイスも、3基搭載するうちの1基を新しいチップとすることでより強化している。

■ドルビーアトモス/DTS:X実装。ZONE設定も強化

機能面では、まずホームシアター用サウンド技術に関しては、音場補正機能がマルチポイント計測可能な「YPAO-R.S.C.」に対応し、YPAO-R.S.C.の計測結果をもとに高音と低音のバランスを自動コントロールする機能「YPAO Volume」も搭載する。

さらにフロント/サラウンド/プレゼンススピーカーの方向や高さを測定し、より効果的なシネマDSPの3D音場が得られる「YPAO 3D測定」、最上位CX-A5100と同じくDSPデバイスの中でYPAO処理を64bitで実行する「YPAO プレシジョンEQ」もサポートしている。

また、ドルビーアトモスとDTS:Xのオブジェクト規格に対応。前世代モデルではDTS:Xがアップデートによる対応だったが、本機では最初から両方とも実装している。オブジェクトオーディオ再生時のスピーカー構成は、5.1.2ch/5.1.2ch+ZONE2/5.1.4ch/7.1.2ch/7.1.2ch+ZONE2/5.1.2ch+フロントバイアンプ/7.1.4chに対応。リアプレゼンスのアサインにフロントプレゼンスが使えることで、5.1.2ch+フロントバイアンプの併用が可能となった。

ZONE設定も強化されており、小型スピーカーの使用時に低音を増強させる「Extra Bass」や「Volume EQ」などの新機能に対応している。

■シネマDSP 30周年記念の新音場「Enhanced」搭載

ヤマハ独自の音場創生技術シネマDSPは、最上位の「シネマDSP HD3」を搭載。また、この「シネマDSP」の誕生から30周年を記念して開発された新しい音場プログラム「Enhanced」を含めて、全24音場を搭載することが大きな特徴となる。

本機では最上位AVプリアンプ CX-A5100を継承し、シネマDSPとドルビーアトモス/DTS:Xの掛け合わせにも対応する。もちろん新音場「Enhanced」とオブジェクトオーディオの掛け合わせも行える。

「Enhanced」プログラム実行中の様子

新音場「Enhanced」は、オペラハウスの音場をベースに開発したというもの。シネマDSPで作り出すサラウンドの基本音場は、前方のフロントL/Rによるプレゼンス音場と、サラウンドL音場、サラウンドR音場、サラウンドバックL/R音場の4つで構成されるが、「Enhanced」ではオブジェクトオーディオとの掛け合わせを想定して、この4音場の振り分け方を刷新した。

新プログラム「Enhanced」の音場イメージ

具体的には、プレゼンスL/プレゼンスR/サラウンドL/サラウンドRの4つ構成としており、サラウンドバックL/RはそれぞれサラウンドL/Rに振り分ける形としている。狙いとしては、オブジェクトオーディオのトップからフロントへの繋がりをスムーズに、オーディオ品位を高められるようにした。

なお、下位機種のRX-A2060/1060の方は、この「Enhanced」は搭載されない。上位のRX-A3060のみ、「Enhanced」を含めた24音場のシネマDSPプラグラムを備える形となる。

■音楽再生機能は192kHz/24bit WAV/FLAC、DSD 5.6MHz音源に対応

そのほか、従来に引き続き本体にはWi-Fiを内蔵しており、無線LAN規格IEEE 802.11b/g/nに準拠。Wireless directに対応する。ネットワーク経由での音楽再生機能は、従来通り192kHz/24bit WAV/FLAC、96kHz/24bit Appleロスレス、192kHz/24bit AIFF、DSD 5.6MHz音源の再生に対応している。DSDに関しては、ネイティブ再生が可能。ギャップレス再生もDSD以外は行える。

また、非圧縮音源(CD/WAV)や可逆圧縮音源(FLAC)を最大96kHz/24bitまで拡張できる「ハイレゾリューション・ミュージックエンハンサー」も引き続き搭載しているBluetooth機能も、圧縮音源補間技術「ミュージックエンハンサー」が、Bluetooth入力音声にも適用できる。これによって、Bluetooth伝送した音声も高品位な音質で楽しめるようにしている。

■radikoのエリアフリー試聴も

先行リリースされていた下位機種RX-A860と同じく、「radiko.jpプレミアム」にも対応しており、radikoのエリアフリー試聴も可能になった。radiko.jpプレミアムに対応するAVアンプは、現時点でヤマハ製品のみとのこと。

radiko.jpプレミアムの聴取に対応

アプリ「MusicCast CONTROLLER」からradiko.jpの選局などが行える

同社が提供するアプリ「MusicCast CONTROLLER」で、入力選択やアカウント登録などが行える。AVアンプ専用アプリ「AV CONTROLLER」、GUI画面からも基本再生操作ができる。

■ヤマハAVENTAGEシリーズ RX-A3060発売先行視聴会

ヤマハでは本機の発売に先駆け、8月6日に同社事務所内で一般参加型の試聴会を開催する。詳しくは以下の通り。

・日時:8/6(土) 10:30〜12:00、14:00〜15:30
・場所:ヤマハ東京事務所
・各回定員:25名(要予約)
詳細はこちら

【問い合わせ先】
ヤマハお客様コミュニケーションセンター
オーディオ・ビジュアル機器ご相談窓口
TEL/0570-011-808(ナビダイヤル)
TEL/053-460-3409(携帯電話、PHS)

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トピック

製品スペックやデータを見る
  • ジャンルAVアンプ
  • ブランドYAMAHA
  • 型番RX-A3060
  • 発売日2016年9月上旬
  • 価格¥270,000(税抜)
【SPEC】●定格出力:20Hz〜20kHz,2ch駆動…165W/ch(6Ω,0.06%THD)/1kHz,1ch駆動…200W/ch(6Ω,0.9%THD) ●実用最大出力(1kHz,1ch駆動):230W/ch(6Ω,10%THD) ●内蔵パワーアンプ数:9 ●入力端子:HDMI×8(HDMI1〜7はHDCP2.2対応、V-AUX前面1含む)、アナログ音声RCA×9(Phono含む)、デジタル音声…光×3/同軸×3、映像…コンポーネント(同軸)×3/コンポジット×5、USB×1(2.0)、ほか ●出力端子:HDMI×2(同時出力可、HDCP2.2対応)、アナログ音声…スピーカーアウト×9ch 11端子/プリアウト×9端子 11ch/サブウーファーアウト×2/AV/RECアウト×2、映像…コンポーネント(同軸)×1/コンポジット×1、ヘッドホン×1、ほか ●Bluetoothバージョン:Ver.2.1+EDR ●対応プロファイル:A2DP/AVRCP ●対応コーデック:SBC/AAC ●入力感度/入力インピーダンス:PHONO(1kHz,100W/8Ω)…3.5mV/47kΩ、AUDIO2他(1kHz,100W/8Ω)…200mV/47kΩ ●全高調波歪率:PHONO…PRE OUT(1kHz,1V)0.04%以下、AUDIO2他…スピーカーアウト(20Hz〜20kHz,75W/8Ω)0.04%以下 ●周波数特性:AUDIO2他(Pure Direct 10Hz〜100kHz)+0/-3dB ●S/N比(IHF-A ネットワーク):PHONO(Pure Direct,入力1kΩショート,スピーカーアウト)…95dB以上、AUDIO2他(Pure Direct,入力1kΩショート,スピーカーアウト)…110dB以上 ●消費電力:490W ●外形寸法:435W×192H×474Dmm(脚部、突起物を含む)、435W×247H×474Dmm(無線アンテナ直立時) ●質量:19.6kg