アップル新モジュールを世界初搭載
パイオニア、スマート機能充実のLightningイヤホン「RAYZ」。キャリブレNCや着脱検知、第4ボタンなど
オンキヨー&パイオニア イノベーションズは、パイオニアブランドの新製品として、ノイズキャンセリングやアプリでの機能割り当てなど、様々なスマート機能を搭載したLightning直結型イヤホン“RAYZ”(レイズ)2機種を発売する。製品の速報レビューをこちらで掲載している。
発売するのは「RAYZ」と「RAYZ PLUS」で、3月下旬発売予定。価格はともにオープンだが、RAYZは11,800円前後、RAYZ PLUSは15,800円前後での販売が予想される。
RAYZ PLUSはケーブルの途中にLightning端子を備えたノードがあり、iPhone 7で使用する場合でも、使用しながら充電が行える。一方でRAYZにはこのノードがない。
RAYZとRAYZ PLUSの違いはこの充電機能の有無と、本体色の違いとなる。RAYZはブラックとホワイト、RAYZ PLUSはブロンズとグラファイトの2色で展開する。
オンキヨーと米半導体メーカーAvnera(アブネラ)社が出資する「アプセサリー」社と商品開発を続け、今回初のモデルとして結実した。
開発の経緯としては、2014年にアブネラとアップルがパートナーシップを結び、次世代のイヤホンにどういった機能が必要かを検討し始めた。その後オンキヨーも含めた3社で議論を開始し、約3年かけて製品開発を行った。
なおアプセサリという社名には「アプリ+アクセサリー」という意味が込められているとのこと。RAYZも単なるイヤホンではなく「究極のiPhoneアプリ」と位置づけられている。
RAYZはこれまでのイヤホン・ヘッドホンの中でもトップクラスの多機能さを持ち、しかもアプリで様々な設定が行える。またファームウェアのアップデートやアプリのアップデートで新機能も随時追加される予定で、進化を続けることも特徴と言えるだろう。製品のポイントは多岐に渡るため、テーマごとに分けて紹介していこう。
■世界初、第2世代の「Lightning Audio Module」搭載
まずは製品のハード面の特徴を紹介する。本機はLightning直結型イヤホンで、使用できるのはiPhoneやiPod、iPadなどのiOSデバイスとなる。当然ながら給電はiOSデバイスから行う。
リモコンを備えたコントロールボックス部にDACやアンプが内蔵されているのだが、ここにRAYZの秘密が隠されている。Lightning対応イヤホンはアップルの「Lightning Audio Module」(LAM)と呼ばれるデバイスを使うのが一般的だが、本機は世界で初めて、その第2世代デバイス「LAM2」を搭載した。
LAM1からLAM2になって進化した点は数多くある。処理能力を高めながら小型化し、後述する様々なスマート機能が実現した。
加えてLAM2では、消費電力が大幅に抑えられたことも特筆したい。これまでLightningヘッドセットは消費電力が大きく、バッテリーの減りが早いと言われていたが、LAM2搭載のRAYZではそれが逆転した。
フルボリュームで比較した場合、LAM1を搭載したLightning接続EarPodsに比べ、RAYZの消費電力は約半分程度。また3.5mmアナログ接続のEarPodsに比べても3分の2の消費電力に抑えられているという。
またこのコントロールボックス部には4つのボタンを備えている。通常の3ボタンに加え、4つめのボタンとしてスマートボタンを加えた。このボタンは通常押し、二度押し、長押しに、後述するスマート機能を割り当てることができる。
イヤホン部を軽量にすること、また小型化することにもこだわった。2つのマイク(シングルエンドマイク+ディファレンシャルマイク)をイヤホンのハウジングに備え、9.2mmのダイナミックドライバーを搭載しながら、全体を軽量に仕上げた。
なお音声入力は48kHz/24bitまで対応。ケーブル長は1.2mでコードクリップも装備。イヤーチップはシリコン製で、S/M/Lが各2個ずつ同梱される。再生周波数帯域は10Hz〜22kHz。
■アプリと連動するスマート機能
ここからはRAYZの真骨頂である、アプリと本体を連動させたスマート機能について見ていこう。
イヤホン部に備えた左右各2基のマイクでノイズキャンセリング機能を実現した。ノイズキャンセリング機能はオン/オフできる。
ノイズキャンセリング効果については、高域のノイズも抑制できるのがポイント。通常のノイズキャンセリングイヤホンは低周波数ばかり抑制し、高域をあまり抑制できなかったが、RAYZでは低域ノイズも高域ノイズも抑えられるとしている。
しかもこのノイズキャンセリング機能は、周囲の音や外耳道のかたちにあわせてキャリブレーションを行うことが可能。アプリからの操作でキャリブレーションを指示すると、テスト音声が流れ、数秒間でキャリブレーションが行える。キャリブレーションをリモコンのスマートボタンに割り当てることも可能だ。
このイヤホン内蔵マイクを利用し、装着状態を認識する機能も装備。この機能を利用し、耳から外すと再生を自動停止する「オートポーズ」も利用できる。なお装着状態の判定はセンサーなどではなく「完全にアコースティックで」行っているのだという。装着した際の反射音をマイクで拾い、それをもとに装着しているかどうかを判断しているものと思われる。
マイクを使った機能では、外部の音をスルーで聞ける「HearThru」機能も搭載している。
イコライザー機能も装備。50Hz/250Hz/1kHz/4kHz/8kHzの5バンドをそれぞれ±10dBで調整できる。「スピーチ」「バスブースト」「エンハンス」の各プリセットモードも用意している。
また「エコモード」も搭載する。同モードをオンにすると、前述のNC機能やイコライザー機能、各種スマート機能はすべてオフになり、その代わり消費電力がさらに抑えられる。
加えてコントロールボックス部にも2基のマイクを装備し、これでノイズの抑制を行う。周囲にノイズがある場所でも、Siriでのコントロールを正確に行えるとしている。
なおRAYZアプリには、近日中のアップデートを予告する機能や、ハードウェアをアップデートする機能も装備する。
アップデートの第一弾として、通話中に話をしていない際は自動的にミュートがかかり、また話し始めるとミュートが解除される「スマートミュート」機能が近日中に提供される予定だ。米国などでは複数人でボイスチャットやテレビ電話を行う機会が日本より多く、自分のヘッドセットを使うケースもあるのだという。そのような際に余計なノイズを拾わず、クリアな音声で通話が可能になる。
■「次のヘッドホンでは絶対的な地位を築きたい」
今回の新製品投入についてオンキヨー(株)代表取締役社長の大朏宗徳氏は、「オンキヨーは、イヤホンの分野ではだいぶ後発だった。イヤホンの世界が次にどうなるかと考えたとき、これまでスマホ側にあったアンプがヘッドホン側に来るというテーマがあった。さらにアップルがイヤホン端子をなくし、Lightningに統一するという動きも重なった」と背景を説明した。
「レガシーのヘッドホンでは出遅れたが、今後、Bluetoothなど次のヘッドホンでは絶対的な地位を築きたい。そのためには低消費電力で動き、スマート機能が洗練されているものが必要。そうなるとヘッドホンではなく、ウェアラブルプロダクトという性格が強まる」(大朏氏)。
また大朏氏は「今後LAM2を搭載した製品を各社が発売し、いろいろな機能を付けてくるだろう。音が良いのは当たり前で、プラスで何ができるかというのがカギになる。今回のRAYZが我々のアンサーだ」とコメント。製品の出来映えに自信を示した。
製品を共同開発したアブネラ社CEOのManpreet Khaira氏も、「アップルが3.5mm端子を無くした動きは追い風になる。イヤホンをコミュニケーションツールとして使う機会が増えるなど、ポジティブに受け止めている。新しいマーケットを作りたい」と意気込みを見せた。
またManpreet CEOはRAYZについて、「アップルの厳しい基準もあって、デザイン、バッテリー、コストのすべてに一切妥協していない。たとえば小さなコントロールボックスに8本のワイヤーを入れるのは難しい。コントロールボックスを太くすれば作りやすくなるが、デザイン性が損なわれる。こういった相反するものをすべてクリアしていく必要があった」と説明した。
製品の性質については大朏氏と同様、「ウェアラブル“アプセサリー”だ」と強調。「アプセサリーの第1弾として今回はRAYZを紹介したが、次の製品も近々発表できる。半年に1回くらいはみなさんに新しい商品を紹介できると思う」と語った。
発売するのは「RAYZ」と「RAYZ PLUS」で、3月下旬発売予定。価格はともにオープンだが、RAYZは11,800円前後、RAYZ PLUSは15,800円前後での販売が予想される。
RAYZ PLUSはケーブルの途中にLightning端子を備えたノードがあり、iPhone 7で使用する場合でも、使用しながら充電が行える。一方でRAYZにはこのノードがない。
RAYZとRAYZ PLUSの違いはこの充電機能の有無と、本体色の違いとなる。RAYZはブラックとホワイト、RAYZ PLUSはブロンズとグラファイトの2色で展開する。
オンキヨーと米半導体メーカーAvnera(アブネラ)社が出資する「アプセサリー」社と商品開発を続け、今回初のモデルとして結実した。
開発の経緯としては、2014年にアブネラとアップルがパートナーシップを結び、次世代のイヤホンにどういった機能が必要かを検討し始めた。その後オンキヨーも含めた3社で議論を開始し、約3年かけて製品開発を行った。
なおアプセサリという社名には「アプリ+アクセサリー」という意味が込められているとのこと。RAYZも単なるイヤホンではなく「究極のiPhoneアプリ」と位置づけられている。
RAYZはこれまでのイヤホン・ヘッドホンの中でもトップクラスの多機能さを持ち、しかもアプリで様々な設定が行える。またファームウェアのアップデートやアプリのアップデートで新機能も随時追加される予定で、進化を続けることも特徴と言えるだろう。製品のポイントは多岐に渡るため、テーマごとに分けて紹介していこう。
■世界初、第2世代の「Lightning Audio Module」搭載
まずは製品のハード面の特徴を紹介する。本機はLightning直結型イヤホンで、使用できるのはiPhoneやiPod、iPadなどのiOSデバイスとなる。当然ながら給電はiOSデバイスから行う。
リモコンを備えたコントロールボックス部にDACやアンプが内蔵されているのだが、ここにRAYZの秘密が隠されている。Lightning対応イヤホンはアップルの「Lightning Audio Module」(LAM)と呼ばれるデバイスを使うのが一般的だが、本機は世界で初めて、その第2世代デバイス「LAM2」を搭載した。
LAM1からLAM2になって進化した点は数多くある。処理能力を高めながら小型化し、後述する様々なスマート機能が実現した。
加えてLAM2では、消費電力が大幅に抑えられたことも特筆したい。これまでLightningヘッドセットは消費電力が大きく、バッテリーの減りが早いと言われていたが、LAM2搭載のRAYZではそれが逆転した。
フルボリュームで比較した場合、LAM1を搭載したLightning接続EarPodsに比べ、RAYZの消費電力は約半分程度。また3.5mmアナログ接続のEarPodsに比べても3分の2の消費電力に抑えられているという。
またこのコントロールボックス部には4つのボタンを備えている。通常の3ボタンに加え、4つめのボタンとしてスマートボタンを加えた。このボタンは通常押し、二度押し、長押しに、後述するスマート機能を割り当てることができる。
イヤホン部を軽量にすること、また小型化することにもこだわった。2つのマイク(シングルエンドマイク+ディファレンシャルマイク)をイヤホンのハウジングに備え、9.2mmのダイナミックドライバーを搭載しながら、全体を軽量に仕上げた。
なお音声入力は48kHz/24bitまで対応。ケーブル長は1.2mでコードクリップも装備。イヤーチップはシリコン製で、S/M/Lが各2個ずつ同梱される。再生周波数帯域は10Hz〜22kHz。
■アプリと連動するスマート機能
ここからはRAYZの真骨頂である、アプリと本体を連動させたスマート機能について見ていこう。
イヤホン部に備えた左右各2基のマイクでノイズキャンセリング機能を実現した。ノイズキャンセリング機能はオン/オフできる。
ノイズキャンセリング効果については、高域のノイズも抑制できるのがポイント。通常のノイズキャンセリングイヤホンは低周波数ばかり抑制し、高域をあまり抑制できなかったが、RAYZでは低域ノイズも高域ノイズも抑えられるとしている。
しかもこのノイズキャンセリング機能は、周囲の音や外耳道のかたちにあわせてキャリブレーションを行うことが可能。アプリからの操作でキャリブレーションを指示すると、テスト音声が流れ、数秒間でキャリブレーションが行える。キャリブレーションをリモコンのスマートボタンに割り当てることも可能だ。
このイヤホン内蔵マイクを利用し、装着状態を認識する機能も装備。この機能を利用し、耳から外すと再生を自動停止する「オートポーズ」も利用できる。なお装着状態の判定はセンサーなどではなく「完全にアコースティックで」行っているのだという。装着した際の反射音をマイクで拾い、それをもとに装着しているかどうかを判断しているものと思われる。
マイクを使った機能では、外部の音をスルーで聞ける「HearThru」機能も搭載している。
イコライザー機能も装備。50Hz/250Hz/1kHz/4kHz/8kHzの5バンドをそれぞれ±10dBで調整できる。「スピーチ」「バスブースト」「エンハンス」の各プリセットモードも用意している。
また「エコモード」も搭載する。同モードをオンにすると、前述のNC機能やイコライザー機能、各種スマート機能はすべてオフになり、その代わり消費電力がさらに抑えられる。
加えてコントロールボックス部にも2基のマイクを装備し、これでノイズの抑制を行う。周囲にノイズがある場所でも、Siriでのコントロールを正確に行えるとしている。
なおRAYZアプリには、近日中のアップデートを予告する機能や、ハードウェアをアップデートする機能も装備する。
アップデートの第一弾として、通話中に話をしていない際は自動的にミュートがかかり、また話し始めるとミュートが解除される「スマートミュート」機能が近日中に提供される予定だ。米国などでは複数人でボイスチャットやテレビ電話を行う機会が日本より多く、自分のヘッドセットを使うケースもあるのだという。そのような際に余計なノイズを拾わず、クリアな音声で通話が可能になる。
■「次のヘッドホンでは絶対的な地位を築きたい」
今回の新製品投入についてオンキヨー(株)代表取締役社長の大朏宗徳氏は、「オンキヨーは、イヤホンの分野ではだいぶ後発だった。イヤホンの世界が次にどうなるかと考えたとき、これまでスマホ側にあったアンプがヘッドホン側に来るというテーマがあった。さらにアップルがイヤホン端子をなくし、Lightningに統一するという動きも重なった」と背景を説明した。
「レガシーのヘッドホンでは出遅れたが、今後、Bluetoothなど次のヘッドホンでは絶対的な地位を築きたい。そのためには低消費電力で動き、スマート機能が洗練されているものが必要。そうなるとヘッドホンではなく、ウェアラブルプロダクトという性格が強まる」(大朏氏)。
また大朏氏は「今後LAM2を搭載した製品を各社が発売し、いろいろな機能を付けてくるだろう。音が良いのは当たり前で、プラスで何ができるかというのがカギになる。今回のRAYZが我々のアンサーだ」とコメント。製品の出来映えに自信を示した。
製品を共同開発したアブネラ社CEOのManpreet Khaira氏も、「アップルが3.5mm端子を無くした動きは追い風になる。イヤホンをコミュニケーションツールとして使う機会が増えるなど、ポジティブに受け止めている。新しいマーケットを作りたい」と意気込みを見せた。
またManpreet CEOはRAYZについて、「アップルの厳しい基準もあって、デザイン、バッテリー、コストのすべてに一切妥協していない。たとえば小さなコントロールボックスに8本のワイヤーを入れるのは難しい。コントロールボックスを太くすれば作りやすくなるが、デザイン性が損なわれる。こういった相反するものをすべてクリアしていく必要があった」と説明した。
製品の性質については大朏氏と同様、「ウェアラブル“アプセサリー”だ」と強調。「アプセサリーの第1弾として今回はRAYZを紹介したが、次の製品も近々発表できる。半年に1回くらいはみなさんに新しい商品を紹介できると思う」と語った。
- ジャンルヘッドホン(単体)
- ブランドPIONEER
- 型番RAYZ
- 発売日2017年3月下旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格11,800円前後)
【SPEC】●タイプ:ダイナミックノイズキャンセリング ●再生周波数帯域:10hz〜22kHz ●プラグ:Lightningコネクタ ●ビット速度/サンプリング周波数:最大 24 ビット/48kHz ●ケーブル長:1.2 m ●質量:5 g(コードを除く)
- ジャンルヘッドホン(単体)
- ブランドPIONEER
- 型番RAYZ PLUS
- 発売日2017年3月下旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格15,800円前後)
【SPEC】●タイプ:ダイナミックノイズキャンセリング ●再生周波数帯域:10hz〜22kHz ●プラグ:Lightning コネクタ ●ジャック: Lightning コネクタ(iOS デバイス充電用) ●ビット速度/サンプリング周波数:最大 24 ビット/48kHz ●ケーブル長:1.2 m ●質量:5 g(コードを除く)