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「ユーザーからの期待は無視できない」

「Shureが本当にワイヤレスイヤホンを作るべきか?」議論の末に誕生、BTイヤホン開発の裏側

公開日 2017/09/19 17:34 編集部:川田菜月
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Shure Japanは本日9月19日、同ブランド初のBluetoothイヤホン「SE215 Wireless」「SE112 Wireless」およびリケーブル「RMCE-BT1」を発表(製品ニュース)。本社にて新製品発表会を開催した。代表取締役のトーマス・フレデリクセン氏、プロダクトプランニング・スペシャリストの昆 卓也氏が登壇し、製品説明および開発に至ったストーリーを説明した。

Bluetoothイヤホン、リケーブルの新製品発表会を開催

Shure初のBluetooth製品展開に至った開発ストーリーを説明してくれた

Shureのイヤホンは2007年に高遮音性イヤホン“SEシリーズ”が展開され、2011年には人気モデルである「SE215」が登場。2013年にフラッグシップモデル「SE846」、2015年に世界初の高遮音性コンデンサー型イヤホン「KSE1500」を発売するなど、多くの製品を発売してきている。そして今回ワイヤレス製品のカテゴリーにおいて、満を持してBluetoothイヤホンの新製品を登場させた。

満を持してShureブランドのワイヤレスイヤホンを展開する

「SE215 Wireless」の4モデルはMMCX端子搭載でケーブル交換が可能

今回発表されたBluetoothイヤホン「SE215 Wireless」「SE112 Wireless」およびリケーブル「RMCE-BT1」の製品コンセプトについて、昆氏は「従来の高遮音性イヤホン“SEシリーズ”が持つ高い音質やデザインはそのままに、ワイヤレスに楽しんでもらいたい」と説明。

「SE215 SPE Wireless」

「SE112 Wireless」

また、「移動中やフィットネスであったり、様々なシーンでSEシリーズのイヤホンをより便利に使ってもらいたい」とも述べ、ケーブル部分のみのアクセサリー「RMCE-BT1」によって既存のSEシリーズイヤホンを使用するユーザーも手軽にワイヤレス化することができる点をアピールした。全モデルとも10月5日(木)10時から予約受付を開始、10月13日の発売を予定している。

SEシリーズの音質・デザインはそのままに、ワイヤレスに様々なシーンで楽しめる

既存のSEシリーズをワイヤレス化できるリケーブル「RMCE-BT1」

昆氏は、ワイヤレスモデルが伸張する最近のイヤホン市場において「Shureの中でもたくさんのディスカッションがあった」と語り、Shure初となるワイヤレスイヤホンおよびケーブルの展開にあたっては「Shureのワイヤレスモデルがいつ発売されるのか?といった質問はこれまでも多く受けてきたが、開発に時間がかかったというより、米Shure本社の商品開発最高責任者のマット・エングストローム氏やイヤホン/ヘッドホン製品プロジェクトリーダーのショーン・サリバン氏ら、社内の開発チーム内で『Shureがワイヤレスをやるべきかどうか?』という点において議論を進めていた」と語った。

ワイヤレス製品の発売には数多くの議論が広げられたという

社内開発チームの中で「Shureがワイヤレスをやるべきかどうか?」を検討してきた

この点について、「Shureはプロフェッショナル音響機器メーカー。これまでプロがライブなどのステージで使っても支障ない高いレベルのモノづくりをしてきた」とし、そういった中でワイヤレス製品に関しては「ワイヤレス=Bluetoothを扱う以上はレイテンシー(遅延)は避けられず、プロがイヤモニとして使う製品になるかといったら、使わないだろう。そういった観点からShureでは、ワイヤレスモデルを一般コンシューマー向けに特化した製品と捉えており、開発するには今までのShureの理念や設計思想から転換することになるため、社内で様々な意見があった」と説明した。

ワイヤレス化で発生するレイテンシーの問題など、プロ向け製品と位置づけがたいことからShure社内で製品展開について様々議論されたという

一方で、Shureに対して世界中のユーザーからワイヤレスモデル展開の期待は大きく、「他社のケーブルと組み合わせてShureイヤホンのワイヤレス化を楽しむユーザーがいることも把握していた」という。

ユーザーからの期待の声は多かった

他社製品との組み合わせでもワイヤレス化を楽しむ人が多いことも把握していたとのこと

Shureの製品開発においては「いつもユーザーの声を聞いて開発をしている」とし、「Bluetooth製品へのユーザーからの期待は無視できない。Shureユーザーが満足できるワイヤレスイヤホン、SEシリーズイヤホンに最適化して性能を最大限引き出すケーブルを、Shure自身が開発すべきだという結論に至った」と語った。

Shureイヤホンに最適なワイヤレス製品をShure自身で作るべきであるという結論に至った

ユーザーの声を聞いて製品開発に活かしているという

Shure Japan代表・フレデリクセン氏は、一般コンシューマー向け製品について「ユーザーの気持ちと深く関わる特別なものと考えている」とし、「新製品発表はとてもエキサイティングなこと。久しぶりにコンシューマーマーケットへ新たな製品を発表できることを嬉しく思っている」とコメントした。

Shure Japan 代表取締役のトーマス・フレデリクセン氏

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