視聴ビットレートや再生停止時間などから評価
NTT、動画配信の品質をユーザーの体感に基づき管理する技術
日本電信電話株式会社(NTT)は、動画配信において体感品質(QoE)に基づく動画品質制御技術を確立。目標とするQoEを保ちながら通信量を削減する技術の実証実験に成功したと発表した。
QoEはQuality of Experienceの略で、ユーザーがサービスを利用した際に感じる体感品質を指すもの。1.0〜5.0の範囲で表される体感品質の指標であり、動画視聴中の平均ビットレートや動画の再生停止時間などを用いて算出されている。
背景として、モバイル環境での動画視聴時にユーザーが抱える課題として、視聴品質の悪化とパケット料金の負担増が挙げられ、現時点では視聴品質をサービス事業者が適切に制御するのが難しく、十分な視聴品質を実現できずストレスを抱えるユーザーがいる一方で、必要以上の視聴品質により通信量が増大し、負担となるユーザーも存在すると想定。この課題の解決に向ける技術として、本実証実験が実施された。
動画視聴ではビットレートと再生停止時間がQoEの主な決定要素となっており、動画視聴における平均ビットレートが高くなるほどQoEは向上し、また再生停止時間が長くなるほどQoEは低下する関係にあるという。
本技術では、動画の視聴ビットレートや再生停止時間などをもとに独自のアルゴリズムにより配信中の動画のQoEを評価。その上でユーザーの環境を考慮した通信品質予測を行い、あらかじめ設定した目標とするQoEを達成するよう、動画配信時のビットレートを最適に制御するものとなる。これにより、動画視聴のQoEを最大化して配信すること、十分なQoEを保ちながら通信量を削減しつつ配信することが可能としている。
実証実験は、株式会社NTTぷららの動画配信サービス環境と動画を視聴する実験用スマートフォンアプリに本制御技術を適用し、移動中やカフェ店内など混雑のレベルを変えながら行われた。
混雑している環境でもユーザーがストレスの少ないスムーズな動画視聴ができること、ユーザーにとって必要十分な動画品質で配信を行うことで、効率的な動画配信サービスの提供が可能であることを実証実験により確認できたとする。
実験では最大QoEを目標とする場合、QoEの主要因となる視聴中のビットレート(画質)と再生停止時間について分析を行った結果、平均ビットレートが、2.0Mbpsから3.8Mbpsへ90%の向上を達成し、再生停止時間が12.4秒から9.0秒へ38%削減でき、またQoE値として6%の増加を達成。一方、目標を中程度に設定すると、平均ビットレート、すなわち通信量を1.85Mbpsから1.24Mbpsへ33%削減し、同時に平均再生停止時間を20.5秒から6.4秒へ68%削減することができたとのこと。
本技術はさまざまな動画配信サービスや、CDNサービスなどへも適用可能な技術となっており、配信サーバーまたはスマートフォンアプリへの軽微な修正で組み込むことが可能という。今後、本実証実験の成果をもとに、各事業者と連携して技術のさらなる効用の拡大をめざすとともに、動画サービス利用者のユーザー視聴体験向上やサービス事業者のネットワーク利用効率化、コスト削減に貢献していくとしている。
QoEはQuality of Experienceの略で、ユーザーがサービスを利用した際に感じる体感品質を指すもの。1.0〜5.0の範囲で表される体感品質の指標であり、動画視聴中の平均ビットレートや動画の再生停止時間などを用いて算出されている。
背景として、モバイル環境での動画視聴時にユーザーが抱える課題として、視聴品質の悪化とパケット料金の負担増が挙げられ、現時点では視聴品質をサービス事業者が適切に制御するのが難しく、十分な視聴品質を実現できずストレスを抱えるユーザーがいる一方で、必要以上の視聴品質により通信量が増大し、負担となるユーザーも存在すると想定。この課題の解決に向ける技術として、本実証実験が実施された。
動画視聴ではビットレートと再生停止時間がQoEの主な決定要素となっており、動画視聴における平均ビットレートが高くなるほどQoEは向上し、また再生停止時間が長くなるほどQoEは低下する関係にあるという。
本技術では、動画の視聴ビットレートや再生停止時間などをもとに独自のアルゴリズムにより配信中の動画のQoEを評価。その上でユーザーの環境を考慮した通信品質予測を行い、あらかじめ設定した目標とするQoEを達成するよう、動画配信時のビットレートを最適に制御するものとなる。これにより、動画視聴のQoEを最大化して配信すること、十分なQoEを保ちながら通信量を削減しつつ配信することが可能としている。
実証実験は、株式会社NTTぷららの動画配信サービス環境と動画を視聴する実験用スマートフォンアプリに本制御技術を適用し、移動中やカフェ店内など混雑のレベルを変えながら行われた。
混雑している環境でもユーザーがストレスの少ないスムーズな動画視聴ができること、ユーザーにとって必要十分な動画品質で配信を行うことで、効率的な動画配信サービスの提供が可能であることを実証実験により確認できたとする。
実験では最大QoEを目標とする場合、QoEの主要因となる視聴中のビットレート(画質)と再生停止時間について分析を行った結果、平均ビットレートが、2.0Mbpsから3.8Mbpsへ90%の向上を達成し、再生停止時間が12.4秒から9.0秒へ38%削減でき、またQoE値として6%の増加を達成。一方、目標を中程度に設定すると、平均ビットレート、すなわち通信量を1.85Mbpsから1.24Mbpsへ33%削減し、同時に平均再生停止時間を20.5秒から6.4秒へ68%削減することができたとのこと。
本技術はさまざまな動画配信サービスや、CDNサービスなどへも適用可能な技術となっており、配信サーバーまたはスマートフォンアプリへの軽微な修正で組み込むことが可能という。今後、本実証実験の成果をもとに、各事業者と連携して技術のさらなる効用の拡大をめざすとともに、動画サービス利用者のユーザー視聴体験向上やサービス事業者のネットワーク利用効率化、コスト削減に貢献していくとしている。