ネイティブ4K D-ILAデバイス3基による「8K e-shift」搭載
JVC、世界初の民生用8Kプロジェクター「DLA-V9R」。10月下旬に200万円で発売
JVCケンウッドは、「DLA-NX9B」としてIFA2018で海外発表していた世界初の民生用8Kプロジェクターを、「DLA-V9R」の型番で日本市場に導入することを発表。10月下旬に200万円(税抜)で発売する。なおネイティブ4K対応機の新モデル「DLA-V7」と「DLA-V5」の国内発売も発表。こちらについては別項で紹介する。
■D-ILAデバイスだけでなく専用ドライバーLSIも新開発
独自技術「e-shift」を進化させた「8K e-shift」を搭載したD-ILAプロジェクター。ネイティブ4K対応で0.69インチのD-ILAデバイスを新開発して3基搭載し、1画素を斜めに0.5画素シフトすることで解像度を倍増させるe-shift技術と組み合わせ。独自の高画質技術「Multiple Pixel Control」により、フルHDや4K映像を8K(8,192 x 4,320画素)映像に変換して表示する。なお、デザイン面では日本向けモデルはレンズ周辺部に金メッキ装飾などが施される。
ただし、8K対応のHDMIチップがまだ存在しないため8K信号の入力には非対応。4K映像を8Kにアップコンバートしてコンテンツを視聴することになる。HDMI端子は2系統で、どちらも18GbpsやHDCP 2.2、3Dおよびディープカラー信号に対応している。
D-ILAデバイスは0.69型とすでに発売中の「DLA-Z1」などと同じサイズながら、平坦化、反射効率アップなどのプロセス改善を行い、性能の向上を実現。さらなる高コントラスト、高輝度化を実現させたという。同社では、「D-ILA独自の狭ピッチ画素プロセスにより大画面でも格子が見えにくい、4Kネイティブならではの滑らか、かつ高精細な映像表現を可能にした」とアピールしている。
加えて、R/G/Bごとに3枚のネイティブ4K D-ILAデバイスを同時に120fpsで高速駆動させるため、新たに専用ドライバーLSIを開発。膨大な情報量を瞬時に処理するために、最新テクノロジーの広帯域メモリであるHBM(High Bandwidth Memory)を採用し、シリコンインターポーザーにて接続することで、超高速駆動を可能にしたという。また、独自のフレームレートコンバーターや各種デバイス補正機能も本LSIに搭載することで、常に安定した高画質の映像表現を実現するともしている。
■メタデータをもとにHDRを最適画質に自動調整する新機能「オートトーンマッピング」
HDRはHDR 10とHLGに対応。HDRコンテンツのメタデータをもとに設定を自動で最適化する「オートトーンマッピング」機能を新たに搭載した。これにより、これまで作品ごとに手動で調整していた各種画質調整をユーザーが行わなくても、最適な画質で鑑賞できるようになった。
同機能では、HDR10コンテンツの明るさ情報を示すマスタリング情報(Max CLL/FALL)に基づき、自動的に画質を調整。コンテンツごとに明るさの異なるHDR映像が最適に視聴できるよう、画質を自動的に調整する。なお、マスタリング情報が含まれないコンテンツの場合には、固定値もしくはマニュアルでの調整となる。
なお、同機能では100インチスクリーンでの投写時を想定してデフォルトの調整値を設定。「調整レベル」という項目を手動で変更することで、スクリーンサイズの異なる場合でも最適な効果が得られるようにしている。
レンズには16群18枚の100mm径オールガラスレンズを搭載。上下100%、左右43%という広いシフト範囲を確保しながら画面の隅々まで高解像度を映しきるために、100mmの大口径で、R/G/Bの屈折率の違いを加味した5枚の特殊低分散レンズを採用したとのことで、これにより、シフト時の色収差・にじみなどを抑え、8K解像度を忠実に再現することが可能だとしている。
265Wの超高圧水銀ランプと高効率化した光学エンジンの組み合わせにより輝度2,200ルーメンを実現。0.69型4K D-ILAデバイスとワイヤグリッド採用の光学エンジンによってネイティブコントラスト10万対1を実現したことに加え、黒レベルを自動制御する「インテリジェント・レンズ・アパーチャー」との組み合わせで、ダイナミックコントラスト100万対1も実現させた。
■既存機能も性能がさらに向上。出画時間も半分に
そのほか、新シネマフィルターを採用し、DCI-P3の広色域を実現。Ultra HD Blu-rayのHDRコンテンツのような、従来よりも大幅に広い色域の作品も、色彩豊かに描き分けられるとしている。
また、独自の残像低減技術「Clear Motion Drive」の精度も向上。補間アルゴリズムの見直しにより、オブジェクト境界における動き補償精度を大幅に向上させた。従来よりも多くのフレームを参照することで動き予測の精度を向上させるとともに、フレーム遅延の短縮を実現したという。
加えて、“弱”設定ではフィルム等で採用されている24コマ/秒の味わいを残したデジャダー感を追求し、より違和感のない処理を実現したという。また、映像の動きに応じてD-ILAデバイスの駆動を最適化する「Motion Enhance」との組み合わせにより、4K映像をより滑らかに再現するともしている。
4K/60p 4:4:4や、4K/60p 4:2:2/36bit、4K/24p 4:4:4/36bitなど、18Gbpsの伝送帯域の入力に対応。また、レンズメモリーや画素調整、画面マスクなどの設置調整内容を一括して最大10種類保存し、簡単に呼び出すことができる「設置設定」機能を搭載している。
そのほか、回路の見直しによって映像信号が入力されてからの出画時間も従来比で約半分に短縮。設置条件や使用状況などで変化する光学特性を最適化するオートキャリブレーション機能、スクリーン特性によって生じる色のアンバランスを補正するスクリーン補正モード、PC信号やゲームなどの表示遅延を低減する低遅延モードも備えている。
吸気・排気は背面吸気・前面排気を採用。壁に近づけての設置など、さまざまな設置環境に対応しやすいよう配慮した。そのほか「THX 4K DISPLAY」認証を取得予定(申請中)。
外形寸法は500W×234H×518mm(脚部含む)で、質量が21.8kg。出力端子にはトリガー(ミニジャック、DC12V/100mA)、3Dシンクロ(Mini‐Din 3pin)を1系統ずつ装備している。
■「JVCは8Kに本気」 ― 先行試聴会も開催
今回の新製品について同社のプロジェクター事業を担当するメディア事業部 ソリューションビジネスユニット 国内ソリューション部の田神和愛部長は「8K市場へのJVCの新たな挑戦だ。JVCは本気だぞということを感じていただければと思う」とコメント。同部次長の赤川智人氏も「今後は8Kをメインにやっていきたい」と続き、8K製品への意気込みを語る。
また、赤川氏は「プロジェクターの基礎である光学性能を改善した。高輝度、高コントラスト、広色域の3要素が揃ったことで、お客様に美しいHDR映像を楽しんでいただける」とした。
なお、発売に先駆けての視聴会も各地で開催。9月22日に名古屋で行う先行試聴会の応募受付を開始したほか、ヤマハとは「AVENTAGE」新モデルとの合同先行視聴会を東京・名古屋・大阪で行う。
また、プロジェクター営業グループ グループ長の西窪英博氏は、「10月下旬からは順次、専門店などで視聴会を行う」と説明。「現在のところ、全国で約50店舗ほどで開催する予定だ。詳細は順次公式サイトで案内する」とした。
■D-ILAデバイスだけでなく専用ドライバーLSIも新開発
独自技術「e-shift」を進化させた「8K e-shift」を搭載したD-ILAプロジェクター。ネイティブ4K対応で0.69インチのD-ILAデバイスを新開発して3基搭載し、1画素を斜めに0.5画素シフトすることで解像度を倍増させるe-shift技術と組み合わせ。独自の高画質技術「Multiple Pixel Control」により、フルHDや4K映像を8K(8,192 x 4,320画素)映像に変換して表示する。なお、デザイン面では日本向けモデルはレンズ周辺部に金メッキ装飾などが施される。
ただし、8K対応のHDMIチップがまだ存在しないため8K信号の入力には非対応。4K映像を8Kにアップコンバートしてコンテンツを視聴することになる。HDMI端子は2系統で、どちらも18GbpsやHDCP 2.2、3Dおよびディープカラー信号に対応している。
D-ILAデバイスは0.69型とすでに発売中の「DLA-Z1」などと同じサイズながら、平坦化、反射効率アップなどのプロセス改善を行い、性能の向上を実現。さらなる高コントラスト、高輝度化を実現させたという。同社では、「D-ILA独自の狭ピッチ画素プロセスにより大画面でも格子が見えにくい、4Kネイティブならではの滑らか、かつ高精細な映像表現を可能にした」とアピールしている。
加えて、R/G/Bごとに3枚のネイティブ4K D-ILAデバイスを同時に120fpsで高速駆動させるため、新たに専用ドライバーLSIを開発。膨大な情報量を瞬時に処理するために、最新テクノロジーの広帯域メモリであるHBM(High Bandwidth Memory)を採用し、シリコンインターポーザーにて接続することで、超高速駆動を可能にしたという。また、独自のフレームレートコンバーターや各種デバイス補正機能も本LSIに搭載することで、常に安定した高画質の映像表現を実現するともしている。
■メタデータをもとにHDRを最適画質に自動調整する新機能「オートトーンマッピング」
HDRはHDR 10とHLGに対応。HDRコンテンツのメタデータをもとに設定を自動で最適化する「オートトーンマッピング」機能を新たに搭載した。これにより、これまで作品ごとに手動で調整していた各種画質調整をユーザーが行わなくても、最適な画質で鑑賞できるようになった。
同機能では、HDR10コンテンツの明るさ情報を示すマスタリング情報(Max CLL/FALL)に基づき、自動的に画質を調整。コンテンツごとに明るさの異なるHDR映像が最適に視聴できるよう、画質を自動的に調整する。なお、マスタリング情報が含まれないコンテンツの場合には、固定値もしくはマニュアルでの調整となる。
なお、同機能では100インチスクリーンでの投写時を想定してデフォルトの調整値を設定。「調整レベル」という項目を手動で変更することで、スクリーンサイズの異なる場合でも最適な効果が得られるようにしている。
レンズには16群18枚の100mm径オールガラスレンズを搭載。上下100%、左右43%という広いシフト範囲を確保しながら画面の隅々まで高解像度を映しきるために、100mmの大口径で、R/G/Bの屈折率の違いを加味した5枚の特殊低分散レンズを採用したとのことで、これにより、シフト時の色収差・にじみなどを抑え、8K解像度を忠実に再現することが可能だとしている。
265Wの超高圧水銀ランプと高効率化した光学エンジンの組み合わせにより輝度2,200ルーメンを実現。0.69型4K D-ILAデバイスとワイヤグリッド採用の光学エンジンによってネイティブコントラスト10万対1を実現したことに加え、黒レベルを自動制御する「インテリジェント・レンズ・アパーチャー」との組み合わせで、ダイナミックコントラスト100万対1も実現させた。
■既存機能も性能がさらに向上。出画時間も半分に
そのほか、新シネマフィルターを採用し、DCI-P3の広色域を実現。Ultra HD Blu-rayのHDRコンテンツのような、従来よりも大幅に広い色域の作品も、色彩豊かに描き分けられるとしている。
また、独自の残像低減技術「Clear Motion Drive」の精度も向上。補間アルゴリズムの見直しにより、オブジェクト境界における動き補償精度を大幅に向上させた。従来よりも多くのフレームを参照することで動き予測の精度を向上させるとともに、フレーム遅延の短縮を実現したという。
加えて、“弱”設定ではフィルム等で採用されている24コマ/秒の味わいを残したデジャダー感を追求し、より違和感のない処理を実現したという。また、映像の動きに応じてD-ILAデバイスの駆動を最適化する「Motion Enhance」との組み合わせにより、4K映像をより滑らかに再現するともしている。
4K/60p 4:4:4や、4K/60p 4:2:2/36bit、4K/24p 4:4:4/36bitなど、18Gbpsの伝送帯域の入力に対応。また、レンズメモリーや画素調整、画面マスクなどの設置調整内容を一括して最大10種類保存し、簡単に呼び出すことができる「設置設定」機能を搭載している。
そのほか、回路の見直しによって映像信号が入力されてからの出画時間も従来比で約半分に短縮。設置条件や使用状況などで変化する光学特性を最適化するオートキャリブレーション機能、スクリーン特性によって生じる色のアンバランスを補正するスクリーン補正モード、PC信号やゲームなどの表示遅延を低減する低遅延モードも備えている。
吸気・排気は背面吸気・前面排気を採用。壁に近づけての設置など、さまざまな設置環境に対応しやすいよう配慮した。そのほか「THX 4K DISPLAY」認証を取得予定(申請中)。
外形寸法は500W×234H×518mm(脚部含む)で、質量が21.8kg。出力端子にはトリガー(ミニジャック、DC12V/100mA)、3Dシンクロ(Mini‐Din 3pin)を1系統ずつ装備している。
■「JVCは8Kに本気」 ― 先行試聴会も開催
今回の新製品について同社のプロジェクター事業を担当するメディア事業部 ソリューションビジネスユニット 国内ソリューション部の田神和愛部長は「8K市場へのJVCの新たな挑戦だ。JVCは本気だぞということを感じていただければと思う」とコメント。同部次長の赤川智人氏も「今後は8Kをメインにやっていきたい」と続き、8K製品への意気込みを語る。
また、赤川氏は「プロジェクターの基礎である光学性能を改善した。高輝度、高コントラスト、広色域の3要素が揃ったことで、お客様に美しいHDR映像を楽しんでいただける」とした。
なお、発売に先駆けての視聴会も各地で開催。9月22日に名古屋で行う先行試聴会の応募受付を開始したほか、ヤマハとは「AVENTAGE」新モデルとの合同先行視聴会を東京・名古屋・大阪で行う。
また、プロジェクター営業グループ グループ長の西窪英博氏は、「10月下旬からは順次、専門店などで視聴会を行う」と説明。「現在のところ、全国で約50店舗ほどで開催する予定だ。詳細は順次公式サイトで案内する」とした。