AWA小野社長、TikTok井藤本部長にインタビュー
おじさん・おばさん世代にも広がるTikTok。AWAとの提携でねらうもの、両社幹部に聞いた
既報の通り、サブスクリプション型音楽ストリーミングサービス「AWA」と、ショートムービープラットフォーム「TikTok」が業務提携し、両アプリをシームレスに利用して音楽再生や動画撮影が行えるようになった。提携の狙いや今後の展開について、AWAの小野哲太郎社長、TikTok運営元であるBytedanceの井藤理人本部長に話を聞いた。
両社の提携により、AWAで配信されている楽曲をTikTokのアプリから再生したり、気に入った音楽を使ってAWAアプリからTikTok動画撮影に移行したりといったことが可能になった。またAWAは各音楽レーベルとの交渉窓口の役割なども担い、TikTokで利用できる楽曲拡大のバックエンド業務も行う。なお、今回の提携は独占的なものではなく、今後、他サービスがAWAと同様にTikTok連携を強化する可能性もあるという。
AWAの小野氏は、「我々は人々と音楽との出会いを一番大事にしている。AWAのなかだけでも幅広い音楽に出会えるよう様々な工夫を凝らしているが、実は今の若い人たちはTikTokで新しい音楽と出会う流れが強くなっている」と述べ、TikTokが単なる動画投稿アプリにとどまらない存在になっているとコメント。「提携によって、TikTokで出会った新しい音楽をAWAで(フル尺で)聴く流れになるといいなと思っている」と語る。
Bytedanceの井藤氏は、TikTokに約1年先行して中国(※TikTokは中国発のサービス)で人気を集めている15秒動画投稿サービス「ドウイン」の状況に言及。「中国ではドウインで流行った音楽が各サブスクリプション音楽配信サービスのランキングに影響を与えたり、新人アーティスト発掘の場にもなっている」と語り、小野氏の説明は日本だけに当てはまるものではないと説明した。
現在、世界150ヶ国以上でサービスを展開するTikTok。日本でのユーザー数は非公開だが、「我々の想定以上に伸びている」(井藤氏)という。「まず日本にはプリクラで “自撮り文化” があったことも大きい。おじさん世代にTikTokを説明するときに『動くプリクラですよ』というと分かってもらえる(笑)」とした上で、こんなに手軽に音楽をBGMに使えるんだ、こういうふうに音楽で遊べるんだということで流行ったのではないか」と井藤氏は爆発的普及の背景を語る。
また10代と20代を中心に人気を集めるTikTokだが、「ユーザー層が徐々に上の年齢層にも伸びている」とのこと。「30代以上のユーザーは、セルフィーを撮ってアップするのではなく、旅先の景色や食事、家族の様子などをTikTokに投稿するという使い方が多い」という。
「戦略的にはユーザーのデモグラフィック(※性別や年齢、居住地などの属性)を広げていきたいと思っており、そのためにローカルに響くコンテンツが必要」と語り、AWAとの提携で日本国内のアーティストの使用許諾数を拡充させる狙いを説明した。
一方、こうしてユーザー層が広がることで、従来の10代から敬遠されるようになってしまうのではないかという心配については、AIも活用したシステムによって「10代のユーザーには10代が好む投稿しかレコメンドされないようになっているし、50代向きの投稿は50代の人にしかオススメされないようにできるので、そこは心配していない」と、棲み分けが可能なようにしていると説明した。
小野氏も「TikTokが日本でこれほどのスピードで人気になるとは思っていなかった」とコメント。「これからは、例えば30代40代の層が電車で旅行に行ったときに、景色を撮ってBGMでTikTokにアップするということが増えるのでは。(現在のTikTokでの中心である動画のように)踊る必要もないし、AIのおかげで僕のような30代の層の投稿が女子高生に見られることもない(笑)。そういった安心感があるからユーザー層が広がっていくのでは」と、これまでとは違った層が、これまでとは違った使い方でTikTokに接するようになるとした。
ただ、「右向いて」「変顔して」などといった歌詞に合わせ、自分なりに行動する様子を撮影した動画が多いイメージのTikTok。普通にアーティストが歌ったり演奏している一般的な楽曲と、TikTokで需要の高い楽曲とは傾向が異なるようにも思える。
しかし「最近で言えばコアラモードの『さくらぼっち』という曲の歌詞が切なくて良いということで、歌に合わせて口パクする動画の投稿が流行った」(井藤氏)と、様々な形で音楽が利用されるようになっているとのこと。だからこそAWAとの提携で楽曲数が充実することに意義があるとした。
また小野氏は「今回、提携記念で『#あわあわダンス』をつくり、SKE48の皆さんに踊ってもらったが、この曲とダンスは当然ながら作曲家や作詞家の方、そして振付師の方にお願いしたもの。このように、歌や踊りといった実演家だけでなく作曲家や作詞家、振付師が今後のTikTokをきっかけに世に出るという可能性もある」ともコメント。
あわせて「まずタレントが育つ場所としてTikTokがあって、そのタレントにエイベックスのようなレーベルが曲を提供し、AWAのようなサービスが配信してスターを作っていくという流れ、バリューチェーンを作っていければ面白いなと思っている」と述べた。
両社の提携により、AWAで配信されている楽曲をTikTokのアプリから再生したり、気に入った音楽を使ってAWAアプリからTikTok動画撮影に移行したりといったことが可能になった。またAWAは各音楽レーベルとの交渉窓口の役割なども担い、TikTokで利用できる楽曲拡大のバックエンド業務も行う。なお、今回の提携は独占的なものではなく、今後、他サービスがAWAと同様にTikTok連携を強化する可能性もあるという。
AWAの小野氏は、「我々は人々と音楽との出会いを一番大事にしている。AWAのなかだけでも幅広い音楽に出会えるよう様々な工夫を凝らしているが、実は今の若い人たちはTikTokで新しい音楽と出会う流れが強くなっている」と述べ、TikTokが単なる動画投稿アプリにとどまらない存在になっているとコメント。「提携によって、TikTokで出会った新しい音楽をAWAで(フル尺で)聴く流れになるといいなと思っている」と語る。
Bytedanceの井藤氏は、TikTokに約1年先行して中国(※TikTokは中国発のサービス)で人気を集めている15秒動画投稿サービス「ドウイン」の状況に言及。「中国ではドウインで流行った音楽が各サブスクリプション音楽配信サービスのランキングに影響を与えたり、新人アーティスト発掘の場にもなっている」と語り、小野氏の説明は日本だけに当てはまるものではないと説明した。
現在、世界150ヶ国以上でサービスを展開するTikTok。日本でのユーザー数は非公開だが、「我々の想定以上に伸びている」(井藤氏)という。「まず日本にはプリクラで “自撮り文化” があったことも大きい。おじさん世代にTikTokを説明するときに『動くプリクラですよ』というと分かってもらえる(笑)」とした上で、こんなに手軽に音楽をBGMに使えるんだ、こういうふうに音楽で遊べるんだということで流行ったのではないか」と井藤氏は爆発的普及の背景を語る。
また10代と20代を中心に人気を集めるTikTokだが、「ユーザー層が徐々に上の年齢層にも伸びている」とのこと。「30代以上のユーザーは、セルフィーを撮ってアップするのではなく、旅先の景色や食事、家族の様子などをTikTokに投稿するという使い方が多い」という。
「戦略的にはユーザーのデモグラフィック(※性別や年齢、居住地などの属性)を広げていきたいと思っており、そのためにローカルに響くコンテンツが必要」と語り、AWAとの提携で日本国内のアーティストの使用許諾数を拡充させる狙いを説明した。
一方、こうしてユーザー層が広がることで、従来の10代から敬遠されるようになってしまうのではないかという心配については、AIも活用したシステムによって「10代のユーザーには10代が好む投稿しかレコメンドされないようになっているし、50代向きの投稿は50代の人にしかオススメされないようにできるので、そこは心配していない」と、棲み分けが可能なようにしていると説明した。
小野氏も「TikTokが日本でこれほどのスピードで人気になるとは思っていなかった」とコメント。「これからは、例えば30代40代の層が電車で旅行に行ったときに、景色を撮ってBGMでTikTokにアップするということが増えるのでは。(現在のTikTokでの中心である動画のように)踊る必要もないし、AIのおかげで僕のような30代の層の投稿が女子高生に見られることもない(笑)。そういった安心感があるからユーザー層が広がっていくのでは」と、これまでとは違った層が、これまでとは違った使い方でTikTokに接するようになるとした。
ただ、「右向いて」「変顔して」などといった歌詞に合わせ、自分なりに行動する様子を撮影した動画が多いイメージのTikTok。普通にアーティストが歌ったり演奏している一般的な楽曲と、TikTokで需要の高い楽曲とは傾向が異なるようにも思える。
しかし「最近で言えばコアラモードの『さくらぼっち』という曲の歌詞が切なくて良いということで、歌に合わせて口パクする動画の投稿が流行った」(井藤氏)と、様々な形で音楽が利用されるようになっているとのこと。だからこそAWAとの提携で楽曲数が充実することに意義があるとした。
また小野氏は「今回、提携記念で『#あわあわダンス』をつくり、SKE48の皆さんに踊ってもらったが、この曲とダンスは当然ながら作曲家や作詞家の方、そして振付師の方にお願いしたもの。このように、歌や踊りといった実演家だけでなく作曲家や作詞家、振付師が今後のTikTokをきっかけに世に出るという可能性もある」ともコメント。
あわせて「まずタレントが育つ場所としてTikTokがあって、そのタレントにエイベックスのようなレーベルが曲を提供し、AWAのようなサービスが配信してスターを作っていくという流れ、バリューチェーンを作っていければ面白いなと思っている」と述べた。