IFAの姉妹イベント
アメリカでも人気!完全ワイヤレスイヤホン。日本未上陸モデルも発掘:NY家電イベント「CE Week」レポ<前編>
筆者は今週、6月12日・13日の2日間に開催されたコンシューマーエレクトロニクスショー「CE Week」を取材するためニューヨークのマンハッタンを訪れていた。昨年から世界最大級のエレクトロニクスショー「IFA」とパートナーシップを組んでグローバル化への一歩を踏み出したCE Weekが、今年はどのように変貌を遂げていたのかを2回に渡ってレポートしたい。初回はCE Weekもまた「完全ワイヤレスイヤホン」で盛り上がっていたという話題から報告しよう。
■完全ワイヤレスイヤホン多数出展。アジアだけじゃない、世界への広がりを実感
CE Weekの会場であるマンハッタンのジェイコブ・ジャヴィッツ・コンベンションセンターには今年も多彩な出展者が集まった。元々CE Weekは、2006年6月からニューヨークのマンハッタンを舞台に、米国内の大手流通・小売業者をはじめとするトレードビジターを集めて、コンシューマーエレクトロニクスを中心としたメーカーとその新商品のマッチングを図るための商談会として開催されていたイベントだ。
IFAを主催するメッセ・ベルリンは、現在IFAとその姉妹イベントであるCE Chinaを結びつける形で「CE Week」を位置付けて、コンシューマーエレクトロニクス業界のグローバルネットワークを築こうとしている。その成果は、今年のCE Weekに地元ニューヨークを拠点とする老舗のブランドやハードウェアスタートアップの他にも、中国や韓国などアジアのブランドが数多く出展していたところなどに顕在化していた。
また、ブースの出展はなかったものの、ソニーもブラビアの8Kテレビ“Master”「Z9G」シリーズの体験商談会をCE Weekの会場内でトレードビジター向けに開催していたようだ。Z9Gシリーズは北米では既に販売が始まっており、価格はそれぞれ85型のXBR-85Z9Gが12,999ドル(約141万円)、98型のXBR-98Z9Gが69,999ドル(約759万円)だ。
冒頭に触れたとおり、今年のCE Weekには完全ワイヤレスイヤホンを展示するブランドが増えていた。ニューヨークの街を歩いていても、アップルのAirPods以外にも様々なブランドの完全ワイヤレスイヤホンを身に着けて音楽を聴く人の姿が多く目に飛び込んできた。完全ワイヤレスイヤホンを取り巻く熱気は、もはや日本やアジアだけで高まっているわけではなさそうだ。
CE Weekに出展されていた完全ワイヤレスイヤホンの中で、特に3つのブランドの新製品が筆者の注目を引いた。1つは、今月から日本でもe☆イヤホンで取り扱いがスタートした1MORE初の完全ワイヤレスイヤホン「E1026BT-I」だ。アメリカでは「Stylish True Wireless In-Ear Headphones-I」というペットネームを付けて販売されるようだ。ブラックのほかに3つのカラバリが展開される。
日本での販売情報や本機に採用されたテクノロジーの詳細についてはファイルウェブのニュースでご確認いただきたい。本機の特長をかいつまんで挙げるとすれば、7mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載して、LDSアンテナにより通信感度を高めたことと、aptXの音声コーデックをサポートした点などだろうか。
実機を試すことができたので簡単にインプレッションを報告しておきたい。試聴は持参したGoogle Pixel 3 XLにaptXコーデックで接続して行った。
サウンドは解像度が高く低音のインパクトも十分。むやみな強調感がなく、長時間落ち着いて聴いていられるバランスの良いチューニングに仕上がっている。階調感もきめ細かく、aptXによるリスニングに対応したことのメリットが十分に活きているように思う。コンパクトな充電ケースや、本体にシリコン製のスタビライザーを装着すると耳元へのフィットがとても安定するところなども魅力的に感じられた。とてもコストパフォーマンスの高いイヤホンだ。
続いて紹介するのは韓国のブランド、Phiaton(フィアトン)の完全ワイヤレスイヤホン「BOLT BT 700」だ。BA型ドライバーをシングルで採用する。充電ケースがスピーカーにもなっていて、イヤホンを収納した状態でスマホとBluetooth経由で接続するとワイヤレススピーカーとしても使えるというユニークな“2in1スタイル”のワイヤレスオーディオだ。
イヤホン本体はIPX4相当の防滴設計。シリコン製のイヤーピースのほか、外耳のくぼみにフィットするスタビライザー「RightFit+」による快適な装着感と遮音性能が得られる。Bluetoothの音声コーデックはAAC/SBCをサポートした。カラバリはブラックとホワイト。アメリカと韓国で139ドルで販売されている。まもなくAmazon.comでの販売が開始されるそうだ。
本機も持ち込んだiPhone Xにペアリングしてブースで音を確かめることができた。中高域が鮮明でクールな印象の音づくりだ。EDMの低音もスピーディーで切れ味に富む。本体は軽量で着け心地も良い。側面がタッチセンサーコントローラーになっていて、外音取り込み機能を素速く起動できる。操作感もきびきびとしていて良い感触だった。スピーカー再生はイヤホンをケースに装着した状態でのみ行える。こちらも試聴してみた。出せる音量があまり大きくないので、あくまでイヤホンのオプション的に設けられている機能なのだと思うが、聴いている音楽を気軽に友だちとシェアしたり色々な使い方ができそうだ。
同社からはこの他にも、ネックバンドタイプのワイヤレスイヤホン「Curve BT 120NC」が出展されていた。本機にはアクティブノイズキャンセリング機能が搭載されている。本体はIPX4相当の防滴仕様で、USB/3.5mmアナログイヤホン端子への変換ケーブルをつなぐと有線タイプのイヤホンとしても使える。価格は79ドル。ユニークなふたつの製品を目の当たりにして、フィアトンの日本再上陸を期待したくなった。
米カリフォルニアのオーディオブランド、JLAB Audioも多彩な完全ワイヤレスイヤホンのラインナップをCE Weekに出展していた。4つの製品ともに本体が防汗・防滴仕様で、USBケーブルを一体化した充電ケースを採用しているところが特にユニークだ。
最上位の「Epic Air Sport」はイヤホン単体で約10時間、ケース込みではなんと約70時間の連続音楽再生が可能という驚異のスタミナ性能を実現している。イヤーフックタイプのスポーツイヤホンで、IP66相当の防汗・防滴性能を実現。音楽を聴きながら屋外でのジョギングなどスポーツが楽しめるように外音取り込みの機能も設けた。価格は150ドル。
本機の他にもイヤーフックスタイルの「JBuds Air Sport」や、AirPodsのようなステム付デザインの本体が特徴的な「JBuds Air Executive」、通常の耳栓型デザインの「JBuds Air Icon」など、いずれも100ドルを切る個性豊かなラインナップが揃う。同社のスタッフは「現在日本で同社の製品を取り扱ってくれるパートナーを募集中」だと語っていた。
これら以外には、アメリカのブランド、ZVOXが出展していた149ドルの超軽量ワイヤレスNCヘッドホン「Accuvoice NC Headphones」も目を引いた。元は補聴器を開発していたブランドなので、「人の声の帯域を聴きやすくチューニングして、低域の強調感を抑えた。アメリカでもポータブルオーディオを愛用する若年層の難聴が増えていることが問題視されている。10代の若い音楽ファンが使いやすい安価なノイズキャンセリングヘッドホンをつくり、彼らの聴覚を守れるようにベストな音質にチューニングした」と、ZVOXのチェアマンであるThomas Hannaher氏が同社製品の特徴をアピールしていた。
次回はCE Weekに出展されていた個性派のスマートプロダクトを中心にレポートする。
■完全ワイヤレスイヤホン多数出展。アジアだけじゃない、世界への広がりを実感
CE Weekの会場であるマンハッタンのジェイコブ・ジャヴィッツ・コンベンションセンターには今年も多彩な出展者が集まった。元々CE Weekは、2006年6月からニューヨークのマンハッタンを舞台に、米国内の大手流通・小売業者をはじめとするトレードビジターを集めて、コンシューマーエレクトロニクスを中心としたメーカーとその新商品のマッチングを図るための商談会として開催されていたイベントだ。
IFAを主催するメッセ・ベルリンは、現在IFAとその姉妹イベントであるCE Chinaを結びつける形で「CE Week」を位置付けて、コンシューマーエレクトロニクス業界のグローバルネットワークを築こうとしている。その成果は、今年のCE Weekに地元ニューヨークを拠点とする老舗のブランドやハードウェアスタートアップの他にも、中国や韓国などアジアのブランドが数多く出展していたところなどに顕在化していた。
また、ブースの出展はなかったものの、ソニーもブラビアの8Kテレビ“Master”「Z9G」シリーズの体験商談会をCE Weekの会場内でトレードビジター向けに開催していたようだ。Z9Gシリーズは北米では既に販売が始まっており、価格はそれぞれ85型のXBR-85Z9Gが12,999ドル(約141万円)、98型のXBR-98Z9Gが69,999ドル(約759万円)だ。
冒頭に触れたとおり、今年のCE Weekには完全ワイヤレスイヤホンを展示するブランドが増えていた。ニューヨークの街を歩いていても、アップルのAirPods以外にも様々なブランドの完全ワイヤレスイヤホンを身に着けて音楽を聴く人の姿が多く目に飛び込んできた。完全ワイヤレスイヤホンを取り巻く熱気は、もはや日本やアジアだけで高まっているわけではなさそうだ。
CE Weekに出展されていた完全ワイヤレスイヤホンの中で、特に3つのブランドの新製品が筆者の注目を引いた。1つは、今月から日本でもe☆イヤホンで取り扱いがスタートした1MORE初の完全ワイヤレスイヤホン「E1026BT-I」だ。アメリカでは「Stylish True Wireless In-Ear Headphones-I」というペットネームを付けて販売されるようだ。ブラックのほかに3つのカラバリが展開される。
日本での販売情報や本機に採用されたテクノロジーの詳細についてはファイルウェブのニュースでご確認いただきたい。本機の特長をかいつまんで挙げるとすれば、7mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載して、LDSアンテナにより通信感度を高めたことと、aptXの音声コーデックをサポートした点などだろうか。
実機を試すことができたので簡単にインプレッションを報告しておきたい。試聴は持参したGoogle Pixel 3 XLにaptXコーデックで接続して行った。
サウンドは解像度が高く低音のインパクトも十分。むやみな強調感がなく、長時間落ち着いて聴いていられるバランスの良いチューニングに仕上がっている。階調感もきめ細かく、aptXによるリスニングに対応したことのメリットが十分に活きているように思う。コンパクトな充電ケースや、本体にシリコン製のスタビライザーを装着すると耳元へのフィットがとても安定するところなども魅力的に感じられた。とてもコストパフォーマンスの高いイヤホンだ。
続いて紹介するのは韓国のブランド、Phiaton(フィアトン)の完全ワイヤレスイヤホン「BOLT BT 700」だ。BA型ドライバーをシングルで採用する。充電ケースがスピーカーにもなっていて、イヤホンを収納した状態でスマホとBluetooth経由で接続するとワイヤレススピーカーとしても使えるというユニークな“2in1スタイル”のワイヤレスオーディオだ。
イヤホン本体はIPX4相当の防滴設計。シリコン製のイヤーピースのほか、外耳のくぼみにフィットするスタビライザー「RightFit+」による快適な装着感と遮音性能が得られる。Bluetoothの音声コーデックはAAC/SBCをサポートした。カラバリはブラックとホワイト。アメリカと韓国で139ドルで販売されている。まもなくAmazon.comでの販売が開始されるそうだ。
本機も持ち込んだiPhone Xにペアリングしてブースで音を確かめることができた。中高域が鮮明でクールな印象の音づくりだ。EDMの低音もスピーディーで切れ味に富む。本体は軽量で着け心地も良い。側面がタッチセンサーコントローラーになっていて、外音取り込み機能を素速く起動できる。操作感もきびきびとしていて良い感触だった。スピーカー再生はイヤホンをケースに装着した状態でのみ行える。こちらも試聴してみた。出せる音量があまり大きくないので、あくまでイヤホンのオプション的に設けられている機能なのだと思うが、聴いている音楽を気軽に友だちとシェアしたり色々な使い方ができそうだ。
同社からはこの他にも、ネックバンドタイプのワイヤレスイヤホン「Curve BT 120NC」が出展されていた。本機にはアクティブノイズキャンセリング機能が搭載されている。本体はIPX4相当の防滴仕様で、USB/3.5mmアナログイヤホン端子への変換ケーブルをつなぐと有線タイプのイヤホンとしても使える。価格は79ドル。ユニークなふたつの製品を目の当たりにして、フィアトンの日本再上陸を期待したくなった。
米カリフォルニアのオーディオブランド、JLAB Audioも多彩な完全ワイヤレスイヤホンのラインナップをCE Weekに出展していた。4つの製品ともに本体が防汗・防滴仕様で、USBケーブルを一体化した充電ケースを採用しているところが特にユニークだ。
最上位の「Epic Air Sport」はイヤホン単体で約10時間、ケース込みではなんと約70時間の連続音楽再生が可能という驚異のスタミナ性能を実現している。イヤーフックタイプのスポーツイヤホンで、IP66相当の防汗・防滴性能を実現。音楽を聴きながら屋外でのジョギングなどスポーツが楽しめるように外音取り込みの機能も設けた。価格は150ドル。
本機の他にもイヤーフックスタイルの「JBuds Air Sport」や、AirPodsのようなステム付デザインの本体が特徴的な「JBuds Air Executive」、通常の耳栓型デザインの「JBuds Air Icon」など、いずれも100ドルを切る個性豊かなラインナップが揃う。同社のスタッフは「現在日本で同社の製品を取り扱ってくれるパートナーを募集中」だと語っていた。
これら以外には、アメリカのブランド、ZVOXが出展していた149ドルの超軽量ワイヤレスNCヘッドホン「Accuvoice NC Headphones」も目を引いた。元は補聴器を開発していたブランドなので、「人の声の帯域を聴きやすくチューニングして、低域の強調感を抑えた。アメリカでもポータブルオーディオを愛用する若年層の難聴が増えていることが問題視されている。10代の若い音楽ファンが使いやすい安価なノイズキャンセリングヘッドホンをつくり、彼らの聴覚を守れるようにベストな音質にチューニングした」と、ZVOXのチェアマンであるThomas Hannaher氏が同社製品の特徴をアピールしていた。
次回はCE Weekに出展されていた個性派のスマートプロダクトを中心にレポートする。