<山本敦のAV進化論 第180回>
機内エンターテインメントもBluetoothで!RHAの「Wireless Flight Adapter」レビュー
最近ではヘッドホンもイヤホンもワイヤレス対応の製品が圧倒的な人気を博しているが、その利便性を活かしにくい場面がひとつある。飛行機の中で機内エンターテインメントを楽しみたい時だ。せっかく面白そうな映画がラインナップされているのに、有線接続用ケーブルを手荷物に入れ忘れた、あるいはそもそも有線接続に対応していない等の理由から、愛用のワイヤレスヘッドホン/イヤホンでの視聴を諦めざるを得なかった……そんな苦い経験を味わった方も多いと思う。
そうした方々へ、今回は英国のイヤホンブランドであるRHAが発売したユニークなアクセサリー「Wireless Flight Adapter」を紹介しよう。
Wireless Flight Adapterは名前が示す通り、飛行機の機内エンターテインメント、ジムのトレーニングマシン、古いポータブルゲーム機などBluetooth機能を搭載していない機器に接続し、手軽に“ワイヤレス化”できるBluetoothオーディオアダプターだ。価格は6,980円(税抜)。
本体のサイズはアップル「AirPods」のケースを一回り小さくしたぐらいで、質量は23g。一方が3極ステレオ、もう一方が2極モノラルとなった2本の3.5mmミニプラグを搭載していて、それぞれ折りたたむことができる。繋ぐ機器に合わせ、必要な端子を引き出す仕組みだ。たとえば、機内エンターテインメントの音声出力は3.5mmジャックの2ピン、またはシングルピンが採用されているケースが多い。
今回筆者がIFA取材に向かう道中で乗ったエールフランスの飛行機はシングルピンのジャックだったため、プラグを片方だけ立ててジャックに挿した。軽いアダプターなので、機内エンターテインメントでも装着後に落ちてくる心配はあまりなさそうだ。使用中は白いLEDライトが点滅し続けるが、LEDのサイズは小さく光も弱いので、機内の照明が落ちる時間帯でも周囲に迷惑をかけることもないと思う。
使い方はとてもシンプルだ。本体の電源ボタンを長押しすると、LEDインジケーターが青色に点滅しペアリングモードに切り替わるので、ヘッドホン側もペアリングモードにして接続を待つ。今回筆者が機内に持ち込んだボーズの「QuietComfort35 II」は、ペアリングが完了するとボイスプロンプトが接続されたことを知らせてくるので分かりやすく安心だが、Wireless Flight Adapter自体はディスプレイを持たないので、はっきりペアリングできているのかやや心もとなく感じるところはある。
Wireless Flight Adapterにはアップコンバートや低音ブースト的な機能が備わっていないため、接続した機器のサウンドをそのままヘッドホンに送り出しているのだろう。ただ、コーデックはベーシックなSBCのほかにaptXとaptX LLにも対応していて、ノイズの混入や音切れに対する耐性も高いなど音質へのこだわりも感じられる。ヘッドホンを付けたまま、映画の再生を止めずに10m近く離れたキャビン後方のお手洗いまで移動しても、音声が途切れずクリアに聴くことができた。QC35 IIに付属している有線ケーブルの音と比較も試みたが、Wireless Flight Adapterを介して聴く方がディティールが引き立って滑らかに感じられた。バランスもフラットで聴き疲れの心配はなさそうだ。
また、今回は試すことができなかったのだが、実は本機には2つのヘッドホンに同時にワイヤレス伝送が行える機能も搭載されているようだ。あまり機内では使う機会は訪れないように思うが、いざという時にあると便利かもしれない。
バッテリーは一度のフル充電から最長16時間。日本からニューヨークまで片道のフライトも余裕でまかなえそうだ。本体を充電しながら使うこともできるので、念を入れるということであれば、USB Type-Cケーブルを一緒に機内に持ち込むことをおすすめしたい。
最近では、NetflixやAmazonプライムビデオの映画を搭乗前にタブレット/スマホにダウンロードしてき、機内でワイヤレスヘッドホン・イヤホンをつけて視聴している姿を多くみかけるようになった。機内エンターテインメントで見たい作品がラインナップされていない、最近はあまり期待していないという方もいるのだろうが、RHAのWireless Flight Adapterは気軽に試せる価格なので、ぜひ一度使ってみてほしい。やはり機内スクリーンの方が食事と一緒に映画をのびのびと楽しめるし、意外に面白い作品にも巡り会えるかもしれない。
著名なオーディオブランドの中ではRHAが先陣を切る格好となった機内用のBluetoothオーディオアダプター。今後、各社からも登場して賑やかな競争が繰り広げられることを期待したい。
そうした方々へ、今回は英国のイヤホンブランドであるRHAが発売したユニークなアクセサリー「Wireless Flight Adapter」を紹介しよう。
Wireless Flight Adapterは名前が示す通り、飛行機の機内エンターテインメント、ジムのトレーニングマシン、古いポータブルゲーム機などBluetooth機能を搭載していない機器に接続し、手軽に“ワイヤレス化”できるBluetoothオーディオアダプターだ。価格は6,980円(税抜)。
本体のサイズはアップル「AirPods」のケースを一回り小さくしたぐらいで、質量は23g。一方が3極ステレオ、もう一方が2極モノラルとなった2本の3.5mmミニプラグを搭載していて、それぞれ折りたたむことができる。繋ぐ機器に合わせ、必要な端子を引き出す仕組みだ。たとえば、機内エンターテインメントの音声出力は3.5mmジャックの2ピン、またはシングルピンが採用されているケースが多い。
今回筆者がIFA取材に向かう道中で乗ったエールフランスの飛行機はシングルピンのジャックだったため、プラグを片方だけ立ててジャックに挿した。軽いアダプターなので、機内エンターテインメントでも装着後に落ちてくる心配はあまりなさそうだ。使用中は白いLEDライトが点滅し続けるが、LEDのサイズは小さく光も弱いので、機内の照明が落ちる時間帯でも周囲に迷惑をかけることもないと思う。
使い方はとてもシンプルだ。本体の電源ボタンを長押しすると、LEDインジケーターが青色に点滅しペアリングモードに切り替わるので、ヘッドホン側もペアリングモードにして接続を待つ。今回筆者が機内に持ち込んだボーズの「QuietComfort35 II」は、ペアリングが完了するとボイスプロンプトが接続されたことを知らせてくるので分かりやすく安心だが、Wireless Flight Adapter自体はディスプレイを持たないので、はっきりペアリングできているのかやや心もとなく感じるところはある。
Wireless Flight Adapterにはアップコンバートや低音ブースト的な機能が備わっていないため、接続した機器のサウンドをそのままヘッドホンに送り出しているのだろう。ただ、コーデックはベーシックなSBCのほかにaptXとaptX LLにも対応していて、ノイズの混入や音切れに対する耐性も高いなど音質へのこだわりも感じられる。ヘッドホンを付けたまま、映画の再生を止めずに10m近く離れたキャビン後方のお手洗いまで移動しても、音声が途切れずクリアに聴くことができた。QC35 IIに付属している有線ケーブルの音と比較も試みたが、Wireless Flight Adapterを介して聴く方がディティールが引き立って滑らかに感じられた。バランスもフラットで聴き疲れの心配はなさそうだ。
また、今回は試すことができなかったのだが、実は本機には2つのヘッドホンに同時にワイヤレス伝送が行える機能も搭載されているようだ。あまり機内では使う機会は訪れないように思うが、いざという時にあると便利かもしれない。
バッテリーは一度のフル充電から最長16時間。日本からニューヨークまで片道のフライトも余裕でまかなえそうだ。本体を充電しながら使うこともできるので、念を入れるということであれば、USB Type-Cケーブルを一緒に機内に持ち込むことをおすすめしたい。
最近では、NetflixやAmazonプライムビデオの映画を搭乗前にタブレット/スマホにダウンロードしてき、機内でワイヤレスヘッドホン・イヤホンをつけて視聴している姿を多くみかけるようになった。機内エンターテインメントで見たい作品がラインナップされていない、最近はあまり期待していないという方もいるのだろうが、RHAのWireless Flight Adapterは気軽に試せる価格なので、ぜひ一度使ってみてほしい。やはり機内スクリーンの方が食事と一緒に映画をのびのびと楽しめるし、意外に面白い作品にも巡り会えるかもしれない。
著名なオーディオブランドの中ではRHAが先陣を切る格好となった機内用のBluetoothオーディオアダプター。今後、各社からも登場して賑やかな競争が繰り広げられることを期待したい。