日本国内でも販売予定
<IFA>アディダス、満を持してオーディオ本格参入! こだわりと “本気度” を開発者が語る
アディダスから、同社初のスポーツ向けワイヤレスイヤホン「FWD-01」とワイヤレスヘッドホン「RPT-01」2モデルが登場。独ベルリンで開催されている「IFA 2019」では、共同開発パートナーであるZound Industriesブースに出展し、製品が披露された。
Zound Industriesはマーシャルのオーディオ製品などを扱うメーカーで、同社が持つオーディオ技術と、世界的スポーツブランドであるアディダスの知見を組み合わせ、運動時の使用に最適化した音質と、アディダスならではのデザイン性を両立させたという。
NY、ロンドン、パリの3都市でローンチイベントが開催され、ベルリンでは現地時間9月9日に行われる予定。発売日は9月25日、アディダス直営店舗やウェブショップなどで販売される。
日本国内でも直営店のほかヨドバシやビックカメラなどでも販売する予定で、「グローバルと同時発売を目指す」とした。
今回PHILE WEBでは、製品開発を担当したZound Industries プロダクトマネージャーのAnders Olsson氏、インダストリアルデザイナーのElla Renneus氏にインタビュー。製品コンセプトや特徴、今後についても話を伺った。
■快適な装着性を追求したスポーツイヤホン「FWD-01」
ワイヤレスイヤホン「FWD-01」は、主にランニングなど外での使用を想定して開発。φ13mmドライバーを搭載しており、音質面もスポーツを意識したチューニングを施したという。
「運動時には、低音がしっかり聴こえる方が、モチベーションも高まって効果的と考えている。一方、低音が強すぎて他の音がかき消されてしまっては意味がない。全体としてクリアなサウンドも両立するよう心がけた」とAnders氏は語る。
IPX4の防水性能のほか、運動時の装着性にもこだわりがある。走っている時にズレたり落ちたりせず、また長時間の使用でも耳が痛くなることがないように、装着部の形状は人間工学に基づき工夫して設計された。また高い装着感を実現しながら、音楽をしっかり耳に届け、なおかつ周囲の音も取り込める。屋外使用時の安全性にも配慮しているのだ。
製品をよく見ると、イヤーチップとフィンを装着するイヤホン部、そして外側の特徴的な多角形の部分に分かれている。イヤホン部にはドライバーが内蔵され、イヤーチップとフィンの組み合わせによって高いフィット感を実現するという。なお、イヤーチップとフィンも人間工学に基づいてデザインされ、各4サイズ(XS/S/M/L)を用意する。外側の多角形部分にはワイヤレス関連デバイスを内蔵、右側には充電バッテリーと2基のマイクも搭載される。
ハウジング部はプラスチックで、外側表面は傷がつきにくい特殊加工が施されている。また多角形部分の先端にはマグネットが内蔵され、くっつけると音楽再生を停止し、充電セーブモードに。使わない際はネックレスのように首かけ可能だ。マグネットを外すとON状態となり、スムーズに使い始められる。
操作はできるだけ瞬時に行えるよう、スリムで軽量な3ボタン式リモコンを採用。ケーブル右側に配置し、左側には1ボタン式リモコンも搭載する。左側のリモコンは、製品と同時リリース予定の専用アプリ「adidas headphone(アディダス ヘッドフォン)」とリンクする。
「アクションボタン」として、アプリと連携予定のSpotifyや、音声アシスタント機能などとダイレクトに接続可能。1回、2回、3回と押す回数に合わせて、使いたい機能をカスタマイズ可能にする予定だ。またアプリにはイコライザー機能も搭載予定。ストリーミングサービスはSpotify以外も検討中で、今後も増えていく予定という。
ケーブル部はファブリック素材で、アディダスのスニーカーと同じ素材を採用。激しい動きでも首元で擦れることなく、肌触りも良い。Bluetoothはバージョン5.0。連続再生は最大16時間、急速充電にも対応しており、15分充電で4時間の音楽再生が可能だ。なお本機にはキャリングケースが付属。スポーツ向けアパレルのような素材感で、内部に充電ケーブル収納ポケットを備える。
■ヘッドホン「RPT-01」は遮音性も確保。ワークアウトに集中できる
一方のワイヤレスヘッドホン「RPT-01」は、ジムなど屋内でのトレーニング使用を想定。安全に配慮して環境音を取り込めるよう設計されたFWD-01とは異なり、ワークアウトに集中できるよう高い遮音性を確保した。本機もBluetoothはバージョン5.0、連続再生は最大40時間で、IPX4の防水性能を備える。
ドライバーはφ40mmダイナミック型を搭載。音質のコンセプトはイヤホン同様、低音重視かつクリアな音質を目指している。実際に試聴したが、記者の体感ではボーカルなどがくっきりと表現されており、低音の迫力もあるが、小音量で聴くとクリアな印象が強い。Anders氏の言うように、低音に他の音が埋もれることなく、全体的にスッキリしたサウンドと感じた。IFA会場の喧騒でもさほど外音が気にならず、遮音性が高いことも確認できた。
ハウジングの外側には傷がつきにくい加工が施されている。右ハウジングには四角い形状の操作ボタンを装備、プッシュ以外に上下左右に動かすことで、音量調整(上下)と曲送り/戻し(左右)が行える。左にはイヤホン同様にアクションボタンを装備する。実際に装着してみると、側圧はしっかりめでフィット感が高く、操作ボタンは実際に動かした感覚がフィードバックされ、直感的に使える点が好印象だった。
ヘッドバンドを通して左右のハウジングをつなぐ部分は、内部に細いステンレススチールを採用。外側のプラスチックはぐねぐね捻ったりしても問題なく、少し手荒く扱っても大丈夫そうだ。ヘッドバンドは内側にシリコンバンドを備えており、装着時に頭の形に合わせてしっかりフィットするとのこと。シリコンバンドは取り外し可能で、汚れたら洗うこともできる。
RPT-01はよりスニーカーを彷彿とさせる外観で、ヘッドバンド外側部やイヤーパッド部分にはニット素材があしらわれている。アディダスでは3Dプリント技術を用いて、高いフィット感と柔軟性を持つプライムニットなどを開発し、スニーカーに採用している。この素材は空気を通すため、蒸れることが少なく、また軽量な点もヘッドホンに適しているとして採用された。
イヤーパッド部分も取り外し可能。回転させながら着脱ができ、なんとパッド部分のプラスチックも含めて、洗濯機で洗うことが可能だと言う。なお現時点で予定はないが、市場の反応をみてイヤーパッド部分の別売も検討しているとのことだ。
両モデルとも、スポーツモデルとして最適な製品作りを目指し、アディダスのランナーコミュニティーに属するプロランナーやコーチらと共にテストを繰り返しながら開発。そこで得たフィードバックを元に、今の形にまとめ上げたという。
パッケージもこだわっており、環境保護に配慮する意味でも、出来るだけプラスチックの使用を抑え、外装には紙素材を採用するとのこと。中を開けると、まさにスニーカーを購入した時のように、製品がラッピングペーパーに包まれている。こういった演出も心憎い。
■アディダスのオーディオ展開は続く?「02」「03」の可能性は
アディダスはスポーツのみならず、クライミングと音楽を掛け合わせた「adidas ROCKSTARS」の開催や、DJパーティー「The Do-Over」の協賛なども積極的に行なっており、もともと音楽との関わりは深い。
今回のコラボレーションも、以前よりアディダスがオーディオ製品の開発を検討しており、Zound Industriesに声がかかったことからスタートしたという。
製品名の「FWD」「RPT」は、「Forward(=前に進む)」「Repeat(繰り返す)」の略。それぞれスポーツやトレーニングに関連したワードとして採用したとのこと。製品名の後ろには「01」と名付けられているが、続くラインナップの拡充はあるか伺うと、「開発予定です。期待していてください!」との回答。まだ登場したばかりだが、世界的ブランドであるアディダスが打ち出す、次なるオーディオ製品も楽しみだ。
なお、カラーバリエーションは一色のみ。ブラックやグレーをベースとしたクールな印象だが、スポーツ用品には差し色にライムイエローやオレンジ、ピンクといった派手なカラーが使われることも多い。この点については「今後の製品では他のカラーも出てくるかも…?」とのこと。こちらも期待したい。
Zound Industriesはマーシャルのオーディオ製品などを扱うメーカーで、同社が持つオーディオ技術と、世界的スポーツブランドであるアディダスの知見を組み合わせ、運動時の使用に最適化した音質と、アディダスならではのデザイン性を両立させたという。
NY、ロンドン、パリの3都市でローンチイベントが開催され、ベルリンでは現地時間9月9日に行われる予定。発売日は9月25日、アディダス直営店舗やウェブショップなどで販売される。
日本国内でも直営店のほかヨドバシやビックカメラなどでも販売する予定で、「グローバルと同時発売を目指す」とした。
今回PHILE WEBでは、製品開発を担当したZound Industries プロダクトマネージャーのAnders Olsson氏、インダストリアルデザイナーのElla Renneus氏にインタビュー。製品コンセプトや特徴、今後についても話を伺った。
■快適な装着性を追求したスポーツイヤホン「FWD-01」
ワイヤレスイヤホン「FWD-01」は、主にランニングなど外での使用を想定して開発。φ13mmドライバーを搭載しており、音質面もスポーツを意識したチューニングを施したという。
「運動時には、低音がしっかり聴こえる方が、モチベーションも高まって効果的と考えている。一方、低音が強すぎて他の音がかき消されてしまっては意味がない。全体としてクリアなサウンドも両立するよう心がけた」とAnders氏は語る。
IPX4の防水性能のほか、運動時の装着性にもこだわりがある。走っている時にズレたり落ちたりせず、また長時間の使用でも耳が痛くなることがないように、装着部の形状は人間工学に基づき工夫して設計された。また高い装着感を実現しながら、音楽をしっかり耳に届け、なおかつ周囲の音も取り込める。屋外使用時の安全性にも配慮しているのだ。
製品をよく見ると、イヤーチップとフィンを装着するイヤホン部、そして外側の特徴的な多角形の部分に分かれている。イヤホン部にはドライバーが内蔵され、イヤーチップとフィンの組み合わせによって高いフィット感を実現するという。なお、イヤーチップとフィンも人間工学に基づいてデザインされ、各4サイズ(XS/S/M/L)を用意する。外側の多角形部分にはワイヤレス関連デバイスを内蔵、右側には充電バッテリーと2基のマイクも搭載される。
ハウジング部はプラスチックで、外側表面は傷がつきにくい特殊加工が施されている。また多角形部分の先端にはマグネットが内蔵され、くっつけると音楽再生を停止し、充電セーブモードに。使わない際はネックレスのように首かけ可能だ。マグネットを外すとON状態となり、スムーズに使い始められる。
操作はできるだけ瞬時に行えるよう、スリムで軽量な3ボタン式リモコンを採用。ケーブル右側に配置し、左側には1ボタン式リモコンも搭載する。左側のリモコンは、製品と同時リリース予定の専用アプリ「adidas headphone(アディダス ヘッドフォン)」とリンクする。
「アクションボタン」として、アプリと連携予定のSpotifyや、音声アシスタント機能などとダイレクトに接続可能。1回、2回、3回と押す回数に合わせて、使いたい機能をカスタマイズ可能にする予定だ。またアプリにはイコライザー機能も搭載予定。ストリーミングサービスはSpotify以外も検討中で、今後も増えていく予定という。
ケーブル部はファブリック素材で、アディダスのスニーカーと同じ素材を採用。激しい動きでも首元で擦れることなく、肌触りも良い。Bluetoothはバージョン5.0。連続再生は最大16時間、急速充電にも対応しており、15分充電で4時間の音楽再生が可能だ。なお本機にはキャリングケースが付属。スポーツ向けアパレルのような素材感で、内部に充電ケーブル収納ポケットを備える。
■ヘッドホン「RPT-01」は遮音性も確保。ワークアウトに集中できる
一方のワイヤレスヘッドホン「RPT-01」は、ジムなど屋内でのトレーニング使用を想定。安全に配慮して環境音を取り込めるよう設計されたFWD-01とは異なり、ワークアウトに集中できるよう高い遮音性を確保した。本機もBluetoothはバージョン5.0、連続再生は最大40時間で、IPX4の防水性能を備える。
ドライバーはφ40mmダイナミック型を搭載。音質のコンセプトはイヤホン同様、低音重視かつクリアな音質を目指している。実際に試聴したが、記者の体感ではボーカルなどがくっきりと表現されており、低音の迫力もあるが、小音量で聴くとクリアな印象が強い。Anders氏の言うように、低音に他の音が埋もれることなく、全体的にスッキリしたサウンドと感じた。IFA会場の喧騒でもさほど外音が気にならず、遮音性が高いことも確認できた。
ハウジングの外側には傷がつきにくい加工が施されている。右ハウジングには四角い形状の操作ボタンを装備、プッシュ以外に上下左右に動かすことで、音量調整(上下)と曲送り/戻し(左右)が行える。左にはイヤホン同様にアクションボタンを装備する。実際に装着してみると、側圧はしっかりめでフィット感が高く、操作ボタンは実際に動かした感覚がフィードバックされ、直感的に使える点が好印象だった。
ヘッドバンドを通して左右のハウジングをつなぐ部分は、内部に細いステンレススチールを採用。外側のプラスチックはぐねぐね捻ったりしても問題なく、少し手荒く扱っても大丈夫そうだ。ヘッドバンドは内側にシリコンバンドを備えており、装着時に頭の形に合わせてしっかりフィットするとのこと。シリコンバンドは取り外し可能で、汚れたら洗うこともできる。
RPT-01はよりスニーカーを彷彿とさせる外観で、ヘッドバンド外側部やイヤーパッド部分にはニット素材があしらわれている。アディダスでは3Dプリント技術を用いて、高いフィット感と柔軟性を持つプライムニットなどを開発し、スニーカーに採用している。この素材は空気を通すため、蒸れることが少なく、また軽量な点もヘッドホンに適しているとして採用された。
イヤーパッド部分も取り外し可能。回転させながら着脱ができ、なんとパッド部分のプラスチックも含めて、洗濯機で洗うことが可能だと言う。なお現時点で予定はないが、市場の反応をみてイヤーパッド部分の別売も検討しているとのことだ。
両モデルとも、スポーツモデルとして最適な製品作りを目指し、アディダスのランナーコミュニティーに属するプロランナーやコーチらと共にテストを繰り返しながら開発。そこで得たフィードバックを元に、今の形にまとめ上げたという。
パッケージもこだわっており、環境保護に配慮する意味でも、出来るだけプラスチックの使用を抑え、外装には紙素材を採用するとのこと。中を開けると、まさにスニーカーを購入した時のように、製品がラッピングペーパーに包まれている。こういった演出も心憎い。
■アディダスのオーディオ展開は続く?「02」「03」の可能性は
アディダスはスポーツのみならず、クライミングと音楽を掛け合わせた「adidas ROCKSTARS」の開催や、DJパーティー「The Do-Over」の協賛なども積極的に行なっており、もともと音楽との関わりは深い。
今回のコラボレーションも、以前よりアディダスがオーディオ製品の開発を検討しており、Zound Industriesに声がかかったことからスタートしたという。
製品名の「FWD」「RPT」は、「Forward(=前に進む)」「Repeat(繰り返す)」の略。それぞれスポーツやトレーニングに関連したワードとして採用したとのこと。製品名の後ろには「01」と名付けられているが、続くラインナップの拡充はあるか伺うと、「開発予定です。期待していてください!」との回答。まだ登場したばかりだが、世界的ブランドであるアディダスが打ち出す、次なるオーディオ製品も楽しみだ。
なお、カラーバリエーションは一色のみ。ブラックやグレーをベースとしたクールな印象だが、スポーツ用品には差し色にライムイエローやオレンジ、ピンクといった派手なカラーが使われることも多い。この点については「今後の製品では他のカラーも出てくるかも…?」とのこと。こちらも期待したい。