全録機能「タイムシフトマシーン」対応/“暗くない4K放送”も実現
東芝、4K液晶テレビ最上位機「レグザ Z740X」。クラウド連携で高画質化する「レグザエンジンCloud PRO」新開発
東芝は、4Kテレビ液晶モデルの新たな最上位機として、新開発の映像エンジン「レグザエンジンCloud PRO」や全録機能「タイムシフトマシン」を搭載する“REGZA”「Z740Xシリーズ」を2月21日より順次発売する。65型/55型/50型の3サイズ展開で、各サイズの発売日と税込の予想実売価格は下記の通り。
・65Z740X(65型)319,000円前後 2月21日発売
・55Z740X(55型)231,000円前後 2月21日発売
・50Z740X(50型)198,000円前後 5月下旬発売
なお、4K液晶テレビ「M540Xシリーズ」「C340Xシリーズ」も同時発表。各モデルについての詳細は別項で紹介している。
■新開発エンジン「レグザエンジンCloud PRO」
「Z740Xシリーズ」は、新4K衛星放送(BS4K)チューナーを2基搭載した4Kテレビ。前述の通り新開発映像エンジン「レグザエンジンCloud PRO」や全録機能「タイムシフトマシン」を搭載するほか、「地デジAIビューティーPRO」「ネット動画ビューティーPRO」「おまかせAIピクチャー」などの高画質化機能や、音質面では「重低音BAZOOKA」スピーカーを搭載するなどしている。
「レグザエンジンCloud PRO」では、クラウド上に蓄積した画質データとテレビ側のエンジンが連携し、さまざまな放送コンテンツをAI超解像処理などで高画質化。クラウド接続とAI技術を用いて高画質化処理を実施する映像エンジンは、BS4Kチューナー内蔵モデルとして業界初だという。
例えばアニメであればセルアニメなのかCGアニメかだったり、画作りが特徴的なドラマに最適化した設定だったりといったように、EPG上よりも詳細な番組ジャンルや、コンテンツごとの画質特性を細分化。クラウドから最適な映像調整データをインプットすることで、リアルな高画質を実現するとしている。
クラウド上で常に最新の高画質化処理を行える点が大きな特徴。例えば、新たな連続ドラマの初回放送を受けて同社がそのドラマに最適な高画質化処理データをクラウドにアップロードし、2話以降(または録画で1話を視聴する場合)にそのデータが適用された状態で視聴できるというイメージだ。クラウド上のデータは絶えず更新されていくわけだが、その最新データはテレビの電源をオンにしたタイミングでダウンロードされる。
なおクラウド連携での高画質化処理は6月にアップデートでの対応予定。また、クラウドにアップする高画質化用データは当面は同社の開発スタッフによる人力での処理となることもあり、「ドラマやアニメなど一部の放送コンテンツでの対応になる予定」だとのことで、事件報道やスポーツなど様々なシーンが混在するニュースなどは対象外になりそうだ。加えて、クラウド上のデータは番組ごとの単位となり、シーンごとの画質最適化などの処理はテレビ本体側の映像エンジンが受け持つ形。
また、クラウド連携高画質化は映像モード「おまかせAI」時にのみ有効。加えて、テレビ本体の内蔵チューナーで受信した放送波に対してのみ有効となるため、USB-HDDに全録および通常録画したコンテンツが主な対象となる。BDレコーダー等外部機器とのHDMIケーブル接続では信号伝送の際の制約によって、本機能を適用できない。「もしかするとDLNA経由であれば利用できる可能性もあるが公式にサポートはできない」(同社スタッフ)とのこと。
■新機能「ネット動画ビューティPRO」も搭載
「地デジビューティー」は、地デジ番組の映像信号に最適な処理を行うことで文字(テロップ)まわりのノイズや動きのある映像で発生する動きボケを抑えるという機能。今回同時発表の新機種3製品のうち本機Z740Xのみ、再構成型超解像処理や自己合同性超解像処理などで低ノイズかつ高精細に映像を描き出すという「地デジAIビューティPRO」を採用している。
様々なネット動画を、配信サービスごとの画質特性や圧縮方式、ビットレートにあわせ最適なパラメーターで高画質化する新機能「ネット動画ビューティ」も搭載。こちらもZ740Xのみ、様々な4K超解像処理でさらに自然な高画質を実現するという「ネット動画ビューティPRO」を採用している。
加えて、「おまかせAIピクチャー」も搭載。室内照明色と明るさを測定する色温度センサーを搭載し、視聴環境の明るさだけでなく色温度の違いをリアルタイムに検出。その明るさや色温度に最適な画質に自動調整することに加え、映画スポーツなど視聴しているコンテンツの種類も自動判別して画質を最適化する。
■新たなガンマ制御で“暗くない4K放送”を実現
また、画質面では今回の新モデルからガンマ制御の新たなアルゴリズムを採用。これは主にHLG形式での4K放送を意図したもので、「HLGでの2Kから4Kへのアップコンバートでは、元々のSDRでの100%の白がHDR化した際の75%になるように規定されている。そのため、これをテレビがそのまま映すと視聴者は少し暗く感じる。これに対して新たなガンマ制御を入れることで、今回のモデルでは75%以上の部分に実際はどれくらい輝度信号があるかを見て、その分布が多い場合にはそれ用にガンマをあてるようにした。これによって、2K SDRからの4K HDRアップコンバートでもしっかりとした映像を再生できる」という。
そのほか、バックライトは同社が「全面直下LED」と呼ぶ直下型バックライトを搭載しエリア駆動にも対応。なおパネルは全サイズともVAパネルを採用している。
音質面では、25mmシルクドームトゥイーターと大型バスレフボックスによる“クライアダイレクト2ウェイスピーカー”と、振動板にセルロースナノファイバーをコーティングしたダブル―ファーと対向配置した4このパッシブラジエーターによる“クワッドパッシブ重低音バズーカウーファー“を組み合わせた「レグザ重低音バズーカオーディオシステムPRO」を搭載。
上記スピーカーを総合出力80Wのマルチアンプで駆動。ユニット自体は2019年モデルと同じものだが、新モデルのデザインにあわせて音質最適化を行っており、聞き取りやすく迫力ある重低音を再現するという。昨年モデルでは内部のスピーカーユニットが透けて見えるのを防ぐために薄い膜のような部材を筐体に入れていたが、今回はスピーカー部の本体色をシルバーに変えたことでその膜が必要なくなり、それによって音のヌケがよくなったという。
そのほか、東芝映像ソリューションの高根氏は「テレビが大画面であることはお客様にとって重要であり、その点で液晶は(有機ELに比べて)コスト的にも優れている」と、今回の新モデル群について言及。一方で、有機ELモデルの拡充にも取り組んでいくとし、「すべてのコンテンツでお客様に高画質の感動を味わってもらうべく、有機ELモデルと大画面液晶モデルを2本の柱に展開する」と述べた。
・65Z740X(65型)319,000円前後 2月21日発売
・55Z740X(55型)231,000円前後 2月21日発売
・50Z740X(50型)198,000円前後 5月下旬発売
なお、4K液晶テレビ「M540Xシリーズ」「C340Xシリーズ」も同時発表。各モデルについての詳細は別項で紹介している。
■新開発エンジン「レグザエンジンCloud PRO」
「Z740Xシリーズ」は、新4K衛星放送(BS4K)チューナーを2基搭載した4Kテレビ。前述の通り新開発映像エンジン「レグザエンジンCloud PRO」や全録機能「タイムシフトマシン」を搭載するほか、「地デジAIビューティーPRO」「ネット動画ビューティーPRO」「おまかせAIピクチャー」などの高画質化機能や、音質面では「重低音BAZOOKA」スピーカーを搭載するなどしている。
「レグザエンジンCloud PRO」では、クラウド上に蓄積した画質データとテレビ側のエンジンが連携し、さまざまな放送コンテンツをAI超解像処理などで高画質化。クラウド接続とAI技術を用いて高画質化処理を実施する映像エンジンは、BS4Kチューナー内蔵モデルとして業界初だという。
例えばアニメであればセルアニメなのかCGアニメかだったり、画作りが特徴的なドラマに最適化した設定だったりといったように、EPG上よりも詳細な番組ジャンルや、コンテンツごとの画質特性を細分化。クラウドから最適な映像調整データをインプットすることで、リアルな高画質を実現するとしている。
クラウド上で常に最新の高画質化処理を行える点が大きな特徴。例えば、新たな連続ドラマの初回放送を受けて同社がそのドラマに最適な高画質化処理データをクラウドにアップロードし、2話以降(または録画で1話を視聴する場合)にそのデータが適用された状態で視聴できるというイメージだ。クラウド上のデータは絶えず更新されていくわけだが、その最新データはテレビの電源をオンにしたタイミングでダウンロードされる。
なおクラウド連携での高画質化処理は6月にアップデートでの対応予定。また、クラウドにアップする高画質化用データは当面は同社の開発スタッフによる人力での処理となることもあり、「ドラマやアニメなど一部の放送コンテンツでの対応になる予定」だとのことで、事件報道やスポーツなど様々なシーンが混在するニュースなどは対象外になりそうだ。加えて、クラウド上のデータは番組ごとの単位となり、シーンごとの画質最適化などの処理はテレビ本体側の映像エンジンが受け持つ形。
また、クラウド連携高画質化は映像モード「おまかせAI」時にのみ有効。加えて、テレビ本体の内蔵チューナーで受信した放送波に対してのみ有効となるため、USB-HDDに全録および通常録画したコンテンツが主な対象となる。BDレコーダー等外部機器とのHDMIケーブル接続では信号伝送の際の制約によって、本機能を適用できない。「もしかするとDLNA経由であれば利用できる可能性もあるが公式にサポートはできない」(同社スタッフ)とのこと。
■新機能「ネット動画ビューティPRO」も搭載
「地デジビューティー」は、地デジ番組の映像信号に最適な処理を行うことで文字(テロップ)まわりのノイズや動きのある映像で発生する動きボケを抑えるという機能。今回同時発表の新機種3製品のうち本機Z740Xのみ、再構成型超解像処理や自己合同性超解像処理などで低ノイズかつ高精細に映像を描き出すという「地デジAIビューティPRO」を採用している。
様々なネット動画を、配信サービスごとの画質特性や圧縮方式、ビットレートにあわせ最適なパラメーターで高画質化する新機能「ネット動画ビューティ」も搭載。こちらもZ740Xのみ、様々な4K超解像処理でさらに自然な高画質を実現するという「ネット動画ビューティPRO」を採用している。
加えて、「おまかせAIピクチャー」も搭載。室内照明色と明るさを測定する色温度センサーを搭載し、視聴環境の明るさだけでなく色温度の違いをリアルタイムに検出。その明るさや色温度に最適な画質に自動調整することに加え、映画スポーツなど視聴しているコンテンツの種類も自動判別して画質を最適化する。
■新たなガンマ制御で“暗くない4K放送”を実現
また、画質面では今回の新モデルからガンマ制御の新たなアルゴリズムを採用。これは主にHLG形式での4K放送を意図したもので、「HLGでの2Kから4Kへのアップコンバートでは、元々のSDRでの100%の白がHDR化した際の75%になるように規定されている。そのため、これをテレビがそのまま映すと視聴者は少し暗く感じる。これに対して新たなガンマ制御を入れることで、今回のモデルでは75%以上の部分に実際はどれくらい輝度信号があるかを見て、その分布が多い場合にはそれ用にガンマをあてるようにした。これによって、2K SDRからの4K HDRアップコンバートでもしっかりとした映像を再生できる」という。
そのほか、バックライトは同社が「全面直下LED」と呼ぶ直下型バックライトを搭載しエリア駆動にも対応。なおパネルは全サイズともVAパネルを採用している。
音質面では、25mmシルクドームトゥイーターと大型バスレフボックスによる“クライアダイレクト2ウェイスピーカー”と、振動板にセルロースナノファイバーをコーティングしたダブル―ファーと対向配置した4このパッシブラジエーターによる“クワッドパッシブ重低音バズーカウーファー“を組み合わせた「レグザ重低音バズーカオーディオシステムPRO」を搭載。
上記スピーカーを総合出力80Wのマルチアンプで駆動。ユニット自体は2019年モデルと同じものだが、新モデルのデザインにあわせて音質最適化を行っており、聞き取りやすく迫力ある重低音を再現するという。昨年モデルでは内部のスピーカーユニットが透けて見えるのを防ぐために薄い膜のような部材を筐体に入れていたが、今回はスピーカー部の本体色をシルバーに変えたことでその膜が必要なくなり、それによって音のヌケがよくなったという。
そのほか、東芝映像ソリューションの高根氏は「テレビが大画面であることはお客様にとって重要であり、その点で液晶は(有機ELに比べて)コスト的にも優れている」と、今回の新モデル群について言及。一方で、有機ELモデルの拡充にも取り組んでいくとし、「すべてのコンテンツでお客様に高画質の感動を味わってもらうべく、有機ELモデルと大画面液晶モデルを2本の柱に展開する」と述べた。