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final/GRADO新製品のこだわりも紹介

<ヘッドフォン祭>FAudio のイヤホン「ProjectY」正式版、Cayinのアナログアンプ「C9」が国内初披露

公開日 2020/11/08 19:33 編集部:成藤 正宣
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11月7日に開催された「秋のヘッドフォン祭2020 ONLINE」。YouTubeで生配信されたイベントから、ミックスウェーブ/final/コペックジャパン/ナイコムの配信内容を抜粋してお届けする。

ミックスウェーブ

ミックスウェーブは、FAudioブランドからイヤホンの新モデル「Project Y」を紹介した。これまで様々なオーディオイベントで試作機が出展されていたモデルで、今回、その正式版が初披露されたかたちだ。

FAudio「ProjectY」が発売へ

FAudioブランドの5周年を記念するモデルと位置づけられており、世界全体で399本の限定生産になるという。日本向けには100〜120本が割り当てられ、発売時期は11月下旬〜12月、価格は28万円台を予定しているとのことだ。

ブランド5周年記念モデルとなり、世界399本限定生産となる

フルレンジBAを中心として、それを補うようにドライバーを付け足していくことで滑らかなクロスオーバーを実現する独自の設計技術「True Crossover Technology(T.C.T)」を採用。ドライバー構成はフルレンジBAドライバー2基を中心に、9.2mmダイナミックドライバー1基/中高域用BAドライバー2基/静電型ドライバー2基を搭載する。すべて本モデルのためにカスタマイズされ、ダイナミックドライバーも新開発されたものだという。

BA/ダイナミック/静電型の3種類のドライバーによるハイブリッド構成

また、ダイナミックドライバーのチューニングに3種類のアコースティックチャンバーを設ける「Triple Built-in Acoustic Chamber(T.B.A.C)」も採用。同ブランドのダイナミック型イヤホン「Major」等でも採用されている技術だが、従来よりさらに小型化しているとのこと。

筐体にはスポーツカー等で採用される先端素材Forged Carbonを採用。記念モデルだからといってむやみに装飾を派手にせず、控えめでありながら高級感の感じられる質感に仕上げたという。

付属ケーブルはドイツ製の純銀導体と銀メッキOCC導体を採用。さらにノイズ対策として銀製のシールドを施し、その上から柔らかなPVCジャケットをかぶせている。プラグは2.5mm 4極バランス端子を採用する。

イヤーピースは新しく開発した「Premium+ イヤーチップ」が同梱。従来の同社製イヤーピースの構造をブラッシュアップしつつ、素材を変更して装着感も改良した。加えて、Spinfit/Conplyの他社製イヤーピースや、バンナイズ製キャリングケースも付属する。

担当者はサウンドについて、「全体的にカッチリとしていてスピーディーな印象。特に、音の出足がはっきりとしていてとても解像度が高い」と表現していた。詳細に関しては、後日改めて発表するという。

解像度の高さが特徴的とのこと

その他同社からは、まだ詳細は未定ながらCampfire Audioからイヤホンの新モデル「DORADO 2020」「VEGA 2020」、Beat Audioのケーブル等今後発売予定の製品が予告された。

詳細は未定だが、Campfire AudioやBeat Audioの新製品も予告された

final

11月1日から社名をS'NEXTから変更したばかりのfinalは、自社ブランドのイヤホン最新モデル「A4000」(税込15800円前後)、「A3000」(税込12800円前後)のこだわりについて詳しく紹介した。

finalは10月28日に発売を迎えたA4000/A3000のこだわりについて紹介

フラグシップモデル「A8000」のサウンドを安価な価格帯で届けたいというコンセプトから、海外に新たに設置した自社拠点にて生産/開発を行ったというA4000/A3000。

共通して搭載する6mmダイナミックドライバーも生産機器から新規設計し、同ブランドでは珍しく「f-Core DU(エフコアDU)」という固有の名前をつけられている。自社生産ならではの強みを活かし、ドライバーユニットの筐体に真鍮を採用する、振動板を均一に製造するため少量ずつプレスする、といったこだわりが盛り込まれている。

「f-core DU」ドライバーも真鍮製ケースや振動板の少数プレス生産など自社生産ならではのこだわりが盛り込まれる

ケーブル着脱端子には、従来のインイヤーモニター(IEM)タイプのイヤホンとは異なり、MMCXではなく2pin端子を採用しているが、これは少しでも製造コストを抑えるためとのこと。野村ケンジ氏からは、finalブランドが自社製造しているMMCX端子は非常に精度を重視しており、一般的なものより高価になっているという背景も語られた。

「1ランク、2ランク上の、これだったら有線のイヤホンで聴こうと思ってもらえるサウンドを、この価格でやりたかったという強い思いがあった」という担当者。「エンジニアも今回は満足そうな顔をしていました」と完成度に自信を見せていた。

2モデルのキャラクターの違いについて、野村氏は「A4000はfinalが目標としている “今やりたい音” を追求した、A8000直系の音。A3000はどんなジャンルもそつなくこなせるオールラウンダー」と表現。

実際に試聴した野村ケンジ氏、小岩井ことりさんもサウンドの違いを解説

小岩井ことりさんは「A3000の方は息遣いに含まれるような高域、ふくよかさを感じさせる中域がどちらもしっかりしていて、繊細さと温かみが両方感じられる音。A4000はドライバーの高い解像度や歯切れの良さをそのまま感じられて、細やかな音がしっかりしている」と語っていた。

また最後に、11月下旬に発売予定のケーブル非着脱型ながらf-Core DUを搭載したゲーミング向けイヤホン「VR3000 for gaming」(税込7,900円前後)についても紹介。小岩井ことりさんが立ち上げたASMRレーベル「kotoneiro」にも公式推奨イヤホンとして採用されている。

「VR3000 for Gaming」にもf-core DUが採用される

コペックジャパン

コペックジャパンは、Cayinブランドから2つの新製品を紹介した。

1つ目は、同ブランドのDAP「N6ii」用オーディオマザーボード「A02」。DAC/アンプ基板が交換可能な設計となっているN6ii専用のオプション品で、10月30日から47,960円(税込)にて発売を開始している。

Cayin「N6ii」用の交換ボード「A02」

アンプ回路はヘッドホン出力を搭載せず、ラインアウト/プリアウトのみを搭載。ヘッドホン/イヤホンを搭載せず、他のアンプと接続する用途に特化していることが特徴だ。DACチップは、フラグシップDAP「N8」と同等のAK4497EQデュアル構成を採用している。

もう1つは、今回が国内初披露となるポータブルヘッドホンアンプ「C9」。現時点ではまだプロトタイプの段階で、詳細な発売スケジュールは未定だが、年末発売を目指しているという。

アナログアンプ「C9」が国内初披露

DACを搭載しないアナログアンプで、オペアンプを使ったソリッドステート回路と真空管「Nutube」を使った回路の2種類を搭載し、切り替えることで異なる音質が楽しめるのが特徴。入出力端子はともに3.5mm/4.4mmジャックを1基ずつ搭載し、バランス入出力に対応している。

ソリッドステート/Nutube回路の切り替えはフラグシップDAP「N8」でも採用された機能だが、その際はNutube回路とバランス接続を併用することができなかった。C9では、バランス/アンバランス接続どちらでも回路切り替え機能を楽しめる。

2つの回路、バランス/アンバランス入出力、動作モード切り替えなど豊富な機能を搭載

また、バッテリーはネジで固定されたモジュール式になっており、ユーザー自身で簡単に取り替えることが可能。バッテリーモジュールの単品販売も行う予定で、長期に渡り安心して使うことができるとしている。

さらに、アンプの動作モードの切り替え機能も搭載。より滑らかでまろやかな高音質のクラスAモード、消費電力と発熱量を抑えられるクラスABモードを切り替えることができる。

その他同社からは、AUSOUNDSブランドのウインターセールも予告された。11月16日〜12月27日の期間中、ノイズキャンセリング搭載の完全ワイヤレスイヤホン「AU-Stream Hybrid」や、平面駆動形ドライバーとダイナミックドライバーのハイブリッド構成を採用するネックバンド型Bluetoothイヤホン「AU-Flex ANC」など全製品が20%オフになるとのことだ。

ナイコム

ナイコムは、GRADOブランドから発売中のヘッドホン「The Hemp Headphone」(税抜45,000円)、そしてブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「GT220」(税抜27,800円)について詳しく紹介した。

ナイコムはGRADOのヘッドホン/完全ワイヤレスイヤホンを紹介

ヘッドホンの「The Hemp Headphone」は、名前の通りハウジング素材にヘンプ(麻)採用した期間限定モデル。現在すでに流通在庫のみとなっており、メーカーで追加生産を行っているという。

ハウジングの外側が圧縮したヘンプ繊維、内側がメイプル材というハイブリッド構造になっており、ヘンプならではの模様とダンピング効果が得られるとしている。

ドライバーは木材に合わせてチューニングし、音像定位を向上。また、 ドライバーとハウジングの音をダイレクトに届けるため、「F型」と名付けられた新型のイヤーパッドを採用。担当者は「ナチュラルなサウンドと広いサウンドステージが特徴的」と話す。

ヘンプならではの音響特性、ドライバーのチューニングが、薄型イヤーパッドでダイレクトに楽しめる

「GT220」はブランド初の完全ワイヤレスイヤホンで、ブランドにふさわしいサウンドを追求して開発に2年間かけたというモデル。

ブランド初の完全ワイヤレスとなるGT220

担当者は「解像度や分解能を追求する現代的なサウンドと言うより、音の温かみ、厚みを重視した、特に中低域の存在感が目立つアナログ的なバランスで、音がひとつの塊として聴こえてくる」と音の特徴を紹介している。

密閉型の完全ワイヤレスイヤホンながら、GRADOサウンドがしっかり体感できるとのこと

連続再生時間は最大6時間(充電ケース併用で最大36時間)、BluetoothコーデックはaptX/AAC/SBCに対応し、タッチコントロールやケースのQi充電対応など完全ワイヤレスイヤホンとして必要充分な基本性能を備えたとしている。

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