「CustomTune」で外音取り込みもベストパフォーマンス
ボーズ、次世代完全ワイヤレス「QuietComfort Earbuds II」を体験!ノイキャン&音質のパーソナライズ効果がすごい
ボーズは、2年ぶりにアップデートした、ノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホン「Bose QuietComfort Earbuds II」を9月29日より発売する。“世界最高のノイズキャンセリング” を謳う注目アイテムを、いち早く体験することができたのでレポートする。
Bose QuietComfort Earbuds II(以下、QC Earbuds II)は、同社ノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホンの第2世代機。新たに、ユーザーの耳の形状に合わせて音質とノイズキャンセリングのパフォーマンスを最適化するという新技術「CustomTune」を搭載した点が大きなトピックとなっている。
CustomTuneでは、イヤホンをケースから取り出して耳に装着するたび起動し、独自のトーンを再生して、内蔵マイクで耳の内部の音響反応を測定することで、消音シグナルと音質を調整。個々人の耳に合わせた、サウンドとノイズキャンセリング、外音取り込み機能の最適化を実現する。
いわゆる「パーソナライズ」と呼ばれるもの。そのチューニングスピードはわずか0.5秒未満と高速で、イヤホンを装着するたびに再チューニングされるため、常に最適な聞こえ方、ノイズ低減効果をすぐに発揮することができるという。
これにより、ノイズキャンセリング機能「Quietモード」において、これまで逆位相で打ち消すことが難しかった中高音付近、いわゆる声の帯域に対しても高い消音効果を実現。もちろん重低音の騒音もしっかり抑制するなど、幅広い帯域でハイレベルなノイズキャンセリングを可能にした。また、周囲のノイズ変化にも継続的に反応するため、常に最高レベルの性能をキープできるのだという。
付属のイヤーチップも変更。これまで10年以上採用されてきたという特徴的なフィン一体型の「StayHear Maxチップ」ではなく、2ピース構成の「Bose Fit Kit」が各3サイズずつ同梱する。楕円形のイヤーチップが快適な装着感と消音性能を実現し、スタビリティバンドが装着の安定性を高めるという。
これに合わせて、専用アプリに「イヤーチップ装着テスト」機能を追加。ここでもCustomTuneを活用し、計測してフィット感を確認できる。こうして耳にしっかりフィットさせることで得られるパッシブな遮音性能を組み合わせて、 “世界最高のノイズキャンセリング” を実現するという。
外音取り込み機能「Awareモード」も、イヤホンをしていないかのような、非常に自然な聞こえ方にブラッシュアップされている。さらに、バスや電車が通過するなど近くで大きな騒音が発生した際、一時的にノイズキャンセリングを行い検知した騒音を抑える「ActiveSenseテクノロジー」も装備。自然かつ明瞭ながらも、快適な外音取り込み性能を可能にしている。
マイクは片側に4基、左右で合計8基を搭載。それぞれ、内側に1基、外側に3基を備えており、ノイズキャンセリング/通話の両用として機能する。通話時には進化したノイズリジェクティングマイクが、風切り音や周囲の音を伝えないように働くとのことで、テレワーク時にも活躍するとアピール。このマイクには、同社のパイロット用ヘッドセットの知見なども生かされているのだという。
上述のように、技術面で大幅刷新されたQC Earbuds II。一方でイヤホンそのものは小型化を実現。その体積は従来比で、イヤホン単体が25%、充電ケースは40%も削減されている。また質量もイヤホン(片側)で6.5gと、2gほど軽量化している。
一方、バッテリー強化も図られており、イヤホンは小型化しつつも単体で最大6時間の連続再生対応をキープ。充電ケースは18時間と6時間分増加されている。
その音質は、ボーズが元来コンセプトとしている「コンサートホールで聴く、生演奏の感動を届ける」を追求したとのことで、CustomTune機能はこの目指す音質の再現においても活躍する。
実際、筐体サイズが小さくなることで、物理的に考えると低音が出にくくなる懸念は避けられないが、今回新機能によってパーソナルな補正をかけることで、“ボーズサウンド” と呼ばれる重低音再生を確実に実現。それを誰しもが体感できるように仕上げられている。
なお、内蔵ドライバーの具体については明らかにされていないが、小型軽量化や新機能の搭載など、内部構造を一から新設計するなど従来から刷新。その上で価格は36,300円(税込)と、2020年発売の第1世代機「Bose QuietComfort Earbuds」の価格(33,000円/税込)からほぼ据え置き。昨今の記録的円安状況の中で、値上げ幅はかなり抑えられていると見える。
製品体験ではまず、地下鉄の環境下と同程度とされる80dBの環境を室内に再現。部屋の床から振動が足を伝わってくるほどの騒音環境だったのだが、Quietモードにして音楽再生をすると、全くと言っていいほどノイズは感じられず、音楽だけの世界に浸ることができた。
続いて部屋を静かな環境にして、ボーズ担当者がある文章を読み上げ、その状態でQuietモードを適用して音楽を再生し、声の消音性能をチェックさせてもらった。ここでも、全く読み上げている内容がわからないほどしっかりと抑え込む、圧倒的なノイズキャンセリング効果を実感。まさに “世界最高のノイズキャンセリング” 、それをこの小型サイズで実現しているのは驚きだ。
音楽再生においても、音のクリアさや奥行き、広がり感も向上。また低音再生の魅力も、従来からさらに増したように感じられた。担当者いわく、「ボーズはホームシアターでも音質補正機能を有している。耳の中を部屋と同じような “空間” と捉えて、幅広い帯域で調整を行うことで、ボーズの追求するサウンドを誰でも体感できるような再現力を可能にした」と説明する。
Bluetoothバージョンは5.3、コーデックはSBC/AACをサポート。なお、Bluetooth LE audioには非対応となる。専用アプリに備えたイコライザーで音質調整も可能で、低音/中音/高音の3つの帯域に対して、±10段階で増強や減衰をカスタマイズできる。
「Awareモード」でも音楽再生を試す。一般的には、外音取り込み状態で音楽再生をすると音楽の音量が下がる・遠くなるような傾向もあるが、QC Earbuds IIでは耳に届く音量やパワーにほとんど変化はなく、耳元でしっかりと鳴り、迫力あるサウンドと楽しむことができた。
ちなみに各モードの切り替えは左右イヤホンどちらでも、フェイスプレートを長押しで変えられる。さらにアプリで、Quietモード/Awareモードのほか、2つのモード作成が可能で、最大4つを設定して使用できる。モード作成の際は従来同様、0から10まで11段階でノイズキャンセリングレベルの設定をすることができる。
また、ActiveSenseテクノロジーのレスポンスも向上。たとえば会社デスクで、QC Earbuds IIをAwareモードにして装着している際、外線電話が鳴ると、鳴り出した音を検知してすぐさまノイズキャンセリングして音圧を抑えてくれる。反応スピードが上がった理由としては、マイク数が左右合計8基に増えていること(従来モデルは右側に3基、左側に2基の合計5基)と、内蔵チップの処理もパワーアップしていることが挙げられる。
このほか、これまで片耳モードの使用は右イヤホンのみだったが、QC Earbuds IIでは左右のどちらでも片耳モード使用が可能に。なお、左イヤホンの片耳モード時に通話利用するには、今後のアップデートで対応するかたちとなる。
ちなみに、Quietモード使用中に片側のイヤホンを外すと、もう一方の装着しているイヤホンは自動的にノイズキャンセリング性能が最低レベルに調整され、周囲の音を取り込むようになる。再び外した方のイヤホンを装着すると、CustomTuneが起動して改めて最適化を図り、Quietモードを再適用する。
このCustomTuneによる、装着時に流れる独自のトーンは、これまでのボーズ製品でも起動した際に流れる「ブゥン」といった感じの音とほぼ同じなのだが、今回は製品が起動したことを知らせるためではなく、耳内部を測定する役割を担っているため、周波数が少し変化。少し高めの指向性が強い音を採用し、音圧も若干ながら変わったとのことで、実際体験すると、より耳元に近いところではっきりと起動音(トーン)が鳴っているように感じられた。
イヤホンおよびケースの形状は、小型化に伴い大きく変化している。ケースは比較的手の小さい記者でも片手に収まるサイズ感で、イヤホンを立てて入れるようなスタイルになった。本体のパッケージ自体も超小型化している。
イヤホン本体は、上部にあたる部分にほんの少し突起が設けられており、おかげでケースから取り出す際にもつまみやすい。また以前はフェイスプレート部分がゆるくカーブを描くようなデザインだったが、QC Earbuds IIではフラットに。その部分にタッチセンサーを内蔵し、左右どちらからでも音楽再生/一時停止、通話応答、音量調整などがタップ/スライド操作で行える。
なお、マルチポイント機能には非対応。現時点でスマホ/PCの2台と同時接続することはできないため、同機能を求める方は注意されたい。
本体カラーはトリプルブラックとソープストーンの2色展開で、9月29日からはトリプルブラックを、ソープストーンは現在11月10日の発売予定とのこと。
Bose QuietComfort Earbuds II(以下、QC Earbuds II)は、同社ノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホンの第2世代機。新たに、ユーザーの耳の形状に合わせて音質とノイズキャンセリングのパフォーマンスを最適化するという新技術「CustomTune」を搭載した点が大きなトピックとなっている。
CustomTuneでは、イヤホンをケースから取り出して耳に装着するたび起動し、独自のトーンを再生して、内蔵マイクで耳の内部の音響反応を測定することで、消音シグナルと音質を調整。個々人の耳に合わせた、サウンドとノイズキャンセリング、外音取り込み機能の最適化を実現する。
いわゆる「パーソナライズ」と呼ばれるもの。そのチューニングスピードはわずか0.5秒未満と高速で、イヤホンを装着するたびに再チューニングされるため、常に最適な聞こえ方、ノイズ低減効果をすぐに発揮することができるという。
これにより、ノイズキャンセリング機能「Quietモード」において、これまで逆位相で打ち消すことが難しかった中高音付近、いわゆる声の帯域に対しても高い消音効果を実現。もちろん重低音の騒音もしっかり抑制するなど、幅広い帯域でハイレベルなノイズキャンセリングを可能にした。また、周囲のノイズ変化にも継続的に反応するため、常に最高レベルの性能をキープできるのだという。
付属のイヤーチップも変更。これまで10年以上採用されてきたという特徴的なフィン一体型の「StayHear Maxチップ」ではなく、2ピース構成の「Bose Fit Kit」が各3サイズずつ同梱する。楕円形のイヤーチップが快適な装着感と消音性能を実現し、スタビリティバンドが装着の安定性を高めるという。
これに合わせて、専用アプリに「イヤーチップ装着テスト」機能を追加。ここでもCustomTuneを活用し、計測してフィット感を確認できる。こうして耳にしっかりフィットさせることで得られるパッシブな遮音性能を組み合わせて、 “世界最高のノイズキャンセリング” を実現するという。
外音取り込み機能「Awareモード」も、イヤホンをしていないかのような、非常に自然な聞こえ方にブラッシュアップされている。さらに、バスや電車が通過するなど近くで大きな騒音が発生した際、一時的にノイズキャンセリングを行い検知した騒音を抑える「ActiveSenseテクノロジー」も装備。自然かつ明瞭ながらも、快適な外音取り込み性能を可能にしている。
マイクは片側に4基、左右で合計8基を搭載。それぞれ、内側に1基、外側に3基を備えており、ノイズキャンセリング/通話の両用として機能する。通話時には進化したノイズリジェクティングマイクが、風切り音や周囲の音を伝えないように働くとのことで、テレワーク時にも活躍するとアピール。このマイクには、同社のパイロット用ヘッドセットの知見なども生かされているのだという。
上述のように、技術面で大幅刷新されたQC Earbuds II。一方でイヤホンそのものは小型化を実現。その体積は従来比で、イヤホン単体が25%、充電ケースは40%も削減されている。また質量もイヤホン(片側)で6.5gと、2gほど軽量化している。
一方、バッテリー強化も図られており、イヤホンは小型化しつつも単体で最大6時間の連続再生対応をキープ。充電ケースは18時間と6時間分増加されている。
その音質は、ボーズが元来コンセプトとしている「コンサートホールで聴く、生演奏の感動を届ける」を追求したとのことで、CustomTune機能はこの目指す音質の再現においても活躍する。
実際、筐体サイズが小さくなることで、物理的に考えると低音が出にくくなる懸念は避けられないが、今回新機能によってパーソナルな補正をかけることで、“ボーズサウンド” と呼ばれる重低音再生を確実に実現。それを誰しもが体感できるように仕上げられている。
なお、内蔵ドライバーの具体については明らかにされていないが、小型軽量化や新機能の搭載など、内部構造を一から新設計するなど従来から刷新。その上で価格は36,300円(税込)と、2020年発売の第1世代機「Bose QuietComfort Earbuds」の価格(33,000円/税込)からほぼ据え置き。昨今の記録的円安状況の中で、値上げ幅はかなり抑えられていると見える。
製品体験ではまず、地下鉄の環境下と同程度とされる80dBの環境を室内に再現。部屋の床から振動が足を伝わってくるほどの騒音環境だったのだが、Quietモードにして音楽再生をすると、全くと言っていいほどノイズは感じられず、音楽だけの世界に浸ることができた。
続いて部屋を静かな環境にして、ボーズ担当者がある文章を読み上げ、その状態でQuietモードを適用して音楽を再生し、声の消音性能をチェックさせてもらった。ここでも、全く読み上げている内容がわからないほどしっかりと抑え込む、圧倒的なノイズキャンセリング効果を実感。まさに “世界最高のノイズキャンセリング” 、それをこの小型サイズで実現しているのは驚きだ。
音楽再生においても、音のクリアさや奥行き、広がり感も向上。また低音再生の魅力も、従来からさらに増したように感じられた。担当者いわく、「ボーズはホームシアターでも音質補正機能を有している。耳の中を部屋と同じような “空間” と捉えて、幅広い帯域で調整を行うことで、ボーズの追求するサウンドを誰でも体感できるような再現力を可能にした」と説明する。
Bluetoothバージョンは5.3、コーデックはSBC/AACをサポート。なお、Bluetooth LE audioには非対応となる。専用アプリに備えたイコライザーで音質調整も可能で、低音/中音/高音の3つの帯域に対して、±10段階で増強や減衰をカスタマイズできる。
「Awareモード」でも音楽再生を試す。一般的には、外音取り込み状態で音楽再生をすると音楽の音量が下がる・遠くなるような傾向もあるが、QC Earbuds IIでは耳に届く音量やパワーにほとんど変化はなく、耳元でしっかりと鳴り、迫力あるサウンドと楽しむことができた。
ちなみに各モードの切り替えは左右イヤホンどちらでも、フェイスプレートを長押しで変えられる。さらにアプリで、Quietモード/Awareモードのほか、2つのモード作成が可能で、最大4つを設定して使用できる。モード作成の際は従来同様、0から10まで11段階でノイズキャンセリングレベルの設定をすることができる。
また、ActiveSenseテクノロジーのレスポンスも向上。たとえば会社デスクで、QC Earbuds IIをAwareモードにして装着している際、外線電話が鳴ると、鳴り出した音を検知してすぐさまノイズキャンセリングして音圧を抑えてくれる。反応スピードが上がった理由としては、マイク数が左右合計8基に増えていること(従来モデルは右側に3基、左側に2基の合計5基)と、内蔵チップの処理もパワーアップしていることが挙げられる。
このほか、これまで片耳モードの使用は右イヤホンのみだったが、QC Earbuds IIでは左右のどちらでも片耳モード使用が可能に。なお、左イヤホンの片耳モード時に通話利用するには、今後のアップデートで対応するかたちとなる。
ちなみに、Quietモード使用中に片側のイヤホンを外すと、もう一方の装着しているイヤホンは自動的にノイズキャンセリング性能が最低レベルに調整され、周囲の音を取り込むようになる。再び外した方のイヤホンを装着すると、CustomTuneが起動して改めて最適化を図り、Quietモードを再適用する。
このCustomTuneによる、装着時に流れる独自のトーンは、これまでのボーズ製品でも起動した際に流れる「ブゥン」といった感じの音とほぼ同じなのだが、今回は製品が起動したことを知らせるためではなく、耳内部を測定する役割を担っているため、周波数が少し変化。少し高めの指向性が強い音を採用し、音圧も若干ながら変わったとのことで、実際体験すると、より耳元に近いところではっきりと起動音(トーン)が鳴っているように感じられた。
イヤホンおよびケースの形状は、小型化に伴い大きく変化している。ケースは比較的手の小さい記者でも片手に収まるサイズ感で、イヤホンを立てて入れるようなスタイルになった。本体のパッケージ自体も超小型化している。
イヤホン本体は、上部にあたる部分にほんの少し突起が設けられており、おかげでケースから取り出す際にもつまみやすい。また以前はフェイスプレート部分がゆるくカーブを描くようなデザインだったが、QC Earbuds IIではフラットに。その部分にタッチセンサーを内蔵し、左右どちらからでも音楽再生/一時停止、通話応答、音量調整などがタップ/スライド操作で行える。
なお、マルチポイント機能には非対応。現時点でスマホ/PCの2台と同時接続することはできないため、同機能を求める方は注意されたい。
本体カラーはトリプルブラックとソープストーンの2色展開で、9月29日からはトリプルブラックを、ソープストーンは現在11月10日の発売予定とのこと。