スタビライズウッド、銀など素材のバリエーションにも注目
<ヘッドフォン祭>FiiO、“オーディオ操作用キーパッド”に普及モデル/Shanling、“3.5mm 5極端子”採用のポケットDAP
本日2月11日、東京・中野サンプラザにてポータブルオーディオのイベント「冬のヘッドフォン祭 mini2023」が開催された。参加した計39社の中から、本稿ではエミライブースなどの出展模様をレポートする。
エミライは、同社取り扱いブランドFiiO/Noble Audio/Ferrum Audioの製品を出展。FiiO/Noble Audioからは、今後発売予定の製品も参考出展された。
FiiOは、以前にもイベント出展されたDAP “Mシリーズ” の新モデルとして開発中の「M15S」や、2月3日に発売となったデスクトップストリーマー「R7」などに加え、2つのポータブルオーディオ製品を初披露。
1つは、USBキーパッドの「KB1K」。PCやスマートフォンに接続し、音楽再生コントロールを行うことに特化したUSBアクセサリーで、今年1月に数量限定で発売した「KB1」の金属筐体をABS+PMMA樹脂製に変更したモデルとなる。
KB1は発売から間もなく完売してしまったが、KB1Kは樹脂製筐体を採用したことで、生産数量/期間を限らない通常ラインナップとなる予定。価格もKB1よりもさらに手頃になる見込みとのことだ。
筐体を除く機能面はKB1とほぼ同等だそうで、ゲーミングキーボードなどにも採用されるメカニカル式キースイッチや、押し込み操作にも対応するノブも引き継いでいる。PC用ソフトウェアから各キーの割り当てやLEDのカスタマイズも可能だ。
国内初披露製品のもう1つは、小型USB-DAC/アンプのハイエンドモデル「KA5」。Cirrus Logic製DACチップ「CS43198」と、Ricore Technology製アンプチップ「RT6863」を各2基ずつ採用した完全バランス設計で、3.5mmシングル/4.4mmバランス出力を搭載。音源フォーマットはPCM 768kHz/32bit、およびDSD 11.2MHzまでサポートする。
再生中音源のサンプリングレートや音量レベルを表示するOLEDディスプレイを備えるほか、ハードウェアボリュームも搭載。本体側面のボタンから、接続先の機器とは個別に細やかな音量調整ができることが利点だという。
Noble Audioからは、完全ワイヤレスイヤホンの最上位モデル「FoKus Mystique」の限定デザインとなる「FoKus Prestige」が参考出展された。
イヤホン本体のシェル、および充電ケースの外装素材として、木材に樹脂を含浸させた「スタビライズド・ウッド」を採用。塗料を含んだ樹脂が浸透・硬化することで強度が高まるだけでなく、木目などを反映した複雑な模様を描き、1点1点異なるデザインを実現している。
デザイン面以外のスペックはベースモデルと共通。BAドライバー2基と8.2mmダイナミックドライバーのハイブリッド構成を採用し、BluetoothコーデックはaptX Adaptive/aptX/AAC/SBCをサポート。ヒアスルー機能やスマホアプリによるカスタマイズにも対応する。
MUSINは、同社が取り扱うiBasso AudioブランドやShanlingブランドの新製品、発売予定製品を展開。開場後まもなく多くのファンが訪れた。
Shanlingでは、3月末ごろに発売予定のコンパクトDAP「M0 Pro」が目玉に。同ブランドが以前ラインナップしていた小型DAPシリーズの上位モデルにあたるとのことで、バランス回路を採用するなど音質強化が図られている。
出力端子として、「3.5mm 5極」ジャックを搭載するのがユニークなポイント。3.5mmステレオミニプラグをそのまま挿すことができるが、別売変換アダプターを使えば4.4mm 5極バランス接続にも対応する。
またShanlingブランドでは、1月末に発売されたDAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「H7」の試聴も人気に。AKMのフラグシップDACチップ「AK4499EX」の採用をはじめ物量を投入し、Bluetooth接続、microSDカードからの音源再生にまで対応するハイエンドモデルだ。
iBassoでは、高硬度の金属クロムを用いた振動板、強力な磁気回路を搭載するイヤホン「IT05」や、カーボンファイバー配合バイオセルロース振動板を採用した開放型ヘッドホン「SR3」など、昨日発表されたばかりの新製品がラインナップ。着脱/交換可能なカートリッジ式アンプ「アンプカード」が特徴のDAP「DX300」「DX320」は、Nutube真空管を搭載した最新アンプカード「AMP14」を装着した状態で体験できた。
スタックスは、同社が手がけるイヤースピーカー(静電型ヘッドホン)、ドライバーユニット(専用アンプ)のフルラインナップを展開。
新開発のメッシュ電極とスーパーエンプラフィルム振動膜により、従来モデルを上回る音質を実現したフラグシップモデル「SR-X9000」、スタンダードモデルに位置づけられる「SR-L700MK2」「SR-L500MK2」、イヤホン型で遮音性を高める密閉カバーも用意される「SR-300MK2」などがラインナップ。
ドライバーユニットは、真空管/半導体ハイブリッド回路の「SRM-T8000」をフラグシップとして、真空管回路モデル/半導体回路モデルをラインナップ。DAC/バッテリー内蔵で携帯もできるサイズの「SRM-D10」も展開している。
デッラルテブースでは、香港・AROMA AUDIOブランド、タイ・Cross Lambdaブランドから発売予定の新製品を多数出展。各ブランドのトップも来日し、製品の解説にあたった。
AROMA AUDIOブランドの新製品は、ブランド初のBluetoothアンプとなる「AIR」。これまで同ブランドが開発してきたポータブルアンプとは方向性を変え、“現代の音楽”にマッチするよう開発したという。その一方、同ブランドのポータブルアンプの特徴だった、オペアンプやバッテリーをユーザー自身が交換できる設計を受け継いでいる。
出力端子は3.5mmシングルエンド/2.5mmバランス/4.4mmバランスの3系統。BluetoothコーデックはLDAC/aptX HD/aptX LL/aptX/AAC/SBCをサポート。また、DACのデジタルフィルターを8種類から切り替えることも可能だ。
Cross Lambdaブランドは、4BAイヤホン「Neutron 4」を出展。マルチドライバー構成ながら、ダイナミック型イヤホンのように滑らかなサウンドを実現するというクロスオーバー「DynFreq」や、筐体内の空気や音の反響をコントロールすることで豊かな響きを再現するという設計「BAACC」といった独自技術が特徴だ。
ケーブルでは、昨年夏に開催された「ポタ研」でユーザーから受けた意見をフィードバックしたという新ラインナップを披露。なかでも最上位の「APOLLO G」は、受注生産で価格は約82万円というフラグシップモデル。高純度銅のHPOCC、銀メッキ銅、パラジウムメッキ銅の3種類の導体を組み合わせ、さらに純銅網組シールドやナイロンケブラー複合材によるノイズ対策も施すとのこと。プラグは4.4mm 5極バランスで、GNDまで結線されている。一方、1万円を切る8芯ケーブル「ignite 2」など、イヤホン用アップグレードケーブルとしては手頃な価格帯もカバーしている。
ほか、国内メーカーの新ブランドや、オーディオショップと共同開発した製品も合わせて出展。「Kuon」は、カスタムIEMを飾る銀製フェイスプレートや、銀筐体のイヤホンなどで知られる国内メーカー・K2CRAFTのブランド。銀筐体の響きを活かし、スピーカーリスニングのような空間表現豊かなサウンドを目指したというダイナミック型イヤホンや、元はAROMA AUDIOのイヤホン「Jewel」用に開発したというケーブルなどを参考展示した。
秋葉原のオーディオショップ・AIMS(SOUND KITCHEN AIMS)は、デッラルテと共同開発したヘッドホンケーブル「BLOOM standard」を展示。3.5mmジャックやminiXLR 4pinコネクターを備えたヘッドホンに対応する約2万円のモデルで、会場でもゼンハイザーHD 800Sなどで試聴できた。
■エミライ
エミライは、同社取り扱いブランドFiiO/Noble Audio/Ferrum Audioの製品を出展。FiiO/Noble Audioからは、今後発売予定の製品も参考出展された。
FiiOは、以前にもイベント出展されたDAP “Mシリーズ” の新モデルとして開発中の「M15S」や、2月3日に発売となったデスクトップストリーマー「R7」などに加え、2つのポータブルオーディオ製品を初披露。
1つは、USBキーパッドの「KB1K」。PCやスマートフォンに接続し、音楽再生コントロールを行うことに特化したUSBアクセサリーで、今年1月に数量限定で発売した「KB1」の金属筐体をABS+PMMA樹脂製に変更したモデルとなる。
KB1は発売から間もなく完売してしまったが、KB1Kは樹脂製筐体を採用したことで、生産数量/期間を限らない通常ラインナップとなる予定。価格もKB1よりもさらに手頃になる見込みとのことだ。
筐体を除く機能面はKB1とほぼ同等だそうで、ゲーミングキーボードなどにも採用されるメカニカル式キースイッチや、押し込み操作にも対応するノブも引き継いでいる。PC用ソフトウェアから各キーの割り当てやLEDのカスタマイズも可能だ。
国内初披露製品のもう1つは、小型USB-DAC/アンプのハイエンドモデル「KA5」。Cirrus Logic製DACチップ「CS43198」と、Ricore Technology製アンプチップ「RT6863」を各2基ずつ採用した完全バランス設計で、3.5mmシングル/4.4mmバランス出力を搭載。音源フォーマットはPCM 768kHz/32bit、およびDSD 11.2MHzまでサポートする。
再生中音源のサンプリングレートや音量レベルを表示するOLEDディスプレイを備えるほか、ハードウェアボリュームも搭載。本体側面のボタンから、接続先の機器とは個別に細やかな音量調整ができることが利点だという。
Noble Audioからは、完全ワイヤレスイヤホンの最上位モデル「FoKus Mystique」の限定デザインとなる「FoKus Prestige」が参考出展された。
イヤホン本体のシェル、および充電ケースの外装素材として、木材に樹脂を含浸させた「スタビライズド・ウッド」を採用。塗料を含んだ樹脂が浸透・硬化することで強度が高まるだけでなく、木目などを反映した複雑な模様を描き、1点1点異なるデザインを実現している。
デザイン面以外のスペックはベースモデルと共通。BAドライバー2基と8.2mmダイナミックドライバーのハイブリッド構成を採用し、BluetoothコーデックはaptX Adaptive/aptX/AAC/SBCをサポート。ヒアスルー機能やスマホアプリによるカスタマイズにも対応する。
■MUSIN
MUSINは、同社が取り扱うiBasso AudioブランドやShanlingブランドの新製品、発売予定製品を展開。開場後まもなく多くのファンが訪れた。
Shanlingでは、3月末ごろに発売予定のコンパクトDAP「M0 Pro」が目玉に。同ブランドが以前ラインナップしていた小型DAPシリーズの上位モデルにあたるとのことで、バランス回路を採用するなど音質強化が図られている。
出力端子として、「3.5mm 5極」ジャックを搭載するのがユニークなポイント。3.5mmステレオミニプラグをそのまま挿すことができるが、別売変換アダプターを使えば4.4mm 5極バランス接続にも対応する。
またShanlingブランドでは、1月末に発売されたDAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「H7」の試聴も人気に。AKMのフラグシップDACチップ「AK4499EX」の採用をはじめ物量を投入し、Bluetooth接続、microSDカードからの音源再生にまで対応するハイエンドモデルだ。
iBassoでは、高硬度の金属クロムを用いた振動板、強力な磁気回路を搭載するイヤホン「IT05」や、カーボンファイバー配合バイオセルロース振動板を採用した開放型ヘッドホン「SR3」など、昨日発表されたばかりの新製品がラインナップ。着脱/交換可能なカートリッジ式アンプ「アンプカード」が特徴のDAP「DX300」「DX320」は、Nutube真空管を搭載した最新アンプカード「AMP14」を装着した状態で体験できた。
■STAX
スタックスは、同社が手がけるイヤースピーカー(静電型ヘッドホン)、ドライバーユニット(専用アンプ)のフルラインナップを展開。
新開発のメッシュ電極とスーパーエンプラフィルム振動膜により、従来モデルを上回る音質を実現したフラグシップモデル「SR-X9000」、スタンダードモデルに位置づけられる「SR-L700MK2」「SR-L500MK2」、イヤホン型で遮音性を高める密閉カバーも用意される「SR-300MK2」などがラインナップ。
ドライバーユニットは、真空管/半導体ハイブリッド回路の「SRM-T8000」をフラグシップとして、真空管回路モデル/半導体回路モデルをラインナップ。DAC/バッテリー内蔵で携帯もできるサイズの「SRM-D10」も展開している。
■デッラルテ
デッラルテブースでは、香港・AROMA AUDIOブランド、タイ・Cross Lambdaブランドから発売予定の新製品を多数出展。各ブランドのトップも来日し、製品の解説にあたった。
AROMA AUDIOブランドの新製品は、ブランド初のBluetoothアンプとなる「AIR」。これまで同ブランドが開発してきたポータブルアンプとは方向性を変え、“現代の音楽”にマッチするよう開発したという。その一方、同ブランドのポータブルアンプの特徴だった、オペアンプやバッテリーをユーザー自身が交換できる設計を受け継いでいる。
出力端子は3.5mmシングルエンド/2.5mmバランス/4.4mmバランスの3系統。BluetoothコーデックはLDAC/aptX HD/aptX LL/aptX/AAC/SBCをサポート。また、DACのデジタルフィルターを8種類から切り替えることも可能だ。
Cross Lambdaブランドは、4BAイヤホン「Neutron 4」を出展。マルチドライバー構成ながら、ダイナミック型イヤホンのように滑らかなサウンドを実現するというクロスオーバー「DynFreq」や、筐体内の空気や音の反響をコントロールすることで豊かな響きを再現するという設計「BAACC」といった独自技術が特徴だ。
ケーブルでは、昨年夏に開催された「ポタ研」でユーザーから受けた意見をフィードバックしたという新ラインナップを披露。なかでも最上位の「APOLLO G」は、受注生産で価格は約82万円というフラグシップモデル。高純度銅のHPOCC、銀メッキ銅、パラジウムメッキ銅の3種類の導体を組み合わせ、さらに純銅網組シールドやナイロンケブラー複合材によるノイズ対策も施すとのこと。プラグは4.4mm 5極バランスで、GNDまで結線されている。一方、1万円を切る8芯ケーブル「ignite 2」など、イヤホン用アップグレードケーブルとしては手頃な価格帯もカバーしている。
ほか、国内メーカーの新ブランドや、オーディオショップと共同開発した製品も合わせて出展。「Kuon」は、カスタムIEMを飾る銀製フェイスプレートや、銀筐体のイヤホンなどで知られる国内メーカー・K2CRAFTのブランド。銀筐体の響きを活かし、スピーカーリスニングのような空間表現豊かなサウンドを目指したというダイナミック型イヤホンや、元はAROMA AUDIOのイヤホン「Jewel」用に開発したというケーブルなどを参考展示した。
秋葉原のオーディオショップ・AIMS(SOUND KITCHEN AIMS)は、デッラルテと共同開発したヘッドホンケーブル「BLOOM standard」を展示。3.5mmジャックやminiXLR 4pinコネクターを備えたヘッドホンに対応する約2万円のモデルで、会場でもゼンハイザーHD 800Sなどで試聴できた。