国内外の有力企業が集結したイベント
W杯 日本戦でも大活躍。VARにも使われる技術「AV over IP」パートナーサミットをネットギアが開催
ネットギアジャパンは、AV over IPソリューションを導入する国内外の企業が集結したイベント「AV over IPパートナーサミット」を、2月21日 - 22日の2日間にかけて開催する。本日2月21日には米ネットギア社によるオープニングセッションが行われたので、その内容をレポートしたい。
「AV over IP」は、映像・音声といったオーディオビジュアルのデータをIPネットワークで伝送できる技術。ネットギアでは2018年から2023年にかけての5年間、世界におけるAV over IP市場規模は4倍以上に成長すると見込んでおり、日本でもさまざまな企業が導入しているという。
なお、ここでの「AV」は映画や音楽のみならず、映像・音声の全般を包括した言葉となる。そのためAV over IPを活用する現場はビデオ会議から教育、メディカル、スポーツなど多岐にわたる。
記憶に新しいところだと、昨年のワールドカップの日本対スペイン戦で、人の目ではゴールラインを割っているようにしか見えなかったボールが、わずか数mm単位でライン上に残っていたことを明らかにした「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)」なども、AV over IPを活用したシステムだ。
イベントではAV over IP事業責任者のリチャード・ジョンカー氏が登壇し、AV業界における5つのトレンドを解説した。
まずひとつ目が「ハイブリッドな働き方とミーティングのバーチャル化」。昨今はコロナ禍によってリモートワークやビデオ会議が普及したが、情勢が落ち着いてきて、出社する人も増えつつあるため、オフィス/リモートのどちらでも質の高いコミュニケーションを行えることが重要になるとする。
2つ目が「バーチャルプロダクション&メタバース」。これまで映画などの撮影ではグリーンバックを使っていたところ、昨今はLEDパネルに映像を流し、その前にセットを組む手法が登場していたりと、プロダクションの現場でもさまざまな変化が起こっているという。また、リアルタイム編集とポジショニングによって、ポストプロダクションなしでリアルと仮想を合成することも可能とのこと。
3つ目が「スタジオ、ビデオ会議システム、ライブストリーム&クラウド」。例えば番組内で現地リポートを行う際、これまでは専用の機材が必要だったところ、クラウド上のライブプロダクションを使って手軽にストリーミングできるようになっていると説明。ウェビナーや大企業のビデオ会議などでも、こういったクラウドライブプロダクションを採用する動きがあるそうだ。
そして4つ目が「テレビの終幕」。現在のテレビ放送はコンテンツが “一方通行” だったり、プログラムの柔軟性がなかったりと需要に応じたものではなくなっていると指摘し、配信コンテンツがテレビに変わる存在として台頭してきているとした。
最後が「全ては“ライブ”ディスプレイ&センサーモーションへ」。街中のデジタルサイネージは通行者の反応によって映すコンテンツを変えたりと、よりスマートなものに変化しつつあるという。また、センサーモーションを活用することで室内の温度や湿度、照明などをIoTで制御し、環境を最適な状態にできるが、これらのデータもAVと同じネットワークで収集されるとのこと。
リチャード氏によれば、これら5つのトレンドは全て「ITとAVが融合」したものであり、かつ「AV over IPが起動源となり広がっている」とし、「企業はAV over IPを活用していくことで、顧客に対する新しいUXを築くことができる」とアピールした。
続いてプロAVデザインチーム本部長のローレン・マシア氏が登壇し、AV over IPやネットギアの取り組みについてを説明した。
AV over IPの仕組み自体は非常にシンプルで、配信者側はエンコーダーを通してコンテンツを変換、受信者側はネットワークを通してそれを受け取り、デコーダーで変換・再生するかたちだ。ルーティングがハードウェアではなくソフトウェアで行われることや、柔軟な拡張性などが利点だとしつつ、享受するためには「スイッチ製品の品質」が重要だと語る。
また、およそ10年前に初めてVideo over IPのメーカーと提携して以来、さまざまな会社とのSVODアライアンスに参画。IP化のプロセスをIPではなくAVの目線からシンプルにサポートすることを目標に、多くのプロAVメーカーと相互認証の取り組みを行ってきたという。
このようにAV over IPのハード/ソフトの両方を提供するネットギアだが、加えて顧客サポートを行うためのプロAVチームを結成し世界中どこからでも、メール一本で問い合わせができるようにしている。こういった体制を構築していることで、AV over IPにおいて「他社と比較にならないほどの支持を得ている」とのこと。
最後にパナソニック コネクティッドソリューションズ社の中期ソリューション戦略を担当する前田氏が飛び入りで登壇。同社ではネットギアと検証したリモートカメラ製品などを販売しており、「非常に細かいソリューションに対する、一緒に作っていこうという姿勢を見せてもらっている」と、ネットギアとの取り組みを高く評価していた。
「AV over IP」は、映像・音声といったオーディオビジュアルのデータをIPネットワークで伝送できる技術。ネットギアでは2018年から2023年にかけての5年間、世界におけるAV over IP市場規模は4倍以上に成長すると見込んでおり、日本でもさまざまな企業が導入しているという。
なお、ここでの「AV」は映画や音楽のみならず、映像・音声の全般を包括した言葉となる。そのためAV over IPを活用する現場はビデオ会議から教育、メディカル、スポーツなど多岐にわたる。
記憶に新しいところだと、昨年のワールドカップの日本対スペイン戦で、人の目ではゴールラインを割っているようにしか見えなかったボールが、わずか数mm単位でライン上に残っていたことを明らかにした「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)」なども、AV over IPを活用したシステムだ。
イベントではAV over IP事業責任者のリチャード・ジョンカー氏が登壇し、AV業界における5つのトレンドを解説した。
まずひとつ目が「ハイブリッドな働き方とミーティングのバーチャル化」。昨今はコロナ禍によってリモートワークやビデオ会議が普及したが、情勢が落ち着いてきて、出社する人も増えつつあるため、オフィス/リモートのどちらでも質の高いコミュニケーションを行えることが重要になるとする。
2つ目が「バーチャルプロダクション&メタバース」。これまで映画などの撮影ではグリーンバックを使っていたところ、昨今はLEDパネルに映像を流し、その前にセットを組む手法が登場していたりと、プロダクションの現場でもさまざまな変化が起こっているという。また、リアルタイム編集とポジショニングによって、ポストプロダクションなしでリアルと仮想を合成することも可能とのこと。
3つ目が「スタジオ、ビデオ会議システム、ライブストリーム&クラウド」。例えば番組内で現地リポートを行う際、これまでは専用の機材が必要だったところ、クラウド上のライブプロダクションを使って手軽にストリーミングできるようになっていると説明。ウェビナーや大企業のビデオ会議などでも、こういったクラウドライブプロダクションを採用する動きがあるそうだ。
そして4つ目が「テレビの終幕」。現在のテレビ放送はコンテンツが “一方通行” だったり、プログラムの柔軟性がなかったりと需要に応じたものではなくなっていると指摘し、配信コンテンツがテレビに変わる存在として台頭してきているとした。
最後が「全ては“ライブ”ディスプレイ&センサーモーションへ」。街中のデジタルサイネージは通行者の反応によって映すコンテンツを変えたりと、よりスマートなものに変化しつつあるという。また、センサーモーションを活用することで室内の温度や湿度、照明などをIoTで制御し、環境を最適な状態にできるが、これらのデータもAVと同じネットワークで収集されるとのこと。
リチャード氏によれば、これら5つのトレンドは全て「ITとAVが融合」したものであり、かつ「AV over IPが起動源となり広がっている」とし、「企業はAV over IPを活用していくことで、顧客に対する新しいUXを築くことができる」とアピールした。
続いてプロAVデザインチーム本部長のローレン・マシア氏が登壇し、AV over IPやネットギアの取り組みについてを説明した。
AV over IPの仕組み自体は非常にシンプルで、配信者側はエンコーダーを通してコンテンツを変換、受信者側はネットワークを通してそれを受け取り、デコーダーで変換・再生するかたちだ。ルーティングがハードウェアではなくソフトウェアで行われることや、柔軟な拡張性などが利点だとしつつ、享受するためには「スイッチ製品の品質」が重要だと語る。
また、およそ10年前に初めてVideo over IPのメーカーと提携して以来、さまざまな会社とのSVODアライアンスに参画。IP化のプロセスをIPではなくAVの目線からシンプルにサポートすることを目標に、多くのプロAVメーカーと相互認証の取り組みを行ってきたという。
このようにAV over IPのハード/ソフトの両方を提供するネットギアだが、加えて顧客サポートを行うためのプロAVチームを結成し世界中どこからでも、メール一本で問い合わせができるようにしている。こういった体制を構築していることで、AV over IPにおいて「他社と比較にならないほどの支持を得ている」とのこと。
最後にパナソニック コネクティッドソリューションズ社の中期ソリューション戦略を担当する前田氏が飛び入りで登壇。同社ではネットギアと検証したリモートカメラ製品などを販売しており、「非常に細かいソリューションに対する、一緒に作っていこうという姿勢を見せてもらっている」と、ネットギアとの取り組みを高く評価していた。