「スマホ持つだけで徴収」は「選択肢に入らない」
NHKネット受信料、アプリ入れた時点で徴収? 総務省WGでネット活用“必須業務化”など議論
NHKは、スマートフォンやパソコンも受信料徴収の対象にするかという、いわゆる“ネット受信料”について、「スマートフォンを保有しただけで、現在のテレビ受信機のように扱うことは選択肢には入らない」との姿勢を改めて示した。
NHKのインターネット活用業務のあり方について検討する総務省の「公共放送ワーキンググループ(以下、WG)」第8回会合にて示されたもの。過去にも様々な機会で何度か示してきた、スマホを持っているだけで受信料を徴収しようという考えはないことを改めて説明した。
ただし、受信料を支払っていなくてもインターネット配信で番組を視聴できたりしてしまうことは、受信料を支払っている人からすると“タダ乗り”であり、負担の公平性という観点からは課題があると説明。
一方で、テレビを持たない人からすると「テレビが無いとNHKのサービスが受けられない」状況であるとも言え、こうした観点からも公平性に課題があるとも説明した。実際、「テレビを持ちたくないだけなのに、どうしてNHKプラスを見られないのか」「NHKプラスが見たいから受信料を払いたいと言っても契約させてもらえない」「テレビがないまま受信契約ができないのはなぜか」などといった声も寄せられているという。
こうしたことからNHKでは、「公平性、公平負担の観点から、同様の効用が得られているのであれば、同様の負担を頂くのが適当ではないか」という考えも提示。つまり、スマホやPCを持っているだけで受信料徴収の対象にすることはないが、配信(NHKプラス)を利用しているのであれば受信料を徴収することが妥当なのではないかという考えだ。なお、過去に行った実証実験などの結果によれば、「ネットヘビーユーザーであっても、NHKサービスへの支払意思額は現行の受信料(地上契約)を上回る」という。
この点については過去のWGでも「インターネット端末をいわばテレビとして使う何らかの契機をつかまえて受信料相当の負担を求めるというのが筋ではないか」などといった議論がなされてきた。
では、どんな場合にスマホやPCも受信料徴収対象にするのか。WGの議論では、アプリのインストールや利用規約への承諾などをもって「公共放送を受信できる環境にある」と捉えて徴収対象にするといった考えも出ている。ただし、「アプリは比較的かんたんに取り外しできるという特性上、アプリを入れただけで受信設備を置いたと言えるか」と慎重論もあり、明確な結論は出ていない。今後も引き続き検討されていくだろうと思われる。
今回のWGでは、インターネット活用業務をNHKの必須業務(本来業務)とするかどうかについて議論。必須業務化する場合は、NHKプラスでの同時/見逃し配信と、NHKニュースウェブでの動画や記事の配信までを業務範囲とし、NHKオンデマンドや民間動画サービス各社へのコンテンツ提供などは本来業務には含めないものとする考え方をNHKが示した。
なお、現在NHKのインターネット活用業務には、この用途に限定した予算枠が設けられているが、必須業務化した場合にはテレビ放送やラジオ放送と同じ枠となって現在の予算上限が外れるような可能性も考えられる。
これについてNHKでは、放送とインターネットで共通しているところに資源を投入していくため、純然たるネット業務に対しての費用増加は考えにくいと説明。「ネットの世界の情報は玉石混交。NHKが正しい情報の起点になりたいと思っている。そのために放送の効用を上げることに注力していく」とした。
ただし、WGの委員からは、民業圧迫の懸念を抑制する観点から、必須業務化後も予算上限を設けることもあり得るのではないかという意見も。こちらも引き続き議論されていくことになりそうだ。
また、テレビや新聞といった伝統メディアに対する期待や信頼はネットヘビー層でも大きいとし、信頼性の高い様々なメディアによって情報空間全体の多元性確保へNHKも貢献していくと説明。
国内外で、情報空間全体の多元性確保等に資する、新聞、民放、公共放送という伝統メディアによる協力体制が築かれはじめているとし、このような取り組みに積極的に貢献していく考えを示した。
そのほか、インターネット業務が必須業務化した場合のNHKのガバナンスなどについても検証。NHKが示したガバナンス体制に対して委員から異論が出るなど、様々な議論が交わされた。
■ネット受信料はアプリインストールなどで徴収対象に?
NHKのインターネット活用業務のあり方について検討する総務省の「公共放送ワーキンググループ(以下、WG)」第8回会合にて示されたもの。過去にも様々な機会で何度か示してきた、スマホを持っているだけで受信料を徴収しようという考えはないことを改めて説明した。
ただし、受信料を支払っていなくてもインターネット配信で番組を視聴できたりしてしまうことは、受信料を支払っている人からすると“タダ乗り”であり、負担の公平性という観点からは課題があると説明。
一方で、テレビを持たない人からすると「テレビが無いとNHKのサービスが受けられない」状況であるとも言え、こうした観点からも公平性に課題があるとも説明した。実際、「テレビを持ちたくないだけなのに、どうしてNHKプラスを見られないのか」「NHKプラスが見たいから受信料を払いたいと言っても契約させてもらえない」「テレビがないまま受信契約ができないのはなぜか」などといった声も寄せられているという。
こうしたことからNHKでは、「公平性、公平負担の観点から、同様の効用が得られているのであれば、同様の負担を頂くのが適当ではないか」という考えも提示。つまり、スマホやPCを持っているだけで受信料徴収の対象にすることはないが、配信(NHKプラス)を利用しているのであれば受信料を徴収することが妥当なのではないかという考えだ。なお、過去に行った実証実験などの結果によれば、「ネットヘビーユーザーであっても、NHKサービスへの支払意思額は現行の受信料(地上契約)を上回る」という。
この点については過去のWGでも「インターネット端末をいわばテレビとして使う何らかの契機をつかまえて受信料相当の負担を求めるというのが筋ではないか」などといった議論がなされてきた。
では、どんな場合にスマホやPCも受信料徴収対象にするのか。WGの議論では、アプリのインストールや利用規約への承諾などをもって「公共放送を受信できる環境にある」と捉えて徴収対象にするといった考えも出ている。ただし、「アプリは比較的かんたんに取り外しできるという特性上、アプリを入れただけで受信設備を置いたと言えるか」と慎重論もあり、明確な結論は出ていない。今後も引き続き検討されていくだろうと思われる。
■インターネット活用業務の「必須業務化」は?
今回のWGでは、インターネット活用業務をNHKの必須業務(本来業務)とするかどうかについて議論。必須業務化する場合は、NHKプラスでの同時/見逃し配信と、NHKニュースウェブでの動画や記事の配信までを業務範囲とし、NHKオンデマンドや民間動画サービス各社へのコンテンツ提供などは本来業務には含めないものとする考え方をNHKが示した。
なお、現在NHKのインターネット活用業務には、この用途に限定した予算枠が設けられているが、必須業務化した場合にはテレビ放送やラジオ放送と同じ枠となって現在の予算上限が外れるような可能性も考えられる。
これについてNHKでは、放送とインターネットで共通しているところに資源を投入していくため、純然たるネット業務に対しての費用増加は考えにくいと説明。「ネットの世界の情報は玉石混交。NHKが正しい情報の起点になりたいと思っている。そのために放送の効用を上げることに注力していく」とした。
ただし、WGの委員からは、民業圧迫の懸念を抑制する観点から、必須業務化後も予算上限を設けることもあり得るのではないかという意見も。こちらも引き続き議論されていくことになりそうだ。
また、テレビや新聞といった伝統メディアに対する期待や信頼はネットヘビー層でも大きいとし、信頼性の高い様々なメディアによって情報空間全体の多元性確保へNHKも貢献していくと説明。
国内外で、情報空間全体の多元性確保等に資する、新聞、民放、公共放送という伝統メディアによる協力体制が築かれはじめているとし、このような取り組みに積極的に貢献していく考えを示した。
そのほか、インターネット業務が必須業務化した場合のNHKのガバナンスなどについても検証。NHKが示したガバナンス体制に対して委員から異論が出るなど、様々な議論が交わされた。