カメラの新製品も多数お目見え
<Inter BEE>ソニー、Creators' Cloudなど最新ソリューションを紹介。Crystal LED「VERONA」は国内初展示
映像・放送機器の総合展示会「Inter BEE 2023」が、本日11月15日(水)から17日(金)まで開催される。本稿では、Hall 6に構えるソニーマーケティングのブースの模様を中心にレポートする。
ソニーマーケティングでは、クラウドとオンプレミスをハイブリッドに活用し、より効率的なライブ制作を実現する「Networked Live」やクラウド制作プラットフォーム「Creators' Cloud」を活用した最新のソリューションを紹介。来年発売の新製品を含む多数のイメージング商品が展示され、高画質LEDディスプレイ「Crystal LED VERONA」は国内初展示となる。
カメラでは、システムカメラにグローバルシャッター機能付きの2/3型3板式4Kイメージセンサーを搭載したマルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-5500V」「HDC-3500V」、4K対応のエントリーモデル「HXC-FZ90」を出展。
CineAltaシリーズからは、同シリーズ「VENICE」で培った高品位な映像表現と小型・軽量化による高い機動力を兼ね備えた、8.6Kの35mmフルフレームイメージセンサーを搭載する新モデル「BURANO」がお目見え。PLマウントカメラとしてボディ内蔵光学式手ブレ補正機構を備え、電子式可変NDフィルターを小型筐体に内蔵するなど、少人数クルーでのシネマ撮影に活用できるという。
Cinema Lineシリーズでは、フルサイズセンサーを搭載し、パン・チルト機能を備えた「FR7」、有効約6100万画素の高解像と小型軽量を両立するレンズ交換式フルサイズ業務用カメラ「ILX-LR1」を出展。カメラ製品のタッチ&トライスペースで気になるモデルを確認することができる。
目玉の1つとなるのが、バーチャルプロダクションによる映像制作向けに最適化した高画質LEDディスプレイ「Crystal LED VERONA」。国内初展示となる。本ディスプレイを活用して、インカメラVFX撮影によるバーチャルプロダクションのデモも行われている。なお、セミナースペース用のディスプレイにもVERONAが使用されている。
マスターモニターでは、HDR対応の31型4K液晶マスターモニター「BVM-HX3110」は、厳密な色評価やカラーグレーディングが可能で、ライブ制作やポストプロダクションなど幅広い現場で活用できるとのこと。撮影現場に持ち込んで画質確認するのに適した18型マルチフォーマット液晶モニター「LMD-A180」も確認できた。
制作環境では「Networked Live」を大きくアピール。高画質・高圧縮・低遅延の伝送や、オンプレミス/クラウドの環境を選ばず、ハイブリッドに運用できる環境構築を実現する最新ソリューションだ。ネットワークに接続されたカメラや機材の統合管理など、場所や規模を問わないライブ制作環境を構築することができる。現在日本全国で76システム、全世界で約200システムが導入されている。
本システムの重要なポイントとして、「ネットワークとリソースの統合管理」「メディア伝送」「オンプレミス・クラウドのハイブリッド運用」の3点が挙げられている。
「ネットワークとリソースの統合管理」では、メディアオーケストレーションプラットフォーム「VideoIPath」を活用し、クラウドともフェデレーションを実現する。カメラの切り替えやサーバーグラフィックスの共有など、設備間の機材共有を面倒な設定なしに簡単なUI操作で行える新機能を追加。ブロードキャストコントローラー機能もさらに拡充され、設備内・間のIP統合制御がさらに進化している。
「メディア伝送」では、中継地点に配置したメディアプロセッサー「NXL-ME80」を活用し、拠点間の有線接続だけでなく、5Gのワイヤレス伝送を実現することができるリモートプロダクションユニット「CBK-RPU7」を紹介。2024年秋以降には、カメラ制御およびタリーに対応するアップデートも予定しているとのこと。
「オンプレミス・クラウドのハイブリッド運用」では、仮想プライベートクラウドやデーターセンター、汎用サーバーといったクラウド・オンプレミス双方に展開可能なソフトウェアスイッチャー「M2L-X」が出展された。
「Creators' Cloud」は、クラウド上での効率的なコンテンツ制作・共有・配信を実現するクラウド制作プラットフォーム。個人向けと事業者向けの2つのサービスを展開しており、同社イメージセンサー搭載カメラによる撮影映像を、クラウドを活用してより円滑な制作ワークフローを実現する。ブース内では、報道やスポーツの番組制作、リモート編集、コンテンツ管理など、利用シーンに沿った最新の制作ワークフローを紹介している。
Creators' Cloudで展開するサービスとして、クラウドカメラポータル「C3 Portal」をクローズアップする。主に取材用カメラと連携し、撮影後すぐに素材をクラウド上にアップロードして共有でき、後続作業の速度・効率アップが期待できる。新機能としてストリーミングのSRT入力に対応し、使い勝手を向上する。
クラウド中継システム「M2 Lice V1.2」は、インスタントリプレイ機能やISO収録などが追加され、より柔軟なライブ中継を可能にするという。実際にスポーツ用途として、マラソンや駅伝の中継に活用されている。
ソニーマーケティングが国内でAIサービスを展開する「A2 Production カスタマイズソリューション」では、マルチカメラで収録した各映像の頭の位置を、AIで自動的に揃えてくれるタイムライン同期サービス「Line Sync」を導入。11月からは「音源分離サービス」「音源認識サービス」「ハイライト編集サービス」といった新サービスも提供が開始された。
特に音源分離サービスは、アーカイブコンテンツの二次利用時に版権処理が必要な音楽があった際、音楽とナレーションの声を分離させ、権利処理が必要な音楽だけを消して再利用するといった、コンテンツの二次利用を可能にするサービスとして注目される。
全世界でソニーのCreators' Cloudを一番多く活用しているのが、クラウドメディアストレージ「Ci Media Cluod」。制作会社やカメラマン、編集者が離れた場所からチーム制作が行えるサービスで、ワークフローのさらなる改善が進行。上述したA2 Production カスタマイズソリューションとCi Media Cluodは、コンテンツ制作領域以外の映像制作DXの分野にも活用されている。
そのほかにも、別会場の「INTER BEE EXPERIENCE X-Headphone/X-Microphone」では、モニターヘッドホン「MDR-MV1」をはじめとする製品試聴が可能。ソニーワイヤレスコミュニケーションズのブースでは、法人向けローカル5Gサービスプラットフォーム「MOREVE」が紹介されている。エンターテインメント/ライティング部門のソニーブースでは、空間再現ディスプレイ「ELF-SR2」などが出展されている。
ソニーマーケティングでは、クラウドとオンプレミスをハイブリッドに活用し、より効率的なライブ制作を実現する「Networked Live」やクラウド制作プラットフォーム「Creators' Cloud」を活用した最新のソリューションを紹介。来年発売の新製品を含む多数のイメージング商品が展示され、高画質LEDディスプレイ「Crystal LED VERONA」は国内初展示となる。
■注目のカメラ新製品を多数出展。「Crystal LED VERONA」を国内初展示
カメラでは、システムカメラにグローバルシャッター機能付きの2/3型3板式4Kイメージセンサーを搭載したマルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-5500V」「HDC-3500V」、4K対応のエントリーモデル「HXC-FZ90」を出展。
CineAltaシリーズからは、同シリーズ「VENICE」で培った高品位な映像表現と小型・軽量化による高い機動力を兼ね備えた、8.6Kの35mmフルフレームイメージセンサーを搭載する新モデル「BURANO」がお目見え。PLマウントカメラとしてボディ内蔵光学式手ブレ補正機構を備え、電子式可変NDフィルターを小型筐体に内蔵するなど、少人数クルーでのシネマ撮影に活用できるという。
Cinema Lineシリーズでは、フルサイズセンサーを搭載し、パン・チルト機能を備えた「FR7」、有効約6100万画素の高解像と小型軽量を両立するレンズ交換式フルサイズ業務用カメラ「ILX-LR1」を出展。カメラ製品のタッチ&トライスペースで気になるモデルを確認することができる。
目玉の1つとなるのが、バーチャルプロダクションによる映像制作向けに最適化した高画質LEDディスプレイ「Crystal LED VERONA」。国内初展示となる。本ディスプレイを活用して、インカメラVFX撮影によるバーチャルプロダクションのデモも行われている。なお、セミナースペース用のディスプレイにもVERONAが使用されている。
マスターモニターでは、HDR対応の31型4K液晶マスターモニター「BVM-HX3110」は、厳密な色評価やカラーグレーディングが可能で、ライブ制作やポストプロダクションなど幅広い現場で活用できるとのこと。撮影現場に持ち込んで画質確認するのに適した18型マルチフォーマット液晶モニター「LMD-A180」も確認できた。
■ライブ制作環境で注目を集める「Networked Live」
制作環境では「Networked Live」を大きくアピール。高画質・高圧縮・低遅延の伝送や、オンプレミス/クラウドの環境を選ばず、ハイブリッドに運用できる環境構築を実現する最新ソリューションだ。ネットワークに接続されたカメラや機材の統合管理など、場所や規模を問わないライブ制作環境を構築することができる。現在日本全国で76システム、全世界で約200システムが導入されている。
本システムの重要なポイントとして、「ネットワークとリソースの統合管理」「メディア伝送」「オンプレミス・クラウドのハイブリッド運用」の3点が挙げられている。
「ネットワークとリソースの統合管理」では、メディアオーケストレーションプラットフォーム「VideoIPath」を活用し、クラウドともフェデレーションを実現する。カメラの切り替えやサーバーグラフィックスの共有など、設備間の機材共有を面倒な設定なしに簡単なUI操作で行える新機能を追加。ブロードキャストコントローラー機能もさらに拡充され、設備内・間のIP統合制御がさらに進化している。
「メディア伝送」では、中継地点に配置したメディアプロセッサー「NXL-ME80」を活用し、拠点間の有線接続だけでなく、5Gのワイヤレス伝送を実現することができるリモートプロダクションユニット「CBK-RPU7」を紹介。2024年秋以降には、カメラ制御およびタリーに対応するアップデートも予定しているとのこと。
「オンプレミス・クラウドのハイブリッド運用」では、仮想プライベートクラウドやデーターセンター、汎用サーバーといったクラウド・オンプレミス双方に展開可能なソフトウェアスイッチャー「M2L-X」が出展された。
■効率的なコンテンツ制作を実現する「Creators' Cloud」
「Creators' Cloud」は、クラウド上での効率的なコンテンツ制作・共有・配信を実現するクラウド制作プラットフォーム。個人向けと事業者向けの2つのサービスを展開しており、同社イメージセンサー搭載カメラによる撮影映像を、クラウドを活用してより円滑な制作ワークフローを実現する。ブース内では、報道やスポーツの番組制作、リモート編集、コンテンツ管理など、利用シーンに沿った最新の制作ワークフローを紹介している。
Creators' Cloudで展開するサービスとして、クラウドカメラポータル「C3 Portal」をクローズアップする。主に取材用カメラと連携し、撮影後すぐに素材をクラウド上にアップロードして共有でき、後続作業の速度・効率アップが期待できる。新機能としてストリーミングのSRT入力に対応し、使い勝手を向上する。
クラウド中継システム「M2 Lice V1.2」は、インスタントリプレイ機能やISO収録などが追加され、より柔軟なライブ中継を可能にするという。実際にスポーツ用途として、マラソンや駅伝の中継に活用されている。
ソニーマーケティングが国内でAIサービスを展開する「A2 Production カスタマイズソリューション」では、マルチカメラで収録した各映像の頭の位置を、AIで自動的に揃えてくれるタイムライン同期サービス「Line Sync」を導入。11月からは「音源分離サービス」「音源認識サービス」「ハイライト編集サービス」といった新サービスも提供が開始された。
特に音源分離サービスは、アーカイブコンテンツの二次利用時に版権処理が必要な音楽があった際、音楽とナレーションの声を分離させ、権利処理が必要な音楽だけを消して再利用するといった、コンテンツの二次利用を可能にするサービスとして注目される。
全世界でソニーのCreators' Cloudを一番多く活用しているのが、クラウドメディアストレージ「Ci Media Cluod」。制作会社やカメラマン、編集者が離れた場所からチーム制作が行えるサービスで、ワークフローのさらなる改善が進行。上述したA2 Production カスタマイズソリューションとCi Media Cluodは、コンテンツ制作領域以外の映像制作DXの分野にも活用されている。
そのほかにも、別会場の「INTER BEE EXPERIENCE X-Headphone/X-Microphone」では、モニターヘッドホン「MDR-MV1」をはじめとする製品試聴が可能。ソニーワイヤレスコミュニケーションズのブースでは、法人向けローカル5Gサービスプラットフォーム「MOREVE」が紹介されている。エンターテインメント/ライティング部門のソニーブースでは、空間再現ディスプレイ「ELF-SR2」などが出展されている。