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DACの精密制御により「FIR 2X モード」を実現

iBasso Audio、“クアッドDACアーキテクチャ” 採用のDAPエントリーモデル「DX180」

公開日 2024/07/12 11:00 編集部:長濱行太朗
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MUSINは、同社取り扱いブランドiBasso AudioからエントリークラスのDAP「DX180」を7月19日(金)に発売する。価格はオープンだが、市場では税込78,210円前後での実売が予想される。

「DX180」

DAC回路に、上位機種「DX260」の “DACマトリックステクノロジー” をベースとする “クアッドDACアーキテクチャ” を投入。高いダイナミックレンジと低歪み率、低電力性能とコンパクトさを兼ね備えるシーラス・ロジック社のDACチップ「CS43131」を4基搭載し、シンクロ駆動させることで、より優れた性能を引き出すとしている。

DACチップ「CS43131」を4基を組み合わせた “クアッドDACアーキテクチャ” を採用

独自のFPGA技術「FPGA-Master 2.0」も採用。専用アルゴリズムを備えたFPGAが、オーディオシステム・コントローラーとして、オーディオデータの読み出しやDACへの送り出しなどを制御。NDK社製の「フェムトクロック水晶発振器」2基によってクロック信号の同期/生成を行い、完全同期を経たシングル・クロックを実現するという。

「FPGA-Master 2.0」がオーディオ処理を精密に制御

また「FPGA-Master 2.0」のアルゴリズムによってクアッドDACアーキテクチャのパフォーマンスも大幅に向上。各DACチップの個別の歪みを低減し、全体的なパフォーマンスを高める「シンクロナス・パラレル出力モード」に加え、「FIR 2xモード」を実現している。

「FIR 2X モード」は、ピコ秒レベルの精密さで各DACチップを1クロックずらしてデータストリームを行う「ディレイ・パラレル」により、2基のDACを独立して制御。これによってハードウェア・アナログFIRフィルターを形成し、複数のDAC間の差異を無くすことで、大幅な歪みの低減とリアリティとディテール豊かなサウンドを叶えているという。

「FIR 2Xモード」ではDACを2基ずつ独立制御することで、DAC間の差異を無くし高品位な再生を実現する

再生サンプリング周波数/量子化bit数は、PCMが768kHz/32bit、DSDが22.4MHzまでカバーする。主な音声フォーマットとして、WAV/AIFF/FLAC/WMA/ALAC/AAC/MP3/DFF/DSF/DXDに対応する。

ヘッドホン出力端子は、4.4mmバランス(ラインアウト兼用)×1基、3.5mm(ラインアウト/SPDIF兼用)×1基を搭載。High/Low 2段階のゲインコントロール、5種類のデジタルフィルター、2種類のFIRフィルター切り替えに対応する。

SoCには8つのCPUコアを備えたクアルコム社製「Snapdragon 665」を搭載しており、発熱の抑制と動作の安定性を確保し、シームレスな動作を成し得ている。OSは「Android 13」を搭載しつつ、SRC(サンプルレート変換)をシステムレベルでバイパスしているため、専用再生アプリ「Mango Player」はもちろん他社のアプリからも、ビットパーフェクトな再生を楽しめるとしている。

クアルコム社製「Snapdragon 665」を搭載する

デジタル端子はUSB Type-C(USB 3.1)を採用し、低遅延のUSBコントローラーを用いた「USB-DACモード」も装備。PCM 384kHz/24bit、DSD 11.2MHzまでの伝送に対応し、スマートフォンやPCの音楽/映像コンテンツをハイクオリティに再生できるとする。また、ワイヤレス機能として2.4GHz/5GHzのWi-Fi、Bluetooth Ver5.0に対応。Bluetoothは送信/受信のどちらも行える。

筐体の素材には、アルミニウム合金を採用。上位機種のDX260で採用されたインダストリアルデザインを継承しながらも新たな意匠を取り入れ、背面のバックパネルは着脱可能とすることでメンテナンス性も高めている。外形寸法は75W×123H×16Dmm、質量は206g。

背面のバックパネルは着脱に対応

ディスプレイはシャープ製の5型液晶パネルで、解像度は1920×1080。バッテリーは3200mAhを内蔵し、連続再生時間は4.4mmバランス出力時で最大15.5時間、ラインアウト出力時で最大30時間。PD3.0およびQC3.0の急速充電もフォローする。

4.4mmバランス端子の最大出力レベルは4Vrms(Low Gain)/6Vrms(High Gain)、出力電力が690mW+690mW(32Ω)、周波数特性が10Hz - 75kHz、S/Nが133dB、ダイナミックレンジが133dB、THD+Nが-121dB、ノイズフロアが1.1μV (High Gain)。

4.4mmラインアウト出力時は、最大出力レベルが4Vrms、周波数特性が10Hz - 75kHz、S/Nが133dB、ダイナミックレンジが133dB、THD+Nが-121dBとなる。

3.5mmアンバランス端子の最大出力レベルは2Vrms(Low Gain)/3Vrms(High Gain)、出力電力が281mW+281mW(32Ω)/525mW+525mW(16Ω)、周波数特性が10Hz - 75kHz、S/Nが127dB、ダイナミックレンジが127dB、THD+Nが-116dB、ノイズフロアが1.1μV(High Gain)。

3.5mmラインアウト出力時は、最大出力レベルが2Vrms、周波数特性が10Hz - 75kHz、S/Nが125dB、ダイナミックレンジが125dB、THD+Nが-112dBとなる。

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