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前モデル「Arc」と比較

新搭載「Sound Motionウーファー」の実力は? Sonos最上位サウンドバー「Arc Ultra」を一足先に聴いた

公開日 2025/01/16 07:00 編集部:杉山康介
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Sonosは、新フラグシップサウンドバー「Sonos Arc Ultra」およびサブウーファー「Sonos Sub 4」を1月24日より発売する。それにあたって、1月15日にメディア向け説明会、デモセッションが行われた。

Sonos Arc Ultra

■新技術「Sound Motion」で2倍の低音再生を実現。空間表現もレベルアップ



Sonos Arc Ultraは、2020年に発売されたフラグシップサウンドバー「Sonos Arc」の後継となるモデル。アップファイヤリングスピーカー搭載のDolby Atmos対応機という基本的な部分は踏襲しつつ、中身は大きく刷新されている。オンライン説明会にはSonos特任オーディオ・システムエンジニアのダグ・バトン氏が参加し、技術的な詳細を説明してくれた。

まず、Arcがトゥイーター×3/ミッドウーファー×8の計11スピーカーと11台のクラスDアンプを搭載した2way型なのに対し、Arc Ultraはトゥイーター×7/ミッドウーファー×6に加え、新技術「Sound Motion」を採用したウーファーユニットと15台のクラスDアンプを搭載。高域/中域/低域に分かれた3way型へと進化している。

最大の特徴といえるのが前述のSound Motionウーファーユニットだ。2基のメンブレンウーファーと4つのモーターから構成される長方形のユニットで、中心部にはウーファーが向かい合うかたちで置かれ、四隅にモーターが1つずつ配置されている。通常のウーファーはダイヤフラムの後ろにモーターが配置されるが、これを横へと持ってきたことでフラットなユニット形状を実現。コンパクトなサウンドバーの中に収めることを可能にしたという。

Sound Motionウーファーユニット

モーターは対角線上の2つがペアとなっており、1基のウーファーにつきモーター1ペアとクラスDアンプ1台がつながっている。都合2台のアンプでSound Motionウーファーユニットを駆動するかたちで、これによって、50Hz前後の帯域でArcと比べて2倍もの出力を実現したと説明。2基のウーファーの対向配置によって物理的な振動を相殺させているほか、サスペンションには高性能かつ耐久性の高いポリマーを使用している。

なおSound Motionウーファーの開発には、Sonosが買収したオランダのカーオーディオ会社・Mayhtの技術が用いられているそうで、車のドアなどにドライバーユニットを収めるためのコンパクト化技術をサウンドバーへと活用したとのこと。Sonosでは今後開発する製品にもSound Motion技術を用いる予定だとしている。

トゥイーター×7/ミッドウーファー×6とSound Motionウーファーを搭載する

Arcは単体で5.0.2chを再生できるとしていたが、本機は単体で9.1.4chを再生できると説明。これを実現するためドライバーの前にウェーブガイドを設置するとともに、前方上向きに放出するサウンドと後方から放出した反射させたサウンドによってハイトチャンネルを再生する。ここにはダグ氏が手がけた空間オーディオ対応ネットワークスピーカー「Sonos Era 300」のノウハウも反映されているそうだ。

センターチャンネルもウェーブガイドなどによって人間の声・セリフを明瞭に届けられるよう作られているほか、Arcではオン/オフのみだったスピーチエンハンスメント機能が強/中/弱の3段階で設定できるようになった。

Sonos独自の音響補正機能「Trueplay」も引き続き搭載。同機能はスマートフォンのマイクを活用するためiOSデバイスでないと使うことができなかったが、Arc Ultraではサウンドバー側のマイクを使用する「Quick Tune」を搭載し、Androidデバイスからでも音響補正が行えるようになっている。

近年、テレビの大型化とともにテレビ下のスペースも狭くなってきていることから、Arcよりも低身長化を実現。同社スピーカーやサブウーファーとワイヤレス接続してのサラウンドシステム構築や、昨年発売されたヘッドホン「Sonos Ace」とのスワッピング機能にももちろん対応している。

下が前世代のArcで上がArc Ultra。Arc Ultraは背が低くなった一方、横幅が長くなっている

■編集部インプレッション



都内にて開催されたデモセッションでは、実際にArc Ultraの音を確かめることができたので、簡単ではあるがインプレッションを記したい。

実際のArc Ultraの音を聴いた

まずは音楽ソースでArcとの聴き比べを実施したが、一聴して低音の質感が変わっていることに気づく。単に量感が増しただけでなく、ローエンドまで帯域がグッと伸びるとともに重心も下がり、豊かでリッチな低音で部屋中を満たしてくれる。

また、中高音も透明感が高く、高解像な質感へとランクアップ。肝入りのSound Motionウーファーが低音域だけでなく、中高音域にも良い影響を及ぼしているのだろう、ボーカルやストリングスの音はふくよかになり、細かいニュアンスまで丁寧に拾い上げる。

低音と同じくらい進化しているのが音場表現。正直なところ、試聴前は「サウンドバー1本で9.1.4chの再生はさすがに無理では」と思っていたのだが、空間オーディオ音源を聴いてみると、本当に背後まで音が回っているのだ。もちろんEra 300などリアスピーカーを足した時の方が没入感は高くなるが、Arc Ultra単体でもかなり高い水準でDolby Atmos音声を再生できるように感じた。

新サブウーファー「Sub 4」も同時発売

Sonos Japan代表の吉田庸樹氏は「先週10日より予約受付を開始しているが、すでに多くの方からご予約をいただいており、良いスタートを切れている。今はちょうど家電量販店などに実機が届き始めている頃で、今後ユーザーの方に聴いていただくためのいろんな企画も用意している」と語っていた。

Arcも十分にレベルの高い製品なのだが、こうして比べるとブックシェルフスピーカーとフロアスタンディングスピーカーくらいの差を感じてしまった。気になる方は是非とも家電量販店などで確かめてみてほしい。

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