ガジェット補聴器としてはAirPods Pro 2は破格の安さ
AirPods Pro 2の「補聴器機能」追加により、米国の大手補聴器ブランド株価が急落
アップルが「AirPods Pro 2」に補聴器機能を追加すると発表したことを受けて、米国の大手補聴器ブランドの株価が軒並み下落している。
もともとAirPods Pro 2に補聴器機能が搭載されるとの噂は早くからあったが、発売時点では実現しなかった。が、その後もソフトウェアアップデートにより追加されるとの予想はあり、ようやく正式発表にこぎ着けた形である。
先日の「時が満ちる。」イベントにて、AirPods Pro 2には以下の3つの「聴覚の健康をサポートする」機能が登場すると予告された。
■予防
ユーザーが大音量に晒されるのを防ぐ。イヤーチップが騒音をパッシブに低減し、H2チップがより大きく断続的な雑音を毎秒4万8000回の速さでアクティブに低減する。これは外部音取り込みモードや適応型オーディオでも有効になるとのこと。さらに、新たなマルチバンドのハイダイナミックレンジアルゴリズムにより、コンサートなどのライブイベントでの音は自然で鮮明に保たれると付け加えている。
■認知
AirPods Pro 2と対応するiPhoneまたはiPadに、科学的に実証されたヒアリングチェック機能が追加される。ユーザーは自宅にいながら数分ですばやく聴力がチェックできるとのこと。純音聴力検査と呼ばれる標準の臨床的アプローチを用い、検査後には結果がヘルスケアアプリにプライバシーを安全に保護しながら保存。これを医療機関と共有して、より詳しい相談を進めることもできるという。
■補助
軽度から中程度の難聴の人向けに、「革新的」な「処方箋不要」のヒアリング補助機能が追加されるという。今回の発表の目玉であり、最も株式市場にインパクトをもたらしたものである。米国向けリリースでは「補聴器」(Hearing Aid)機能とあり、より明確である。
設定が完了すると、パーソナライズされた動的な調整が可能になり、ユーザーの周囲の音がリアルタイムで増幅される。これによりユーザーは会話に集中しやすくなり、周りの人や環境とつながりを保てるとのことだ。
ちなみにアップルのいう「処方箋不要」は間違いではないが、米国では約2年前から軽度から中程度の難聴を抱える人向けの補聴器は処方箋が不要となっており、別の企業も製品の提供が可能となっていた。それ以前は補聴器の購入には医師の診断や、補聴器技師による調整作業の費用が必要であり、規制緩和により両耳で2600ドルも負担が軽くなるとの試算もあった。
とはいえ、専用の補聴器が数千ドルもするなかで、たった249ドルのAirPods Pro 2が価格破壊であることは間違いない。実際、この発表直後にAmplifon、Demant、GN Store Nord、Sonova Holdingといった大手補聴器企業の株価が急落したとSeeking Alphaが報告している。
この新機能は、ワイヤレスイヤホンをめぐる社会常識にも影響を与えるかもしれない。現在は接客業の従業員、また職場でイヤホンを装着しているのは失礼や不真面目との見方もあり、実際に禁止した職場も存在している。それが、根底から覆る可能性もあるだろう。
Source: Seeking Alpha
via: 9to5Mac
もともとAirPods Pro 2に補聴器機能が搭載されるとの噂は早くからあったが、発売時点では実現しなかった。が、その後もソフトウェアアップデートにより追加されるとの予想はあり、ようやく正式発表にこぎ着けた形である。
先日の「時が満ちる。」イベントにて、AirPods Pro 2には以下の3つの「聴覚の健康をサポートする」機能が登場すると予告された。
■予防
ユーザーが大音量に晒されるのを防ぐ。イヤーチップが騒音をパッシブに低減し、H2チップがより大きく断続的な雑音を毎秒4万8000回の速さでアクティブに低減する。これは外部音取り込みモードや適応型オーディオでも有効になるとのこと。さらに、新たなマルチバンドのハイダイナミックレンジアルゴリズムにより、コンサートなどのライブイベントでの音は自然で鮮明に保たれると付け加えている。
■認知
AirPods Pro 2と対応するiPhoneまたはiPadに、科学的に実証されたヒアリングチェック機能が追加される。ユーザーは自宅にいながら数分ですばやく聴力がチェックできるとのこと。純音聴力検査と呼ばれる標準の臨床的アプローチを用い、検査後には結果がヘルスケアアプリにプライバシーを安全に保護しながら保存。これを医療機関と共有して、より詳しい相談を進めることもできるという。
■補助
軽度から中程度の難聴の人向けに、「革新的」な「処方箋不要」のヒアリング補助機能が追加されるという。今回の発表の目玉であり、最も株式市場にインパクトをもたらしたものである。米国向けリリースでは「補聴器」(Hearing Aid)機能とあり、より明確である。
設定が完了すると、パーソナライズされた動的な調整が可能になり、ユーザーの周囲の音がリアルタイムで増幅される。これによりユーザーは会話に集中しやすくなり、周りの人や環境とつながりを保てるとのことだ。
ちなみにアップルのいう「処方箋不要」は間違いではないが、米国では約2年前から軽度から中程度の難聴を抱える人向けの補聴器は処方箋が不要となっており、別の企業も製品の提供が可能となっていた。それ以前は補聴器の購入には医師の診断や、補聴器技師による調整作業の費用が必要であり、規制緩和により両耳で2600ドルも負担が軽くなるとの試算もあった。
とはいえ、専用の補聴器が数千ドルもするなかで、たった249ドルのAirPods Pro 2が価格破壊であることは間違いない。実際、この発表直後にAmplifon、Demant、GN Store Nord、Sonova Holdingといった大手補聴器企業の株価が急落したとSeeking Alphaが報告している。
この新機能は、ワイヤレスイヤホンをめぐる社会常識にも影響を与えるかもしれない。現在は接客業の従業員、また職場でイヤホンを装着しているのは失礼や不真面目との見方もあり、実際に禁止した職場も存在している。それが、根底から覆る可能性もあるだろう。
Source: Seeking Alpha
via: 9to5Mac