2020年初頭配信
<Netflix>『Followers』は「女性の、女性による、女性のための素晴らしい作品」。中谷美紀らが印象語る
Netflixは、2019年夏以降に配信する最新作品について紹介する「オリジナル作品祭」を、本日6月25日にメディア向けに開催した。本稿では、蜷川実花監督、中谷美紀、池田エライザをゲストに行われた『Followers』のトークセッションをレポートする。(『ストレンジャー・シングス』のレポートはこちら)
『Followers』は圧倒的な色彩美&唯一無二の世界観で多くの人を魅了する蜷川実花監督が、長年の温め続けてきた企画を実現した完全オリジナルドラマ。2020年初頭の配信となり、現在も絶賛製作中という本作について蜷川監督は「最高のキャスト、スタッフで作っています」と挨拶。
また人気写真家・奈良リミ役に初の金髪で挑む中谷美紀は「女性の、女性による、女性のための素晴らしい作品ができ上がりそうです」と自信を見せ、女優を夢見て上京した百田なつめを演じる池田エライザは「女優の卵の役ですが、女優をやっている身として、『こんなセリフ、言いたくないな』と思ってしまうほどの生々しさがあります」と現実の女性らしさを感じさせる仕上がりであることを語った。
実際に蜷川監督は「リアリティのある女性が主役の作品を作りたかった」とコメント。「恋愛だけではなく、仕事をすることが楽しい女性がいる。一方からだけ描かれている女性像に違和感がありました。自立した女性、自立したいと願う女性。おとなになって色々なことを諦めてしまう世代、まだ何もできないとイライラしている世代。その2人が交流する作品です」。
本作に取り組むにあたり、役作りで意識したことについて、中谷美紀は「100人監督がいたら、100通りの言語、生き様があります。今回は蜷川実花さんとの出会いでしたが、私の人生が水墨画だとしたら、蜷川実花さんは極彩色の曼荼羅。いかに水墨画の私が溶け込めるかを考えました。写真家の役として、普段は撮られる側ですが、私は人生の観察者でもありたいと思っています。素敵な被写体の皆さんをカメラを通して観察できたことが幸せでした」と蜷川作品の世界観に入り込むことへの考え方を明かした。
一方、池田エライザは「生きている人たちはそれぞれの悩みを抱えていて、なつめという一人の少女が抱える悩みだけではなく、生きている人たちはそれぞれの悩みを抱えていると思います。そんな、いろんな悩みに寄り添える要素を探すように、なつめとして転がりながらも、同じようなところに悩んでいる方を、うっかり救えることもあるんじゃないかと考えていました」と述べた。
撮影現場のエピソードを質問されると、夏木マリと母娘役で共演経験のある中谷美紀は「今度は女性同士の友情という間柄。エリコ(夏木マリ)という役名を呼び捨てにするんですが、マリさんが若々しく、器の大きな方なので、けっこうぞんざいに呼ぶことができました。ほかにも板谷由夏さんや金子ノブアキさんだったり、皆さん達者な方なので、和気あいあいとした雰囲気です」と “大人グループ” の現場の様子を明かした。
そして “若者グループ” の様子について、「心が止まっていない人たちが集まりました。考えることも、生きることも、全部に血が流れている。そんなみんなと一緒にお芝居することで生まれた化学反応が、映像にも映っていると思います。私たちは一生懸命に生きているだけなのに、それがストーリーになっていくことが不思議な感じでした」とコメント。また真摯に撮影に取り組む一方、休憩時間には「みんなが自由に過ごしすぎている」と蜷川監督に指摘されていた。
蜷川実花作品では映像美も大きな特徴となるが、今回はキャラクターが過ごす部屋へのデザインにもこだわられたという。「例えばリミだったらどういうティッシュケースを置くだろう、といった細部にも気を使って、キャラクターが感じられる部屋づくりを行いました」と蜷川監督が意図した部屋について、「究極の足し算と掛け算の世界。ここでリミが作られていると感じられた」(中谷美紀)、「映画が好きな女の子だけど、具体的に作中でそれを説明するシーンやセリフはない。でも部屋にいくと、それが感じられるんです。作り手の愛情を感じて、芝居がやりやすくなりました」(池田エライザ)とそれぞれが印象を述べた。
また仕事や結婚の両立など、女性の多くのライフスタイルに対する価値観について、中谷美紀は「女性だからこそできないことはまだまだたくさんあると思う。自分も働く女性だから犠牲にしてきたこともあります。でも、紫式部が世界最長の小説を執筆したように、平塚雷鳥や与謝野晶子だったり、女性の権利をめぐって戦ってきた先達がたくさんいる。自ら選び取り、開拓すればなんとかなるのではないかな、と前向きに考えています」と考えを披露。
池田エライザは「お芝居をするときなど、泥臭くボロボロになって、性別を超越する瞬間があります。そういうときに、みんなが平等だなと感じますし、女性を跳ね上げる瞬間ではないでしょうか」と自身の体験からコメントした。
そして最後に、作品について「ずっとNetflixが好きで、このお話が決まったときには『あの棚に並ぶのか』と思いました。全世界の方に見ていただけることは、嬉しい反面ものすごくプレッシャーがあります。これから編集に入りますが、やれることはすべてやっていると思うので、そのエネルギーをしっかりと受け止め、最高のものになるようがんばります」と蜷川監督が意気込みを語った。
また本日、『Followers』の新キャストとして、歌姫sayo役が蜷川作品初出演である中島美嘉に決定したこともアナウンスされた。
<『Followers』あらすじ>
何もかもがあるかわりに、時にすべてを奪い去る街=TOKYO。そんな東京の“今”を敏感にキャッチし、成功を手にした女たち。一方で、まだ“何者でもない”若者たち。華やかで危険なTOKYOを懸命にサバイブしようとする彼らの人生が、SNSを通じて交錯する―。人気写真家のリミは、仕事は順調だが、「子供を持つ」という夢を叶えられないまま持ち続けていた。ある日、リミは撮影現場で女優志望のなつめと出会う。粗削りで、自分を貫こうとするなつめの姿に、若いころの自分を思い出し、思わずシャッターを切る。リミがその写真をインスタに投稿したことで、なつめの運命は一変していく。一方、リミもなつめとの出会いに刺激を受け、夢を叶えるべく、行動を起こすことを決意する。
『Followers』は圧倒的な色彩美&唯一無二の世界観で多くの人を魅了する蜷川実花監督が、長年の温め続けてきた企画を実現した完全オリジナルドラマ。2020年初頭の配信となり、現在も絶賛製作中という本作について蜷川監督は「最高のキャスト、スタッフで作っています」と挨拶。
また人気写真家・奈良リミ役に初の金髪で挑む中谷美紀は「女性の、女性による、女性のための素晴らしい作品ができ上がりそうです」と自信を見せ、女優を夢見て上京した百田なつめを演じる池田エライザは「女優の卵の役ですが、女優をやっている身として、『こんなセリフ、言いたくないな』と思ってしまうほどの生々しさがあります」と現実の女性らしさを感じさせる仕上がりであることを語った。
実際に蜷川監督は「リアリティのある女性が主役の作品を作りたかった」とコメント。「恋愛だけではなく、仕事をすることが楽しい女性がいる。一方からだけ描かれている女性像に違和感がありました。自立した女性、自立したいと願う女性。おとなになって色々なことを諦めてしまう世代、まだ何もできないとイライラしている世代。その2人が交流する作品です」。
本作に取り組むにあたり、役作りで意識したことについて、中谷美紀は「100人監督がいたら、100通りの言語、生き様があります。今回は蜷川実花さんとの出会いでしたが、私の人生が水墨画だとしたら、蜷川実花さんは極彩色の曼荼羅。いかに水墨画の私が溶け込めるかを考えました。写真家の役として、普段は撮られる側ですが、私は人生の観察者でもありたいと思っています。素敵な被写体の皆さんをカメラを通して観察できたことが幸せでした」と蜷川作品の世界観に入り込むことへの考え方を明かした。
一方、池田エライザは「生きている人たちはそれぞれの悩みを抱えていて、なつめという一人の少女が抱える悩みだけではなく、生きている人たちはそれぞれの悩みを抱えていると思います。そんな、いろんな悩みに寄り添える要素を探すように、なつめとして転がりながらも、同じようなところに悩んでいる方を、うっかり救えることもあるんじゃないかと考えていました」と述べた。
撮影現場のエピソードを質問されると、夏木マリと母娘役で共演経験のある中谷美紀は「今度は女性同士の友情という間柄。エリコ(夏木マリ)という役名を呼び捨てにするんですが、マリさんが若々しく、器の大きな方なので、けっこうぞんざいに呼ぶことができました。ほかにも板谷由夏さんや金子ノブアキさんだったり、皆さん達者な方なので、和気あいあいとした雰囲気です」と “大人グループ” の現場の様子を明かした。
そして “若者グループ” の様子について、「心が止まっていない人たちが集まりました。考えることも、生きることも、全部に血が流れている。そんなみんなと一緒にお芝居することで生まれた化学反応が、映像にも映っていると思います。私たちは一生懸命に生きているだけなのに、それがストーリーになっていくことが不思議な感じでした」とコメント。また真摯に撮影に取り組む一方、休憩時間には「みんなが自由に過ごしすぎている」と蜷川監督に指摘されていた。
蜷川実花作品では映像美も大きな特徴となるが、今回はキャラクターが過ごす部屋へのデザインにもこだわられたという。「例えばリミだったらどういうティッシュケースを置くだろう、といった細部にも気を使って、キャラクターが感じられる部屋づくりを行いました」と蜷川監督が意図した部屋について、「究極の足し算と掛け算の世界。ここでリミが作られていると感じられた」(中谷美紀)、「映画が好きな女の子だけど、具体的に作中でそれを説明するシーンやセリフはない。でも部屋にいくと、それが感じられるんです。作り手の愛情を感じて、芝居がやりやすくなりました」(池田エライザ)とそれぞれが印象を述べた。
また仕事や結婚の両立など、女性の多くのライフスタイルに対する価値観について、中谷美紀は「女性だからこそできないことはまだまだたくさんあると思う。自分も働く女性だから犠牲にしてきたこともあります。でも、紫式部が世界最長の小説を執筆したように、平塚雷鳥や与謝野晶子だったり、女性の権利をめぐって戦ってきた先達がたくさんいる。自ら選び取り、開拓すればなんとかなるのではないかな、と前向きに考えています」と考えを披露。
池田エライザは「お芝居をするときなど、泥臭くボロボロになって、性別を超越する瞬間があります。そういうときに、みんなが平等だなと感じますし、女性を跳ね上げる瞬間ではないでしょうか」と自身の体験からコメントした。
そして最後に、作品について「ずっとNetflixが好きで、このお話が決まったときには『あの棚に並ぶのか』と思いました。全世界の方に見ていただけることは、嬉しい反面ものすごくプレッシャーがあります。これから編集に入りますが、やれることはすべてやっていると思うので、そのエネルギーをしっかりと受け止め、最高のものになるようがんばります」と蜷川監督が意気込みを語った。
また本日、『Followers』の新キャストとして、歌姫sayo役が蜷川作品初出演である中島美嘉に決定したこともアナウンスされた。
<『Followers』あらすじ>
何もかもがあるかわりに、時にすべてを奪い去る街=TOKYO。そんな東京の“今”を敏感にキャッチし、成功を手にした女たち。一方で、まだ“何者でもない”若者たち。華やかで危険なTOKYOを懸命にサバイブしようとする彼らの人生が、SNSを通じて交錯する―。人気写真家のリミは、仕事は順調だが、「子供を持つ」という夢を叶えられないまま持ち続けていた。ある日、リミは撮影現場で女優志望のなつめと出会う。粗削りで、自分を貫こうとするなつめの姿に、若いころの自分を思い出し、思わずシャッターを切る。リミがその写真をインスタに投稿したことで、なつめの運命は一変していく。一方、リミもなつめとの出会いに刺激を受け、夢を叶えるべく、行動を起こすことを決意する。