ソニー「First Flight」にてクラウドファンディング開始
歯に当てると音楽が聴こえる歯ブラシ「Possi」。京セラ/ライオンが開発、ソニーも支援
京セラとライオンは、ブラシを歯に当てると音楽が聴こえる、子ども向け仕上げ磨き専用ハブラシ「Possi(ポッシ)」を開発。本日7月3日より、ソニーが運営するクラウドファンディングサイト「First Flight」にてクラウドファンディングを開始した。クラウドファンディングでの価格は17,500円(税込)で、ポップ、アクア、ピュアの3色をラインナップ。各色先着100セットは14,800円(税込)で購入できる。
ソニーが展開する、スタートアップの創出と事業運営を支援するプログラム「Sony Startup Acceleration Program(ソニー・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム/SSAP)」を利用して京セラとライオンが製品を開発したもの。「子どもが嫌がる歯磨きを楽しい時間に変える」をコンセプトに、デザイン・音楽・テクノロジーを融合させた新しい子ども向け仕上げ磨き専用ハブラシだとアピールしている。
電気信号を振動(音)に変換する圧電セラミック素子をハブラシのヘッド部分に埋め込んでおり、これにより、ブラシが歯に当たるとハブラシのヘッド部分から歯に振動(音)が伝わり、音楽などを楽しるという仕組み。スマートフォン等をオーディオケーブルで接続することで、好みの音楽を再生することが可能。ハブラシのヘッド部分に収まる京セラの小型圧電セラミック素子と、ボディに搭載されたデジタル駆動アンプにより、ヘッド部分のみが振動。歯磨きをしている間だけ音楽を楽しめる。
京セラとライオンの技術、ノウハウを融合し、「効果的に歯に音楽の振動を伝えるだけでなくハブラシとしての清掃力を合わせもつ」とアピール。また、ソニーのクリエイティブセンターによるデザイン協力や、ミュージシャンのDJみそしるとMCごはんによる楽曲提供などにより、「実用性に加えてエンタテインメント性を兼ね備えた製品となっている」としている。なお、ブラシ部分は付け替え式。
京セラ、ライオン、ソニーの三社は、本日7月3日ソニー本社にて製品発表会を開催。京セラ(株)研究開発本部・メディカル開発センターの稲垣智裕氏、ライオン(株)研究開発本部・イノベーションラボの萩森敬一氏、そしてソニー(株)Startup Acceleration部の宮崎雅氏が登壇し、本プロジェクトについて各社の立場から紹介した。
Possiの開発経緯について、京セラの稲垣氏は「自分自身が3児の父親で、子供の仕上げ磨きに悪戦苦闘する日々を送ってきた。そうした現状を何とかしたいという思いから企画した」と説明。「小さなお子さんがいて同じような思いを持っている方々が、Possiによって日々の大変さが少しでも楽になったら、また子供が歯磨きを好きになってもらえたら、そういった“生活に幸せを届けられる”製品だと思っている」と語った。
クラウドファンディングでは「お買い得プラン」(本体+替えブラシ3本※4ヶ月使える想定)が各色100セットで14,800円(税込)、通常価格「ベースプラン」が17,500円(税込)となる。また東京・二子玉川の蔦屋家電+にて7/4(木)〜9/3(火)まで製品展示が行われる。他にもイベントは順次予定しており、プロジェクトページにてアナウンスしていくとのこと。京セラみなとみらいリサーチセンター、ライオン平井研究所、ソニー本社各オフィスでも展示される。
稲垣氏は「目標金額は2,000万円、1,300名ほどのユーザーニーズが可視化できれば商品化につながると考えている」とした。プロジェクトはテストマーケティングとしつつ、達成後のPossi一般発売に向けては「現時点で予定はないが、その場合は前向きに検討したい」とのこと。製造・販売元は京セラとなり、本体部分は京セラ、替えブラシはライオンの各工場で製造される予定。なお、未達だった場合は全額返金予定とのこと。
「Possi」という名前の由来は、製品のフォルムからイメージした動物の“しっぽ”と、子供が持つ可能性“possible”と二つの意味合いを持たせているとのこと。また子供たちにより親しみを持ってもらえるように製品のキャラクターイメージも製作。子供にだけ見える妖精のような存在として、プロモーションビデオなどにも登場している。
本体は歯ブラシのブラシ部分と、持ち手となるボディ部分で構成。ボディ部分に単5電池2本を入れることで動作する。「振動で音を伝えるという性能と、歯ブラシとしての本来の性能を両立させることが難しかった」とのことで、歯磨き中のゴシゴシする音があってもちゃんと音楽が聴こえるよう、ブラシの毛の配列など様々な要素を工夫しながら、京セラとライオン両社の技術を掛け合わせて実現に至ったという。
今回搭載した圧電セラミックス素子は、京セラ独自機能である「スマートソニックレシーバー」に用いられているもの。スマホや携帯電話のディスプレイ部を振動させることで相手の声をよりはっきりと届けることが可能で、出荷実績は1,000万台以上とのこと。Possiでも同様に、歯を振動させることで骨伝導のような仕組みでしっかりと音を届けることができるという。
対象年齢は1〜5歳の子供を想定。ブラシ部分のサイズについては、圧電セラミック素子を搭載できることが大前提としつつ、ライオンが市場展開している3〜5歳用の歯ブラシと同等のサイズ感を実現。また質感もやわらかめを採用する。実際に自身の子供に使用してみて「楽しんでくれて、仕上げ磨きの心配はなくなった。最初は不思議そうにしていたが、音楽が流れる状況がわかると何曲も続けて聞きたい!と歯磨きに積極的になった」とのこと。
ボディ部分には圧電セラミック素子に合わせて新規開発したというデジタル駆動アンプを内蔵しており、組み合わせることで小型かつ軽量で、省電力ながら十分な振動パワーを備えたアクチュエーターとして動作することが可能。音量の基本設定は「子供に聞かせるものなので、あまり大きな音にはしていない」とのこと。また本体側で音量調整はできないが、接続機器からの音量を自動的に制限する機能は非搭載とのことで、スマホやタブレットから調整することは可能。
オーディオジャックを備え、ケーブルをつなぐことでPossiの電源がON、外すとOFFになるという仕組み。付属ケーブルは約90cmを予定する。なお最近ではイヤホンジャック非搭載のスマートフォンも増えており、また子供の予測不能な動きを考えるとケーブルが絡まる可能性など不安要素もあるのでは?という質問も出たが、ワイヤレス接続にしなかった理由として、「ワイヤレスの接続設定が面倒といった側面もあり、スマホだけでなく、音楽プレーヤーやテレビなど“何にでも繋がること”を今回は重要視した」と説明。
さらに持ち手中央には「ミュートボタン」を搭載。子供が嫌がって歯ブラシを噛んだりした時に、音楽を止めることも可能だ。これにより歯ブラシを噛むことを抑制、噛まないことで音楽が聞こえて楽しいという体験を通して習慣化させることも目的としている。ボタン部分にはLEDが搭載されており、ケーブルを繋いで電源ONになると点灯、ミュート中は点滅する仕様。電源機能は持ち合わせていない。
「歯ブラシとしては新構造であり、技術面でもハードルの高い製品だった」と稲垣氏。ブラシ部分の開発については、リーディングカンパニーであるライオンとの協業がかなったことで、製品が実現化できたと説明した。
ライオンの萩森氏は、本プロジェクトの参画について、「Possiの商品コンセプトに魅力があった。自分自身が面白いと思えたこと、また京セラ稲垣さんの熱意を感じたことが決め手」とし、「所属するイノベーションラボでは新規事業を推進しており、Possiの企画はものづくりとしての難しさや他社との協業という意味でも、ライオンとしてチャレンジしたいと考えた」と語った。
ブラシ部分の開発では、高い振動伝達効果と歯の汚れを落とす優れた清掃性を両立した基礎設計からスタート。同社の持つノウハウを活かして開発されているとのこと。内部に圧電セラミック素子を内蔵するため、高分子材料技術と成型加工技術を用いて、外側はプラスチックの硬質材料、ブラシ部と柄の部分の間にはゴム製の軟質材料を使った中空構造を採用している。さらに独自の評価技術により、従来製品と変わらず構造とブラシ部の品質チェックも行い、実用性も確保できているとのこと。
オーラルケア市場でもスマート化が始まっているが、それについて「アプリと連動して歯ブラシの結果などを伝えるといった機能を持つものが多い。Possiは子供に歯磨きの行為を好きになってもらうというシンプルな目標で、商品軸は異なると思う」とコメント、歯磨きすることで音楽が聞こえて楽しいという体験から、歯磨きの生活習慣かにつながると考えている」とした。
ソニーは「Sony Startup Acceleration Program(SSAP)」の一貫として本プロジェクトを支援。SSAPは、アイデア作りから商品化、事業運営、販売・拡大まで一気通貫で支援するアクセラレーションプログラムとしており、Possiの事業化支援プログラムは2018年10月からスタートしたとのこと。
プログラムはIdeation、Incubation、Marketing、Expansionの4つの段階に分けられており、今回は京セラメンバーがソニー本社に常駐して「Incubation」「Marketing」のプログラムを受けたという。SSAPについて稲垣氏は、「BtoC事業のノウハウを学び、京セラの事業に活かすため参画した。技術者目線ではなく、ユーザー側、顧客目線での製品開発の重要性を学ぶことができた」と語る。
9ヶ月間での急速な事業立ち上げとなった本企画では、ソニーのアクセラレーターがニーズ検証、ものづくり、セールスマーケティング、事業開発について総合的にサポート。「どういう人にどういう提供価値を届けるか、コンセプトを深堀し、その後ビジネスモデルの仮説構築、検証チェック、想定ユーザーにモックなどを見せて反応を確認するなど、短期集中でレクチャーしながら一緒になって推進してきた」と説明する。
3社の役割としては、キーデバイスを京セラ、オーラルケア分野をライオン、事業化支援をソニーが担当。ライオンはPossiをきっかけとして、SSAPに2019年1月から参画した。ソニー宮崎氏は「参加企業が増えることで意思決定が遅くなってしまうことも考えられるが、それぞれの強みを生かしつつ、顧客視点を重視することで、開発・意思決定のスピードアップを図った」と説明した。
またソニーではデザイン面も担当。力が入りすぎないような卵型の握りやすさと、そのままテーブルにおいてもブラス部分が着かないこと、また生き物のような有機的デザインとし、「子供の友達になってもらえるような優しいカタチを目標とした」とのこと。さらにソニー・ミュージックアーティスツ所属のDJみそしるとMCごはんによるテーマソングも製作。デザインと音楽によってPossiの世界観を構築し、「日用品からエンタテインメント=体験価値へと引き上げることのサポート」を行ったという。
SSAPでは現在も様々なプロジェクトを進行中。本件と同様に大企業が参画するものから、スタートアップ企業、大学などにもプログラムを提供しており「オープンイノベーションを加速させていきたいと考えている」とした。
ソニーが展開する、スタートアップの創出と事業運営を支援するプログラム「Sony Startup Acceleration Program(ソニー・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム/SSAP)」を利用して京セラとライオンが製品を開発したもの。「子どもが嫌がる歯磨きを楽しい時間に変える」をコンセプトに、デザイン・音楽・テクノロジーを融合させた新しい子ども向け仕上げ磨き専用ハブラシだとアピールしている。
電気信号を振動(音)に変換する圧電セラミック素子をハブラシのヘッド部分に埋め込んでおり、これにより、ブラシが歯に当たるとハブラシのヘッド部分から歯に振動(音)が伝わり、音楽などを楽しるという仕組み。スマートフォン等をオーディオケーブルで接続することで、好みの音楽を再生することが可能。ハブラシのヘッド部分に収まる京セラの小型圧電セラミック素子と、ボディに搭載されたデジタル駆動アンプにより、ヘッド部分のみが振動。歯磨きをしている間だけ音楽を楽しめる。
京セラとライオンの技術、ノウハウを融合し、「効果的に歯に音楽の振動を伝えるだけでなくハブラシとしての清掃力を合わせもつ」とアピール。また、ソニーのクリエイティブセンターによるデザイン協力や、ミュージシャンのDJみそしるとMCごはんによる楽曲提供などにより、「実用性に加えてエンタテインメント性を兼ね備えた製品となっている」としている。なお、ブラシ部分は付け替え式。
京セラ、ライオン、ソニーの三社は、本日7月3日ソニー本社にて製品発表会を開催。京セラ(株)研究開発本部・メディカル開発センターの稲垣智裕氏、ライオン(株)研究開発本部・イノベーションラボの萩森敬一氏、そしてソニー(株)Startup Acceleration部の宮崎雅氏が登壇し、本プロジェクトについて各社の立場から紹介した。
Possiの開発経緯について、京セラの稲垣氏は「自分自身が3児の父親で、子供の仕上げ磨きに悪戦苦闘する日々を送ってきた。そうした現状を何とかしたいという思いから企画した」と説明。「小さなお子さんがいて同じような思いを持っている方々が、Possiによって日々の大変さが少しでも楽になったら、また子供が歯磨きを好きになってもらえたら、そういった“生活に幸せを届けられる”製品だと思っている」と語った。
クラウドファンディングでは「お買い得プラン」(本体+替えブラシ3本※4ヶ月使える想定)が各色100セットで14,800円(税込)、通常価格「ベースプラン」が17,500円(税込)となる。また東京・二子玉川の蔦屋家電+にて7/4(木)〜9/3(火)まで製品展示が行われる。他にもイベントは順次予定しており、プロジェクトページにてアナウンスしていくとのこと。京セラみなとみらいリサーチセンター、ライオン平井研究所、ソニー本社各オフィスでも展示される。
稲垣氏は「目標金額は2,000万円、1,300名ほどのユーザーニーズが可視化できれば商品化につながると考えている」とした。プロジェクトはテストマーケティングとしつつ、達成後のPossi一般発売に向けては「現時点で予定はないが、その場合は前向きに検討したい」とのこと。製造・販売元は京セラとなり、本体部分は京セラ、替えブラシはライオンの各工場で製造される予定。なお、未達だった場合は全額返金予定とのこと。
「Possi」という名前の由来は、製品のフォルムからイメージした動物の“しっぽ”と、子供が持つ可能性“possible”と二つの意味合いを持たせているとのこと。また子供たちにより親しみを持ってもらえるように製品のキャラクターイメージも製作。子供にだけ見える妖精のような存在として、プロモーションビデオなどにも登場している。
本体は歯ブラシのブラシ部分と、持ち手となるボディ部分で構成。ボディ部分に単5電池2本を入れることで動作する。「振動で音を伝えるという性能と、歯ブラシとしての本来の性能を両立させることが難しかった」とのことで、歯磨き中のゴシゴシする音があってもちゃんと音楽が聴こえるよう、ブラシの毛の配列など様々な要素を工夫しながら、京セラとライオン両社の技術を掛け合わせて実現に至ったという。
今回搭載した圧電セラミックス素子は、京セラ独自機能である「スマートソニックレシーバー」に用いられているもの。スマホや携帯電話のディスプレイ部を振動させることで相手の声をよりはっきりと届けることが可能で、出荷実績は1,000万台以上とのこと。Possiでも同様に、歯を振動させることで骨伝導のような仕組みでしっかりと音を届けることができるという。
対象年齢は1〜5歳の子供を想定。ブラシ部分のサイズについては、圧電セラミック素子を搭載できることが大前提としつつ、ライオンが市場展開している3〜5歳用の歯ブラシと同等のサイズ感を実現。また質感もやわらかめを採用する。実際に自身の子供に使用してみて「楽しんでくれて、仕上げ磨きの心配はなくなった。最初は不思議そうにしていたが、音楽が流れる状況がわかると何曲も続けて聞きたい!と歯磨きに積極的になった」とのこと。
ボディ部分には圧電セラミック素子に合わせて新規開発したというデジタル駆動アンプを内蔵しており、組み合わせることで小型かつ軽量で、省電力ながら十分な振動パワーを備えたアクチュエーターとして動作することが可能。音量の基本設定は「子供に聞かせるものなので、あまり大きな音にはしていない」とのこと。また本体側で音量調整はできないが、接続機器からの音量を自動的に制限する機能は非搭載とのことで、スマホやタブレットから調整することは可能。
オーディオジャックを備え、ケーブルをつなぐことでPossiの電源がON、外すとOFFになるという仕組み。付属ケーブルは約90cmを予定する。なお最近ではイヤホンジャック非搭載のスマートフォンも増えており、また子供の予測不能な動きを考えるとケーブルが絡まる可能性など不安要素もあるのでは?という質問も出たが、ワイヤレス接続にしなかった理由として、「ワイヤレスの接続設定が面倒といった側面もあり、スマホだけでなく、音楽プレーヤーやテレビなど“何にでも繋がること”を今回は重要視した」と説明。
さらに持ち手中央には「ミュートボタン」を搭載。子供が嫌がって歯ブラシを噛んだりした時に、音楽を止めることも可能だ。これにより歯ブラシを噛むことを抑制、噛まないことで音楽が聞こえて楽しいという体験を通して習慣化させることも目的としている。ボタン部分にはLEDが搭載されており、ケーブルを繋いで電源ONになると点灯、ミュート中は点滅する仕様。電源機能は持ち合わせていない。
「歯ブラシとしては新構造であり、技術面でもハードルの高い製品だった」と稲垣氏。ブラシ部分の開発については、リーディングカンパニーであるライオンとの協業がかなったことで、製品が実現化できたと説明した。
ライオンの萩森氏は、本プロジェクトの参画について、「Possiの商品コンセプトに魅力があった。自分自身が面白いと思えたこと、また京セラ稲垣さんの熱意を感じたことが決め手」とし、「所属するイノベーションラボでは新規事業を推進しており、Possiの企画はものづくりとしての難しさや他社との協業という意味でも、ライオンとしてチャレンジしたいと考えた」と語った。
ブラシ部分の開発では、高い振動伝達効果と歯の汚れを落とす優れた清掃性を両立した基礎設計からスタート。同社の持つノウハウを活かして開発されているとのこと。内部に圧電セラミック素子を内蔵するため、高分子材料技術と成型加工技術を用いて、外側はプラスチックの硬質材料、ブラシ部と柄の部分の間にはゴム製の軟質材料を使った中空構造を採用している。さらに独自の評価技術により、従来製品と変わらず構造とブラシ部の品質チェックも行い、実用性も確保できているとのこと。
オーラルケア市場でもスマート化が始まっているが、それについて「アプリと連動して歯ブラシの結果などを伝えるといった機能を持つものが多い。Possiは子供に歯磨きの行為を好きになってもらうというシンプルな目標で、商品軸は異なると思う」とコメント、歯磨きすることで音楽が聞こえて楽しいという体験から、歯磨きの生活習慣かにつながると考えている」とした。
ソニーは「Sony Startup Acceleration Program(SSAP)」の一貫として本プロジェクトを支援。SSAPは、アイデア作りから商品化、事業運営、販売・拡大まで一気通貫で支援するアクセラレーションプログラムとしており、Possiの事業化支援プログラムは2018年10月からスタートしたとのこと。
プログラムはIdeation、Incubation、Marketing、Expansionの4つの段階に分けられており、今回は京セラメンバーがソニー本社に常駐して「Incubation」「Marketing」のプログラムを受けたという。SSAPについて稲垣氏は、「BtoC事業のノウハウを学び、京セラの事業に活かすため参画した。技術者目線ではなく、ユーザー側、顧客目線での製品開発の重要性を学ぶことができた」と語る。
9ヶ月間での急速な事業立ち上げとなった本企画では、ソニーのアクセラレーターがニーズ検証、ものづくり、セールスマーケティング、事業開発について総合的にサポート。「どういう人にどういう提供価値を届けるか、コンセプトを深堀し、その後ビジネスモデルの仮説構築、検証チェック、想定ユーザーにモックなどを見せて反応を確認するなど、短期集中でレクチャーしながら一緒になって推進してきた」と説明する。
3社の役割としては、キーデバイスを京セラ、オーラルケア分野をライオン、事業化支援をソニーが担当。ライオンはPossiをきっかけとして、SSAPに2019年1月から参画した。ソニー宮崎氏は「参加企業が増えることで意思決定が遅くなってしまうことも考えられるが、それぞれの強みを生かしつつ、顧客視点を重視することで、開発・意思決定のスピードアップを図った」と説明した。
またソニーではデザイン面も担当。力が入りすぎないような卵型の握りやすさと、そのままテーブルにおいてもブラス部分が着かないこと、また生き物のような有機的デザインとし、「子供の友達になってもらえるような優しいカタチを目標とした」とのこと。さらにソニー・ミュージックアーティスツ所属のDJみそしるとMCごはんによるテーマソングも製作。デザインと音楽によってPossiの世界観を構築し、「日用品からエンタテインメント=体験価値へと引き上げることのサポート」を行ったという。
SSAPでは現在も様々なプロジェクトを進行中。本件と同様に大企業が参画するものから、スタートアップ企業、大学などにもプログラムを提供しており「オープンイノベーションを加速させていきたいと考えている」とした。