目標は完全ポートレス
「iPhone 14 Pro(仮)」もLightning継続?ただし速度はUSB 3.0並みに改善か【Gadget Gate】
アップルが今年秋に発売するとみられる「iPhone 14 Pro」(次期フラッグシップiPhoneのうちProモデルの仮称)では、LightningコネクターからUSB-Cコネクターに変更されるとの噂話があった。しかし新たに、この10年前(2012年のiPhone 5で初採用)のコネクターが使われ続けるとの予想が報じられている。
アップル関連情報サイトのiDropNewsは、かつて「アップルがiPhone 14 ProにUSB-Cの採用を検討している」との情報源の話を伝えていた。しかし同サイトはその後、別の情報源から方針変更の話を聞いたようだ。
その理由は、1つには同社がゆくゆくは完全ポートレス、つまり外部端子のないiPhoneを目指しているため。アップルがUSB-Cを経由せず、開口部がなく防水性に優れたポートレスに一足飛びに移行しようとしているとの観測は、複数の方面から伝えられてきたことだ。
iDropNewsの情報源によれば、それだけが理由ではないという。本当の理由は「収入」だそうだ。ケーブルやドングル、充電スタンド、Lightningポートを搭載した製品を販売するサードパーティに、アップルはライセンス料を請求できる。その収入源を断つ予定はない、というのだ。
さらにアップルは、MagSafe(背面からのワイヤレス充電)経由でデータ転送できるポートレスのiPhoneに移行するまで、この方式を続けるつもりだと述べられている。MagSafe規格を採用するサードパーティからもライセンス料が請求できるから、というわけだ。
アップルがiPhoneではUSB-Cを避けてLightningを採用し続ける理由は、MFi(アップルが定める性能基準への適合)プログラムからのライセンス収入であり、ポートレス化してもMagSafeのMFi収益を取り続ける狙いがあることは、同社の未発表製品に詳しいアナリスト Ming-Chi Kuo氏も推測していたことがある。
その一方で、iDropNewsは興味深い情報も届けている。これまでのLightningコネクタはUSB 2.0相当の転送速度しか出ないが、アップルのエンジニアはUSB 3.0相当の速度を出せるよう取り組んでいるという。
「iPhone 13 Pro」ではProResで映像を記録できるようになったが、このフォーマットは画質が非常に良く編集作業もしやすい反面で、かなりの容量を消費する。たとえば1分間の4K ProResビデオは6GBものサイズになるが、現行のLightningであれば何時間もかかる。iPhoneで撮影した動画をMacなど外部機器で編集したいクリエイターにとって重荷となっていたが、USB 3.0の速度になれば解決するというのだ。
最後に、MagSafe経由のデータ転送はWindowsやLinux PC等でも行えるようにする必要があるため、アップルはそちらに多くの時間と資源を投入しており、iPhone 15 Pro(2023年に出るProモデルの仮称)の時点ではポートレスになる見込みはない、との趣旨が語られている。
USB-C採用を待ち望む人には残念な噂話ではあるが、少なくとも「Lightningでサイズの大きなファイル転送がしづらい」という方々にとっては朗報といえそうだ。
Source: iDropNews
※テック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」を近日中にローンチ予定です。本稿は、そのプレバージョンの記事として掲載しています。
アップル関連情報サイトのiDropNewsは、かつて「アップルがiPhone 14 ProにUSB-Cの採用を検討している」との情報源の話を伝えていた。しかし同サイトはその後、別の情報源から方針変更の話を聞いたようだ。
その理由は、1つには同社がゆくゆくは完全ポートレス、つまり外部端子のないiPhoneを目指しているため。アップルがUSB-Cを経由せず、開口部がなく防水性に優れたポートレスに一足飛びに移行しようとしているとの観測は、複数の方面から伝えられてきたことだ。
iDropNewsの情報源によれば、それだけが理由ではないという。本当の理由は「収入」だそうだ。ケーブルやドングル、充電スタンド、Lightningポートを搭載した製品を販売するサードパーティに、アップルはライセンス料を請求できる。その収入源を断つ予定はない、というのだ。
さらにアップルは、MagSafe(背面からのワイヤレス充電)経由でデータ転送できるポートレスのiPhoneに移行するまで、この方式を続けるつもりだと述べられている。MagSafe規格を採用するサードパーティからもライセンス料が請求できるから、というわけだ。
アップルがiPhoneではUSB-Cを避けてLightningを採用し続ける理由は、MFi(アップルが定める性能基準への適合)プログラムからのライセンス収入であり、ポートレス化してもMagSafeのMFi収益を取り続ける狙いがあることは、同社の未発表製品に詳しいアナリスト Ming-Chi Kuo氏も推測していたことがある。
その一方で、iDropNewsは興味深い情報も届けている。これまでのLightningコネクタはUSB 2.0相当の転送速度しか出ないが、アップルのエンジニアはUSB 3.0相当の速度を出せるよう取り組んでいるという。
「iPhone 13 Pro」ではProResで映像を記録できるようになったが、このフォーマットは画質が非常に良く編集作業もしやすい反面で、かなりの容量を消費する。たとえば1分間の4K ProResビデオは6GBものサイズになるが、現行のLightningであれば何時間もかかる。iPhoneで撮影した動画をMacなど外部機器で編集したいクリエイターにとって重荷となっていたが、USB 3.0の速度になれば解決するというのだ。
最後に、MagSafe経由のデータ転送はWindowsやLinux PC等でも行えるようにする必要があるため、アップルはそちらに多くの時間と資源を投入しており、iPhone 15 Pro(2023年に出るProモデルの仮称)の時点ではポートレスになる見込みはない、との趣旨が語られている。
USB-C採用を待ち望む人には残念な噂話ではあるが、少なくとも「Lightningでサイズの大きなファイル転送がしづらい」という方々にとっては朗報といえそうだ。
Source: iDropNews
※テック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」を近日中にローンチ予定です。本稿は、そのプレバージョンの記事として掲載しています。