携行したくなる“旅仕様”ビデオカメラ
人気モデル後継機の実力は? − ソニー“ハンディカム”「HDR-TG5V」を会田肇がレビュー
日ごとに気温が高くなってくると、カメラを携えて出掛けてみたくなる。そんな人も多いのではないだろうか。とはいえ、意外にもやっかいなのは何かとかさばるカメラの存在だ。せっかく出掛けるのだし、その記念として撮影はしておきたいとは思う。しかし、ビデオカメラはゴロンとしたデザインが中心でカバンにも収納しにくく、つい「小さなデジカメでいいか」と妥協してしまいがちになる。
そんな人の存在を見越してか、ソニーは昨年「HDR-TG1」を発売。フルHD撮影を実現しながら、コンパクトでスリムなデザインによる高い収納性を確保する画期的なカメラとして評価を得た。それから約1年近くが経ったこの4月、TG1の基本コンセプトを踏襲しながら数々の改良を施した後継機「HDR-TG5V」が誕生したのである。
■「そぎ落とせるところは徹底的にそぎ落とした」ボディデザイン
一見して、TG5VのデザインはTG1とあまり変わっていないようにも見える。が、TG1では出っ張りがあった液晶モニターのヒンジがフラットになっているし、デザインもカクカクとしたTG1とは違って全体に丸みを帯びている。ボディの表面はカバンへの収納を考慮し、傷が付きにくいチタン仕上げを施したという。バッテリーを含んだ総重量もTG1の300gから280gへと20gほどダウンし、ボディサイズもわずかながらコンパクトになっている。とにかく携帯性の高さが最大の武器であるTG5Vだけに「そぎ落とせるところは徹底的にそぎ落とした」(ソニー・デジタルイメージングマーケティング部 住野康子氏)というわけだ。
記録方式はこれまでと基本的に変更はない。AVCHD方式で1,920×1,080ドットのフルHD動画撮影が行え、ただ、記録は内蔵する16GBのフラッシュメモリーに行うこととなり、別売のメモリースティックPRO Duoにも対応する形となった。撮像素子はTG1から引き継いだ1/5型236万画素のクリアビッドCMOSセンサーを搭載し、これによって動画撮影時の有効画素数は143万画素(16:9時)となり、静止画では149万画素で記録が行える。
しかし、これだとフルHDの207万画素には不足するため、本機では独自の画素配列45度回転を行ってフルHD映像の約1.4倍以上の情報を得ている。動画撮影中の静止画記録も230万画素相当となり、これがきめ細かな高解像度映像の実現に結びついたのだという。また、静止画モードに切り替えれば2,304×1,728ドット(4:3時)の400万画素相当での保存も可能となっている。
小型の撮像素子を採用したことで気になるのがフルHDとしての画質対策だ。本機ではTG1と同様にデジタル一眼レフカメラ“α”などでも採用されている『Exmor 』技術をCMOSセンサーに使用し、さらに映像エンジン「BIONZ」に独自のアルゴリズムを加えることで「低照度下でも十分なクオリティーを確保した」(前出:住野氏)という。
■夜間撮影時の画質が大きく改善
ではその画質をチェックしてみよう。結論から先に言えば、ミドルショット以上の比較的アップを多用した映像なら十分なクオリティーを確保できている。が、広角側に引いた映像では平坦な映像となってしまう。つまり、フルHD映像らしい高解像度映像を期待するとちょっと物足りなく感じられるのだ。これは従来のTG1でも同様の傾向を示しており、映像としてはほぼ同一のクオリティーと考えて差し支えない。
発色は強調し過ぎることもなく自然な感じを見せ、照度が十分な条件で撮影すれば、そこそこの雰囲気は発揮できている。従来からの改善点として挙げられるのは、夜間撮影での再現性が向上したことだろう。TG1では夜景を広角側で撮影すると、イルミが飛んでしまって雰囲気を台無しにしてしまう傾向があったが、そのあたりがかなり改善されたのだ。ただ、ノイズは決して少ないと言えるものではなく、これを見ると姉妹機であるHDR-XR520V(レビュー記事)に採用された裏面照射型CMOSセンサーが欲しくなってしまう。
そんな人の存在を見越してか、ソニーは昨年「HDR-TG1」を発売。フルHD撮影を実現しながら、コンパクトでスリムなデザインによる高い収納性を確保する画期的なカメラとして評価を得た。それから約1年近くが経ったこの4月、TG1の基本コンセプトを踏襲しながら数々の改良を施した後継機「HDR-TG5V」が誕生したのである。
■「そぎ落とせるところは徹底的にそぎ落とした」ボディデザイン
一見して、TG5VのデザインはTG1とあまり変わっていないようにも見える。が、TG1では出っ張りがあった液晶モニターのヒンジがフラットになっているし、デザインもカクカクとしたTG1とは違って全体に丸みを帯びている。ボディの表面はカバンへの収納を考慮し、傷が付きにくいチタン仕上げを施したという。バッテリーを含んだ総重量もTG1の300gから280gへと20gほどダウンし、ボディサイズもわずかながらコンパクトになっている。とにかく携帯性の高さが最大の武器であるTG5Vだけに「そぎ落とせるところは徹底的にそぎ落とした」(ソニー・デジタルイメージングマーケティング部 住野康子氏)というわけだ。
記録方式はこれまでと基本的に変更はない。AVCHD方式で1,920×1,080ドットのフルHD動画撮影が行え、ただ、記録は内蔵する16GBのフラッシュメモリーに行うこととなり、別売のメモリースティックPRO Duoにも対応する形となった。撮像素子はTG1から引き継いだ1/5型236万画素のクリアビッドCMOSセンサーを搭載し、これによって動画撮影時の有効画素数は143万画素(16:9時)となり、静止画では149万画素で記録が行える。
しかし、これだとフルHDの207万画素には不足するため、本機では独自の画素配列45度回転を行ってフルHD映像の約1.4倍以上の情報を得ている。動画撮影中の静止画記録も230万画素相当となり、これがきめ細かな高解像度映像の実現に結びついたのだという。また、静止画モードに切り替えれば2,304×1,728ドット(4:3時)の400万画素相当での保存も可能となっている。
小型の撮像素子を採用したことで気になるのがフルHDとしての画質対策だ。本機ではTG1と同様にデジタル一眼レフカメラ“α”などでも採用されている『Exmor 』技術をCMOSセンサーに使用し、さらに映像エンジン「BIONZ」に独自のアルゴリズムを加えることで「低照度下でも十分なクオリティーを確保した」(前出:住野氏)という。
■夜間撮影時の画質が大きく改善
ではその画質をチェックしてみよう。結論から先に言えば、ミドルショット以上の比較的アップを多用した映像なら十分なクオリティーを確保できている。が、広角側に引いた映像では平坦な映像となってしまう。つまり、フルHD映像らしい高解像度映像を期待するとちょっと物足りなく感じられるのだ。これは従来のTG1でも同様の傾向を示しており、映像としてはほぼ同一のクオリティーと考えて差し支えない。
発色は強調し過ぎることもなく自然な感じを見せ、照度が十分な条件で撮影すれば、そこそこの雰囲気は発揮できている。従来からの改善点として挙げられるのは、夜間撮影での再現性が向上したことだろう。TG1では夜景を広角側で撮影すると、イルミが飛んでしまって雰囲気を台無しにしてしまう傾向があったが、そのあたりがかなり改善されたのだ。ただ、ノイズは決して少ないと言えるものではなく、これを見ると姉妹機であるHDR-XR520V(レビュー記事)に採用された裏面照射型CMOSセンサーが欲しくなってしまう。