評論家・会田肇氏が速攻チェック!
ビクター“Everio”最新ハイクラスモデル「GZ-HM400」の実力
ビクターが「JVC」ブランドより発売するビデオカメラの第2弾が“Hi-Vision Everio”「GZ-HM400」だ。ビクターは今年の6月に新製品「GZ-X900」を発売したばかりだが、X900は高い携帯性とファッション性を意識したビデオカメラで、デジカメ的な使い方も提案するモデルだ。本機に対してHM400は映像系の技術こそX900を継承しつつも、10倍ズームレンズを搭載したり、ビデオカメラとしての使い勝手の向上、さらに所有することへの喜びを感じさせる高品質ビデオカメラとしたのがポイントだ。
HM400で魅力を感じるのは、こだわった撮影に欠かせない新機能を数多く搭載したことである。「マルチファンクションダイヤル」は明るさ/フォーカスのマニュアル操作を容易にするもので、レバーを上に動かせば「明るさ」調整モード、下に動かせば「フォーカス」調整モードに入る。マニュアル操作でもっともよく使われるこの2つのモードをダイヤル操作としたことで、簡単な調整ができるようになったのだ。
新採用の「ダイレクトコントロールボタン」も使いやすい。絞り、シャッター速度をワンボタンでコントロール可能になり、しかも任意の機能を登録できるユーザーボタンを3つのめのボタンとして用意。ホワイトバランスやフォーカスアシストなどを3つめのボタンに設定することができるのだ。ダイヤルを操作したときの動きはやや緩慢に感じることもあるが、シビアすぎるよりは扱いやすいはず。映像表現を積極的にしたい人にとって、この機能はきわめて有効なものとなるだろう。
HM400は、撮影時のハンドリングが素晴らしく良い。手にフィットするボディラインを持ち、グリップ部はホールド性を高めるレザー調仕上げを施す。重量バランスはよく配慮されており、構えていても負担はかなり少ない。さらにズームレバーはプロ機によく使われているシーソー式を採用しており、この辺りの手から伝わる感触がとても心地よい。まさにHM400は“撮る気にさせる”魅力が十分伝わってくる、そんなビデオカメラに仕上げられているのだ。
手ぶれ補正は基本的にX900で採用した方式と同一。2枚のプリズムがレンズ入口で補正を行うため、ワイド端からテレ端まで補正効果が得られ、何よりもこのシステムには光軸ズレによるボケを発生させないメリットがある。レンズのクオリティが高く、周辺部でも収差が少ない高精細な映像が得られているのも良かった。補正効果はあまり強くかけ過ぎない方向性と感じる出来だ。
撮影した映像のクオリティは相当に高いと実感した。ハイビジョン映像らしい奥行き感を伝えており、輪郭にも無理がない。草木の一つひとつがリアルに映し出され、風で揺れる動きも圧縮の影響をさほど受けず自然だ。まるで風景が目の前で広がっているかのような印象すら受ける。鮮やかな寺院の色彩も派手すぎず、心地よい発色を見せた。階調も豊かだ。一般的には色の深みがもう少しあっても良い気もするが、強調感のない自然な映像表現を好む人には、むしろこのぐらいの方が好ましいと感じるだろう。
夜景撮影もまずまずの結果が得られている。撮像素子が同じGZ-X900は夜景撮影でやや苦手な場面もあったが、本機では映像が甘くなるようなことはほとんどなく、色表現も自然だった。レンズの明るさをX900ではF3.4(広角端)としていたが、本機はF2.8。この差が映像表現での違いを引き出したのは明らかだ。その一方で、動画撮影時の画角がワイド端で48.5mm(35mm換算)と狭いので、室内の撮影、建物の撮影を楽しむ際にはワイドコンバージョンレンズとの組み合わせが効果的だろう。
映像の保存は、UXP以外のモードで撮影した時にはDVDへ保存ができるが、UXPモードで撮影するとビットレートが24Mbpsとなり、BDかHDDへの保存が必要となる。しかし、本機ではIOデータのHDDやBDドライブとPCレス接続で保存が可能で、これは結構便利だ。しかも、「UXP」に設定しようとすると、「DVDには保存できない」ことのアラートが表示されるのは親切。付属バッテリーで長時間撮影に対応した点も見逃せない。
今や家庭用ビデオカメラもフルハイビジョンで撮影できるのは当たり前の時代になった。そんな中で単にスペックだけでなく、映像品位の高さも重要な要素となっていることは間違いない。本機はそうしたカテゴリーに、ビデオカメラとしてクオリティを徹底的にこだわって登場した。構えた瞬間から撮る気にさせる、そんなビデオカメラとして画質にこだわるユーザーから一目置かれる存在になることは間違いないだろう。
HM400で魅力を感じるのは、こだわった撮影に欠かせない新機能を数多く搭載したことである。「マルチファンクションダイヤル」は明るさ/フォーカスのマニュアル操作を容易にするもので、レバーを上に動かせば「明るさ」調整モード、下に動かせば「フォーカス」調整モードに入る。マニュアル操作でもっともよく使われるこの2つのモードをダイヤル操作としたことで、簡単な調整ができるようになったのだ。
新採用の「ダイレクトコントロールボタン」も使いやすい。絞り、シャッター速度をワンボタンでコントロール可能になり、しかも任意の機能を登録できるユーザーボタンを3つのめのボタンとして用意。ホワイトバランスやフォーカスアシストなどを3つめのボタンに設定することができるのだ。ダイヤルを操作したときの動きはやや緩慢に感じることもあるが、シビアすぎるよりは扱いやすいはず。映像表現を積極的にしたい人にとって、この機能はきわめて有効なものとなるだろう。
HM400は、撮影時のハンドリングが素晴らしく良い。手にフィットするボディラインを持ち、グリップ部はホールド性を高めるレザー調仕上げを施す。重量バランスはよく配慮されており、構えていても負担はかなり少ない。さらにズームレバーはプロ機によく使われているシーソー式を採用しており、この辺りの手から伝わる感触がとても心地よい。まさにHM400は“撮る気にさせる”魅力が十分伝わってくる、そんなビデオカメラに仕上げられているのだ。
手ぶれ補正は基本的にX900で採用した方式と同一。2枚のプリズムがレンズ入口で補正を行うため、ワイド端からテレ端まで補正効果が得られ、何よりもこのシステムには光軸ズレによるボケを発生させないメリットがある。レンズのクオリティが高く、周辺部でも収差が少ない高精細な映像が得られているのも良かった。補正効果はあまり強くかけ過ぎない方向性と感じる出来だ。
撮影した映像のクオリティは相当に高いと実感した。ハイビジョン映像らしい奥行き感を伝えており、輪郭にも無理がない。草木の一つひとつがリアルに映し出され、風で揺れる動きも圧縮の影響をさほど受けず自然だ。まるで風景が目の前で広がっているかのような印象すら受ける。鮮やかな寺院の色彩も派手すぎず、心地よい発色を見せた。階調も豊かだ。一般的には色の深みがもう少しあっても良い気もするが、強調感のない自然な映像表現を好む人には、むしろこのぐらいの方が好ましいと感じるだろう。
夜景撮影もまずまずの結果が得られている。撮像素子が同じGZ-X900は夜景撮影でやや苦手な場面もあったが、本機では映像が甘くなるようなことはほとんどなく、色表現も自然だった。レンズの明るさをX900ではF3.4(広角端)としていたが、本機はF2.8。この差が映像表現での違いを引き出したのは明らかだ。その一方で、動画撮影時の画角がワイド端で48.5mm(35mm換算)と狭いので、室内の撮影、建物の撮影を楽しむ際にはワイドコンバージョンレンズとの組み合わせが効果的だろう。
映像の保存は、UXP以外のモードで撮影した時にはDVDへ保存ができるが、UXPモードで撮影するとビットレートが24Mbpsとなり、BDかHDDへの保存が必要となる。しかし、本機ではIOデータのHDDやBDドライブとPCレス接続で保存が可能で、これは結構便利だ。しかも、「UXP」に設定しようとすると、「DVDには保存できない」ことのアラートが表示されるのは親切。付属バッテリーで長時間撮影に対応した点も見逃せない。
今や家庭用ビデオカメラもフルハイビジョンで撮影できるのは当たり前の時代になった。そんな中で単にスペックだけでなく、映像品位の高さも重要な要素となっていることは間違いない。本機はそうしたカテゴリーに、ビデオカメラとしてクオリティを徹底的にこだわって登場した。構えた瞬間から撮る気にさせる、そんなビデオカメラとして画質にこだわるユーザーから一目置かれる存在になることは間違いないだろう。