話題のモデルを徹底試聴
東芝“REGZA”最新モデル「42Z9000」− “高画質の伝道師”村瀬孝矢氏がその実力に迫る
「Z9000」は東芝“REGZA 9000シリーズ”のハイエンドモデルに位置づけられる。画面サイズは55V/47V/42V/37V型の4タイプをラインナップしており、いずれもIPS方式のフルHDクリアパネルを採用している点も特徴だ。「記憶する、レグザ。」をキーワードに、充実した録画機能をアピールしている9000シリーズの中で、Z9000は外付けUSB HDD/LAN HDDへのテレビ番組録画に対応する。ちなみにUSB HDDには、500GBの容量を持つ“REGZA純正モデル”「THD-50A1」も用意されている。今回は42V型の「42Z9000」を視聴した。
画質面はバージョンアップした超解像技術である「レゾリューションプラス3」搭載。視聴環境の色温度センサーを加えた「おまかせドンピシャ高画質3」と、加えて「Wスキャン倍速」の搭載で高画質性能をブラシュアップしている。
電球照明下の約50ルックス程の視聴室で視聴を行った。視聴モードは主に「おまかせ」に設定。テレビが自動で照明色を検出し、画面の色温度を設定してくれる。またWスキャンモードの選択は「オート」に設定した。この場合、バックライトのON/OFFと120Hz用のコマ補完が働き、中間映像の生成が行われることで動画の表示性能が大きく高まる。
まずはテレビ放送の映像をチェックした。地デジ、BSデジタルなどの番組を視聴してみたが、チューナーの能力に不安要素はまったく感じられず、優秀な出来映えである。
BDソフトは映画『ダークナイト』の冒頭シーンでチェックした。映像モードは「おまかせ」と「映画プロ1」を交互に切り替えながら比較視聴したが、より緻密で穏やかな質感表現になるのは「映画プロ1」の方で、じっくり映画に浸りたい方にはこちらのモードもお薦めであると感じた。むろん画質調整項目が豊富なので、さらに自分好みの映像に追い込めばもっと楽しめるだろう。なお全体的な画作りの傾向は、しゃきっとさせたコントラスト重視型のまとめ方であると感じた。
BSデジタル放送の『マジソン群の橋』を録画したソースの視聴では、超解像技術の効果をテストした。超解像処理はON/OFFのほか、効果のレベルが調整できるが、「映画プロ1」モードでの視聴時には、フルHDソースものではもっとも穏やかな「01」がノイズを効果的に抑え、かつしゃきっとした映像に追い込めるのでお薦めしたい。デジタル放送のソースの場合、元の映像に少しエッジ強調が加わる傾向なので、超解像の効果も控えめが良いと思われる。
なおHQVのテストディスクで動画表示性能もチェックしたが、「Wスキャン倍速」が効果的に働くことで動画ボケが非常に少ないことが際立った。
42Z9000は前評判の通り、高画質性能を実現した秀作であると言えるだろう。東芝技術陣による液晶パネルの手慣れた使いこなし、丁寧な自動調整を加味した新たな「おかませ」モードとのコラボレーションの巧みさを今回の視聴で実感できた。
【42Z9000 SPEC】
●サイズ:42V型 ●パネル:IPS方式フルHDクリアパネル ●解像度:1920×1080 ●チューナー:地上デジタル×3、BS・110度CSデジタル×2、地上アナログ×1 ●機能:地デジ見ながらW録、USB/LANハードディスクハイビジョン録画、レグザ番組表・ファイン 他 ●入出力端子:HDMI入力×4、D4入力×2、S2入力×1、ビデオ入力×4、光デジタル音声出力、HDMIアナログ音声入力、SDメモリーカードスロット、USB×2、LAN×3、モジュラー、ヘッドホン ●外形寸法:1009W×701H×316Dmm ●問い合わせ先:東芝テレビご相談センター TEL/0120-97-9674
◆筆者プロフィール 村瀬孝矢
1948年、愛知県生まれ。オーディオ専門誌「ラジオ技術」誌の編集を経て、1978年よりフリーでA&V評論やコンサルティング活動を始める。 1991年にAV&Cの普及を目指したAVC社を設立。1998年よりプロジェクター専門誌「PROJECTORS」誌を編集、発行。国内外メーカーの最新プロジェクターを同一条件でチェックしており、国内でもっともプロジェクターの素性を知る人間のひとりである。日本画質学会副会長も務める。
画質面はバージョンアップした超解像技術である「レゾリューションプラス3」搭載。視聴環境の色温度センサーを加えた「おまかせドンピシャ高画質3」と、加えて「Wスキャン倍速」の搭載で高画質性能をブラシュアップしている。
電球照明下の約50ルックス程の視聴室で視聴を行った。視聴モードは主に「おまかせ」に設定。テレビが自動で照明色を検出し、画面の色温度を設定してくれる。またWスキャンモードの選択は「オート」に設定した。この場合、バックライトのON/OFFと120Hz用のコマ補完が働き、中間映像の生成が行われることで動画の表示性能が大きく高まる。
まずはテレビ放送の映像をチェックした。地デジ、BSデジタルなどの番組を視聴してみたが、チューナーの能力に不安要素はまったく感じられず、優秀な出来映えである。
BDソフトは映画『ダークナイト』の冒頭シーンでチェックした。映像モードは「おまかせ」と「映画プロ1」を交互に切り替えながら比較視聴したが、より緻密で穏やかな質感表現になるのは「映画プロ1」の方で、じっくり映画に浸りたい方にはこちらのモードもお薦めであると感じた。むろん画質調整項目が豊富なので、さらに自分好みの映像に追い込めばもっと楽しめるだろう。なお全体的な画作りの傾向は、しゃきっとさせたコントラスト重視型のまとめ方であると感じた。
BSデジタル放送の『マジソン群の橋』を録画したソースの視聴では、超解像技術の効果をテストした。超解像処理はON/OFFのほか、効果のレベルが調整できるが、「映画プロ1」モードでの視聴時には、フルHDソースものではもっとも穏やかな「01」がノイズを効果的に抑え、かつしゃきっとした映像に追い込めるのでお薦めしたい。デジタル放送のソースの場合、元の映像に少しエッジ強調が加わる傾向なので、超解像の効果も控えめが良いと思われる。
なおHQVのテストディスクで動画表示性能もチェックしたが、「Wスキャン倍速」が効果的に働くことで動画ボケが非常に少ないことが際立った。
42Z9000は前評判の通り、高画質性能を実現した秀作であると言えるだろう。東芝技術陣による液晶パネルの手慣れた使いこなし、丁寧な自動調整を加味した新たな「おかませ」モードとのコラボレーションの巧みさを今回の視聴で実感できた。
【42Z9000 SPEC】
●サイズ:42V型 ●パネル:IPS方式フルHDクリアパネル ●解像度:1920×1080 ●チューナー:地上デジタル×3、BS・110度CSデジタル×2、地上アナログ×1 ●機能:地デジ見ながらW録、USB/LANハードディスクハイビジョン録画、レグザ番組表・ファイン 他 ●入出力端子:HDMI入力×4、D4入力×2、S2入力×1、ビデオ入力×4、光デジタル音声出力、HDMIアナログ音声入力、SDメモリーカードスロット、USB×2、LAN×3、モジュラー、ヘッドホン ●外形寸法:1009W×701H×316Dmm ●問い合わせ先:東芝テレビご相談センター TEL/0120-97-9674
◆筆者プロフィール 村瀬孝矢
1948年、愛知県生まれ。オーディオ専門誌「ラジオ技術」誌の編集を経て、1978年よりフリーでA&V評論やコンサルティング活動を始める。 1991年にAV&Cの普及を目指したAVC社を設立。1998年よりプロジェクター専門誌「PROJECTORS」誌を編集、発行。国内外メーカーの最新プロジェクターを同一条件でチェックしており、国内でもっともプロジェクターの素性を知る人間のひとりである。日本画質学会副会長も務める。