音楽を聴く楽しさを思い出させてくれるシステム
CAVジャパンのiPod対応真空管ハイコンポ“VAZIO”の魅力に迫る<前編>
CAVジャパン開発担当者にきくVAZIOにかける思い 文/Phile-web編集部
VAZIOシリーズ開発の背景には、オーディオマーケットのボリュームゾーンがピュアオーディオからiPodなどのデジタルオーディオプレーヤーへシフトしていく中で、家で音楽を聴かなくなったユーザー層に良質な音楽体験を提供したいというCAVジャパン(株)代表取締役社長 法月利彦氏の思いがあった。
法月氏はVAZIOについて「ヘッドホンだけでなく、デジタルオーディオプレーヤーの音源もスピーカーを通じて聴くということをCAVジャパンとして提案したものがVAZIO。当社はこれまで真空管のアンプを核としてきたが、それを柱に考え、スピーカーとのセット形態でリーズナブルな価格なものを提案するという形をひとつの方法論とした」(Senka21 12月号トップインタビューより)と語っている。
お話を伺った商品企画担当の同社事業企画部 部長の高橋和哉氏は「『音楽好きですか?』と質問すると、ほとんどの人が好きだと答えるのに、『家で音楽をきちんと聴いていますか?』と尋ねるとみんな『うーん、最近聴いていないなぁ・・・』と言葉を濁してしまう。じゃあみんな一体どんな風に音楽を聴いているのだろうと思った」と話す。時代が変わり試聴スタイルが変化していっても、「音楽が好き」「いい音で音楽を聴きたい」というニーズが消えることはないと高橋氏は考える。
「若い人たちを中心にiPodで気軽にいつでもどこでも音楽を聴くというスタイルがスタンダードになった今、彼らが家でじっくり音を聴きたいと思ったときに最適なオーディオ製品が少ないのではないか。高級オーディオは敷居が高すぎるし、安価なiPod向けスピーカーでは満足いく音を得ることができない。音質・デザインともに音楽が好きな人たちのニーズに適う製品を作って、もっと音楽を楽しもうよ!という提案をしたかった」と語る。
“VAZIO”とはポルトガル語で「空(真空)」を意味する言葉であり、その製品コンセプトは「デジタルとアナログの融合」である。オーディオ機器のみならずそのフレーズ自体は世の中の至るところで耳にするものだが、“VAZIO”のiPod内の楽曲をフル真空管アンプを通して再生するという方法は、なんだかおしゃれな感じがするからという安易な発想ではなく、「最もポピュラーな再生機iPodで音が本来持つ柔らかさ、再生しづらいニュアンスを表現するためにはどうしたらいいか」という問題に真摯に向き合った結果、たどり着いたCAVジャパンの回答だったのだ。
“VAZIO”はCAVジャパンのこれまでの歩みの集大成
CAVジャパンは設立が2006年とまだ若い会社だがその成長は著しい。母体は中国のピュアオーディオメーカーCAV。両社は双方が対等な関係の独立法人であり、CAVジャパンの業務内容は販売代理会社という範疇にとどまらない。
設立当初は中国本社の真空管アンプやハイエンドスピーカーなどのハイファイオーディオ製品の輸入・販売業務がメインだった同社だが、2008年以降、日本の市場にあった製品の独自企画・設計を行い、中国のCAVの工場にオーダーして製品を生産するというスタイルを確立していく。中国工場には日本人スタッフを派遣し、質の高い製品の生産を実現させていった。
それに伴い製品ジャンルもオーディオ分野のみならず、シアターラックなどホームシアター分野にも広がっていった。そして2009年、ブタやサッカーボールなど親しみやすい外観デザインとクオリティの高い音質が話題となったiPodスピーカー“IPIGLET”シリーズを発売しデジタルオーディオ分野にも乗り出した。“IPIGLET”は若い女性やギフト市場向けに販売され大きく売上を伸ばしたが、それまでのCAVジャパンの製品傾向とはあまりに異なる本シリーズの取扱いには多少の驚きを与えた。
しかし今回の“VAZIO”は真空管アンプや美しい塗装といったCAV本社から受け継いだピュアオーディオ技術と、IPIGLETなどを通じてCAVジャパンが独自に築きあげてきた日本市場をとらえるマーケティング力により完成した製品である。そのクオリティには「中国、日本を行き来しながら、パーツの選定から徹底してこだわりチューニングを何度も繰り返してきた。CAVジャパンがこれまでで一番作り込んだ製品」と高橋氏も自信を持つ。
CAVジャパンがこれまでの事業で蓄積してきたノウハウを一気に開花させたVAZIOは、同社の日本の純然たるオーディオメーカーとしての地位を築くきっかけとなる記念碑的な製品になりそうだ。
VAZIOシリーズ開発の背景には、オーディオマーケットのボリュームゾーンがピュアオーディオからiPodなどのデジタルオーディオプレーヤーへシフトしていく中で、家で音楽を聴かなくなったユーザー層に良質な音楽体験を提供したいというCAVジャパン(株)代表取締役社長 法月利彦氏の思いがあった。
法月氏はVAZIOについて「ヘッドホンだけでなく、デジタルオーディオプレーヤーの音源もスピーカーを通じて聴くということをCAVジャパンとして提案したものがVAZIO。当社はこれまで真空管のアンプを核としてきたが、それを柱に考え、スピーカーとのセット形態でリーズナブルな価格なものを提案するという形をひとつの方法論とした」(Senka21 12月号トップインタビューより)と語っている。
お話を伺った商品企画担当の同社事業企画部 部長の高橋和哉氏は「『音楽好きですか?』と質問すると、ほとんどの人が好きだと答えるのに、『家で音楽をきちんと聴いていますか?』と尋ねるとみんな『うーん、最近聴いていないなぁ・・・』と言葉を濁してしまう。じゃあみんな一体どんな風に音楽を聴いているのだろうと思った」と話す。時代が変わり試聴スタイルが変化していっても、「音楽が好き」「いい音で音楽を聴きたい」というニーズが消えることはないと高橋氏は考える。
「若い人たちを中心にiPodで気軽にいつでもどこでも音楽を聴くというスタイルがスタンダードになった今、彼らが家でじっくり音を聴きたいと思ったときに最適なオーディオ製品が少ないのではないか。高級オーディオは敷居が高すぎるし、安価なiPod向けスピーカーでは満足いく音を得ることができない。音質・デザインともに音楽が好きな人たちのニーズに適う製品を作って、もっと音楽を楽しもうよ!という提案をしたかった」と語る。
“VAZIO”とはポルトガル語で「空(真空)」を意味する言葉であり、その製品コンセプトは「デジタルとアナログの融合」である。オーディオ機器のみならずそのフレーズ自体は世の中の至るところで耳にするものだが、“VAZIO”のiPod内の楽曲をフル真空管アンプを通して再生するという方法は、なんだかおしゃれな感じがするからという安易な発想ではなく、「最もポピュラーな再生機iPodで音が本来持つ柔らかさ、再生しづらいニュアンスを表現するためにはどうしたらいいか」という問題に真摯に向き合った結果、たどり着いたCAVジャパンの回答だったのだ。
“VAZIO”はCAVジャパンのこれまでの歩みの集大成
CAVジャパンは設立が2006年とまだ若い会社だがその成長は著しい。母体は中国のピュアオーディオメーカーCAV。両社は双方が対等な関係の独立法人であり、CAVジャパンの業務内容は販売代理会社という範疇にとどまらない。
設立当初は中国本社の真空管アンプやハイエンドスピーカーなどのハイファイオーディオ製品の輸入・販売業務がメインだった同社だが、2008年以降、日本の市場にあった製品の独自企画・設計を行い、中国のCAVの工場にオーダーして製品を生産するというスタイルを確立していく。中国工場には日本人スタッフを派遣し、質の高い製品の生産を実現させていった。
それに伴い製品ジャンルもオーディオ分野のみならず、シアターラックなどホームシアター分野にも広がっていった。そして2009年、ブタやサッカーボールなど親しみやすい外観デザインとクオリティの高い音質が話題となったiPodスピーカー“IPIGLET”シリーズを発売しデジタルオーディオ分野にも乗り出した。“IPIGLET”は若い女性やギフト市場向けに販売され大きく売上を伸ばしたが、それまでのCAVジャパンの製品傾向とはあまりに異なる本シリーズの取扱いには多少の驚きを与えた。
しかし今回の“VAZIO”は真空管アンプや美しい塗装といったCAV本社から受け継いだピュアオーディオ技術と、IPIGLETなどを通じてCAVジャパンが独自に築きあげてきた日本市場をとらえるマーケティング力により完成した製品である。そのクオリティには「中国、日本を行き来しながら、パーツの選定から徹底してこだわりチューニングを何度も繰り返してきた。CAVジャパンがこれまでで一番作り込んだ製品」と高橋氏も自信を持つ。
CAVジャパンがこれまでの事業で蓄積してきたノウハウを一気に開花させたVAZIOは、同社の日本の純然たるオーディオメーカーとしての地位を築くきっかけとなる記念碑的な製品になりそうだ。