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今秋冬モデル“買い”のポイントを徹底検証

本気で選ぶ“レコーダーテレビ”バイヤーズガイド − 6社レコーダーテレビ注目モデルを比較

公開日 2010/11/26 21:10 鈴木桂水
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6社のレコーダーテレビ注目モデルを比較 − いまが買いのモデルを徹底検証

今回のバイヤーズガイドでは、各社の主要現行機種の主なスペックを一覧表にしてみた。HDD録画機能搭載機と、HDD+BD録画機能搭載機をラインナップしているメーカーについては、HDD+BD録画機能搭載機の方から代表的なモデルをピックアップした。ここから必要な機能を探して、最適なレコーダーテレビが選べるという寸法だ。慌ただしく買い物をする方にも、じっくりと機種選びがしたいという方にも一助になれば幸いだ。

◇ ◇ ◇ 6社のレコーダーテレビ 主要スペック比較表 ◇ ◇ ◇

※クリックで大判のHTMLチャートが展開します。




この秋冬はやはりHDDとBD両方への録画機能を搭載している、いわゆる“オールインワン”レコーダーテレビが人気を集めている。オールインワンの製品ならば、家族全員で気軽にテレビ録画が楽しめ、重宝するはずだ。

ではBDドライブを搭載しない製品には魅力がないのかといえば、そうではない。外付けHDDへの録画機能を搭載する東芝“REGZA”、カセット HDD「iVDR-S」への録画が楽しめる日立“Wooo”は、HDDを記録メディアとして自由に増設・交換できるというメリットがある。とにかく長時間の番組を高画質に録画して楽しみたいという録画マニアであれば、このメリットがとても大きいことをすぐに分かっていただけるはずだ。


日立のWooo「ZP05」シリーズは、本体にiVポケットを搭載し、別売りのカセット HDD「iVDR-S」にも録画が行える

iVDRカセットを本体に装着したところ
では、続いてレコーダーテレビを選ぶ際のチェックポイントを順にみていこう。



◆どの画面サイズを選ぶべきか

レコーダーテレビといえども、画面サイズはできるなら大型のものを選ぶべきだろう。リビングで使うなら40V型前後が手頃だと思う。シアターユースなら50V型オーバーの製品も考えられるが、もし画質にとことんこだわるなら、録画機能にこだわらず、各社の最高画質テレビを選べばよい。

レコーダーテレビで注目したいのが、26V型クラスの小型モデルだ。単身者だけでなく、寝室や書斎などパーソナルなスペースで使うなら26V型前後のサイズがオススメだ。一覧表で紹介している三菱“REAL”のBHR400シリーズの26V型ほか、ソニー、シャープ、東芝、パナソニックなどからもコンパクトなサイズのラインアップが出ているので、ぜひチェックしてみて欲しい。


三菱の26V型「LCD-26BHR400」
テレビの画面サイズを決めて、部屋に置いたときのイメージが固まったら、次は購入予算について考えてみる。実はテレビとBDレコーダーを個別に買うよりも、レコーダーテレビはトータルで考えれば割安で手に入れられる製品が多い。またBDレコーダーだけを購入してもエコポイントは付与されないが、レコーダーテレビならばエコポイント対象製品のテレビとして扱われる。そう考えるとレコーダーテレビはかなりオトクな商品なのだ。


◆内蔵HDDサイズと長時間録画機能の関係

レコーダーテレビでメインとして活躍する記録媒体が内蔵HDDだ。この容量が多いほど、より多くの番組が録画できる。一覧表の東芝“REGZA”「Z1」シリーズは、外付けのLAN HDD/USB HDDが増設できるので、大容量という点では頼もしい限りだ。日立の“Wooo”「ZP05」シリーズは内蔵500GBのHDDのほか、カセットHDD「iVDR-S」への直接録画やダビングができ、他にもLANで接続したDTCP-IP対応のNASにダビングできる「AVネットワークダビング」機能も備えているので、こちらも強力だ。他にもソニー、パナソニック、シャープ、三菱のモデルが500GBの内蔵HDDを採用しているが、HDDの容量が少なくなってきたらBDにダビングし、HDDの空き容量を確保できる。


外付けUSB HDDへの番組録画が楽しめる東芝REGZA「Z1」シリーズ
一方で500GBという内蔵HDDの容量は、BDレコーダーではエントリークラス機の容量であり、若干心細くもある。そこで内蔵HDDの容量といっしょにチェックしたいのが、「長時間録画機能」の有無だ。MPEG-4 AVC/H.264の圧縮記録方式を導入することにより、同じHDDの容量で長時間のハイビジョン録画が楽しめるようになる。最近の各社から商品化されているデジタルレコーダーは長時間モードでもより高画質に再現する画づくりを実現している。通常はこの長時間モードを利用すれば十分に満足できる画質で、しかも500GBでも不足を感じないほどの録画が行えると思う。


シャープのAQUOS「DR3」シリーズは、MPEG-4 AVC/H.264 トランスコーダーを備え、フルHDのまま、最長8.5倍のAVC録画が行える

◆ダビング録画機能も多種多様

内蔵HDDがいくら大きくても、録画できる容量には限りがある。様々なダビング機能を使いこなして、必要な番組をBDディスクなど、外部メディアにダビングして内蔵HDDの容量を稼いでおきたい。また、HDDは故障する可能性がある。HDDにトラブルが発生してしまうと、せっかく録画した録画番組が再生できなくなる事が多いので、大切な映像のバックアップを確保しておくうえでも、ダビング機能には注目したい。

内蔵HDDとBDドライブの両方を搭載するソニーの“BRAVIA”「HX80R」シリーズ、三菱の“REAL”「BHR400」シリーズ、パナソニックの“VIERA”「RT2B」シリーズ、シャープの“AQUOS”「DR3」シリーズは内蔵ドライブを使ってBD保存が可能だ。さらに「RT2B」シリーズの場合は、対応する同社のBDレコーダー“DIGA”をLANケーブル(クロスケーブル)で接続してダビング、BDディスクに残すこともできる。

日立“Wooo”「ZP05」シリーズには先に紹介したように、カセットHDD「iVDR-S」へのダビング機能や、NASにダビングできる「AVネットワークダビング」の機能がある。また「ZP05/XP05」シリーズについては、パナソニックの“DIGA”「DMR-BWT3100/BWT2100/BWT1100、DMR-BW890/BW690」の各機種と、LANを経由したDLNAダビングができ、BDレコーダーのHDDにダビングした後に、BDレコーダーの機能でBDディスクに保存が行える。


パナソニックのBDレコーダー“DIGA”「DMR-BWT3100」
東芝は“REGZA”「Z1」シリーズをはじめとする多くのレコーダーテレビが、同社製のレコーダーにLANケーブル経由で無劣化ダビングできる「レグザリンク・ダビング」に対応しており、レコーダーのHDDに保存したコンテンツをディスクに残せる。ちなみに“CELL REGZA”「X2/XE2」シリーズと、“REGZAブルーレイ”「RD-X10/BZ800/BZ700/BR600」との組み合わせであれば、LANケーブル接続ではBDディスクに直接ダビングができたり、イーサネットチャンネル(HEC)対応のHDMIケーブル1本でつないでダビングできる機能も存在する。こちらはレコーダーのバージョンアップで対応する予定だという。


“CELL REGZA”「X2/XE2」、“REGZAブルーレイ”「RD-X10/BZ800/BZ700/BR600」との組み合わせによるレグザリンク・ダビングの解説

◆テレビ視聴とデジタル多番組同時録画を快適に楽しみたい

地デジ、BSデジタル、CS放送と多チャンネル対応のテレビを家族で共有していると、録画したい番組の放送時間が重なってしまうことがある。そんなときは2番組同時録画が可能なモデルを選べば家族間の争いが回避できて安心だ。


パナソニック“VIERA”「RT2B」シリーズはデジタル放送の2番組同時録画に対応するモデルのひとつ
そして、この「多番組同時録画」の機能といっしょに、注目しておきたいのが「録画中のテレビ視聴」への対応だ。レコーダーテレビをリビングで使うなら、最重要視すべき機能だと思う。なぜならレコーダーテレビの場合、本体に内蔵するチューナーはテレビ視聴と録画の両方に使われるので、チューナーがある番組を録画するためにチャンネル固定された状態になると、他の局にチャンネル切り替えができなくなるからだ。もし自分が録画を行っている最中に、家族がリビングにやってきて別の番組を見ようとしても、そこでチャンネルが切り替わらなかったらどうだろうか。また、外出中に予約録画が始まってしまい、自宅にいる家族が他のチャンネルを見たいのにチャンネルが替えられないということにでもなろうものなら、仕事中にも関わらず携帯電話には家族から苦情の問い合わせが鳴りやまない、なんていうことになりかねない。

東芝“REGZA”「Z1」シリーズ、および日立“Wooo”「ZP05」シリーズは、ダブル録画用に2基のチューナーを搭載するほか、さらに3基めとして視聴専用の地デジチューナーを搭載しているので、地デジの場合は2番組同時録画中でも自由にチャンネルを選局してテレビ視聴が楽しめる。


東芝REGZA「Z1」シリーズは地上デジタルチューナーは3基を搭載し、ひとつのチューナーで自由に選局して地デジ番組を見ながら、残る2つのチューナーで時間帯の重なる地デジ放送を“W録”できる(写真はZX9000シリーズ)
ソニーの“BRAVIA”「HX80R」シリーズ、三菱の“REAL”「BHR400」シリーズ、パナソニックの“VIERA”「RT2B」シリーズは、シングルチューナー録画時には片方の空いているチューナーで自由にチャンネル切り替えが行えるが、2番組同時録画時は録画中の2局のみが切り替えられる仕様になっている。シャープの“AQUOS”「DR3」シリーズはデジタルチューナーを2基搭載しているが、うち1基は録画専用となっている。


◆3D再生も楽しめるレコーダーテレビが登場してきた

3D再生に対応するレコーダーテレビには、パナソニック“VIERA”「RT2B」シリーズやシャープ“AQUOS”の「LB3/LV3/LX3」シリーズ、三菱“REAL”「MDR1」シリーズ、東芝“REGZA”「ZG1/F1」、“CELL REGZA”「X2/XE2」の各シリーズ、加えてソニーの“BRAVIA”「HX80R」シリーズがある。まだ対応するBDソフトや番組が多くないので、いまいち必要性についてはピンとこない感じもする3Dだが、2年後にロンドン五輪が開催され、テレビで放送される頃には、かなり3Dの普及が広がっていると予想できる。3Dは映画だけでなく、スポーツ中継などにも今後はさらに拡大していきそうだ。3D対応のゲームも続々と登場するだろう。これらのコンテンツに魅力を感じるならば、今のうちから3D対応機を選びたい。一方でソニー「HX80R」シリーズは、オプションを別途購入することで3D視聴が可能になる「3D Ready」モデルなので、将来3Dのコンテンツが充実してきた時から3D対応できる点は魅力的だ。


パナソニックの“VIERA”「RT2B」シリーズは、全モデルがBlu-ray 3D再生に対応する

ソニー“BRAVIA”「HX80R」シリーズの3D映像を視聴する筆者
以上、レコーダーテレビを選ぶ際に注意したい機能面でのポイントをピックアップし、解説してきた。後半では代表的な製品の魅力をお伝えし、筆者がオススメしたいベストバイの製品を紹介しようと思う。


◆筆者プロフィール 鈴木桂水
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、使いこなし系のコラムを得意とする。そのほかAV機器の情報雑誌などで執筆中。

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