3つのポイントで違いを紹介
自由すぎるよDroid君! Androidで“iPhoneにはできないこと”を満喫する
auの「IS03」を購入してからというもの、四六時中うわの空で仕事が手につかない。ホーム画面を自由奔放に動くDroid君にメロメロなのだ…というのは微妙に誇張で、Androidマーケットを夜な夜な徘徊しているから寝不足なだけだ。
Androidアプリの配布は特に審査がなく玉石混淆で、「iPhoneみたいなUI」を売りにするアプリがたくさんある。そういう触れ込みに全く文句をつけないところが、Androidの良さだと思っている。しかし今後Android OSのシェアが伸び、何かしらアプリに規制をかけざるを得ない状況がやってくる可能性もある。そう考えると、Androidマーケットは今が一番面白い時期だったということになるかもしれない。
「AndroidってiPhoneと何が違うの?」という疑問をよく聞くが、端的に実感できるのはそういう「自由さ」である。自分も、IS03に超基本的なアプリをいくつかインストールしただけで簡単にその違いに触れることができた。年明けから続々発売されるAndroid端末に機種変更を考えている皆さまへ、違いがすぐにわかる3つのポイントと5つのアプリを、簡単に実感できる例として紹介したい。
繰り返すが、両者の端的な違いは「自由さ」である。その象徴としてまずiTunesを挙げたい。Androidでは、iTunesと連携して動作する楽曲管理ソフトに、様々な選択肢が用意されているのだ。
【ポイントその1:iTunesからフリーになること】
iTunesは「自分のPCの中の音楽を持ち歩く」という思想のもと、PCを中心にして複数のデバイスを紐づけた「ペアリング」の概念で存在しているシステムだ。しかし、そんな概念を打ち砕き、1つのデバイスで様々なPCのiTunesを取り込めるアプリが現れている。
■ついでにワイヤレス転送にも対応しました「Winamp for Android」
iTunesに保存された楽曲を取り込み、Androidデバイスへの転送を可能とするアプリ。iTunesが網羅する楽曲フォーマットでは、Appleロスレス以外の全てに対応している。全曲まとめての転送のほか、アルバムごと、1曲ごとの転送も可能。また、PCとデバイスを同じWi-Fi上で接続するだけでワイヤレス転送も行える。
しかし記者の環境では、有線/無線を問わずPCアプリ側でのデバイス認識が不安定で、転送がスムーズに行くときと行かないときの差が激しかった。無料アプリでここまでの機能を備えていることに感動しつつも、さらなるブラッシュアップに期待したい。ちなみに、その名の通りWindowsにしか対応していない。
■Appleが出したアプリだと思ってました「Double Twist」
「iTunesと同じUIの方が、みんな使い方わかりやすくて良いでしょ」という、アップルにとって一瞬敵だか味方だかわからないアプリ。しかもこれが結構強い。
先述のWinamp for Androidと同様、iTunesからの曲の取り込みに対応するのだが、こちらは曲だけではなく、ムービーやPodcastの取り込みも可能だ。さらにiTunesだけではなく、Windows Media Playerにも対応するのである。加えてYouTubeと連動した動画ダウンロード/アップロード、flickrへの画像アップロードもできる。対応デバイスはスマホ各種のほか、普通の携帯電話やPSP、そしてiPod。
なお日本語版のリリースはWindowsのみサポートし、Macでは英語版が自動インストールされる。PC側でアプリを立ち上げるとiTunesからの取り込みが自動で行われる。本アプリを立ち上げたままiTunesに新しい音楽を取り込んだ場合も、リアルタイムで同期される。
PCにデバイスをつないだ際の認識は速く、転送も安定している。ただ対応フォーマットには制限があり、記者が試したMacの英語版では、AAC/mp3の音楽フォーマットのみデバイスへの転送に対応した。なおWindows環境では、なぜかAppleロスレスを含む全ての音楽フォーマットが3G2の動画形式になってデバイスへ転送されるという症状が発生し、未だに原因解明中である。
そもそも「Android版iTunesを作ろう」という発想から出発しているというこのアプリ。リリースしているdoubleTwist Corporationは、「DVDヨン」の名で知られるハッカー、ヨン・レック・ヨハンセン氏の設立した会社だ。既存のシステムに対抗する新しい商品を作るのではなく、「iTunesを、WMPが取り込めて、色んなデバイスにつなげて、YouTubeからも動画ダウンロードできるようにしちゃうと良くない?」という考え方に、どことなくハッカーっぽさを感じるが、それはユーザーニーズを真剣に考えた結果だろう。個人的には「その気持ち忘れないで」と言いたい。
ちなみに本アプリには「AirSync」という、その名の通りWi-Fi経由でのワイヤレス転送に対応するシステムも追加リリースされている。ただし国内の端末からは購入不可で、日本のAndroidマーケットにも置かれていない。その証拠に「Appbrain」のような、海外のAndroidマーケットを含むPCサイトのアプリ検索画面では存在が確認できるのだ。しかし記者のIS03では、Appbrainでインストール設定したアプリをPC側から端末へ同期するシステムが作動せず、あと一歩で購入できなかった。無念である。
それ以外ではもう端末をroot化するしかなさそうなのだが、IS03のrootが取れたという話は今のところ聞こえてこない。
「ワイヤレス転送できるiTunes」。このニーズは非常に大きいはずだ。これを日本国内で難なく実現できるのはいつになるのだろうか。そしてそれは、AppleとDouble Twist、どちらによってもたらされるのだろうか。
【ポイントその2:ホームをカスタマイズできること】
そもそもホームのデザインを変えられること自体がiPhoneと比較して自由だ。Androidケータイでは、1台の端末にホーム画面を複数設定することができる。さらに「どういうデザインに変えるか」という面でも、アプリごとに様々なアプローチが図られている。
■身内のUI使えます「ADW.Launcher」
ホーム画面に置くアプリアイコンの数や、画面下部のメインドックの変更、ステータスバーを非表示にもできるAndroidホームアプリの代表格だ。カスタマイズ性の高さでAndroidユーザーに人気を博している。
メインドック横にページめくりのドットを表示する設定にして「Nexus」風のUIにすることや、「HTC Sense」風のプレビュー画面を設定することも可能だったりする。何というか、身内同士で現在進行形の異なるデザインがシェアされるあたりも、Androidの面白いところだと思う。
他人のUIも使えます「Windows Phone Android」
「Windows Phone 7」風のホームUIを設定できるアプリ。もちろんホームデザインを表示できるだけなので、OS全体のがっつりした使い勝手はWindows Phone 7が日本に登場する日までお預けである。
Windows Phoneの場合、ホーム画面が左、アプリ一覧画面が右と二画面で設定されている。右側の画面へフリックするとアプリ一覧が表示されるので、そこからホームに表示させたいアプリアイコンを長押しして選ぶ。デザインは「これを採用したか」と衝撃を受けるタイル型UIである。
そんな感じで現在、記者のIS03にはデフォルトのホームのほかに、「Nexus風」「Windows Phone7風」の計3つのホーム画面が設定されている状態だ。そもそものUIが「iPhone風」だよなと思いながら、気分によって使い分けている。
【ポイントその3:ワンセグが見られて録画もできること】
これはiPhoneというより、元来スマホ自体に搭載されていない機能なわけだが、今後、国内ではワンセグ対応のAndroid端末が続々登場する予定になっている。これからはワンセグ搭載が標準的になり、IS03は国内スマホスタイルの先駆けになるのではないだろうか。
ちなみにIS03のワンセグは、「ガラケーでワンセグを見るのが当たり前だった人」を対象にした使い勝手になっており、従来のガラケーとほとんど同じ使用感だ。SDカードへの番組録画に対応しているし、予約録画だってできる。
操作の仕方もガラケーと大して変わらず、ワンセグ画面の下に録画ボタンやチャンネル切り替えボタンが出てくる。むしろタッチパネルだと「録画マークを直接押す」ことができるので、とっつきやすいくらいだ。電波状況もガラケー時代と変わらず、特に受信感度が良くなったとも思わないが、弱くなったとも感じない。目新しい機能なわけではなく、慣れたガラケーと同様に使えるありがたさがある。
◇ ◇ ◇
以上、Android端末でiPhoneとの違いを簡単に実感する例を挙げてみた。確かに従来の通話機能やメール機能しか使用しなければ、iPhoneとの違いはあまりない。しかし「スマートフォンを楽しもう」という意識でAndroid端末に触れると、途端に明確な違いが出てくるのだ。自分の工夫次第で、いくらでも自分のAndroidを進化させることができる。
そういえば本機の購入時点で、auデフォルトの音楽アプリ「LISMO!」のPC側統合ソフトの提供が開始されていないことが判明したときは、「PCから音楽が取り込めないぞ…」と愕然としたものだった。しかし先述のWinampやDouble Twistを使用することで、PCからの音楽転送は難なく行えた。こういう展開はガラケー時代では考えられなかったと実感する。
2011年、さらにユーザーの欲求に応えるアプリやシステムが登場し、Android端末のバリエーションもどんどん増えるだろう。恐らく記者のIS03はすぐさま旧機種になってしまう。しかし自分が好きなようにカスタマイズすればするほど使い勝手は高まり、愛着も増していく。
この先、自分のIS03がどんなふうに育っていくか楽しみである。
Androidアプリの配布は特に審査がなく玉石混淆で、「iPhoneみたいなUI」を売りにするアプリがたくさんある。そういう触れ込みに全く文句をつけないところが、Androidの良さだと思っている。しかし今後Android OSのシェアが伸び、何かしらアプリに規制をかけざるを得ない状況がやってくる可能性もある。そう考えると、Androidマーケットは今が一番面白い時期だったということになるかもしれない。
「AndroidってiPhoneと何が違うの?」という疑問をよく聞くが、端的に実感できるのはそういう「自由さ」である。自分も、IS03に超基本的なアプリをいくつかインストールしただけで簡単にその違いに触れることができた。年明けから続々発売されるAndroid端末に機種変更を考えている皆さまへ、違いがすぐにわかる3つのポイントと5つのアプリを、簡単に実感できる例として紹介したい。
繰り返すが、両者の端的な違いは「自由さ」である。その象徴としてまずiTunesを挙げたい。Androidでは、iTunesと連携して動作する楽曲管理ソフトに、様々な選択肢が用意されているのだ。
【ポイントその1:iTunesからフリーになること】
iTunesは「自分のPCの中の音楽を持ち歩く」という思想のもと、PCを中心にして複数のデバイスを紐づけた「ペアリング」の概念で存在しているシステムだ。しかし、そんな概念を打ち砕き、1つのデバイスで様々なPCのiTunesを取り込めるアプリが現れている。
■ついでにワイヤレス転送にも対応しました「Winamp for Android」
iTunesに保存された楽曲を取り込み、Androidデバイスへの転送を可能とするアプリ。iTunesが網羅する楽曲フォーマットでは、Appleロスレス以外の全てに対応している。全曲まとめての転送のほか、アルバムごと、1曲ごとの転送も可能。また、PCとデバイスを同じWi-Fi上で接続するだけでワイヤレス転送も行える。
しかし記者の環境では、有線/無線を問わずPCアプリ側でのデバイス認識が不安定で、転送がスムーズに行くときと行かないときの差が激しかった。無料アプリでここまでの機能を備えていることに感動しつつも、さらなるブラッシュアップに期待したい。ちなみに、その名の通りWindowsにしか対応していない。
■Appleが出したアプリだと思ってました「Double Twist」
「iTunesと同じUIの方が、みんな使い方わかりやすくて良いでしょ」という、アップルにとって一瞬敵だか味方だかわからないアプリ。しかもこれが結構強い。
先述のWinamp for Androidと同様、iTunesからの曲の取り込みに対応するのだが、こちらは曲だけではなく、ムービーやPodcastの取り込みも可能だ。さらにiTunesだけではなく、Windows Media Playerにも対応するのである。加えてYouTubeと連動した動画ダウンロード/アップロード、flickrへの画像アップロードもできる。対応デバイスはスマホ各種のほか、普通の携帯電話やPSP、そしてiPod。
なお日本語版のリリースはWindowsのみサポートし、Macでは英語版が自動インストールされる。PC側でアプリを立ち上げるとiTunesからの取り込みが自動で行われる。本アプリを立ち上げたままiTunesに新しい音楽を取り込んだ場合も、リアルタイムで同期される。
PCにデバイスをつないだ際の認識は速く、転送も安定している。ただ対応フォーマットには制限があり、記者が試したMacの英語版では、AAC/mp3の音楽フォーマットのみデバイスへの転送に対応した。なおWindows環境では、なぜかAppleロスレスを含む全ての音楽フォーマットが3G2の動画形式になってデバイスへ転送されるという症状が発生し、未だに原因解明中である。
そもそも「Android版iTunesを作ろう」という発想から出発しているというこのアプリ。リリースしているdoubleTwist Corporationは、「DVDヨン」の名で知られるハッカー、ヨン・レック・ヨハンセン氏の設立した会社だ。既存のシステムに対抗する新しい商品を作るのではなく、「iTunesを、WMPが取り込めて、色んなデバイスにつなげて、YouTubeからも動画ダウンロードできるようにしちゃうと良くない?」という考え方に、どことなくハッカーっぽさを感じるが、それはユーザーニーズを真剣に考えた結果だろう。個人的には「その気持ち忘れないで」と言いたい。
ちなみに本アプリには「AirSync」という、その名の通りWi-Fi経由でのワイヤレス転送に対応するシステムも追加リリースされている。ただし国内の端末からは購入不可で、日本のAndroidマーケットにも置かれていない。その証拠に「Appbrain」のような、海外のAndroidマーケットを含むPCサイトのアプリ検索画面では存在が確認できるのだ。しかし記者のIS03では、Appbrainでインストール設定したアプリをPC側から端末へ同期するシステムが作動せず、あと一歩で購入できなかった。無念である。
それ以外ではもう端末をroot化するしかなさそうなのだが、IS03のrootが取れたという話は今のところ聞こえてこない。
「ワイヤレス転送できるiTunes」。このニーズは非常に大きいはずだ。これを日本国内で難なく実現できるのはいつになるのだろうか。そしてそれは、AppleとDouble Twist、どちらによってもたらされるのだろうか。
【ポイントその2:ホームをカスタマイズできること】
そもそもホームのデザインを変えられること自体がiPhoneと比較して自由だ。Androidケータイでは、1台の端末にホーム画面を複数設定することができる。さらに「どういうデザインに変えるか」という面でも、アプリごとに様々なアプローチが図られている。
■身内のUI使えます「ADW.Launcher」
ホーム画面に置くアプリアイコンの数や、画面下部のメインドックの変更、ステータスバーを非表示にもできるAndroidホームアプリの代表格だ。カスタマイズ性の高さでAndroidユーザーに人気を博している。
メインドック横にページめくりのドットを表示する設定にして「Nexus」風のUIにすることや、「HTC Sense」風のプレビュー画面を設定することも可能だったりする。何というか、身内同士で現在進行形の異なるデザインがシェアされるあたりも、Androidの面白いところだと思う。
他人のUIも使えます「Windows Phone Android」
「Windows Phone 7」風のホームUIを設定できるアプリ。もちろんホームデザインを表示できるだけなので、OS全体のがっつりした使い勝手はWindows Phone 7が日本に登場する日までお預けである。
Windows Phoneの場合、ホーム画面が左、アプリ一覧画面が右と二画面で設定されている。右側の画面へフリックするとアプリ一覧が表示されるので、そこからホームに表示させたいアプリアイコンを長押しして選ぶ。デザインは「これを採用したか」と衝撃を受けるタイル型UIである。
そんな感じで現在、記者のIS03にはデフォルトのホームのほかに、「Nexus風」「Windows Phone7風」の計3つのホーム画面が設定されている状態だ。そもそものUIが「iPhone風」だよなと思いながら、気分によって使い分けている。
【ポイントその3:ワンセグが見られて録画もできること】
これはiPhoneというより、元来スマホ自体に搭載されていない機能なわけだが、今後、国内ではワンセグ対応のAndroid端末が続々登場する予定になっている。これからはワンセグ搭載が標準的になり、IS03は国内スマホスタイルの先駆けになるのではないだろうか。
ちなみにIS03のワンセグは、「ガラケーでワンセグを見るのが当たり前だった人」を対象にした使い勝手になっており、従来のガラケーとほとんど同じ使用感だ。SDカードへの番組録画に対応しているし、予約録画だってできる。
操作の仕方もガラケーと大して変わらず、ワンセグ画面の下に録画ボタンやチャンネル切り替えボタンが出てくる。むしろタッチパネルだと「録画マークを直接押す」ことができるので、とっつきやすいくらいだ。電波状況もガラケー時代と変わらず、特に受信感度が良くなったとも思わないが、弱くなったとも感じない。目新しい機能なわけではなく、慣れたガラケーと同様に使えるありがたさがある。
以上、Android端末でiPhoneとの違いを簡単に実感する例を挙げてみた。確かに従来の通話機能やメール機能しか使用しなければ、iPhoneとの違いはあまりない。しかし「スマートフォンを楽しもう」という意識でAndroid端末に触れると、途端に明確な違いが出てくるのだ。自分の工夫次第で、いくらでも自分のAndroidを進化させることができる。
そういえば本機の購入時点で、auデフォルトの音楽アプリ「LISMO!」のPC側統合ソフトの提供が開始されていないことが判明したときは、「PCから音楽が取り込めないぞ…」と愕然としたものだった。しかし先述のWinampやDouble Twistを使用することで、PCからの音楽転送は難なく行えた。こういう展開はガラケー時代では考えられなかったと実感する。
2011年、さらにユーザーの欲求に応えるアプリやシステムが登場し、Android端末のバリエーションもどんどん増えるだろう。恐らく記者のIS03はすぐさま旧機種になってしまう。しかし自分が好きなようにカスタマイズすればするほど使い勝手は高まり、愛着も増していく。
この先、自分のIS03がどんなふうに育っていくか楽しみである。